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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 3822-1990 

限外ろ過モジュールの比抵抗回復特性試験方法 

Testing methods for specific resistivity recovery charcteristic 

of water filtered by ultrafiltration modules 

1. 適用範囲 この規格は,純水製造用限外ろ過モジュールの比抵抗回復特性を,透過水の比抵抗を測定

することによって,試験する方法について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 7546 隔膜式圧力計 

JIS B 7551 フロート形面積流量計 

JIS K 3802 膜用語 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

規格値である。 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 3802によるほか,次のとおりとする。 

(1) 限外ろ過モジュール 限外ろ過膜を納めたモジュール。 

(2) 比抵抗値 温度25℃における値。 

(3) ダミーモジュール 比抵抗回復特性試験装置の配管の組立て,洗浄などのときに限外ろ過モジュール

の代わりに使用するハウジング。 

3. 試験の概要 限外ろ過モジュールの比抵抗回復特性試験方法は,限外ろ過モジュールに超純水を通水

して一次側及び二次側の比抵抗値がほぼ同一となるまでの時間を測定することによって,限外ろ過モジュ

ールの特性を試験する方法である。比抵抗値の測定は,比抵抗計1台で行う。供給水側及び透過水側に抵

抗計のセンサを封入し,各々の比抵抗値の読取りを,そのセンサの端子の切換えスイッチによって行う。 

4. 水 比抵抗値が温度25℃で18.0MΩ・cm以上のもの。 

5. 比抵抗回復特性試験装置 比抵抗回復特性試験装置(以下,“装置”という。)は,次のとおりとする。 

(1) 装置の構成及び部品 装置は,バルブ類,配管類,比抵抗計,流量計,記録計,圧力計などで構成し,

構成部品は,ステンレス鋼,プラステックスなどのさびを発生しにくい材料を用いる。 

また,装置は,洗浄,清掃及び滅菌が容易で,配管内に液だまりを生じない構成であること。装置

の構成例を図1に示す。 

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K 3822-1990  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 装置の構成例 

(2) 配管及びバルブ類 常用運転圧力に耐える設計仕様のもの。 

また,モジュールの透過水側からの比抵抗計までの配管距離は,なるべく短く,かつ配管は,デッ

ドスペースを少なくする。 

(3) 比抵抗計 ±0.4MΩ・cmの精度をもつもので,温度補償付きのもの。 

(4) 流量計 JIS B 7551に規定する流量計のうち最小目盛が0.1m3/hのもので,最大測定流量が測定する流

量の1.5〜2倍程度の流量計,又はそれと同等以上の性能をもつもの。 

(5) 記録計 記録計は,7.(4)の値を正確に読み取ることができるもの。 

(6) 圧力計 JIS B 7546に規定する圧力計のうち最小目盛が20kPa {0.2kgf/cm2},最大目盛が試験時におけ

る圧力の2倍程度,精度等級が1.5級以上のもので,標準圧力計で校正したもの。 

6. 装置の洗浄 装置の洗浄は,次のとおりとする。 

(1) 装置にダミーモジュールを取り付ける。 

(2) すべての配管の中を洗浄する。 

(3) ダミーモジュールを,試験をする限外ろ過モジュールに交換する。 

(4) 装置のバイパス弁を閉じて,入口弁を開け,試験をする限外ろ過モジュールに供給水を流す。透過水

は透過水排出経路から排出し,濃縮水は濃縮水排出経路から排出する。このようにして,試験をする

限外ろ過モジュール内のホルマリンなどの保存液を装置系外へ排出する(1)。 

注(1) 給水の節約を図るため,限外ろ過モジュールの透過水の比抵抗値が1MΩ・cm以上になったら,

バルブ切換えによって,透過水を水供給源へ戻して,循環運転をしてもよい。 

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K 3822-1990  

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7. 試験操作 試験操作は,次のとおりとする。 

(1) 試験条件を次のとおり調節する。 

(1.1) 平均膜差圧は,次の式によって求め,100±10kPa {1±0.1kgf/cm2} の範囲になること。 

p

o

i

mtm

P

P

P

P

+

=

2

ここに, Pmtm: 平均膜差圧 (kPa) {kgf/cm2} 
 

Pi: モジュール入口圧力 (kPa) {kgf/cm2} 

Po: モジュール出口圧力 (kPa) {kgf/cm2} 

Pp: 透過水圧力 (kPa) {kgf/cm2} 

(1.2) 回収率は,次の式によって求め,90〜95%の範囲にあること。 

100

×

=

i

p

Q

Q

R

ここに, 

R: 回収率 (%) 

Qp: 透過水の流量 (m3/h) 

Qi: モジュール入口流量 (m3/h) 

(2) 限外ろ過モジュールの透過水の比抵抗値が5MΩ・cmになったときを比抵抗回復特性試験の測定開始

時刻 (t1) とする。 

(3) 測定終了時刻 (t2) は,透過水と供給水の比抵抗値の差が0.5MΩ・cm以内になった時刻とする。 

(4) 比抵抗回復特性は,記録紙から読み取ったt1及びt2により,次の式によって求める。 

t=t2−t1 

ここに, 

t: 比抵抗回復特性 (min) 

t1: 測定開始時刻 (min) 

t2: 測定終了時刻 (min) 

図2に比抵抗回復特性試験の記録の例を示す。 

図2 比抵抗回復特性試験の記録の例 

K 3822-1990  

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8. 試験の報告事項 試験の報告事項は,次のとおりとする。 

(1) 試験を行った限外ろ過モジュール 

(a) 形状・形式 

(b) 品番 

(c) 製造業者名 

(d) 製造番号 

(2) 試験条件 

(a) 一次側試験水の比抵抗値(MΩ・cm) 

(b) 平均膜差圧 (kPa) {kgf/cm2} 

(c) 回収率 (%) 

(d) 透過水流量 (m3/h) 

(3) 結果 

(a) 比抵抗回復特性 (min) 

(4) その他 

(a) 試験日時 

(b) 試験者名 

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昭和63年度 純水製造用膜JISの原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

木 村 尚 史 

東京大学 

(分科会長) 

○ 大 矢 晴 彦 

横浜国立大学 

仲 川   勤 

明治大学 

○ 村 山 義 夫 

財団法人造水促進センター 

岩 崎 岩 次 

社団法人日本工業用水協会 

○ 小 島   襄 

通商産業省立地公害局 

○ 寺 西 大三郎 

通商産業省基礎産業局 

○ 細 川 幹 夫 

工業技術院標準部 

神 沢 千代志 

工業技術院化学技術研究所 

安 宅 光 雄 

工業技術院繊維高分子材料研究所 

○ 山 田 純 男 

工業技術院製品化学研究所 

石 井 蔵之助 

日本ミリポアリミテッド 

松 永 有志夫 

日本ポール株式会社 

成 尾 匡 一 

富士写真フイルム株式会社 

岸   敬 治 

東洋ろ紙株式会社 

○ 茶屋道   宏 

旭化成工業株式会社 

○ 中 西 祥 晃 

ダイセル化学工業株式会社 

(UF幹事) 

○ 川 崎 睦 男 

日東電気工業株式会社 

竹 内   弘 

東レ株式会社 

斎 藤 幸 嗣 

デュポン・ジャパンリミテッド 

後 藤 勝 治 

東洋紡績株式会社 

秋 本   稔 

日本電気株式会社 

○ 鈴 木 一 男 

株式会社日立製作所 

藤 江 信 夫 

富士通株式会社 

足 立 一 雄 

三共株式会社 

矢 谷 幸 三 

武田薬品工業株式会社 

○ 綱 川 延 孝 

第一製薬株式会社 

石 倉   武 

株式会社東芝 

○ 吉 原 誠 一 

三菱重工業株式会社 

○ 太 田 嘉 治 

野村マイクロ・サイエンス株式会社 

佐 藤   武 

栗田工業株式会社 

鳴 戸   智 

オルガノ株式会社 

(関係者) 

和 田 靖 也 

工業技術院標準部 

浦 野 四 郎 

工業技術院標準部 

飯 嶋 啓 子 

工業技術院標準部 

(事務局) 

柴 田   雄 

財団法人日本規格協会 

黒 木 勝 也 

財団法人日本規格協会 

備考 ○印は,限外ろ過膜分科会委員