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K 2435-1:2006 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本芳香

族工業会(JAIA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによってJIS K 2435:1992は廃止され,JIS K 2435-1,JIS K 2435-2及びJIS K 2435-3に置き換えら

れる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的内容をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。 

JIS K 2435の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 2435-1 第1部:ベンゼン 

JIS K 2435-2 第2部:トルエン 

JIS K 2435-3 第3部:キシレン 

K 2435-1:2006 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 品質 ······························································································································ 1 

5. 試験方法 ························································································································ 2 

5.1 一般事項 ······················································································································ 2 

5.2 試料の採取及び調製 ······································································································· 2 

5.3 外観 ···························································································································· 2 

5.4 色 ······························································································································· 3 

5.5 密度 ···························································································································· 3 

5.6 全硫黄分 ······················································································································ 9 

5.7 銅板腐食試験 ················································································································ 9 

5.8 中性度試験 ··················································································································· 9 

5.9 ガスクロマトグラフィーによる成分試験············································································ 10 

5.10 蒸留試験 ···················································································································· 16 

5.11 硫酸着色試験 ·············································································································· 19 

5.12 蒸発残分 ···················································································································· 20 

5.13 臭素価試験 ················································································································· 21 

5.14 臭素指数試験 ·············································································································· 21 

6. 表示 ····························································································································· 22 

附属書(規定)比重測定方法 ································································································· 25 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 2435-1:2006 

ベンゼン・トルエン・キシレン−第1部:ベンゼン 

Benzene・Toluene・Xylene − Part 1:Benzene 

序文 この規格に対応していた国際規格ISO 5271,Benzene for industrial use-Specificationは2002年8月

に廃止され,現在この規格に対応する国際規格は存在しない。 

警告 ベンゼンは,引火性の強い危険物であり,火災・爆発などの危険があるので,特に火気,静電気

などに注意するとともに,取り扱いには万全の注意が必要である。さらに,ベンゼンは,発がん

性物質であり,IARC(国際がん研究機構)の評価では,グループ1(ヒトに対して発がん性が

ある。)に分類されている健康有害性の非常に強い物質である。このため,取扱い上,蒸気の吸

入,皮膚接触などを避けるように十分な注意が必要である。また,大気,水質の汚染を防止する

ため,試料採取時の洗浄廃液,試験終了後の試料の処分などについてもできる限り回収する必要

がある。この規格は,その使用に関連して起こりうるすべての安全上の問題を取り扱おうとする

ものではない。この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置を取

らなければならない。 

1. 適用範囲 この規格は,工業用のベンゼンについて規定する。 

2. 引用規格 この規格の引用規格を付表1に示す。付表1に掲げる規格は,この規格に引用されること

によって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用す

る。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 2410による。 

4. 品質 ベンゼンは,品質によって2種類に区分し,その品質は,5.によって試験したとき,表1によ

る。 

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K 2435-1:2006 

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表 1 品質 

種類 

ベンゼン特号 

ベンゼン1号 

外観(1) 

透明で,かつ,不溶解水分,沈殿物及び浮遊物を含まないこと。 

色 

ハーゼン(白金・コバルト)標準比色液20番より暗くないこと。 

密度又は 
比重(2) 

密度(20 ℃)  g/cm3 

0.878〜0.881 

比重(15/4 ℃) 

0.883〜0.886 

全硫黄分                mg/kg 

2 以下 

銅板腐食試験 

受渡当事者間の協定による。 

中性度試験 

中性 

非芳香族炭化水素       %(質量分率) 0.15 以下 

0.35 以下 

ベンゼン               %(質量分率) 99.7 以上 

99.3 以上 

トルエン               %(質量分率) 0.15 以下 

0.35 以下 

蒸留試験     (脱水試料につき) 

当事者間の協定による。 

硫酸着色試験 (脱水試料につき) 

標準比色液1番より暗くないこと。 標準比色液2番より暗くないこと。 

蒸発残分                 mg/100 mL 

5 以下 

臭素価                      g/100 g 

当事者間の協定による。 

臭素指数                   mg/100 g 

当事者間の協定による。 

注(1) 目視による。 

(2) 密度から比重を求める方法は,附属書による。 

試験方法  

5.1 

一般事項 試験の一般事項はJIS K 0050,ガスクロマトグラフ分析に関する一般項目はJIS K 0114

によるほか,次による。 

a) 測定において液面の目盛を読む場合には,次の区分によって,表面張力によって上昇した液面の上縁

又は下縁で読む。 

1) 浮ひょうの場合 上縁(ただし,水平面示度のものについては,下縁。) 

2) メスシリンダー及びその他の場合 下縁 

b) 浮ひょう及び温度計は,あらかじめ標準浮ひょう及び標準温度計を用いて,それぞれ補正しておく。 

c) 分光光度計は,あらかじめ調整しておかなければならない。 

d) 数値は,特に定めがなければ,規格値の次のけたまで求め,JIS Z 8401によって丸める。 

e) ガラス器具 特に定めるもののほかは,JIS K 2839,JIS R 3503及びJIS R 3505による。 

5.2 

試料の採取及び調製  

5.2.1 

代表試料の採取 代表試料の採取は,JIS K 2420による。 

5.2.2 

試料の調製 試料の調製は,次による。 

a) 代表試料約1 Lをかき混ぜたものを,試料とする。 

b) 脱水試料の調製 試料約300 mLを清浄で乾燥したガラス製共栓付き三角フラスコ500 mLにとり,粒

径2.5〜3.5 mmのJIS K 8125に規定する塩化カルシウム約40 gを加え,栓をして5分間以上よく振り

動かし,20分間以上静置する。その後,上澄み液をとり,脱水試料とする。 

備考 蒸留試験及び硫酸着色試験には,脱水試料を用いる。 

5.3 

外観  

5.3.1 

要旨 ガラス製容器に十分な試料を入れ,試験温度において目視によって不溶解水分,沈殿物及び

浮遊物の有無を調べる。 

5.3.2 

器具 器具は,次による。 

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a) 容器 シリンダーなどの無色のガラス製容器で,300 mL以上のもの。 

b) 温度計 JIS B 7410に規定するSG 42又はSG 44。 

c) 恒温槽 20.0±0.5 ℃に調節できるもの。 

5.3.3 

操作 試料を容器にとり,恒温槽に入れて20.0±0.5 ℃とし,拡散昼光の下で目視によって透明で

あることを確認し,不溶解水分,沈殿物及び浮遊物の有無を調べる。 

備考 拡散昼光とは,JIS Z 8723に規定するものをいう。 

5.4 

色 色の測定はJIS K 0071-1による。 

5.5 

密度  

5.5.1 

浮ひょう法  

5.5.1.1 

要旨 浮ひょうを液体試料中に浮かべてその目盛を読みとり,試料の密度(20 ℃)を求める。 

備考1. 浮ひょうの校正は,標準温度において,校正用の液体を用いて行う。測定温度及び試料の表

面張力が校正条件と異なる場合,精度上必要なときにその補正を行う。 

2. 浮ひょうの目盛は,大気の標準状態におけるけい部の空気浮力に対して補正済みである。し

たがって,大気の状態が標準状態と大幅に異なるときは補正が必要となるが,通常は,補正

値が極めて小さいので,補正は不要である。空気浮力の補正をする場合,空気の20 ℃にお

ける密度は,0.000 120 g/cm3とする。 

3. 密度を小数点以下3けた以下の精度で求めるときは,液の表面張力及び空気の浮力による影

響は,一般的には無視して差し支えない。 

4. 浮ひょうは,計量法上の法定計量器として用いられ,構造が簡単で精密測定ができる。必要

な試料の量はおよそ250〜500 mLである。 

5.5.1.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

a) 浮ひょう JIS K 2249に規定する密度(15 ℃)で目盛られたソーダ石灰ガラス製浮ひょうでI形−A,

番号6のもので,器差(3)が既知のもの。浮ひょうの外観例を図1に示す。 

注(3) 器差とは,計量器固有の誤差をいう。器差の求め方は,校正された密度浮ひょうと比較し,次

の式によって小数点以下4けたまで求める。 

  

E=R−(Rs−e) 

ここに, 

E:器差 

R:用いる浮ひょうの示度 

Rs:校正された浮ひょうの示度 

e:校正された浮ひょうの器差 

備考1. 同等の精度のものであれば,密度(20 ℃)の浮ひょうで器差が既知のものを用いてもよい。 

2. 測定精度を小数点以下3けたまで求めるときは,器差の補正をしなくてもよい。 

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図 1 浮ひょうの外観例 

b) 温度計 JIS B 7410に規定するSG 42又はSG 44。 

c) シリンダー 流し出し口付きガラス製で,内径は浮ひょうの最大直径より25 mm以上大きく,高さは

浮ひょうをシリンダーに入れた場合,浮ひょうの下端がシリンダーの底から25 mm以上の位置にくる

もの。 

備考1. JIS K 2839の図35に規定する I 形用ガラス製シリンダーを用いてもよい。 

2. ガラス製シリンダーの代わりに,透明プラスチック製シリンダーを用いてもよいが,その場

合,プラスチックの材質は,試料及び光による劣化のないもので,かつ,試料の性状に影響

を及ぼさないものでなければならない。 

d) かき混ぜ棒 全体を均一にするため,十分にかき混ぜることができるもの。 

e) 恒温槽 15.0±2.0 ℃において,槽内の温度差を0.1 ℃以下に保持できるもの。 

5.5.1.3 

操作 操作は,次による。 

a) 気泡が入らないように試料をシリンダーにとり,これに浮ひょうを入れ,恒温槽中に保持しながらか

き混ぜ棒で試料を上下にかき混ぜて,試料を15.0±2.0 ℃以下の一定温度に調節した後,温度計を全

浸没(4)にして試料の温度を測る。 

注(4) 水銀球部の下端から水銀柱頂部(温度指示部)までの水銀部全体を試料に浸すこと。 

b) 浮ひょうを静止させ,約2目盛液中に沈めて手を離す。 

備考 手を離すときに,浮ひょうを少し回転させるとシリンダー内壁に触れずに静止させることがで

きる。 

c) 浮ひょうが静止した後,図2に示すようにメニスカスの上縁において細分目盛の51まで読みとる。た

だし,水平面示度の表記がある浮ひょうを用いる場合は,メニスカスの下縁において細分目盛の51ま

で読みとる。 

d) 測定後,直ちにa)と同様に温度を測定する。このとき,a)とd)との温度差は0.1 ℃以下とする。 

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上縁規定 

水平面規定 

(視定の表記がされていない。) 

(水平面示度と表記されている。) 

図 2 浮ひょうの目盛の読み方 

5.5.1.4 

計算 密度(15 ℃及び20 ℃)は,密度(15 ℃)を目盛った15 ℃基準の浮ひょうを用いるとき,次

によって算出し,小数点以下4けたに丸める。器差の補正は,浮ひょうの示度から器差を減じて行う。た

だし,小数点以下3けたまでの精度で測定値を求めるときは,これを省略してもよい。 

a) D20=  Dt [1-0.000 023(t-15)]+0.001 05(t-20) 

b) D15=  Dt [1-0.000 023(t-15)]+ 0.001 05 (t-15) 

ただし,必要な精度が,小数点以下3けた以下のときは,次の式を用いることができる。 

c) D20= Dt+0.001 05 (t-20) 

ここに, 

D15:密度(15 ℃)(g/cm3) 

D20:密度(20 ℃)(g/cm3) 

Dt:t ℃における密度の測定値(g/cm3) 

t:測定温度(℃) 

0.000 023:測定器の熱膨張率(℃-1) 

0.001 05:比重−温度補正係数(℃-1) 

5.5.1.5 

精度 試験結果が正しいか否かは,次の基準によって判定する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差が表2に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験したと

き,2個の試験結果の差が表2に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

表 2 精度の許容差 

単位 g/cm3 

室内併行精度 

室間再現精度 

0.000 6 

0.001 0 

5.5.2 

振動式密度計法  

5.5.2.1 

要旨 一端を固定したガラス管(以下,試料セルという。)に試料を導入し,これに初期振動を与

えたときの自由振動においては,振動周期の2乗は,試料セルの振動部分の全質量に比例する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この測定方法は,その原理を応用して試料セルの振動周期を検出し,試料の密度を求める方法である。

まず,密度既知の標準物質2種類を,それぞれ試料セルに導入して振動周期を測定し,その値及び密度か

ら試料セル定数を求めておき,次に試料の振動周期を測定し,振動同期及び試料セル定数から試料の密度

(20 ℃)を求める。 

5.5.2.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

a) 装置 振動式密度計 測定部,演算部,温度調節部,温度計及び試料導入部からなる。その構成例を

図3に示す。振動式密度計の形状及び性能は,表3による。 

図 3 振動式密度計の構成例 

表 3 振動式密度計の形状及び性能 

項目 

形状及び性能 

I 形 

高精度形 

測定部及び演算部連続測定差(5) g/cm3 

0.000 5 以下 

0.000 1 以下 

温度調節恒温性能       ℃ 

0.2     以下 

0.1    以下 

注(5) 試料セルに導入した同一試料で連続して3回測定した試料密度の最大値

と最小値との差。 

b) 測定部 容量約1 cm3の試料セル,発振器及び固有振動検出器で構成し,試料セルに初期振動を与えた

ときに生じる固有振動周期を検出するもの。 

c) 演算部 次の1)又は2)の機能をもつもの。 

1) 試料セルの固有振動周期を数値変換し,表示できるもの。 

2) 固有振動周期から,5.5.2.5 d)の式(1)及び5.5.2.7の式(2)による計算を自動演算し,試料の密度を表示

できるもの。 

d) 温度調節部 試料セルを測定温度に保持することが可能なもの。恒温性能は表3による。 

e) 温度計 試料セル温度を測定する温度計は,次の1)又は2)のいずれかを用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) ガラス製温度計 I 形振動式密度計には,最小目盛0.2 ℃,目盛誤差0.2 ℃以下のもの。 

高精度形振動式密度計には,最小目盛0.1 ℃,目盛誤差0.1 ℃以下のもの。 

2) 指示抵抗温度計 I 形振動式密度計には,分解能0.1 ℃,精度0.2 ℃以下のもの。 

高精度形振動式密度計には,分解能0.01 ℃,精度0.1 ℃以下のもの。 

f) 

試料導入部 試料を試料セルに導入するものであり,本体に内蔵のもの又は外部設置のもの。 

備考 注射器を用い,試料セルに直接試料を導入してもよい。 

5.5.2.3 

校正用物質 振動式密度計の校正には,次のものを用いる。 

a) 空気 試料セル入口に,JIS Z 0701に規定するA形1種のシリカゲル乾燥剤などの乾燥剤を入れた乾

燥管を取り付けて乾燥した空気を用い,その密度は,付表2から求めた値を次の式によって補正する。 

s

t

as

at

P

P

d

d =

ここに, 

dat:測定時の空気密度(g/cm3) 

das:標準大気圧下の乾燥空気密度(g/cm3),付表2による。 

Pt:測定時の大気圧(kPa) 

Ps:標準大気圧(101.325 kPa) 

b) 水 JIS K 0557に規定するA 4の水を煮沸し,脱気して用いる。水の密度は,付表3による。 

5.5.2.4 

測定の準備 測定の準備は,次による。 

a) 振動式密度計の準備  

1) 循環恒温水の配管(6)などが正しく行われていることを確認する。 

注(6) 測温部及び温度調節部が一体となっていない形式の振動式密度計の場合,循環恒温水の配管は

十分保温し,できるだけ短くする。 

2) 温度計を試料セル室の規定の位置に設置する。 

3) 振動式密度計などに電源を入れ,測定温度を20 ℃又は15 ℃に設定し,I 形の場合は±0.1 ℃に,高

精度形の場合は±0.05 ℃に調節する。 

b) 試料の準備 試料は均一な液状で,ゴミ,固形物,気泡などが含まれていないことを確かめる。これ

らのものが試料に含まれる場合は,必要に応じて,ろ紙によるろ過,遠心分離などによって除去する

(7)。 

注(7) 揮発性の試料は,蒸発損失がないように注意する。 

5.5.2.5 

振動式密度計の校正(試料セル定数の決定) 校正の手順は,次による。ただし,測定温度を変

更したときは,新たに校正し直す。 

a) 試料セルを洗浄し,乾燥(8)する。 

注(8) 溶剤によって洗浄後,JIS K 8102に規定するエタノール(95),JIS K 8101に規定するエタノール

(99.5),JIS K 8034に規定するアセトンなどを流し,次に空気を通して乾燥する。 

b) 試料セル内の空気の流れを止め,空気の振動周期を表示させ,表示値が安定した後,その値を読みと

る。 

c) 試料セルに水を導入(9)し,水の振動周期を表示させ,表示値が安定した後,その値を読みとる。 

注(9) 気泡が入らないように十分注意する。 

d) 試料セル定数の計算 試料セル定数は,式(1)によって算出し,小数点以下5けたに丸める。 

(

)

()2

2

at

wt

w

t

t

T

T

d

D

K

at

=

 ····································································· (1) 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, 

Kt: 測定温度における試料セル定数〔g/(cm3 s2)〕 

Dtw: 測定温度における水の密度(g/cm3) 

dat: 測定温度における空気の密度(g/cm3) 

Twt: 測定温度における水の振動周期(s) 

Tat: 測定温度における空気の振動周期(s) 

備考1. 自動校正機能をもつ振動式密度計の場合は,次のように校正する。 

1) 振動式密度計をスイッチ操作によって校正の状態にする。 

2) 空気及び水をa)〜c)によって,試料セルに導入する。 

3) スイッチを操作し,試料セル定数を演算させ振動式密度計に記憶させる。 

2. 密度標準物質として,空気及び水以外の物質を用いてもよい。その場合,それらの物質の測

定温度における振動周期及び密度を求め,それらの値を式(1)の該当する項に代入して計算す

る。 

3. 振動式密度計の校正は,測定温度を変更したときのほか,必要に応じて標準物質の密度を測

定し,測定値の誤差が表3の連続測定差(10)を超えたときは,校正し直す。 

注(10) I 形振動式密度計の場合は0.000 5 g/cm3,高精度形振動式密度計の場合は0.000 1 g/cm3である。 

5.5.2.6 

操作 操作は,次による。 

a) 5.5.2.5 a)によって,試料セルを洗浄し,乾燥する。 

b) 試料セルに試料を導入し,測定温度を確認した後,試料の振動周期を表示させ,指示値が安定した後,

その値を読みとる。 

備考 密度演算機能をもつ振動式密度計の場合は,試料の密度を読みとる。 

5.5.2.7 

計算 試料の密度(20 ℃)又は密度(15 ℃)は,式(2)によって算出し,小数点以下4けたに丸める。 

Dt = Dw + Kt (Ts2 - Twt2) ································································· (2) 

ここに, 

Dt:測定温度における試料の密度(g/cm3) 

Dw:測定温度における水の密度(g/cm3) 

Kt:測定温度における試料セル定数〔g/(cm3 s2)〕 

Ts:測定温度における試料の振動周期(s) 

Twt:測定温度における水の振動周期(校正の際求めた値)(s) 

測定温度が20 ℃の場合に密度(15 ℃)を求めるとき,又は測定温度が15 ℃の場合に密度(20 ℃)を

求めるときは,それぞれ次の式によって算出する。 

D15=D20+5×0.001 05 又は,D20=D15-5×0.001 05 

ここに, 

D15: 試料の密度(15 ℃)(g/cm3) 

D20: 試料の密度(20 ℃)(g/cm3) 

0.001 05: 比重−温度補正係数(℃-1) 

備考1. 水以外の物質を,標準物質として振動式密度計を校正した場合は,式(2)のDw及びTwtの項に

それぞれ測定温度における標準物質の密度及び振動周期を代入して計算する。 

2. 密度演算機能をもつ振動式密度計の場合は,表示された測定温度の密度(t ℃)とする。 

5.5.2.8 

精度 試験結果が正しいか否かは,次の基準によって判定する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差が表4に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験したと

き,2個の試験結果の差が表4に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

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K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

と認める。 

表 4 精度の許容差 

単位 g/cm3 

形 

室内併行精度 

室間再現精度 

Ⅰ 形 

0.000 5 

0.001 2 

高精度形 

0.000 1 

0.000 5 

5.6 

全硫黄分 全硫黄分の測定は,JIS K 2541-1,JIS K 2541-2,JIS K 2541-6及びJIS K 2541-7に規定

するいずれかの方法によって行う。 

5.7 

銅板腐食試験  

5.7.1 

要旨 試料によく磨いた銅板を浸して,60 ℃に1時間保った後,これを取り出して硫黄化合物に

よる変色の程度を調べる。 

5.7.2 

器具及び材料 器具及び材料は,次による。 

a) 試験管 内径40 mm,長さ約175 mm 

b) 銅板 JIS H 3100に規定する銅板(30×20 mm)を用い,あらかじめ,両面をよく磨いたもの。銅板は,

水で湿したコルクに金剛砂の乾燥粉(約79 μm)を付けたものを用いるか又はその他の適切な方法でよ

く磨いた後,JIS K 8034に規定するアセトンで湿したろ紙で,その表面をぬぐい取る。 

c) 球管冷却器 適宜のもの。 

d) 水浴 適宜のもの。 

5.7.3 

操作 銅板2片を用意し,その1片を清浄な試験管に入れ,コルク栓をしておく。 

次に,他の1片を別の試験管に入れ,試料50 mLを注いで銅板を十分に浸し,試験管にコルク栓で球管

冷却器を取り付ける。60±2 ℃に保持した水浴中に1時間浸した後,銅板を取り出し,これを他の1片と

比較して,その変色の程度を調べる。変色の程度は,次の5段階に区分する。 

a) 変色を認めない。 

b) わずかに変色 

c) 褐色 

d) 灰色 

e) 黒でスケールを生じない。 

5.8 

中性度試験  

5.8.1 

要旨 試料中に含まれる水溶性の酸又は塩基の有無を指示薬を用いて検出する。 

5.8.2 

試薬 試薬は,次による。 

a) フェノールフタレイン溶液(5 g/L) JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン0.5 gを,JIS K 8102

に規定するエタノール(95)100 mLに溶かしたもの。 

b) メチルオレンジ溶液(0.2 g/L) JIS K 8893に規定するメチルオレンジ0.02 gを,熱水100 mLに溶かし

たもの。 

5.8.3 

操作 試料100 mLを分液漏斗にとり,あらかじめ煮沸した水30 mLを加え,十分に振り混ぜた後,

水溶液を10 mLずつ2本の試験管にとり,次の各反応を調べる。 

a) フェノールフタレイン溶液(5 g/L)2〜3滴を滴加して赤変するときは,アルカリ性 

b) メチルオレンジ溶液(0.2 g/L)2〜3滴を滴加して赤変するときは,酸性 

c) いかなる場合にも赤変しないときは,中性 

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K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.9 

ガスクロマトグラフィーによる成分試験 ガスクロマトグラフィーを用いて,ベンゼン中に0.01 %

(質量分率)以上含まれる非芳香族炭化水素及びトルエンの分析を行う。 

5.9.1 

キャピラリーカラム法  

5.9.1.1 

要旨 キャピラリーカラムを用いるガスクロマトグラフィーによって試料を分離し,クロマトグ

ラムのピーク面積から補正面積百分率法によって各成分の量を求める。 

非芳香族炭化水素は,ノナンとして測定する。 

5.9.1.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

a) ガスクロマトグラフ  

1) 検出器 水素炎イオン化検出器 

2) 分離カラム 内径0.2〜0.6 mm,長さ25〜90 mのステンレス鋼管,硬質ガラス管又は溶融シリカ管

の内面にポリエチレングリコール−20Mなどの固定相液体をコーティングしたもの又は化学結合し

たもの。 

備考 その他の固定相液体としては,脂肪酸ポリエステルなどがある。 

3) 試料導入部 液体試料注入口及び気化器を備えたもの。 

b) 化学はかり 1 mgのけたまではかれるもの。 

c) マイクロシリンジ フルスケールが1〜10 μ Lのもの。 

d) データ処理装置 

5.9.1.3 

試薬及びキャリヤーガス 試薬及びキャリヤーガスは,次による。 

a) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

1) ベンゼン JIS K 8858に規定するもの。 

2) トルエン JIS K 8680に規定するもの。 

3) (1-メチルエチル)ベンゼン(クメン) 純度99 %(質量分率)以上のもの。 

4) ノナン 純度99 %(質量分率)以上のもの。 

b) キャリヤーガス ヘリウム純度99.99 %(体積分率)以上のもの又はJIS K 1107に規定する窒素の2

級。 

5.9.1.4 

装置の準備 装置の準備は,次による。 

a) 分離カラムの前処理 使用温度で数時間キャリヤーガスを通じ,十分に揮発性物質を除去する。 

この場合,溶出ガスは,検出器を汚染するおそれがあるので,検出器を通さない。 

b) 装置の調整 全装置を作動状態に調整し,それぞれ0.01 %(質量分率)のノナン及び(1-メチルエチ

ル)ベンゼンを含む試料0.1〜2 μ Lを注入したときのクロマトグラムにおいて,各ピークの高さは,

ノイズレベルの2倍以上であることを確認する。 

5.9.1.5 

検量 検量は,次による。 

a) 検量用標準試料の調製 5.9.1.3 a)の試薬を化学はかりを用いてはかりとり,被検成分に近い段階的な

3種類の濃度の検量用標準試料を調製する。 

非芳香族炭化水素成分としては,ノナンを混合する。 

b) 相対感度の求め方 a)で調製した検量用標準試料を注入し,クロマトグラムを記録して,データ処理

装置によってピーク面積を測定する。 

各成分の相対感度は次の式によって算出し,3試料の平均値を小数点以下3けたに丸める。 

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11 

K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

i

i

s

s

i

W

A

A

W

f

×

=

ここに, 

fi:i成分の相対感度 

As:基準成分のピーク面積(cm2) 

Ws:基準成分の混合質量(g) 

Wi:i成分の混合質量(g) 

Ai:i成分のピーク面積(cm2) 

c) 保持時間の測定(11) 検量用標準試料のそれぞれについて注入し,クロマトグラムを記録し,試料注入

時のスタートマークから各成分のピーク頂点までの保持時間を時間軸目盛によって0.1分まで読みと

る。 

各成分の相対保持時間は,次の式によって算出し,3試料の平均値を小数点以下2けたに丸める。 

s

i

i

T

T

R=

ここに, 

Ri:i成分の相対保持時間 

Ti:i成分の保持時間(min) 

Ts:基準成分の保持時間(min) 

注(11) この操作は,カラム,温度及びキャリヤーガスを変えない限り,一度測定しておけばよい。 

5.9.1.6 

操作 全測定操作は,検量時と厳密に同一条件の下で行う。 

操作条件は,使用機種及びカラムの長さによって異なるので,各機種について最適条件を求める。キャ

ピラリーカラム法による操作条件及び相対保持時間の例を表5に,クロマトグラムの例を図4に示す。 

表 5 キャピラリーカラム法による操作条件及び相対保持時間の例 

操作条件 

固定相液体 

ポリエチレングリコール−20 M 

固定相膜厚 μm 

0.25 

カラム用管内径及び長さ mm×m 

0.25×60 

カラム槽温度 ℃ 

80 

試料導入部温度 ℃ 

200 

キャリヤーガス 

ヘリウム 

キャリヤーガス流量 mL/min 

検出器 

水素炎イオン化検出器 

水素流量 mL/min 

45 

空気流量 mL/min 

550 

試料導入量 μL 

スプリット比 

100:1 

最小面積 μVs 

10 

全面積 μVs 

1 000 000 

記録紙送り速度 mm/min 

相対保持時間 

ノナン 

0.92 

ベンゼン 

1.00 

トルエン 

1.22 

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12 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 4 キャピラリーカラム法によるクロマトグラムの例 

5.9.1.7 

計算 データ処理装置を用いる方法によってピーク面積を測定し,次の式によって各成分の含量

を算出し,小数点以下2けたに丸める。 

100

1

×

=∑

=

n

i

i

i

i

i

i

f

A

f

A

C

ここに, 

Ci:i成分の含有量〔%(質量分率)〕 

Ai:i成分のピーク面積(cm2) 

fi:i成分の相対感度 

n:全ピーク数 

5.9.1.8 

精度 試験結果が正しいか否かは,次の基準によって判定する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差が表6に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験したと

き,2個の試験結果の差が表6に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

表 6 精度の許容差 

対象 

成分 

濃度範囲 

許容差(相対%) 

[%(質量分率)] 

室内併行精度 

室間再現精度 

ベンゼン 

非芳香族炭化水素 

0.01〜2.5 

20 

40 

トルエン 

0.01〜0.3 

15 

30 

備考 許容差の相対%は,平均値に対する差の割合,% 

13 

K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.9.2 

充てんカラム法  

5.9.2.1 

要旨 充てんカラムを用いたガスクロマトグラフによって成分を分離し,クロマトグラムのピー

ク面積から補正面積百分率によって各成分の含量を求める。 

非芳香族炭化水素は,ノナンとして測定する。 

また,この方法では,二硫化炭素は,非芳香族炭化水素として測定される。 

5.9.2.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

a) ガスクロマトグラフ  

1) 検出器 水素炎イオン化検出器。ただし,分析の目的を十分に満足するものであれば熱伝導度検出

器でもよい。 

0.01 %(質量分率)のノナンを含む試料0.5〜3 μLを注入したとき,ノナンのピークがベンゼン

のピークの前に十分に分離して溶出し,ピークの高さはノイズレベルの2倍以上でなければならな

い。 

2) カラム用管 内径3 mm,長さ3〜6 mのステンレス鋼管,銅管又はほうけい酸ガラス管。 

3) カラム 5.9.2.3 a)に規定する担体と5.9.2.3 b)に規定する充てん剤用試薬とを,JIS K 0114に規定す

る担持率が5〜30 %となるように担持して充てん剤とし,これを5.9.2.2 2)に規定するカラム用管に

充てんしたもの。 

備考 カラムは,充てん剤を詰めた市販品を使用する。自ら充てんカラムを作成して,分析に使用す

る場合には,JIS K 0114の7.2 e)による。 

4) 試料導入部 液体試料注入口及び気化器を備えたもの。 

b) 化学はかり 1 mgのけたまではかれるもの。 

c) マイクロシリンジ 1〜10 μL 

d) データ処理装置 

5.9.2.3 

担体,試薬及びキャリヤーガス 担体,試薬及びキャリヤーガスは,次による。 

a) 担体 177〜250 μmのけい藻土系担体又はこれと同等のもの。 

b) 充てん剤用試薬  

ジエチレングリコールサクシネートポリエステル(DEGS) 

参考 その他の固定相液体には,ポリエチレングリコール−6 000,ポリエチレングリコール−20 M,

[1,2,3-トリス(2-シアノエトキシ)プロパン]などがある。 

c) 検量用試薬 5. 9.1.3 a)による。 

d) キャリヤーガス 純度99.99 %(体積分率)以上のヘリウム,窒素又は水素。 

5.9.2.4 

装置の準備 装置の準備は,次による。 

a) 分離カラムの前処理 使用温度で数時間キャリヤーガスを通じ,十分に揮発性物質を除去する。この

場合,溶出ガスは,検出器を汚染するおそれがあるので,検出器を通さない。 

b) 装置の調整 全装置を作動状態として調整し,それぞれ0.01 %(質量分率)のノナン及びイソプロピ

ルベンゼンを含む試料0.1〜2 μLを注入したときのクロマトグラムにおいて,各ピークの高さは,ノ

イズレベルの2倍以上であることを確認する。 

5.9.2.5 

検量 検量は,次による。 

a) 検量用標準試料の調製 5.9.2.3 c)の試薬を化学はかりを用いてはかりとり,被検成分に近い段階的な

3種類の濃度の検量用標準試料を調製する。 

ただし,非芳香族炭化水素分としては,ノナンを混合する。 

b) 相対感度の求め方 a)で調製した検量用標準試料を注入し,クロマトグラムを記録してピーク面積を

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14 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

測定する。ピーク面積の測定は,半値幅法又はデータ処理装置を用いる方法による。 

各成分の相対感度を,次の式によって算出し,小数点以下3けたに丸める。 

i

i

s

s

i

W

A

A

W

f

×

=

ここに, 

fi:i成分の相対感度 

As:基準成分のピーク面積(cm2) 

Ws:基準成分の混合質量(g) 

Wi:i成分の混合質量(g) 

Ai:i成分のピーク面積(cm2) 

c) 保持時間の測定(12) 検量用標準試料の個々について注入し,クロマトグラムを記録し,試料注入時の

スタートマークから各成分のピークの頂点までの保持時間を時間軸目盛によって0.1分まで読み取る。 

各成分の相対保持時間は,次の式によって算出し,小数点以下2けたに丸める。 

s

i

i

T

T

R=

ここに, 

Ri:i成分の相対保持時間 

Ti:i成分の保持時間(分) 

Ts:基準成分の保持時間(分) 

注(12) この操作は,カラム,温度及びキャリヤーガスを変えない限り,一度測定しておけばよい。 

5.9.2.6 

操作 全測定操作は,検量時と厳密に同一条件の下で行う。 

操作条件は,使用機器及びカラムの長さによって異なるので,各機器について最適条件を求める。充て

んカラム法による操作条件及び相対保持時間の例を表7に,クロマトグラムの例を図5に示す。 

表 7 充てんカラム法による操作条件及び相対保持時間の例 

操作条件 

固定相液体 

ジエチレングリコールサクシネートポリエステル 

固定相液保持量 %(質量分率) 

25 

担体 μm 

けい藻土 177〜250 

カラム用管内径及び長さ mm×m 

3×3 

カラム槽温度 ℃ 

100 

気化室温度 ℃ 

200 

検出器槽温度 ℃ 

150 

キャリヤーガス 

窒素 

キャリヤーガス流量 mL/min 

30 

検出器 

水素炎イオン化検出器 

水素流量 mL/min 

20 

空気流量 mL/min 

600 

試料導入量 μL 

0.5 

記録紙送り速度 mm/min 

10 

相対保持時間 

ノナン 

0.39 

ベンゼン 

1.00 

トルエン 

1.54 

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15 

K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

図 5 充てんカラム法によるクロマトグラムの例 

5.9.2.7 

計算 半値幅法又はデータ処理装置を用いる方法によってピーク面積を測定し,その値から次の

式によって各成分の含量を算出し,小数点以下2けたに丸める。 

100

1

×

=∑

=

n

i

i

i

i

i

i

f

A

f

A

C

ここに, 

Ci:i成分の含量%(質量分率) 

Ai:i成分のピーク面積(cm2) 

fi:i成分の相対感度 

n:全ピーク数 

5.9.2.8 

精度 試験結果が正しいか否かは,次の基準によって判定する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差が表8に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験したと

き,2個の試験結果の差が表8に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

表 8 精度の許容差 

対象 

成分 

濃度範囲 

[%(質量分率)] 

許容差(相対%) 

室内併行精度 

室間再現精度 

ベンゼン 

非芳香族炭化水素 

0.01〜2.5 

20 

40 

トルエン 

0.01〜0.3 

20 

40 

備考 許容差の相対%は,平均値に対する差の割合,%。 

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16 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.10 蒸留試験  

5.10.1 要旨 脱水した試料100 mLを蒸留し,初留点及び留出量に対応する温度及び乾点を測定する。 

5.10.2 器具 器具は,次による。ただし,蒸留フラスコ,温度計及び受器以外のものについては,JIS K 2254

に規定する器具を使用してもよい。 

備考 自動試験器を用いてもよい。自動試験器によって得られた結果に疑義が生じた場合は,この試

験方法によって判断する。 

a) 蒸溜フラスコ ほうけい酸ガラス製で図6に示す I 形100 mLのもの。 

b) 温度計 表9に示す浸没線付ガラス製水銀棒状温度計。 

c) 冷却器 図7に示すもの。 

d) 受器 ほうけい酸ガラス製で図8に示すメスシリンダー。 

e) 架台 図7のように,ところどころに通風孔のある金属製円筒上に,中央に直径約30 mmの孔をあけ

た約150 mm平方,厚さ約6 mmの耐熱板を置いたもの。 

参考 粗ベンゼンの場合の耐熱板の孔は,直径約40 mmのもの。 

f) 

アダプター 図8に示すもの。 

g) 風よけ 適宜のもの。 

表 9 水銀棒状温度計 

液体 

水銀 

液上に満たす気体 

窒素 

温度範囲 ℃ 

    75  〜 85 

最小目盛 ℃ 

     0.1 

全長 mm 

   210  〜 230 

幹の直径 mm    

     6  〜 7 

大水銀球の直径  mm   

     5  〜 6 

大水銀球の長さ mm 

    10  〜 15 

大水銀球の下端から最低刻度線までの距離 mm 

   115  〜 120 

温度計の上端から最高刻度線までの距離 mm 

    20  〜 45 

大水銀球の下端から浸線までの距離 mm 

   110 

大水銀球の上端から小水銀球の上端までの距離 mm 

  約20 

許容差 ℃ 

     0.1 

        参考 最小目盛1℃でよいときは,表10に示す水銀棒状温度計を 

            用いてもよい。 

表 10 水銀棒状温度計 

温度範囲 ℃ 

0 〜 250 

最小目盛 ℃ 

       1 

全長 mm 

     320 ± 10 

幹の直径 mm   

       6 ± 1 

水銀球の下端から0℃目盛までの距離 mm 

      50 ± 5 

水銀球の長さ mm 

      13 ± 2 

水銀球の直径 mm  

       5.0± 0.5 

 
 
 

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17 

K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm  

図 6 蒸留フラスコⅠ形(100 mL) 

単位 mm 

図 7 蒸留装置(一例) 

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18 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm  

図 8 メスシリンダー及びアダプター 

5.10.3 操作 操作は,次による。 

a) 脱水した試料100 mLを,清浄,乾燥したメスシリンダーを用いて室温においてはかりとり,蒸留フ

ラスコに入れ,コルク栓に取り付けた温度計を蒸留フラスコに差し込む。 

次に,これを架台にのせ,冷却器及びアダプターを連結し,先に試料をはかりとったメスシリンダ

ーを洗浄,乾燥することなく受器とし,全装置を図7のように組み立てる。温度計は,小水銀球の上

端が蒸留フラスコ枝管の上部付根に位置するように取り付ける。 

備考 粗ベンゼンの場合は,水銀球の上端が蒸留フラスコ枝管の上部付根に位置するように取り付け

る。 

b) 冷却器に冷却水を通じ,加熱を始めてから5〜10分間で留出を始め,毎分4〜5 mLの割合で留出する

ように加熱を調節し,留出物を受器に受けながら,留出量と温度計の示度を読み取る。フラスコ内の

残油が約5 mLになった後,乾点に達するまでの時間が3〜5分間となるよう,必要に応じて加熱調節

を行う。 

c) 次のシドニー・ヤング(Sydney Young)の式によって算出した気圧による温度補正値⊿tを,読み取った

温度計の示度に加えて蒸留温度とする。この場合,最初の1滴が冷却器からアダプターに落下すると

きの温度計の示度(13)を初留点とし,蒸留が終わりに近づいて,フラスコ内の最低部が乾いたとき(14)

の温度計の示度を乾点とする。 

⊿t=0.000 90(101.32-p)(273+t) 

ここに, 

⊿t: 温度補正値(℃) 

p: 気圧(kPa) 

t: 測定温度(器差補正済み)(℃) 

注(13) JIS K 2254に規定の器具を使用する場合は,凝縮管から受器に落下するときの温度計の示度。 

(14) フラスコ壁及び温度計は,ぬれていてもよい。 

備考 粗ベンゼンの場合は,温度補正を行わなくてもよい。 

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19 

K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.10.4 精度 試験結果[留出温度(初留点及び乾点を除く。)]が正しいか否かは,次の基準によって判定す

る。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差が表11に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験したと

き,2個の試験結果の差が表11に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しいもの

と認める。 

表 11 精度の許容差 

単位 ℃ 

室内併行精度 

室間再現精度 

許容差 

0.1 

0.2 

5.11 硫酸着色試験  

5.11.1 要旨 試料に,試料と等しい体積の硫酸を加え,よく振り混ぜた後,オレフィンなどの不純物によ

る硫酸層の色を,目視よって比色標準液と比色する。 

5.11.2 器具 器具は,次による。 

a) 共栓付きメスシリンダー 容量50 mLで0.5 mLごとに目盛を刻み,かつ,10 mLごとに目盛を示す数

字を記入したもの。形状及び寸法を図9に示す。 

単位 mm 

図 9 共栓付きメスシリンダー 

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20 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.11.3 比色標準液 次のとおりA,B,C,D,E及びFの各溶液を調製した後,表12によって比色標準

液を調製する。 

なお,この比色標準液は,密栓容器に保存する。 

a) A溶液は,E溶液,F溶液及びJIS K 0050に規定する水を体積比で3.5:36.5:90の割合で混合して調

製する。 

b) B溶液は,E溶液及びF溶液を体積比で3.5:36.5の割合で混合して調製する。 

c) C溶液は,JIS K 8312に規定するクロム酸カリウムの21 ℃飽和水溶液とする。 

d) D溶液は,JIS K 8517に規定する二クロム酸カリウムの21 ℃飽和水溶液を等量の水で薄めて調製す

る。 

e) E溶液は,JIS K 8129に規定する塩化コバルト(Ⅱ)六水和物59.5 gをJIS K 8180に規定する塩酸22 mL

に溶解し,水で1 000 mLに薄めて調製する。 

f) 

F溶液は,JIS K 8142に規定する塩化鉄(Ⅲ)六水和物45.0 gをJIS K 8180に規定する塩酸22 mLに

溶解し,水で1 000 mLに薄めて調製する。 

表 12 比色標準液の調製表 

比色標準液 

(番号) 

混合割合(体積) 

A溶液 

B溶液 

C溶液 

D溶液 

水 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

5.5 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

5.5 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

― 

0.5 

― 

10 

― 

― 

6.5 

― 

11 

― 

― 

5.5 

― 

12 

― 

― 

― 

13 

― 

― 

― 

14 

― 

― 

― 

― 

5.11.4 操作 操作は,次による。 

a) 脱水した試料10 mLを,清浄,乾燥した共栓付きメスシリンダーにとり,これにJIS K 8951に規定す

る硫酸10 mLを加え,密栓して2分間強く振り動かした後,約30分間静置する。 

b) 規定の比色標準液10 mLを別の共栓付きメスシリンダーにとり,白の背景にa)の共栓付きメスシリン

ダーと並べて置き,硫酸層の色と比色標準液の色とを,拡散昼光の下で側面から目視によって比色す

る。 

5.12 蒸発残分  

5.12.1 要旨 試料を蒸留してその75 %(体積分率)を留出させ,残油を蒸発皿に移し,水浴上で残油を

揮散させた後,残分を更に乾燥し,その質量をはかって蒸発残分を求める。 

5.12.2 器具 器具は,次による。 

a) エングラーフラスコ 125 mL 

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K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 蒸発皿 ガラス製丸底蒸発皿又は平底蒸発皿 60 mm×30 mm 

c) 乾燥器 適宜のもの。 

d) 水浴 適宜のもの。 

e) 化学はかり 1 mgのけたまではかれるもの。 

5.12.3 操作 操作は,次による。 

試料100 mLをエングラーフラスコを用い,5.10.3によって蒸留し,75 mLを留出させ,残油を質量既知

の蒸発皿に静かに移し入れ,更にエングラーフラスコをその蒸発皿の上に,15秒間逆立てた後,沸騰水浴

上で蒸発皿を加熱する。 

内容物の大部分が蒸発した後,蒸発皿を100〜105 ℃に保った乾燥器に入れ,恒量(15)になるまで加熱し,

デシケーター中で放冷し,質量を1 mgのけたまではかり,蒸発皿の質量を差し引いた値を蒸発残分(mg/100 

mL)とする。 

注(15) この操作を2回繰り返して得られた質量に差がないとき,恒量になったとする。 

5.13 臭素価試験 ベンゼンの臭素価の測定は,JIS K 2605によって行う。 

5.14 臭素指数試験  

5.14.1 要旨 臭素指数試験方法はJIS K 2605の附属書に規定されており,予想臭素指数が100〜1 000 

mg/100 gの試料を測定対象としている。しかし,通常のベンゼンの臭素指数は100 mg/100 g以下であり,

JIS K 2605の附属書に規定されている試料採取量及び0.025 mol/L臭化カリウム−臭素酸カリウム標準溶

液(以下,臭素溶液という)では,精度の良い測定はできない。また,測定の許容差も臭素指数が100〜1 

000 mg/100 gの試料を測定する場合と100 mg/100 g以下の試料を測定する場合とでは異なってくる。そこ

で,ベンゼンの臭素指数試験方法について規定する。 

5.14.2 適用範囲 この試験方法は,臭素指数が100 mg/100 g以下のベンゼンに適用する。 

5.14.3 操作 ベンゼンの臭素指数の測定操作は,JIS K 2605の附属書による。ただし,a)試料採取量,b)

臭素溶液及びc)精度による。 

a) 試料採取量 滴定溶剤100 mLを入れた滴定用ビーカーに,表13に従って試料を1 mgのけたまでは

かり取り,溶解させる(16)。 

注(16) 試料を溶剤に完全に溶解させる。溶解しないで溶液が不透明になったり,2層に分離する場合に

は,新たな溶剤に少量の試料を採取し直して溶解させた後,試験に供する。 

表 13 試料採取量 

推定臭素指数 

mg/100 g 

試料採取量 

0〜10 

25〜30 

10〜50 

15〜25 

50〜100 

10〜15 

100〜200 

1〜10 

b) 0.01 mol/L臭素溶液 JIS K 8506に規定する臭化カリウム2.04 g及びJIS K 8530に規定する臭素酸カ

リウム0.556 gをJIS K 0050に規定する水に溶かし,全量を1 Lとする。この溶液の濃度の標定は,JIS 

K 2605による。 

c) 精度 精度は,次による。 

1) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試

験したとき,試験結果の差が表14に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しい

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22 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ものと認める。 

2) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験した

とき,2個の試験結果の差が表14に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正しい

ものと認める。 

表 14 精度の許容差 

単位 mg/100g 

室内併行精度(Rw) 

0.04×BI + 1.0 

室間再現精度(R ) 

0.19×BI + 0.8 

備考 BIは,臭素指数を示す。 

6. 表示 ベンゼンの容器には,次の事項を表示しなければならない。ただし,大形容器(タンクローリ

ー,貸庫など)の場合には,送り状に表示してもよい。 

a) 種類  

例 ベンゼン特号 

b) 正味質量又は正味容量  

c) 製造業者名又はその略号  

d) 製造年月又はその略号  

e) 製造番号又はロット番号  

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K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表 1 引用規格 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0071-1 化学製品の色試験方法―第1部:ハーゼン単位色数(白金−コバルトスケール) 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 1107 窒素 

JIS K 2249 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表 

JIS K 2254 石油製品−蒸留試験方法 

JIS K 2410 芳香族製品及びタール製品用語 

JIS K 2420 芳香族製品及びタール製品試料採取方法 

JIS K 2541-1 原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第1部:酸水素炎燃焼式ジメチルスルホナゾⅢ

滴定法 

JIS K 2541-2 原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第2部:微量電量滴定式酸化法 

JIS K 2541-6 原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第6部:紫外蛍光法 

JIS K 2541-7 原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第7部:波長分散蛍光X線法(検量線法) 

JIS K 2605 石油製品−臭素価試験方法−電気滴定法 

JIS K 2839 石油類試験用ガラス器具 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8125 塩化カルシウム(水分測定用)(試薬) 

JIS K 8129 塩化コバルト(II)六水和物(試薬) 

JIS K 8142 塩化鉄(Ⅲ)六水和物(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8312 クロム酸カリウム(試薬) 

JIS K 8506 臭化カリウム(試薬) 

JIS K 8517 二クロム酸カリウム(試薬) 

JIS K 8530 臭素酸カリウム(試薬) 

JIS K 8680 トルエン(試薬) 

JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬) 

JIS K 8858 ベンゼン(試薬) 

JIS K 8893 メチルオレンジ(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8723 表面色の視感比較方法 

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24 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表 2 乾燥空気の密度 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

0.001 29 

18 

0.001 21 

0.001 29 

19 

0.001 21 

0.001 28 

20 

0.001 20 

0.001 28 

20 

0.001 20 

0.001 27 

22 

0.001 20 

0.001 27 

23 

0.001 19 

0.001 26 

24 

0.001 19 

0.001 26 

25 

0.001 18 

0.001 26 

26 

0.001 18 

0.001 25 

27 

0.001 18 

10 

0.001 25 

28 

0.001 17 

11 

0.001 24 

29 

0.001 17 

12 

0.001 24 

30 

0.001 16 

13 

0.001 23 

30 

0.001 16 

14 

0.001 23 

32 

0.001 16 

15 

0.001 23 

33 

0.001 15 

16 

0.001 22 

34 

0.001 15 

17 

0.001 22 

35 

0.001 15 

付表 3 水の密度 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

0.999 84 

10 

0.999 70 

18 

0.998 60 

0.999 90 

11 

0.999 61 

19 

0.998 41 

0.999 94 

12 

0.999 50 

20 

0.998 20 

0.999 96 

13 

0.999 38 

20 

0.997 99 

0.999 97 

14 

0.999 24 

22 

0.997 77 

0.999 96 

15 

0.999 10 

23 

0.997 54 

0.999 94 

15.5 

0.999 02 

24 

0.997 30 

0.999 90 

15.56 

0.999 01 

25 

0.997 04 

0.999 85 

16 

0.998 94 

0.999 78 

17 

0.998 77 

備考 このデータは,JIS K 2249による。 

25 

K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定) 比重測定方法 

1. 適用範囲 この附属書は,工業用ベンゼン類の比重測定方法について規定する。 

2. 浮ひょう法  

2.1 

要旨 浮ひょうを液体試料中に浮かべてその目盛を読みとり,試料の比重(15/4 ℃)を求める。 

備考1. 浮ひょうの校正は,標準温度において,校正用の液体を用いて行う。測定温度及び試料の表

面張力が校正条件と異なる場合は,精度上必要なときにその補正を行う。 

2. 浮ひょうの目盛は,大気の標準状態におけるけい部の空気浮力に対して補正済みである。し

たがって,大気の状態が標準状態と大幅に異なるときは補正が必要となるが,通常は,補正

値が極めて小さいので,補正は不要である。空気の20 ℃における密度は,0.000 120 g/cm3

とする。 

3. 比重を小数点以下3けた以下の精度で求めるときは,液の表面張力及び空気の浮力による影

響は,一般的には無視して差し支えない。 

4. 浮ひょうは,計量法上の法定計量器として用いられ,構造が簡単で精密測定ができる。必要

な試料の量はおよそ250〜500 mLである。 

2.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

a) 浮ひょう 附属書表1に規定する比重(15/4 ℃)で目盛られたソーダ石灰ガラス製浮ひょうで,器差(1)

が既知のもの。浮ひょうの外観例を附属書図1に示す。 

注(1) 器差とは,計量器固有の誤差をいう。器差の求め方は,校正された比重浮ひょうと比較し,次

の式によって小数点以下4けたまで求める。 

  

E=R−(Rs−e) 

ここに, 

E:器差 

R:用いる浮ひょうの示度 

Rs:校正された浮ひょうの示度 

e:校正された浮ひょうの器差 

備考1. 同等の精度のものであれば,密度(20 ℃)の浮ひょうで器差が既知のものを用いてもよい。 

2. 測定精度を小数点以下3けたまで求めるときは,器差の補正をしなくてもよい。 

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26 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書表 1 比重浮ひょう[比重(15/4 ℃) 用] 

基準温度 ℃ 

15 

全長 mm 

300〜335 

けい部の直径 mm 

約5 

胴部の直径 mm 

18〜25 

細分目盛 

0.000 5 

長目盛線 

0.001 ごと 

目盛数字 

0.01ごと 

目盛部の長さ(2) mm 

125〜145 

有効目盛範囲 

0.850 0〜0.900 0 

 注(2) 目盛部とは,有効目盛範囲をいう。 

附属書図 1 浮ひょうの外観例 

b) 温度計 本体5.5.1.2 b)による。 

c) シリンダー 本体5.5.1.2 c)による。 

d) かき混ぜ棒 本体5.5.1.2 d)による。 

e) 恒温槽 本体5.5.1.2 e)による。 

2.3 

操作 操作は,本体5.5.1.3による。 

2.4 

計算 比重(15/4 ℃)は,次のa)又はb)によって算出し,小数点以下4けたに丸める。器差の補正は,

浮ひょうの示度から器差を減じて行う。ただし,小数点以下3けたまでの精度で測定値を求めるときは,

これを省略してもよい。 

a) 比重(15/4 ℃)を目盛った15 ℃基準の浮ひょうを用いるとき 

1) d(15/4) = dt[1-0.000 025(t-15)]+k(t-15) 

2) d(20/4) = dt[1-0.000 025(t-15)]+k(t-20) 

ただし,必要な精度が,小数点以下3けた以下のときは,次の式を用いることができる。 

3) d(15/4) = dt+k(t-15) 

b) 密度(15 ℃)を目盛った15 ℃基準の浮ひょうを用いるとき 

1) d(15/4) = D15/0.999 97   

ただし,必要な精度が,小数点以下3けた以下のときは,次の式を用いることができる。 

2) d(15/4) = Dt+k(t-15) 

ここに, 

d(15/4):比重(15/4 ℃) 

d(20/4):比重(20/4 ℃) 

dt:t ℃における比重の測定値 

D15:密度(15 ℃)(g/cm3) 

Dt:t ℃における密度の測定値(g/cm3) 

t:測定温度(℃) 

0.000 025:測定器の熱膨張率(℃-1) 

0.999 97:4 ℃における水の密度(g/cm3) 

 k:比重−温度補正係数(℃-1),附属書表2による。 

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27 

K 2435-1:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書表 2 kの値 

単位 ℃-1 

品名 

  ベンゼン 

0.001 05 

  トルエン 

0.000 92 

  キシレン 

0.000 85 

  粗ベンゼン(3) 

0.001 00 

注(3) 粗ベンゼンについても附属書表2の補正係数を

用いて求めることができる。 

2.5 

精度 試験結果が正しいか否かは,次の基準によって判定する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差が附属書表3に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正し

いものと認める。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験したと

き,2個の試験結果の差が附属書表3に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正し

いものと認める。 

附属書表 3 精度の許容差  

単位 g/cm3 

室内併行精度 

室間再現精度 

0.000 6 

0.001 0 

3. 振動式密度計法  

3.1 

要旨 一端を固定したガラス管(以下,試料セルという。)に試料を導入し,これに初期振動を与えた

ときの自由振動においては,振動周期の2乗は,試料セルの振動部分の全質量に比例する。 

この測定方法は,その原理を応用して試料セルの振動周期を検出し,試料の密度を求め,求められた密

度から計算によって比重(15/4 ℃)を求める方法である。まず,密度既知の標準物質2種類を,それぞれ試料

セルに導入して振動周期を測定し,その値及び密度から試料セル定数を求めておき,次に試料の振動周期

を測定して,振動同期及び試料セル定数から試料の密度(20 ℃)を求め,計算によって比重(15/4 ℃)を求め

る。 

3.2 

装置及び器具 装置及び器具は,本体5.5.2.2による。 

3.3 

校正用物質 振動式密度計の校正に用いる物質は,本体5.5.2.3による。 

3.4 

測定の準備 測定の準備は,本体5.5.2.4による。 

3.5 

振動式密度計の校正(試料セル定数の決定) 校正の手順は,本体5.5.2.5による。 

3.6 

操作 操作は,本体5.5.2.6による。 

3.7 

計算 試料の比重(15/4 ℃)は,次の式によって算出し,小数点以下4けたに丸める。 

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28 

K 2435-1:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

比重(20/4 ℃) =D20/0.999 97 

比重(15/4 ℃)=比重(20/4 ℃)+5k 

ここに, 

D20:20 ℃における試料の密度の測定値(g/cm3) 

0.999 97:4 ℃における水の密度(g/cm3) 

k:比重−温度補正係数(℃-1),附属書表2による。 

3.8 

精度 試験結果が正しいか否かは,次の基準によって判定する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差が附属書表4に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正し

いものと認める。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験したと

き,2個の試験結果の差が附属書表4に示す許容差を超えない場合は,その試験結果はいずれも正し

いものと認める。 

附属書表 4 精度の許容差  

形 

室内併行精度 

室間再現精度 

Ⅰ 形 

0.000 5 

0.001 2 

高精度形 

0.000 1 

0.000 5