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K 0214:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 用語及び定義 ··················································································································· 1 

K 0214:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本

分析化学会(JSAC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS K 0214:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 0214:2013 

分析化学用語(クロマトグラフィー部門) 

Technical terms for analytical chemistry (Chromatography part) 

序文 

この規格は,1964年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2006年に

行われたが,その後の分析機器の感度向上とともに分析時間の短縮,操作性向上,アプリケーションの拡

大などによって,新規分析用語も出現している。技術的な開発分野の明確化に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,分析化学におけるクロマトグラフィー部門で用いる主な用語及びその定義について規定す

る。 

注記 クロマトグラフィーには,手法で分類したガスクロマトグラフィー,液体クロマトグラフィー,

及び超臨界流体クロマトグラフィー,並びに分離部で分類した充塡カラムクロマトグラフィー,

中空カラムクロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィーなどがある。 

用語及び定義 

用語及び定義は,次による。 

a) 二つ以上の用語又は定義を並べた場合には,その欄の順位に従って優先的に用いる。 

b) 二つ以上の用語の略語を繋げる場合には,次のように用いる。 

A及びBの手法を結合した分析方法の場合:AB分析方法→A/B  例)GC/MS,LC/MS/MS 

A及びBの機器を結合した装置の場合:AB分析計→A-B  例)GC-MS,LC-MS 

c) 用語の中で角括弧内の文字は,省いてもよい。 

d) 用語は,特に断らない限りクロマトグラフィーの分野内で用いるものであるが,誤解のおそれのある

用語については,用語の後の丸括弧内に特定の使用分野を示す。 

e) 参考として対応英語又はその略語を示す。対応英語の欄で,セミコロン(;)を挟んで二つ以上併記し

てあるものは,それぞれ同義語又は略語である。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

アーティファク

ト 

あーてぃふぁく

と 

分析操作における人為的要因に起因して生じる生
成物又は分析種の消失,若しくはクロマトグラムに
生じるピーク又は信号のゆがみ。 

artifact; 
artefact 

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K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

RI検出器, 
RID 

あーるあいけん

しゅつき, 

あーるあいでぃ

ー 

a) 示差屈折率検出器(番号231)の略称。 
b) 放射性同位元素検出器(番号469)の略称。 

a) refractive index 

detector; 

RID 

b) radioisotope 

detector 

Rf, 
Rf値 

あーるえふ, 

あーるえふち 

薄層クロマトグラフィー又はペーパークロマトグ
ラフィーにおいて,試料成分の移動距離を溶媒の移
動最先端までの距離で除した値。成分物質の同定の
指標として用いる。 

Rf; 
Rf value 

RFイオンガイ

ド 

あーるえふいお

んがいど 

高周波イオンガイド(番号188)の略称。 

radio frequency ion 

guide 

圧力勾配補正因

子 

あつりょくこう

ばいほせいい
んし 

ガスクロマトグラフィーにおける保持容量をカラ
ム入口と出口とに圧力差があることから,保持容量
を補正するときの係数。次の式によって定義する。
充塡剤を均一に充塡した一定の径をもつカラムに
ついてだけ適用できる。 

(

)

(

)

=

1

/

1

/

2

3

3

o

i

2

o

i

P

P

P

P

j

ここに,Pi,Po:カラムの入口,出口におけ

るキャリヤーガスの圧力
(絶対圧) 

pressure gradient 

correction factor 

圧力損失 

あつりょくそん

しつ 

移動相が流路系を通過するときに,カラムなどによ
って生じる入口と出口との差圧。圧力低下ともい
う。 

pressure loss; 
pressure drop 

圧力波形 

あつりょくはけ

い 

継続的な圧力変化の記録。 

pressure profile 

圧力プログラミ

ング法 

あつりょくぷろ

ぐらみんぐほ
う 

設定したプログラムに従って,移動相の圧力を変化
させながら分析種を展開させる方法。 

pressure 

programming 
method 

アナライトプロ

テクタント 

あならいとぷろ

てくたんと 

試料中の共存物質の変化によって生じる定量誤差
を低減するため,マトリックスの代わりとして試料
又は検量線用標準試料に添加する物質。 

analyte protectants 

10 

アフィニティー

クロマトグラ
フィー 

あふぃにてぃー

くろまとぐら
ふぃー 

生物由来の親和性,分子認識能などを主な分離機構
とするクロマトグラフィー(番号168)の総称。 
a) イムノアフィニティークロマトグラフィー

(IAC):抗体,免疫グロブミンなどの抗体関連
物質を固定相に用いるクロマトグラフィーの
手法。 

b) ケモアフィニティークロマトグラフィー:鉄,

ガリウムなどの金属イオンを担体に固定化し
たカラム,ジルコニア,チタニアなどの金属酸
化物を固定相とするカラムを用いて,これに選
択的に親和力を示す分子を分離,濃縮,精製す
る手法。金属イオンを利用するものを,特に金
属固定化クロマトグラフィー(IMAC)という。 

affinity 

chromatography; 

immunoaffinity 

chromatography; 

IAC; 
chemo-affinity 

chromatography; 

immobilized metal 

affinity 
chromatography; 

IMAC 

11 

亜臨界流体クロ

マトグラフィ
ー 

ありんかいりゅ

うたいくろま
とぐらふぃー 

温度又は圧力のいずれか,又は双方が臨界点(圧力,
温度)よりも低い臨界点近傍の亜臨界流体を移動相
として用いるクロマトグラフィー。 

subcritical fluid 

chromatography 

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K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

12 

アンペロメトリ

ック検出器 

あんぺろめとり

っくけんしゅ
つき 

電解(酸化又は還元)される成分の電解電流が,そ
の成分の濃度に比例することを利用した高速液体
クロマトグラフ用電気化学検出器。 
注記 電極上で化学種の一部(0.1〜5 %)が電解さ

れるのが特徴。 

amperometric 

detector 

13 

ELSD 

いーえるえすで

ぃー 

蒸発光散乱検出器(番号256)の略称。 

evaporative light 

scattering detector 

14 

ECD 

いーしーでぃー 

a) 電子捕獲検出器(番号360)の略称。 
b) 電気化学検出器(番号354)の略称。 

a) electron capture 

detector 

b) electrochemical 

detector 

15 

イオンエンハン

スメント 

いおんえんはん

すめんと 

混合物のLC/MS分析などにおいて,複数の成分が
同時にイオン源に導入されたとき,共存物質が測定
対象物質のイオン化を促進する現象。 

ion enhancement 

16 

イオン化モード 

いおんかもーど 

質量分析計(MS)において用いるイオン源(イオ
ン化法)に種類とイオン極性とを合わせた用語。分
析種の物性に応じて種々のイオン化モードを使い
分ける。正イオン(番号280),CI(番号103),EI
(番号358),負イオン(番号420),APCI(番号311)
などという。 

ionization mode 

17 

イオンクロマト

グラフ 

いおんくろまと

ぐらふ 

イオン種成分の分析専用に製造又は組み立てられ
た高速液体クロマトグラフ。 

ion chromatograph 

18 

イオンクロマト

グラフィー 

いおんくろまと

ぐらふぃー 

イオン交換体などを固定相とした分離カラム内に
おいて試料溶液中のイオン種成分を展開溶離させ,
電気伝導度検出器,電気化学検出器,分光光度検出
器,蛍光検出器などによって測定する分析方法。 

ion chromatography 

19 

イオン源 

いおんげん 

質量分析計を構成する一部分で,試料成分のイオン
化及び生成したイオンのアナライザーへの移送を
行う箇所。イオン化室,フィラメント,イオンの加
速,収束などを行う電極群などからなる。 

ion source 

20 

イオン交換基 

いおんこうかん

き 

イオン交換体の官能基。反対符号の電荷をもつイオ
ンと結合することが可能な解離性の基。例えば,ス
ルホ基(−SO3−),カルボキシル基(−COO−),ア
ンモニウム基(−NR3+)などがある。 

ion exchange group 

21 

イオン交換クロ

マトグラフィ
ー 

いおんこうかん

くろまとぐら
ふぃー 

固定相にイオン交換体を用い,イオン交換反応によ
って試料溶液中のイオン種成分の分離を行う液体
クロマトグラフィー。 

ion exchange 

chromatography 

22 

イオン交換体 

いおんこうかん

たい 

イオン交換基をもつ充塡剤又は膜。イオン交換樹
脂,イオン交換膜などがある。 

ion exchanger 

23 

イオン交換容量 

いおんこうかん

ようりょう 

単位量のイオン交換体がイオン交換できる対(た
い)イオン(番号308)の量。 

ion exchange 

capacity 

24 

イオンサプレッ

ション 

いおんさぷれっ

しょん 

a) 混合物のLC/MS分析などにおいて,複数の成

分が同時にイオン源に導入されたとき,イオン
化効率の高い成分の存在によって,イオン化効
率の低い成分のイオン化が阻害される現象。イ
オンエンハンスメント(番号15)の反語。 

b) イオンクロマトグラフィーにおいて,カラム流

出液中の分析種以外のイオン成分の除去又は
解離の抑制。 

ion supression 

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K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

25 

イオン対クロマ

トグラフィー 

いおんついくろ

まとぐらふぃ
ー 

イオン性の分析種を逆の電荷をもつイオン試薬と
イオン対とを形成させて行う液体クロマトグラフ
ィー。 

ion-pair 

chromatography 

26 

イオン対試薬 

いおんついしや

く 

イオン性の分析種を疎水性の固定相に保持させる
ために移動相に添加する逆の電荷をもったイオン
性の化合物。 

ion-pairing reagent 

27 

イオントラップ

形質量分析計 

いおんとらっぷ

がたしつりょ

うぶんせきけ
い 

高周波電場又は静電場と静磁場とを組み合わせて
形成したポテンシャルの井戸に,イオンを長時間閉
じ込める手法を利用した質量分析計。高周波電場だ
けを用いるものが多い。真空セル内に閉じ込められ
たイオンを,高周波電圧又はその周波数を走査する
ことによってm/z別にセルから追い出して検出・質
量分析を行う。 

ion trap mass 

spectrometer; 

IT-MS 

28 

イオン排除クロ

マトグラフィ
ー 

いおんはいじょ

くろまとぐら
ふぃー 

イオン交換基による静電的反発力によって,イオン
交換基と同じ電荷符号のイオンがイオン交換体内
部への浸透を制限する現象を利用した液体クロマ
トグラフィー。有機酸などの弱酸の分離に用いる。 

ion exclusion 

chromatography 

29 

イソクラティッ

ク溶離 

いそくらてぃっ

くようり 

単一組成の移動相によって試料成分を展開溶出さ
せる操作。定組成溶離ともいう。 

isocratic elution 

30 

一点検量線法 

いってんけんり

ょうせんほう 

ブランクと一水準の既知濃度の標準物質それぞれ
のピーク面積又はピーク高さから検量線を描き,そ
れと比較し,未知試料溶液の濃度を算出する方法。 

one point calibration 

curve quantitation 
method 

31 

移動時間 

(電気泳動の) 

いどうじかん 

キャピラリーカラム(番号147)内に注入された試
料成分が検出されるまでの時間。 

migration time 

32 

移動相 

いどうそう 

クロマトグラフィーが行われる場の要素の一つで,
固定相に接して流れる気体,液体,超臨界流体など
の流体。 

mobile phase 

33 

イムノアフィニ

ティークロマ
トグラフィー 

いむのあふぃに

てぃーくろま
とぐらふぃー 

アフィニティークロマトグラフィー(番号10)参照。 immunoaffinity 

chromatography; 

IAC 

34 

インジェクター 

いんじぇくたー 

カラムクロマトグラフにおいて,試料をカラムに注
入するための装置部品。 

injector 

35 

インソースフラ

グメンテーシ
ョン 

いんそーすふら

ぐめんてーし
ょん 

大気圧イオン源を装着したLC-MSにおいて,オリ
フィス電圧を通常より高めに設定することによっ
てイオンを開裂させる方法。LCにおける成分分離
が十分な場合,これによって得られたスペクトルか
ら構造推定が可能。インソースCIDともいう。 

in-source 

fragmentation 

36 

インターフェイ

ス 

いんたーふぇい

す 

異なる装置を接続するときの接続部。受け渡す物
質,信号の形態変換などの仲介を行う場合に用い
る。 

interface 

37 

インテグレータ

ー 

いんてぐれーた

ー 

検出器からのアナログ信号をデジタル化して得ら
れるクロマトグラムに対して,ピークの高さ,面積
などを自動的に積算して出力する装置。 

integrator 

38 

インバースクロ

マトグラフィ
ー 

いんばーすくろ

まとぐらふぃ
ー 

試料をクロマトグラフィー管に充塡して適切な検
査試薬を注入し,その保持情報から試料の物理化学
特性を求める材料などの解析手法。 

inverse 

chromatography 

39 

インパクター捕

集法 

いんぱくたーほ

しゅうほう 

ノズルを通しカバーガラス又はろ紙に空気を高速
のジェット気流として吹きつけ,衝撃によって試料
空気中の粉じん(塵)を捕捉する方法。 

impactor collection 

method 

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K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

40 

ウォーターディ

ップ 

うぉーたーでぃ

っぷ 

イオンクロマトグラフィーにおいて,試料を注入し
たときにホールドアップボリュームの箇所に検出
される負のピーク。試料中の水に起因して発生する
ピーク。 

water dip 

41 

WCOTカラム 

うこっとからむ 

キャピラリーの内壁に固定相液体(液相)を均一な
厚さで塗布した中空のカラム。 
注記 ガスクロマトグラフでは,液相は固定化/不

動化などの処理を施して使用され,分析種の
気相/液相間の分配係数の違いによって分
離が行われる。 

wall-coated open 

tubular column 

42 

渦巻き拡散, 
エディー拡散 

うずまきかくさ

ん, 

えでぃーかくさ

ん 

ファンディムターの式の第1項のA項が示す拡散の
一つで,充塡剤が存在するため,移動相の流れが曲
げられることによって生じる溶質の拡散。 

eddy diffusion 

43 

エアトラップ 

えあとらっぷ 

ポンプの吸入口に取り付け,移動相に含まれる空
気,自然発生した気泡などを捕集する部品。 

air trap 

44 

HPLC 

えいちぴーえる

しー 

高速液体クロマトグラフィー又は高速液体クロマ
トグラフの略称。単にLCということもある。 

high performance 

liquid 
chromatography; 

high performance 

liquid 
chromatograph; 

HPLC 

45 

AIAフォーマッ

ト 

えーあいえーふ

ぉーまっと 

米国の旧分析機器工業会(Analytical Instrument 
Association,通称AIA)が定めた,クロマトグラフ
ィーデータプロセッシングの統一規格。標準デジタ
ルフォーマット。 
注記 データファイルの拡張子は全て(*.cdf)に統

一されている。 

AIA format 

46 

エージング 

(カラムの) 

えーじんぐ 

コンディショニング(カラムの)(番号206)の別称。 
注記 エージングの用語を用いることは,望ましく

ない。 

aging 

47 

液液クロマトグ

ラフィー 

えきえきくろま

とぐらふぃー 

固定相として液体(液体成分を担体表面に被覆又は
化学結合させたものも含む。)を用いる液体クロマ
トグラフィー。 

liquid-liquid 

chromatography; 

LLC 

48 

液液抽出[法] 

えきえきちゅう

しゅつ[ほう] 

互いに混ざり合わない二つの液相の間で,ある相か
らもう一方の相へ界面を通過させて溶質を移動さ
せる抽出法。 

liquid-liquid 

extraction method 

49 

液固クロマトグ

ラフィー 

えきこくろまと

ぐらふぃー 

固体担体の表面を固定相として用いる液体クロマ
トグラフィー。 

liquid-solid 

chromatography; 

LSC 

50 

液体クロマトグ

ラフ, 

LC 

えきたいくろま

とぐらふ, 

えるしー 

液体クロマトグラフィーを行う装置。 

liquid 

chromatograph; 

LC 

51 

液体クロマトグ

ラフィー, 

LC 

えきたいくろま

とぐらふぃー, 

えるしー 

移動相として液体を用いるクロマトグラフィー。 

liquid 

chromatography; 

LC 

background image

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

52 

液体クロマトグ

ラフィー質量
分析[法], 

LC/MS 

えきたいくろま

とぐらふぃー

しつりょうぶ
んせき[ほう], 

えるしー/えむ

えす 

液体クロマトグラフと質量分析計とを接続した装
置を用いて行う分析方法。 
注記 混合物試料を液体クロマトグラフによって

分離し,溶出の順に質量分析を行う。 

liquid 

chromatography-
mass 
spectrometry; 

LC/MS 

53 

液体クロマトグ

ラフ−質量分
析計, 

LC-MS 

えきたいくろま

とぐらふ−し

つりょうぶん
せきけい, 

えるしー-えむえ

す 

液体クロマトグラフと質量分析計とをインターフ
ェイス(番号36)を介し接続した装置。 
注記 液体クロマトグラフと質量分析計との接続

にLC-MSインターフェイスを用いる。 

liquid chromatograph 

-mass 
spectrometer; 

LC-MS 

54 

液滴向流クロマ

トグラフィー 

えきてきこうり

ゅうくろまと
ぐらふぃー 

混ざり合わない二つの液相のうち,一方を管の中に
充塡して固定相として機能させ,もう一方の液相を
小さな液滴として連続的に送り込み,この二つの液
相間での分配現象を利用して分離を行うクロマト
グラフィー。 

droplet 

countercurrent 
chromatography; 

DCCC 

55 

SRM 

えすあーるえむ 

選択反応モニタリング(番号299)の略称。 

selected reaction 

monitoring 

56 

SRMクロマト

グラム 

えすあーるえむ

くろまとぐら
む 

SRMによって得られるクロマトグラム。 

SRM chromatogram 

57 

SIM 

えすあいえむ 

選択イオンモニタリング(番号298)の略称。 

selected ion 

monitoring 

58 

SIMクロマトグ

ラム 

えすあいえむく

ろまとぐらむ 

SIMによって得られるクロマトグラム。 

SIM chromatogram 

59 

SN比 

えすえぬひ 

クロマトグラム上のベースライン(基線)ノイズの
大きさに対する成分ピークの信号の大きさの比の
値。 
注記 検出下限又は定量下限を表示するときに併

記されることが多い。 

signal to noise ratio 

60 

SFC 

えすえふしー 

超臨界流体クロマトグラフィー(番号333)の略称。 supercritical fluid 

chromatography 

61 

SFC/MS 

えすえふしー/

えむえす 

検出器にMSを用いる超臨界流体クロマトグラフィ
ー。 

SFC/MS 

62 

SFC-MS 

えすえふしー-え

むえす 

検出器に質量分析計(MS)を接続した超臨界流体
クロマトグラフ。 

SFC-MS 

63 

SOP 

えすおーぴー 

標準操作手順書(番号415)の略称。標準作業手順
書ともいう。 

standard operating 

procedure 

64 

エナンチオマー 

えなんちおまー 

鏡像異性体(番号153)の別称。 

enantiomer 

65 

FID 

えふあいでぃー 

水素炎イオン化検出器(番号270)の略称。 

flame ionization 

detector 

66 

FTD 

えふてぃーでぃ

ー 

熱イオン化検出器(番号373)の略称。 

flame thermionic 

detector 

67 

FPD 

えふぴーでぃー 

炎光光度検出器(番号79)の略称。 

flame photometric 

detector 

68 

MS/MS 

えむえす/えむ

えす 

m/zによって選択されたイオンに対するプロダクト

イオン,プリカーサーイオンなどを取得する分析方
法。 

MS/MS 

background image

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

69 

m/z 

えむぱーぜっと 

イオンの質量(m)を電荷数(z)で除した値。質量
電荷比ともいう。マススペクトルの横軸は,m/zに
よって表示する。 

mass to charge ratio; 

m/z 

70 

LC/ICP-MS 

えるしー/あい

しーぴー-えむ

えす 

検出器に誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)
を接続した液体クロマトグラフィー。 

LC/ICP-MS 

71 

LC/ESI-MS 

えるしー/いー

えすあい-えむ

えす 

エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(番号78)
を用いるLC/MS。 

LC/ESI-MS 

72 

LC/APCI-MS 

えるしー/えい

ぴーしーあい-

えむえす 

大気圧化学イオン化(APCI)(番号311)を用いる
LC/MS。 

LC/APCI-MS 

73 

LC/NMR 

えるしー/えぬ

えむあーる 

検出器に核磁気共鳴(NMR)を用いる液体クロマ
トグラフィー。 

LC/NMR 

74 

LC/MS 

えるしー/えむ

えす 

液体クロマトグラフと質量分析計を接続した装置
を用いて行う分析方法。 

LC/MS 

75 

LC/MS/MS 

えるしー/えむ

えす/えむえ
す 

LCで分離した分析種についてMS/MSを行う分析
方法。 

LC/MS/MS 

76 

LC-ICP-MS 

えるしー-あいし

ーぴー-えむえ

す 

検出器に誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)
を接続した液体クロマトグラフ。 

LC-ICP-MS 

77 

LC-MSインタ

ーフェイス 

えるしー-えむえ

すいんたーふ
ぇいす 

液体クロマトグラフと質量分析計とを接続するた
めのインターフェイス(番号36)。大気圧イオン源
とRFイオンガイドとの組合せから構成されるもの
などがある。 

LC-MS interface 

78 

エレクトロスプ

レーイオン化
法, 

ESI法 

えれくとろすぷ

れーいおんか
ほう, 

いーえすあいほ

う 

キャピラリーから噴霧される試料溶液に高電圧を
印加したとき,高度に帯電した液滴を生成させる
MSのイオン化法。試料溶液を供給するキャピラリ
ーと対向電極との間に数kVの高電圧を印加して帯
電液滴を生成させ,乾燥ガスなどの作用によって脱
溶媒して液滴のサイズを徐々に小さくし,最終的に
電荷同士の反発によって検出可能なイオンを生成
させる方法。 

electrospray 

ionization method; 

ESI method 

79 

炎光光度検出器 

えんこうこうど

けんしゅつき 

カラムからの溶出成分を還元性の連続水素炎又は
断続的水素炎中で分解して化学発光させ,硫黄,り
ん及びすずを含む有機化合物を高感度で選択的に
検出するガスクロマトグラフ用検出器。 

flame photometric 

detector; 

FPD 

80 

遠心クロマトグ

ラフィー 

えんしんくろま

とぐらふぃー 

薄層クロマトグラフィー(番号392)又は向流クロ
マトグラフィー(番号193)において,移動相の展
開に,遠心力を利用するクロマトグラフィーの総
称。 

centrifugal 

chromatography 

81 

エンドキャッピ

ング 

えんどきゃっぴ

んぐ 

化学結合形シリカゲルの表面に残存するシラノー
ル基に,更に化学結合基を導入する操作。 

endcapping 

82 

エンドフィッテ

ィング 

えんどふぃって

ぃんぐ 

カラムに配管を接続するための部品。 
注記 カラムの両端に装着し,充塡剤が外に漏れ出

なくするためのフィルターをカラムに固定
し,流入する移動相を均一にカラム内に拡散
させる機能及び配管をカラムに接続する機
能をもったキャップ状のもの。 

end fitting 

background image

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

83 

円二色性検出器 

えんにしょくせ

いけんしゅつ
き 

円二色性を利用して光学活性成分を検出する高速
液体クロマトグラフ用検出器。 

circular dichroism 

detector 

84 

往復運動形ポン

プ 

おうふくうんど

うがたぽんぷ 

往復運動するプランジャーによって連続的に移動
相を吸引,吐出させるポンプ。プランジャーポンプ
ともいう。 

reciprocating pump 

85 

ODS 

おーでぃーえす 

n-オクタデシルシリル基を共有結合させたシリカ

ゲルの略称。 

octadecyl silyl 

86 

オートインジェ

クター 

おーといんじぇ

くたー 

複数の液体試料をクロマトグラフに順次自動で注
入するための装置。 

autoinjector 

87 

オートサンプラ

ー 

おーとさんぷら

ー 

多検体をあらかじめ設定したプログラムに従って
クロマトグラフに自動導入する装置。 

autosampler 

88 

オーバーロード 

おーばーろーど 

カラムへ注入した成分がカラムの試料負荷容量(番
号262)を上回る量となった状態。 

mass-overload; 
sample-volume 

overload 

89 

オクタノール/

水分配係数 

おくたのーる/

みずぶんぱい
けいすう 

特定の化合物の1−オクタノールと水との間の分配
平衡時の濃度比。化合物の親水性,疎水性の程度を
判断する基礎的数値で前処理,分析条件の検討など
で活用される。 
注記 この分配係数をPowとしたとき,実用的には

logPowの値を用いる。 

octanol/water 

partition 
coefficient 

90 

オリフィス 

(LC/MSの) 

おりふぃす 

LC/MSの大気圧イオン源において,大気圧下で生成
したイオンを真空中に導入するとき最初に通過す
る細孔。コーン又はキャピラリーともいう。これに
印加する電圧を調整することによって,イオンの開
裂を起こすことができる。 

orifice 

91 

オルタナティブ

リサイクル
(alternative 
recycle)法 

おるたなてぃぶ

りさいくるほ
う 

複数のカラムを流路切替バルブを介して接続し,溶
質分画を別の複数のカラムに交互に添加していく
リサイクルクロマトグラフィー(番号517)法。 

alternative recycle 

method 

92 

オンカラム蛍光

検出 

おんからむけい

こうけんしゅ
つ 

蛍光をモニターするオンカラム検出法。 

on-column 

fluorescence 
detection 

93 

オンカラム検出 

おんからむけん

しゅつ 

カラムと検出器との連結による分離能低下を抑制
するために,分離カラム上で直接検出する方法。 

on-column detection 

94 

オンカラム注入

法 

(GCの) 

おんからむちゅ

うにゅうほう 

注入口に接続したカラム管中に,マイクロシリンジ
によって採取した試料を直接注入する試料導入方
法。 
注記 充塡カラムでは,充塡剤の前部に設けたカラ

ム管内の空間において試料を気化させて導
入する。キャピラリーカラムでは,コールド
オンカラム注入法(番号196)を用いる。 

on-column injection 

method 

95 

オンカラム誘導

体化 

おんからむゆう

どうたいか 

カラム内又はカラム入口付近において誘導体化(番
号507)を行う方法。LCでは移動相中に,GCでは
試料溶液中にあらかじめ誘導体化剤を添加してお
く。 

on-column 

derivatization 

96 

温度プログラミ

ング法 

おんどぷろぐら

みんぐほう 

クロマトグラフィーにおいて,設定したプログラム
に従ってカラム槽の温度を変化させ,カラムの温度
を時間とともに連続的又は段階的に,昇温又は降温
させて分離する方法。 

temperature 

programming 
method 

background image

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

97 

オンライン濃縮 

おんらいんのう

しゅく 

試料溶液内の希薄物質を装置内の媒体に捕集・濃縮
した後,移動相でカラムに運び分離検出する方法。 

on-line enrichment 

98 

ガードカラム 

がーどからむ 

分離カラムを劣化などから守るカラム。試料又は移
動相に含まれるきょう(夾)雑物・不純物による分
離カラムの汚染,劣化などを防ぐ目的で,分離カラ
ムの上流(通常,インジェクターと分離カラムとの
間)に接続する。通常,サイズの小さなカラムを用
いる。 

guard column 

99 

カートリッジカ

ラム 

かーとりっじか

らむ 

着脱容易なカラム。ホルダーに装着して用いる。 

cartridge column 

100 

カーボン含有量 

かーぼんがんゆ

うりょう 

固定相を化学結合させた担体の質量に占める炭素
の質量比率。 

carbon content 

101 

カーボン充塡剤 

かーぼんじゅう

てんざい 

a) グラファイトカーボンを球状に成形し,その物

理化学的性状を利用して分離を行うための液
体クロマトグラフィー用カラム充塡剤。 

b) 捕集剤,ガスクロマトグラフィーのカラムなど

に使用されるカーボンモレキュラシーブ,グラ
ファイトカーボンブラック,活性炭などの総
称。 

carbon column 

packing 

102 

回収率 

(添加回収試

験の) 

かいしゅうりつ 

ブランク試料に既知量の分析種を添加し,抽出など
の前処理操作を行った後に検出された分析種の量
(A)と添加した分析種の量(B)との比(A/B)。 

recovery 

103 

化学イオン化, 
CI 

かがくいおんか, 

しーあい 

化学反応によってイオン化する方法。通常,イオン
化室をメタンなどの試薬ガスを用いて満たし,電子
線などを照射して生成した反応イオン(番号400)
又は熱電子と試料分子の間の反応によってイオン
化する方法。 
注記 正イオン化学イオン化(PICI)(番号281)の

場合は反応イオン,負イオン化学イオン化
(NICI)(番号421)の場合は反応イオンと熱
電子とが関与する。 

chemical ionization; 
CI 

104 

化学結合形充塡

剤 

かがくけつごう

がたじゅうて
んざい 

充塡剤の基材表面に親水性基,疎水性基,イオン交
換基などの官能基を共有結合によって導入した充
塡剤。 

chemically bonded 

packings 

105 

化学結合形シリ

カゲル 

かがくけつごう

がたしりかげ
る 

共有結合によって官能基を導入したシリカゲル。 

chemically bonded 

silica gel 

106 

化学発光検出器 

かがくはっこう

けんしゅつき 

化学反応などによる発光を利用して成分を検出す
る検出器。主にガスクロマトグラフ及び高速液体ク
ロマトグラフで用いられる。 

chemiluminescence 

detector 

107 

確認イオン 
(クロマトグラ

フィーの) 

かくにんいおん 

分析種であることを確認するためのイオン。分析種
に特徴的なm/zのイオンで,クロマトグラム上での
定量イオンとのピーク強度比が一定範囲内である
ことが分析種特定のための条件となる。 

qualifier ion 

108 

画分 
 

かくぶん 

分画操作によって取り分けられたカラム流出分。フ
ラクションともいう。 

fraction 

109 

下降クロマトグ

ラフィー, 

下降展開 

かこうくろまと

ぐらふぃー, 

かこうてんかい 

薄層クロマトグラフィー又はペーパークロマトグ
ラフィーにおいて,移動相を吸着剤又はろ紙に対し
て下方に移動させることによって展開するクロマ
トグラフィー。 

descending 

chromatography; 

descending 

development 

background image

10 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

110 

ガスクロマトグ

ラフ, 

GC 

がすくろまとぐ

らふ, 

じーしー 

ガスクロマトグラフィーを行う装置。 

gas chromatograph; 
GC 

111 

ガスクロマトグ

ラフィー, 

GC 

がすくろまとぐ

らふぃー, 

じーしー 

移動相として気体を用いるクロマトグラフィー。 

gas chromatography; 
GC 

112 

ガスクロマトグ

ラフィー質量
分析, 

GC/MS 

がすくろまとぐ

らふぃーしつ

りょうぶんせ
き, 

じーしー/えむ

えす 

ガスクロマトグラフと質量分析計とを接続した装
置で行う分析方法。 

gas chromatography- 

mass 
spectrometory; 

GC/MS 

113 

ガスクロマトグ

ラフ−質量分
析計, 

GC-MS 

がすくろまとぐ

らふ−しつり

ょうぶんせき
けい, 

じーしー-えむえ

す 

ガスクロマトグラフと質量分析計とをインターフ
ェイスを介して直結した装置。 

gas chromatograph- 

mass spectrometer; 

GC-MS 

114 

ガスクロマトグ

ラフ−赤外分
光分析計, 

GC-IR 

がすくろまとぐ

らふ−せきが

いぶんこうぶ
んせきけい, 

じーしー-あいあ

ーる 

ガスクロマトグラフと赤外分光光度計とをインタ
ーフェイスを介して結合した装置。 

gas chromatograph- 

infrared 
spectrometer; 

GC-IR 

115 

ガスサンプラー 
(ガスクロマト

グラフの) 

がすさんぷらー 

一定量のガス状の試料を分離カラムに導入するた
めの装置。 
注記 通常,切替バルブと検量管から構成される。

検量管に試料を供給しているとき,キャリヤ
ーガスはバイパスされてカラム供給され,検
量管の置換が終了した後にバルブを切り替
えるとキャリヤーガスによって試料がカラ
ムに送られる。 

gas-sampling valve 

116 

ガスホールドア

ップボリュー
ム 

がすほーるどあ

っぷぼりゅー
む 

ガスクロマトグラフィーにおけるホールドアップ
の体積。 
注記 ホールドアップボリューム(番号471)を参

照。 

gas holdup volume 

117 

荷電化粒子検出

器 

かでんかりゅう

しけんしゅつ
き 

移動相を蒸発させて分析種を球状微粒子とし,コロ
ナ電極によってプラス荷電した窒素イオンと衝突
させてプラス帯電させ,その電荷量を検出する高速
液体クロマトグラフ用検出器。 

charged aerosol 

detector 

118 

カラム 

からむ 

主に試料成分の分離が行われる充塡剤が充塡され
た管,又はキャピラリー管。キャピラリー管の内壁
には,固定相が保持されたもの及び内面処理を施し
たものがある。 
注記 カラムには,分離カラム,プレカラム,ガー

ドカラムなどがあるが,一般に分離カラムを
いう場合が多い。 

column 

119 

カラム圧力 

からむあつりょ

く 

カラムの入口部にかかる圧力。 

pressure at the 

column inlet 

120 

カラムオーブン 

からむおーぶん 

温度条件を,一定又は定められたプログラムに従っ
て変化させることが可能なカラムを収容する槽。 

column oven 

background image

11 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

121 

カラム外容積, 
カラム外体積 

からむがいよう

せき, 

からむがいたい

せき 

ピークバンドの広がる要因となるクロマトグラフ
のカラム充塡部以外の容積。 
試料注入部,検出器,配管,カラムのフィッティン
グなどの容量の合計で,装置の性能に関わる指標の
一つ。 

extra-column 

volume 

122 

カラムクロマト

グラフィー 

からむくろまと

ぐらふぃー 

固定相を円筒状の管(クロマトグラフィー管)に充
塡して行うクロマトグラフィー。 

column 

chromatography 

123 

カラム効率 

からむこうりつ 

次の式によって定義する実効理論段数Neff。 

Neff=N[k/(1+k)]2 

ここに,N:理論段数 

k:保持係数 

column efficiency 

124 

カラム充塡剤 

からむじゅうて

んざい 

充塡剤(番号246)の別称。 

column packing 

material 

125 

カラム充塡法 

からむじゅうて

んほう 

充塡剤のクロマトグラフィー管への充塡方法。充塡
剤を直接充塡する方法,耐圧容器に入れたスラリー
状の充塡剤をポンプによって加圧して充塡する方
法などがある。 

column packing 

method 

126 

カラム除去形 

(サプレッサー

方式の) 

からむじょきょ

がた 

イオン交換カラムに溶出液を通過させ,除去すべき
溶離液中のイオンを保持して除去する方式。 
注記 複数のカラムを電気的又は化学的に再生し

ながら交互に用いる。 

column removal 

type 

127 

カラムスイッチ

ング 

からむすいっち

んぐ 

二つ以上の異なるカラムを切替バルブを介して切
り替え,試料前処理,複数のカラム選択,複数の分
離モード選択などを行う方法。 

column switching 

128 

カラム槽 

からむそう 

カラムオーブン(番号120)の別称。 

column oven; 
column compartment 

129 

換算理論段相当

高さ 

かんさんりろん

だんそうとう
たかさ 

理論段相当高さHを,充塡剤の平均粒子径の値で除
した値。一般にhで表す。 

reduced height 

equivalent to a 
theoretical plate 

130 

間接吸光光度検

出 

かんせつきゅう

こうこうどけ
んしゅつ 

移動相に可視部又は紫外部に吸収をもつ物質を加
え,分析種が溶出されるときに,反応又は相互作用
によって生じた吸収の減少を計測することによっ
て検出する方法。 

indirect photometric 

detection 

131 

間接光学分割 

かんせつこうが

くぶんかつ 

キラル分離(番号156)において,キラル誘導体化
によって目的光学対掌体をジアステレオマー(番号
227)とした後カラム分離する手法。キラル固定相
及びキラル移動相を用いる直接法による分離と区
別して呼ぶ。 

indirect optical 

resolution 

132 

間接電気伝導度

検出 

かんせつでんき

でんどうどけ
んしゅつ 

移動相に電気伝導性物質を加え,分析種が溶出され
るときに反応又は相互作用によって生じた電気伝
導度の減少を計測することによって検出する方法。 

indirect 

conductometric 
detection 

133 

官能基結合密度 

かんのうきけつ

ごうみつど 

固定相に結合した官能基の密度。官能基の結合モル
数を表面積で除した値。単位はマイクロモル毎平方
メートル(μmol/m2)によって示す。 

density of functional 

group 

134 

気液クロマトグ

ラフィー 

きえきくろまと

ぐらふぃー 

固定相として液体を用いるガスクロマトグラフィ
ー。 

gas-liquid 

chromatography; 

GLC 

background image

12 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

135 

気化注入法 

(ガスクロマト

グラフの) 

きかちゅうにゅ

うほう 

試料を加熱された注入口で気化させ,キャリヤーガ
スによってカラムに送る試料導入方法。 
注記 気化は,スプリット注入法では試料とキャリ

ヤーガスとを均一に混合させる目的であり,
スプリットレス注入法では,カラムを劣化さ
せる難揮発性物質を注入口ライナーに残留
させる目的もある。 

vaporizing injection 

136 

気固クロマトグ

ラフィー 

きこくろまとぐ

らふぃー 

固定相として固体を用いるガスクロマトグラフィ
ー。 

gas-solid 

chromatography; 

GSC 

137 

基材 

きざい 

クロマトグラフィー用充塡剤の中心部(芯)にある
基本骨格。 

support; 
core; 
matrix 

138 

擬似移動床法 

ぎじいどうしょ

うほう 

a) カラムクロマトグラフィーを用い,連続又は逐

次に混合試料を導入する分離・精製法の一種。 

b) 向流クロマトグラフィーなどの移動床の代わ

りに,複数のカラム及び送液ポンプを切替バル
ブで接続し,あたかもカラム充塡剤が移動床の
役割を果たしているかのように操作すること
によって,連続して分離・精製物の回収を行う
手法。 

simulated moving 

bed 
chromatography 

139 

基線 

きせん 

ベースライン(番号464)の別称。 

base line 

140 

逆グラジエント

法 

ぎゃくぐらじえ

んとほう 

グラジエント溶離に用いたグラジエント曲線と対
称的なグラジエント曲線を用いたグラジエント溶
離液をカラム溶出部と検収器の入口部の間に混合
させて溶離液の組成を一定にする方法。 
注記 例えば,荷電化粒子検出器(番号117)のよ

うに,検出器の感度が溶媒の組成によって変
化する場合に用いる。 

reverse gradient 

method 

141 

逆洗 

ぎゃくせん 

指定された送液方向とは逆に移動相又は洗浄液を
流し,カラム先端部に残る試料中の溶出されにくい
物質を排出させる方法。 

back wash 

142 

逆相カラム 

ぎゃくそうから

む 

逆相クロマトグラフィーに用いるカラム。 
注記 逆相か順相かは,固定相と移動相との相対的

な極性に依存する。例えば,シアノカラムな
どでは両方のモードになり得る。 

reversed phase 

column 

143 

逆相クロマトグ

ラフィー 

ぎゃくそうくろ

まとぐらふぃ
ー 

固定相よりも極性の高い移動相を用いる分配液体
クロマトグラフィー。 
注記 通常,ODS(番号85)のような疎水性の固定

相と水系移動相(水,メタノール,アセトニ
トリルなどの混合溶液)とを用いる。 

reversed phase 

chromatography 

144 

逆相充塡剤 

ぎゃくそうじゅ

うてんざい 

担体に疎水性のリガンドを塗布又は結合した逆相
クロマトグラフィーに用いる充塡剤。 

reversed phase 

column packing 

145 

キャニスター法 

きゃにすたーほ

う 

不活性処理を施したステンレス容器(キャニスタ
ー)などを減圧又は真空にし,気体試料を捕集後,
低温濃縮,加熱脱着を経てGC又はGC-MSに導入,
測定する方法。 

canister method 

146 

キャピラリーガ

スクロマトグ
ラフィー 

きゃぴらりーが

すくろまとぐ
らふぃー 

キャピラリーカラムを用いるガスクロマトグラフ
ィー。 

capillary gas 

chromatography 

background image

13 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

147 

キャピラリーカ

ラム 

きゃぴらりーか

らむ 

内径約l mm以下の中空カラム又は充塡カラムの総
称。 

capillary column 

148 

キャピラリーク

ロマトグラフ
ィー 

きゃぴらりーく

ろまとぐらふ
ぃー 

分離カラムとしてキャピラリーカラムを用いるク
ロマトグラフィー。 

capillary 

chromatography 

149 

キャリーオーバ

ー 

きゃりーおーば

ー 

先に導入した試料成分が装置内に残存し観察され
る現象。 

carryover 

150 

キャリヤーガス 

(ガスクロマト
グラフィーの) 

きゃりやーがす 

ガスクロマトグラフィー用の移動相。 

carrier gas (for gas 

chromatography) 

151 

吸光光度検出器 

きゅうこうこう

どけんしゅつ
き 

紫外可視吸光光度検出器(番号230)の別称。 

absorption detector 

152 

吸着クロマトグ

ラフィー 

きゅうちゃくく

ろまとぐらふ
ぃー 

固定相に吸着剤を用い,試料成分を気固又は液固吸
着平衡の差によって分離するクロマトグラフィー。 

adsorption 

chromatography 

153 

鏡像異性体 

きょうぞういせ

いたい 

お互いに実像と鏡像の関係にある化学構造をもつ
一対の立体異性体。 

enantiomer 

154 

キラリティー 

きらりてぃー 

実像と鏡像が重ならない構造をもつ性質。 

chirality 

155 

キラル固定相 

きらるこていそ

う 

キラル分離に用いる光学活性な構造をもつ材料に
よって作製した固定相又は光学活性化合物を担体
に導入した固定相。 

chiral stationary 

phase; 

CSP 

156 

キラル分離 

きらるぶんり 

鏡像異性体(番号153)の光学分割を目的としたク
ロマトグラフィーによる分離。キラル固定相法及び
キラル移動相法の直接法及びキラル誘導体化法の
間接法とがある。 

chiral separation 

157 

キラル誘導体化

試薬 

きらるゆうどう

たいかしやく 

一対の光学対掌体を分離する目的によって,目的の
光学対掌体をカラム分離に先立ってジアステレオ
マー(番号227)に誘導体化(キラル誘導体化)す
るときに用いる光学活性な誘導体化試薬。 

chiral derivatization 

reagent 

158 

金属固定化クロ

マトグラフィ
ー 

きんぞくこてい

かくろまとぐ
らふぃー 

アフィニティークロマトグラフィー(番号10)の
b)を参照。 

immobilized metal 

chelate 
chromatography 

159 

空間補正保持時

間 

(ガスクロマト

グラフィーの)

くうかんほせい

ほじじかん 

対象成分の保持時間(tR)からホールドアップタイ
ム(t0)を引いた値(t'R)。 

t'R=tR−t0 

注記 対象成分の固定相中の滞在時間を示す。 

adjusted retention 

time 

160 

空間補正保持容

量 

くうかんほせい

ほじようりょ
う 

ホールドアップボリュームVMによって補正された
保持容量。VR'=VR−VMによって定義する。 

ここに,VR':空間補正保持容量 

VR:保持容量 
VM:ホールドアップボリューム 

adjusted retention 

volume 

161 

空隙容量 

くうげきようり

ょう 

カラム中の遊び空間体積。 
注記 カラム中の空隙容量で,分離に何らの関与も

しない空間を移動相の体積で表したもの。
[ホールドアップボリューム(番号471)を
参照。] 

void volume 

162 

クーロメトリー

検出器 

くーろめとりー

けんしゅつき 

電量検出器(番号361)の別称。 

coulometric detector 

background image

14 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

163 

クエンチング 

くえんちんぐ 

a) GCにおけるFPDなどの発光現象を利用する検

出器で,炭化水素類の大量溶出時などに炎が一
時的に消えるなどして感度がなくなるか,又は
悪くなる現象。 

b) LCの蛍光検出器(番号172)又は化学発光検出

器(番号106)で,移動相中の溶存酸素などの
共存物質によって消光し,感度が低下したりベ
ースラインが負に振れる現象。 

quenching 

164 

クライオフォー

カシング 

くらいおふぉー

かしんぐ 

低温にすることよって,カラムに導入される試料の
幅を狭める手法。カラム入口における移動相の線速
度に対して,分析種の移動速度が著しく遅くなるこ
とを利用する。カラム全体を冷却する方法,カラム
の入口側の一部又はプレカラムを冷却する方法が
ある。 

cryo-focusing 

165 

グラジエントシ

ステム 

ぐらじえんとし

すてむ 

移動相の溶出力を変化させるために複数溶媒の組
成比を変化させるか,又はカラム周囲の温度を変化
させるための装置及びそのための制御系。 

gradient elution 

system 

166 

グラジエント溶

離 

ぐらじえんとよ

うり 

移動相の組成を連続的に変化させながら溶質を溶
出させる操作。勾配溶離ともいう。 

gradient elution 

167 

クロマトグラフ 

くろまとぐらふ 

クロマトグラフィーによって分離を行うために用
いる装置。 

chromatograph 

168 

クロマトグラフ

ィー 

くろまとぐらふ

ぃー 

試料を固定相に接して流れる移動相に導入して,固
定相及び移動相に対する成分の特性の差によって
分離を行う方法。 

chromatography 

169 

クロマトグラフ

ィー管 

くろまとぐらふ

ぃーかん 

クロマトグラフィーにおいて,充塡剤を充塡するた
めの管。 
注記 空(から)カラムの用語を用いることは,望

ましくない。キャピラリーカラムなどの中空
カラムは,固定相を担持させる前の未処理カ
ラムを意味する。 

chromatographic 

tube 

170 

クロマトグラフ

分析 

くろまとぐらふ

ぶんせき 

クロマトグラフを使った分析又は分析方法。 

chromatographic 

analysis 

171 

クロマトグラム 

くろまとぐらむ 

クロマトグラフィーにおける結果の記録,又は,試
料成分の溶出状態を時間に対してプロットした図。 

chromatogram 

172 

蛍光検出器 

けいこうけんし

ゅつき 

溶出液に励起光を照射し,分析種の蛍光強度を測定
する高速液体クロマトグラフ用検出器。 

fluorescence 

detector 

173 

蛍光誘導体化 

けいこうゆうど

うたいか 

蛍光をもたない化合物を他の化合物と反応させ,蛍
光をもつ化合物に変える操作。 

fluorescence 

derivatization 

174 

ゲル浸透クロマ

トグラフィー 

げるしんとうく

ろまとぐらふ
ぃー 

サイズ排除クロマトグラフィー(番号214)のうち,
溶離液に有機溶媒を用い,試料成分の分子の大きさ
などによって分離を行う液体クロマトグラフィー。 

gel permeation 

chromatography; 

GPC 

175 

ゲルろ過クロマ

トグラフィー 

げるろかくろま

とぐらふぃー 

サイズ排除クロマトグラフィー(番号214)のうち,
溶離液に水溶液を用い,試料成分の分子の大きさ,
イオン相互作用などによって分離を行う液体クロ
マトグラフィー。 

gel filtration 

chromatography; 

GFC 

176 

限外ろ過 

げんがいろか 

フィルターの孔径を分子サイズに近づけて行うろ
過。ろ過によってコロイド粒子などを分散媒から分
離する。 

ultrafiltration 

background image

15 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

177 

原子発光検出器 

げんしはっこう

けんしゅつき 

ヘリウムなどのプラズマ中にGCからの溶出成分を
導き,成分組成の元素に由来する原子発光線を検出
する検出器。 

atomic emission 

detector; 

AED 

178 

検出下限, 
検出限界 

けんしゅつかげ

ん, 

けんしゅつげん

かい 

試料に含まれる分析種の検出が可能な最低の量又
は濃度。 

limit of detection; 
LOD; 
detection limit 

179 

検出感度 

けんしゅつかん

ど 

a) ある量の測定において,検出下限で表した分析

方法又は機器の性能。 

b) ある量の変化に対して,得られるシグナルの強

度(例えば,検量線の傾き)で表した分析方法
又は機器の性能。 

sensitivity; 
sensitiveness 

180 

原線 

げんせん 

ペーパークロマトグラフィー(番号465)又は薄層
クロマトグラフィー(番号392)において,試料を
最初にスポットする一直線上の位置。 

origin start line 

181 

コアシェル充塡

剤 

こあしぇるじゅ

うてんざい 

表面多孔性充塡剤(番号417)の別称。 

core-shell packings 

182 

高圧グラジエン

ト 

こうあつぐらじ

えんと 

複数のポンプから吐出した溶出力の異なる移動相
を,ポンプ吐出圧のかかる系内で混合して行うグラ
ジエント溶離方式。 

high-pressure 

gradient method 

183 

高圧注入 

(ガスクロマト

グラフィーの) 

こうあつちゅう

にゅう 

GCにおいてカラムヘッド圧を通常より高く設定
し,試料注入を行う方法。 
注記 試料注入量を多くできる,ライナー内での試

料成分の滞留時間を短縮して吸着を軽減で
きるなどの利点がある。 

high-pressure 

injection 

184 

降温グラジエン

ト溶出法 

こうおんぐらじ

えんとようし
ゅつほう 

SFC(番号333)において,カラム温度を下げなが
ら,移動相流体の密度を徐々に変化させて溶出させ
るグラジエント法。 

negative temperature 

gradient method 

185 

恒温分析 

こうおんぶんせ

き 

カラム槽温度を一定にして行うクロマトグラフィ
ー。 

isothermal 

chromatography; 

isothermal analysis 

186 

光学活性体 

こうがくかっせ

いたい 

旋光性をもつ物質。一方の鏡像異性体が他方より多
く存在している状態及び純粋に一方だけである状
態の物質。 

optical active 

substance 

187 

光学分割 

こうがくぶんか

つ 

ラセミ体(一対の鏡像異性体の等量混合物)をそれ
ぞれの光学対掌体に分割する操作。クロマトグラフ
ィーを用いる光学分割を特にキラル分離という。 

optical resolution 

188 

高周波イオンガ

イド 

こうしゅうはい

おんがいど 

4本以上の偶数本の電極を円周上に等間隔で,かつ,
中心軸に沿って平行に配置し,隣接する各電極に
180度ずつ位相の異なる高周波電圧を印加し,中心
軸の回りに誘起した振動双曲線電場によって中心
軸に沿って入射したイオンビームの同径方向の運
動を封じ込めてビームを効率よく出口まで導く装
置。LC-MSインターフェイスを構成する主ユニッ
ト。差動排気と称する特殊な排気方法によって低真
空から中真空に保たれている。 

radio frequency ion 

guide 

background image

16 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

189 

校正曲線 

(サイズ排除ク
ロマトグラフィ
ーの) 

こうせいきょく

せん 

分子量既知の分子量分布の狭いポリマー(分子量標
準ポリマー)を用い,その溶出位置を横軸に,分子
量の対数を縦軸にとって作成した図。カラムの溶出
位置に対応する分子量を知るためのもので,平均分
子量の計算に用いる。 

calibration curve 

190 

高速液体クロマ

トグラフィー 

こうそくえきた

いくろまとぐ
らふぃー 

液体の移動相をポンプなどによって加圧してカラ
ムを通過させ,試料成分を固定相と移動相との相互
作用(吸着,分配,イオン交換,サイズ排除など)
の差を利用して高性能に分離して検出する方法。 

high performance 

liquid 
chromatography; 

HPLC 

191 

高速GC 

こうそくじーし

ー 

内径が細く,長さの短いカラムと高速昇温を組み合
わせるなどして極めて短時間でGC分析を行う方法
又は装置。 

fast GC 

192 

高速GC/MS 

こうそくじーし

ー/えむえす 

高速GCをGC/MSに適用した手法。 
注記 一定以上のデータ取込み速度の確保,キャリ

ヤーガス流量などに制約がある。 

fast GC/MS 

193 

向流クロマトグ

ラフィー 

こうりゅうくろ

まとぐらふぃ
ー 

固定相に相当する液体又は固体を,移動相と逆方向
に移動させながら試料成分の分離を行うクロマト
グラフィー。 

countercurrent 

chromatography 

194 

ゴーストピーク 

ごーすとぴーく 

クロマトグラムに出現し,その由来が不明で予想外
のピーク。 

ghost peak 

195 

コーティング効

率 

こーてぃんぐこ

うりつ 

理論的に到達可能な最小理論段相当高さを,実測の
最小理論段相当高さで除したWCOTカラム(番号
41)の性能を表す指標。 

coating efficiency 

196 

コールドオンカ

ラム注入法 

(ガスクロマト
グラフィーの) 

こーるどおんか

らむちゅうに
ゅうほう 

試料溶媒の沸点以下に保った注入口を介して,マイ
クロシリンジに採取した試料をカラムの中に直接
導入するキャピラリーカラムの試料注入方法。 

cold on-column 

injection method  
(for gas 
chromatography) 

197 

コールド注入法 
(ガスクロマト

グラフの) 

こーるどちゅう

にゅうほう 

試料溶媒の沸点以下に保った注入口に試料を導入
するもので,熱分解・熱変性しやすい試料のための
注入法。 
注記 コールドオンカラム法及びコールドスプリ

ット注入法の場合は,カラム内に液体試料を
導入してからカラムの中で気化させる。PTV
法の場合は冷却されたライナーに試料を注
入した後,ライナーで分別気化を行い,溶媒
を系外に排出した後に分析種を気化させて
カラムに導入する。 

cold injection 

method 

198 

ゴーレイ

(Golay)の式 

ごーれいのしき 

キャピラリーカラムにおけるカラム効率を,移動相
の平均線速度の関数として表した式。ファンディム
ター(Van Deemter)の式からA項を除いたものに
相当する。 

H=B/u+Cu 

ここに,H:理論段相当高さ 

B:カラム内の進行方向の拡散に関

係する項 

C:物質移動に対する抵抗に関係す

る項。移動相中での物質移動に
対する抵抗Cmと固定相中での
物質移動に対する抵抗Csの和と
して表す。 

u:移動相の平均線速度 

Golay equation 

background image

17 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

199 

固相抽出 

こそうちゅうし

ゅつ 

充塡剤などを入れた固相カラムに試料を通過させ,
試料成分の単離,精製,濃縮,抽出などを行う操作。 

solid phase 

extraction 

200 

固相マイクロ抽

出 

こそうまいくろ

ちゅうしゅつ 

シリンジ状ホルダーの先端部ファイバーを試料容
器中のヘッドスペース相又は溶液に入れ,分析種を
ファイバーに塗布したコーティング相に分配,吸着
をさせて抽出を行う操作。抽出後は,GC及びLC
に直接注入することができる。 
注記 コーティング相にはポリジメチルシロキサ

ン,ポリアクリレートなどがある。 

solid phase micro 

extraction; 

SPME 

201 

固定相 

こていそう 

クロマトグラフィーが行われる場の要素の一つで,
移動相と平衡状態にあり,試料成分と相互作用する
相。 

stationary phase 

202 

固定相液体 
(ガスクロマト

グラフィーの)

こていそうえき

たい 

固定相として用いる液体。 

stationary liquid (for 

gas 
chromatography) 

203 

固定相液体担持

量 

こていそうえき

たいたんじり
ょう 

質量分率Sc(%)で表した固定相液体の担持量。次
の式で定義する。 

su

s

s

c

100

(%)

M

M

M

S

+

=

ここに,Ms:固定相液体の質量 

Msu:担体の質量を示す値 

liquid phase load 

204 

混合標準液 

こんごうひょう

じゅんえき 

複数の標準物質を混合して各成分を規定の濃度に
調製した溶液。 

mixed reference 

solution 

205 

コンスタントニ

ュートラルロ
ススキャン 

こんすたんとに

ゅーとらるろ
すすきゃん 

タンデム質量分析における走査法の一種で,
GC/MS,LC/MSなどにおいてCIDによるフラグメ
ンテーションによって特定の中性種を脱離する全
ての前駆イオン(番号295)を検出する方法。 

constant neutral loss 

scan 

206 

コンディショニ

ング 

(カラムの) 

こんでぃしょに

んぐ 

a) ガスクロマトグラフィー:カラム購入後,最初

に用いる前にキャリヤーガスを流しながらカ
ラムを適切な温度まで上げて,固定相に残存し
ている不要成分を溶出除去及び固定相の状態
を安定化させるために行う操作。カラム使用中
でも試料など由来の不要成分が固定相に残存
する場合は,同様な操作を行う。 

注記 エージングの用語を用いることは,望

ましくない。 

b) 液体クロマトグラフィー:カラム内に残留し分

析を妨害する物質を,測定条件よりも強い溶媒
強度の移動相で除外する操作,及び適切な移動
相によって固定相の官能基を測定に適した状
態に導く操作。 

注記 後者の操作を,イオン交換及びアフィ

ニティーカラムではカラムの活性化と
もいう。 

c) 固相抽出用カラム:カラム内のきょう(夾)雑

成分を除外し,充塡剤を活性化させる操作。試
料の固定相表面へのぬ(濡)れ性を改善する目
的も含まれる。 

conditioning 

background image

18 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

207 

コンプリヘンシ

ブ二次元クロ
マトグラフィ
ー 

こんぷりへんし

ぶにじげんく

ろまとぐらふ
ぃー 

包括的二次元クロマトグラフィー(番号468)の別
称。 

comprehensive two- 

demensional 
chromatography 

208 

サーモスプレー

法, 

TSP法 

さーもすぷれー

ほう, 

てぃーえすぴー

ほう 

加熱ネブライザーによって噴霧・気化された試料成
分を,低真空下で,コロナ放電によってイオン化す
る方法。HPLCとMSとの直結を初めて可能にした
インターフェイス。大気圧イオン化法(API法)と
応用範囲が類似している。 

thermospray 

ionization method; 

TSP method 

209 

細孔 
(充塡剤の) 

さいこう 

シリカゲル,合成ポリマーなどの充塡剤担体におい
て,主に移動相との接触面積を拡大する目的によっ
て形成された,孔径が数 nm〜数十nmの孔。 

pore 

210 

細孔径 

さいこうけい 

多孔性物質に含まれる細孔の直径の平均値。通常
nmを単位として表す。 

pore size 

211 

再構成イオンク

ロマトグラム 

さいこうせいい

おんくろまと
ぐらむ 

GC/MS,LC/MSなどで全イオンモニタリング,選
択イオンモニタリングなどによってコンピュータ
ーに記憶させた質量スペクトル及びクロマトグラ
ムデータに対し,特定の目的に沿った処理をして得
られるクロマトグラム。SIM(番号57)の積算クロ
マトグラムなどが相当する。 

reconstructed 

ion-chromatogram; 

RIC 

212 

細孔分布 

さいこうぶんぷ 

通常1 g当たりのcm3を単位として用いる充塡剤及
び捕集剤の細孔径ごとの細孔容量で表した保持特
性に関係する指標。 

pore size 

distribution 

213 

細孔容積 

さいこうようせ

き 

通常1 g当たりのcm3を単位として用いる多孔性物
質に含まれる細孔の全容積。 

− 

214 

サイズ排除クロ

マトグラフィ
ー 

さいずはいじょ

くろまとぐら
ふぃー 

固定相として非吸着性多孔質固体を用い,試料成分
の分子の大きさによって分離を行うクロマトグラ
フィー。 

size exclusion 

chromatography; 

SEC 

215 

再生液 

さいせいえき 

サプレッサー(番号218)の機能を再生,又は継続
的に維持するために用いる液体。除去液又はスカベ
ンジャー(scavenger)ともいう。 

regenerant 

216 

サスペンジョン

樹脂吸着形 

(サプレッサー

方式の) 

さすぺんじょん

じゅしきゅう
ちゃくがた 

イオン交換樹脂粒子を溶出液に混合して懸濁させ,
除去すべき溶離液中のイオンを吸着させて除去す
る方式。 

suspension resin 

adsorption type 

217 

差動排気 

さどうはいき 

圧力差のあるイオン化部と分析部を接続するため,
隔壁によってコンダクタンスの小さな幾つかの部
屋を設けて,その隔壁間を排気しながら数段階に分
けて徐々に真空度を上げていく排気方法。LC-MS
インターフェイスなどに利用される 

differential pumping 

218 

サプレッサー 

さぷれっさー 

イオンクロマトグラフィーにおいて電気伝導度検
出器を用いる場合,測定するイオン種成分の検出を
損なうことなくバックグラウンドとなる電気伝導
度を低減する装置。 

suppressor 

219 

サプレッサー方

式 

さぷれっさーほ

うしき 

サプレッサーを用いて分析する方法。 

suppressor method 

background image

19 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

220 

サロゲート 

さろげーと 

試料の前処理操作,分析操作の段階における収率の
補正,回収率の確認などのために添加される,分析
種と化学構造が同じ,又は類似した物質。サロゲー
ト物質ともいう。例えば,ポリクロロジベンゾフラ
ンの分析における13C-ポリクロロジベンゾフラン
などがある。 

surrogate 

221 

三次元クロマト

グラム 

さんじげんくろ

まとぐらむ 

保持情報及び検出器強度情報のほかに,スペクトル
情報又は別カラムによる保持情報などを加えて三
次元で表示されるクロマトグラム。フォトダイオー
ドアレイ検出器,包括的二次元クロマトグラフィー
などから得られる。 

three-dimensional 

chromatogram 

222 

残存シラノール

基 

ざんぞんしらの

ーるき 

シリカゲル表面のシラノール基をシリル化するこ
とによって化学結合形シリカゲルを調製したとき
に,残存したシラノール基。 

residual silanol group 

223 

サンプリング時

間 

さんぷりんぐじ

かん 

データ処理装置(インテグレーター)が検出器から
のデジタル化された信号を取り込む時間間隔。 

sampling time; 
sampling period 

224 

サンプリングレ

ート 

さんぷりんぐれ

ーと 

データ処理装置(インテグレーター)が検出器から
のデジタル化された信号を1秒間に取り込む回数。 

sampling rate 

225 

サンプルインジ

ェクター 

さんぷるいんじ

ぇくたー 

試料をカラムに注入するための装置。試料導入装置
の一種。 

sample injector 

226 

三連四重極形質

量分析計 

さんれんしじゅ

うきょくがた

しつりょうぶ
んせきけい 

MS/MSを行うタンデム形質量分析計の一種で,初
段及び最終段のアナライザーが四重極形の装置。 
注記 衝突誘起解離(CID)(番号255)を行う中間

部は四重極形電極場がオリジナルの形であ
るが,六重極形,八重極形などもある。 

triple quadruploe 

mass spectrometer 

227 

ジアステレオマ

ー 

じあすてれおま

ー 

分子内に二つ以上のキラリティーをもつ鏡像異性
体以外の立体異性体。 

diastereomer 

228 

CID 

しーあいでぃー 

衝突誘起解離(番号255)の略称。 

collision-induced 

dissociation 

229 

g-ファクター 

じーふぁくたー 

同じ波長のCD(円二色性)の信号をUV(UV吸収)
の信号で除した値。 

g-factor 

230 

紫外可視吸光光

度検出器 

しがいかしきゅ

うこうこうど
けんしゅつき 

紫外可視光領域の吸光度に基づく高速液体クロマ
トグラフ用検出器。 

ultraviolet-visible 

absorption detector 

231 

示差屈折率検出

器 

しさくっせつり

つけんしゅつ
き 

移動相溶液の屈折率変化を屈折率の差として測定
する高速液体クロマトグラフ用検出器。 

refractive index 

detector; 

RID 

232 

四重極形質量分

析計 

しじゅうきょく

がたしつりょ

うぶんせきけ
い 

直流と高周波とを重ね合わせた電圧を,双曲線又は
それに相当する断面(多くの場合円柱で代用され
る。)をもつ平行な4本の電極柱に印加し,この四
重極電場によって,イオンをm/z値に応じて分離す
る方式の質量分析計。 

quadrupole mass 

spectrometer; 

Q-MS 

233 

システムピーク 

しすてむぴーく 

試料成分の保持によって固定相からはじき出され
た溶離剤成分の溶出に伴うピーク。溶離液(移動相)
中に含まれる溶離剤の数だけピークが検出される。 

system peak 

background image

20 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

234 

実効理論段数 

じっこうりろん

だんすう 

空間補正保持時間を用いて実際のカラム効率を定
義したもの。 

Neff=5.54(t'R/W)2=N [k/(k+1)]2 

ここに,Neff:実効理論段数 

t'R:空間補正保持時間 
W:ピーク幅 
N:理論段数 
k:保持係数 

effective theoretical 

plate number 

235 

実効理論段相当

高さ 

じっこうりろん

だんそうとう
たかさ 

カラム長さを実効理論段数で除した値。 

height equivalent to 

an effective plate 

236 

質量校正 

しつりょうこう

せい 

LC/MS,GC/MSなどで得られるマススペクトルの
横軸(質量電荷比:m/z)の目盛を校正する調整操
作。 

mass calibration 

237 

質量電荷比 

しつりょうでん

かひ 

イオンの質量を統一原子質量単位で除して表した
イオンの質量(m)と電荷数(z)との比。m/z(番
号69)ともいう。マススペクトルの横軸は質量電荷
比によって表す。 

mass to charge ratio 

238 

質量分解能 

しつりょうぶん

かいのう 

質量分析計においてm/z(番号69)の異なる質量ピ
ークを区別できる尺度となる数値。マススペクトル
の任意の質量ピークm/z=M及びm/z=M+ΔMの2
本のピークは区別できるがm/zの差がΔMより小さ
いときは区別できないとき,R=M/ΔMをこの装置
の質量分解能とする。 
注記 質量分解能の計算はピークの半値幅(FWHM; 

full width at half maximum)から求めるものと
隣接したピーク間の重なりの度合い(10 %谷
など)から求めるものがある。 

mass resolving 

power; 

mass resolution 

239 

質量分析 

しつりょうぶん

せき 

原子,分子などをイオン化し,生成したイオンを真
空中でそのm/z値ごとに分離し,検出を行うことに
よって物質の質量及びその量に関わる情報を得る
分析手法。 

mass spectrometry; 
MS 

240 

質量分析計 

しつりょうぶん

せきけい 

質量分析を行う装置。 

mass spectrometer; 
MS 

241 

質量分析部 

しつりょうぶん

せきぶ 

質量分析計において,イオンのm/z分離が行われる
部分。 

mass analyzer 

242 

質量平均分子量 

しつりょうへい

きんぶんしり
ょう 

分子の質量の総量で平均をとる方法で求めた分子
量。重みつき平均値。 

=

=

×

×

=

1

1

2

w

)

(

)

(

i

i

i

i

i

i

M

N

M

N

M

ここに,Mw:質量平均分子量 

Mi:成分i分子量 
Ni:分子量Miの分子数 

注記 従来は重量平均分子量と呼んでいた。 

mass-average 

molecular mass 

243 

磁場形質量分析

計 

じばがたしつり

ょうぶんせき
けい 

磁場を用いてイオンをm/z値に応じて分離する方式
の質量分析計。高分解能GC/MSとしてダイオキシ
ン分析などに用いられている。 

magnetic sector mass 

spectrometer 

background image

21 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

244 

試薬ガス 

しやくがす 

化学イオン化法において試料分子をイオン化する
ために用いるガス。通常,高純度のメタン,イソブ
タン,アンモニアなどを用いる。 

reagent gas 

245 

充塡カラム 

じゅうてんから

む 

充塡剤を充塡したカラム。 

packed column 

246 

充塡剤 

じゅうてんざい 

クロマトグラフィー管に固定相として充塡する物
質。主に,粒子,表面修飾した粒子及び連続構造の
モノリス材(番号504)がある。カラム充塡剤とも
いう。 

column packing; 
packing material 

247 

主カラム, 
メインカラム 
(ガスクロマト

グラフィーの)

しゅからむ, 

めいんからむ 

プレカット法(番号436)において,不要なフラク
ションを除去した試料を送り込んで,必要な成分の
分離を行うためのカラム。プレカラムと対にして用
いる。 

main column 

248 

順相液体クロマ

トグラフィー 

じゅんそうえき

たいくろまと
ぐらふぃー 

順相クロマトグラフィー(番号249)の別称。 

normal phase liquid 

chromatography 

249 

順相クロマトグ

ラフィー 

じゅんそうくろ

まとぐらふぃ
ー 

極性化合物又は極性基を導入した固定相を用い,非
極性移動相又は固定相より極性の低い移動相を用
いて行うクロマトグラフィー。 

normal phase 

chromatography 

250 

純補正保持容量,
全補正保持容量 

じゅんほせいほ

じようりょう, 

ぜんほせいほじ

ようりょう 

カラムにおける圧力降下を補正した空間補正保持
容量。空間補正保持容量VR'に圧力勾配補正因子j
を乗じたVN=jVR'によって定義する。 

net retention volume 

251 

昇温気化注入法 

しょうおんきか

ちゅうにゅう
ほう 

試料溶媒の沸点以下に保った気化室へ試料を注入
後,急速に加熱して,スプリット方式又はスプリッ
トレス方式で溶質をカラムへ導入するキャピラリ
ーカラム用試料注入法。 

programmed 

temperature 
vaporizing (PTV) 
injection 

252 

昇温速度 

しょうおんそく

ど 

昇温分析におけるオーブン温度の時間に対する変
化率。℃/minによって表す。 

programming rate 

253 

昇温分析 
(ガスクロマト

グラフィーの)

しょうおんぶん

せき 

設定したプログラムに従ってオーブンの温度を上
昇させながら行うガスクロマトグラフィー。 

programmed 

temperature gas 
chromatography 

254 

上昇展開, 
上昇クロマトグ

ラフィー 

じょうしょうて

んかい, 

じょうしょうく

ろまとぐらふ
ぃー 

薄層クロマトグラフィー(番号392)又はペーパー
クロマトグラフィー(番号465)において,移動相
を上方に向けて移動させることによるクロマトグ
ラフィー展開。 

ascending 

development; 

ascending 

chromatography 

255 

衝突誘起解離, 
CID 

しょうとつゆう

きかいり, 

しーあいでぃー 

運動エネルギーをもったイオンがターゲットガス
と衝突し,衝突エネルギーの一部が内部エネルギー
に変換され励起することによってイオンの解離が
起こる現象。タンデム質量分析において,イオンの
フラグメンテーションを起こさせるときに主とし
て用いる。衝突活性解離(CAD)ともいう。 

collision-induced 

dissociation; 

CID 

256 

蒸発光散乱検出

器 

じょうはつひか

りさんらんけ
んしゅつき 

移動相を蒸発させて分析種を球状微粒子とし,これ
に光照射を行うことによって生じる散乱光の強度
を計測する高速液体クロマトグラフ用検出器。 

evaporative light 

scattering detector 

257 

蒸留ガスクロマ

トグラフィー 

じょうりゅうが

すくろまとぐ
らふぃー 

石油製品の炭化水素組成を昇温ガスクロマトグラ
フで分析し,温度留分組成を推定又は定量するため
の手法。 

distillation gas 

chromatography 

background image

22 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

258 

死容量 

しようりょう 

デッドボリューム(番号351)の別称。 
注記 死容量,デッドボリュームの用語を用いるこ

とは,望ましくない。カラム外容積(番号121)
又はホールドアップボリューム(番号471)
の用語の方が望ましい。 

dead volume 

259 

助燃ガス 
(ガスクロマト

グラフィーの)

じょねんがす 

燃料ガスを燃焼させるために供給する空気及び酸
素の総称。 

supporting gas 

260 

シラノール基 

しらのーるき 

けい素原子に水酸基が結合した基。 
注記 (−Si−OH)で示す。 

silanol group 

261 

シリカゲル 

しりかげる 

SiO2・nH2Oで示す非晶質のけい酸。合成品と天然品
とがある。 

silica gel 

262 

試料負荷容量 

しりょうふかよ

うりょう 

カラム性能を損なわずにカラムに注入できる試料
の最大量。注入する試料の量を増加したときに,特
定成分のカラム性能を表す指標が10 %低下すると
きの1成分当たりの試料の質量。指標には理論段数,
理論段相当高さなどを用いる。 
オーバーロード(番号88)を参照。 

sample capacity 

263 

試料負荷量 
(カラムの) 

しりょうふかり

ょう 

カラムへ導入される試料の量。 
注記 注入した試料の全量がカラムに導入される

場合は試料注入量と同義である。分取クロマ
トグラフィー及び固相抽出では,試料負荷量
の用語を用いるのが望ましい。 

loading amount; 
loading volume; 
sample volume; 
sample amount 

264 

シリル化 

しりるか 

有機化合物上の活性な水素を3置換シリル基−
Si(R1)(R2)(R3)によって置換する反応。 

silylation 

265 

シリンジスパイ

ク 

しりんじすぱい

く 

分析種の濃度,サロゲート(番号220)の回収率な
どを求める際に,分析装置に導入する測定試料の量
を補正するために,前処理した試料に加える内標準
物質。 

syringe spike 

266 

シリンジポンプ 

しりんじぽんぷ 

あらかじめシリンダー中に満たした移動相を,一定
速度で動くピストンによって吐出させるポンプ。 

syringe pump 

267 

親水性相互作用

クロマトグラ
フィー, 

HILIC 

しんすいせいそ

うごさようく

ろまとぐらふ
ぃー, 

ひりっく 

親水性固定相と大部分が有機溶媒である疎水的な
移動相との組合せによるクロマトグラフィー。 
注記 順相クロマトグラフィー(番号249)の一種

とされている。逆相モードでは保持されにく
い高親水性物質の分離分析に適する。HILIC
モードとも称されている。 

hydrophilic 

interaction 
chromatography 

268 

浸透制限形充塡

剤 

しんとうせいげ

んがたじゅう
てんざい 

生体高分子の細孔内部への浸透を抑制し,共存する
低分子化合物は細孔内の固定相に保持させ分離す
る充塡剤。サイズ排除クロマトグラフィー(番号
214)の原理に基づき,生体高分子の細孔内部への
浸透を制限し,これをホールドアップタイムに溶出
させる。 

restricted access 

media; 

RAM 

background image

23 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

269 

シンメトリー係

数 

しんめとりーけ

いすう 

クロマトグラム上のピークの対称性の度合いを示
す係数。テーリング係数ともいう。通常,ピーク高
さの1/20の高さにおけるピーク幅(W0.05h)を用い
て,次の式によって求める。 

S=W0.05h/2f 

ここに,S:シンメトリー係数 

W0.05h:ベースラインからピーク高さ

の1/20の高さにおけるピー
ク幅 

f:ピーク頂点からベースラインに下

ろした垂線でW0.05hのピーク幅を
二分したときのピークの立ち上が
り側の幅 

symmetry factor 

270 

水素炎イオン化

検出器 

すいそえんいお

んかけんしゅ
つき 

水素の燃焼熱によって有機化合物の骨格炭素をイ
オン化し,そのときのイオン電流を測定するガスク
ロマトグラフ用検出器。 

flame ionization 

detector; 

FID 

271 

数平均分子量 

すうへいきんぶ

んしりょう 

高分子中の各分子の総和を全分子数で除した算術
平均。高分子物質の全体の質量をその中に含まれる
全分子数で除した値に等しい。 

=

=

×

=

1

1

n

)

(

i

i

i

i

i

N

M

N

M

ここに,Mn:数平均分子量 

Mi:成分iの分子量 
Ni:分子量Miの分子数 

number-average 

molucular mass 

272 

スキマー 

すきまー 

頂点に微細な孔を開け,孔の周辺部が薄く作られた
円すい状の部品。低真空部と高真空部との隔壁とし
て用いられ,電圧を印加して荷電粒子を効率的に質
量分離部へ輸送する機能部品。 

skimmer 

273 

スターバー抽出 

すたーばーちゅ

うしゅつ 

かくはん子の外側にポリジメチルシロキサン
(PDMS)などを塗布したスターバーを試料溶液中
で回転させ,分析種をPDMS相に分配,濃縮する操
作。 

stir bar sorptive 

extraction 

274 

ステップワイズ

溶離 

すてっぷわいず

ようり 

移動相の組成を段階的に変化させながら溶質を溶
出させる操作。 

stepwise elution 

275 

スナイダーの溶

媒強度 

すないだーのよ

うばいきょう
ど 

Snyderによって,芳香族炭化水素化合物の液固クロ
マトグラフィーのデータ(各成分の固定相上への吸
着表面積,溶媒自身の吸着エネルギーなど)から算
出した溶媒強度パラメーター。 

Snyder's solvent 

strength parameter 

276 

スプリッター 

すぷりったー 

分離カラムの前又は後で,移動相を分割する器具。 splitter 

277 

スプリット注入

法 

(ガスクロマト

グラフィーの)

すぷりっとちゅ

うにゅうほう 

カラムの試料負荷容量を超えないように,注入した
試料の一部をキャピラリーカラムに導入する試料
注入法。 
注記 GCの気化注入法では,試料を気化させキャ

リヤーガスと混合させた後に,その一部をカ
ラムに導入し,大部分は気化室に設けた分岐
ラインから排出させる。 

split injection 

method (for gas 
chromatography) 

background image

24 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

278 

スプリット比 

すぷりっとひ 

GC及びLCのキャピラリーカラム分析において,
カラムに流される移動相の流量と,スプリットベン
トへ廃棄される流量との比,又は供給される移動相
の総量とカラムに流される移動相の流量との比。 
注記 GCのスプリット注入法では,カラムに導入

される試料量の目安として使用される。LC
では,主にポンプの送液可能な流量よりも少
ない量の移動相を,抵抗分割してカラムに送
るときに利用される。 

split ratio 

279 

スプリットレス

注入法 

(ガスクロマト

グラフィーの)

すぷりっとれす

ちゅうにゅう
ほう 

気化した試料の大部分がキャリヤーガスによって
カラムに移送された後に,気化室に残留する溶媒な
どを系外に排出するキャピラリーカラムの試料注
入法。 
注記 スプリット法に対し,スプリットを行わない

という意味であり,必ずしも試料の全量がカ
ラム導入されるとは限らない。 

splitless injection 

method (for gas 
chromatography) 

280 

正イオン 

せいいおん 

正の電荷をもつイオン。GC/MSではM+,フラグメ
ントイオンなど,LC/MSでは[M+H]+,[M+Na]+
などが主として観測される。 

positive ion 

281 

正イオン化学イ

オン化 

せいいおんかが

くいおんか 

正の反応イオンとイオン化室内に導入された試料
分子との間のイオン分子反応によって正イオンを
生成させるイオン化法。イオン化室をメタンなどの
試薬ガスを用いて満たし,電子線などを照射して正
の反応イオンを生成させる。 

positive ion chemical 

ionization; 

PICI 

282 

生成イオン 

せいせいいおん 

プロダクトイオン(番号442)の別称。 

product ion 

283 

赤外分光検出器 

せきがいぶんこ

うけんしゅつ
き 

赤外光の吸収を利用して成分を検出する検出器の
総称。GC,HPLC及びSFCに用いる。 
分散形分光計と干渉形(フーリエ変換)分光計とが
ある。 

infrared 

spectrometer 

284 

積分分子量分布

曲線 

せきぶんぶんし

りょうぶんぷ
きょくせん 

横軸がlogM(Mは分子量)で縦軸が分子量に対す
る累積質量%で表したグラフ。全体を100とする代
わりに1とした累積質量分率で表すこともある。 

cumulative 

molecular mass 
distribution curve 

285 

絶対検量線法 

ぜったいけんり

ょうせんほう 

分析種と同じ成分の既知濃度の試料から得たクロ
マトグラム上のピーク面積又はピークの高さから
求めた検量線を用い,試料中の分析種の濃度又は量
を求める方法。外標準法ともいう。 

absolute calibration 

curve method 

background image

25 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

286 

セパレーション

インピーダン
ス 

せぱれーしょん

いんぴーだん
す 

1理論段を得るのに必要な圧力及び1理論段を得る
のに必要な分析時間から表す高速液体クロマトグ
ラフィー用カラムの性能を示す指標。 

K

H

N

t

N

P

N

Pt

E

2

0

2

0

1=

=

=

η

η

ここに,E:セパレーションインピーダンス 

ΔP:分離カラムの圧力損失 
t0:保持されないで移動相と同じ速

度でカラムを通過する成分の保
持時間 

η:移動相の粘度 
N:理論段数 
H:理論段相当高さ 
K:カラムの透過率 

ここに, 

K=(FηL)/(πr2ΔP) 

F:移動相の流速 
L:カラム長さ 
r:カラム半径 

separation 

impedance 

287 

セパレーター 
(GC-MSの) 

せぱれーたー 

ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC-MS)におい
てGC側で充塡カラムを用いる場合,GCからの溶
出成分をMS側の真空を保ちつつ効率的にMS側に
移送させるためのインターフェイス。 

separator 

288 

セプタム 

せぷたむ 

シリンジを用いての試料の採取及びクロマトグラ
フへの注入のため,試料容器又は注入口に用いるゴ
ム製のシール材。 

septum 

289 

セプタムパージ 
(ガスクロマト

グラフ注入口
の) 

せぷたむぱーじ 

セプタムに起因しカラムを汚染する物質を,セプタ
ム部分を2 cm3/min〜5 cm3/min程度のキャリヤーガ
スでパージし系外に排出する方法又は流路。 

septum purge 

290 

セプタム方式 
(試料注入の) 

せぷたむほうし

き 

弾性ゴム体のセプタムを介して試料をマイクロシ
リンジなどで注入する方式。 

septum injection 

type 

291 

セプタムレス方

式 

(試料注入の) 

せぷたむれすほ

うしき 

a) 送液を止めて試料導入口の栓を外し,試料の一

定量を計量管,マイクロシリンジなどで直接カ
ラムに導入する液体クロマトグラフの試料注
入方式。 

b) バルブ機構をもつシール部を介し,マイクロシ

リンジによって一定量の試料を導入するガス
クロマトグラフの試料注入方式 

septumless injection 

type 

292 

セミミクロカラ

ム 

せみみくろから

む 

液体クロマトグラフィーにおける,内径が1 mm〜3 
mm程度のカラムの総称。移動相の消費量を抑制で
きる利点をもつ。 

semi-micro column 

293 

全イオン電流ク

ロマトグラム 

ぜんいおんでん

りゅうくろま
とぐらむ 

GC/MS,LC/MSなどにおいて,取得したマススペ
クトルから求められる全イオン電流値(total ion 
current)を保持時間に対してプロットしたクロマト
グラム。 

total ion current 

chromatogram; 

TICC 

294 

全イオンモニタ

リング, 

全イオン検出 

ぜんいおんもに

たりんぐ, 

ぜんいおんけん

しゅつ 

GC/MS,LC/MSなどでイオン源で生じた全イオン,
又は特定範囲のm/zのイオンを積算して連続的にモ
ニタリングする方法。 

total ion monitoring; 
TIM 

295 

前駆イオン 

ぜんくいおん 

プリカーサーイオン(番号433)の別称。 

precursor ion 

background image

26 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

296 

旋光度モニタリ

ング 

せんこうどもに

たりんぐ 

旋光度検出高速液体クロマトグラフによって,光学
活性成分をモニタリングする方法。 

optical rotation 

monitoring 

297 

線速度 

せんそくど 

移動相がカラム内を単位時間当たりに進む長さ。 
注記 GC,SFC,又は高圧HPLCでは,カラムの入

口側と出口側とでは移動相の圧縮によって
線速度が異なるので,平均値で示す。 

linear velocity 

298 

選択イオンモニ

タリング, 

選択イオン検出 

せんたくいおん

もにたりんぐ, 

せんたくいおん

けんしゅつ 

GC/MS,LC/MSなどで選択した特定の質量電荷比
(m/z)のイオンを連続的にモニタリングする方法。 

selected ion 

monitoring; 

SIM 

299 

選択反応モニタ

リング, 

選択反応検出 

せんたくはんのう 

もにたりんぐ,

せんたくはんの

うけんしゅつ 

GC/MS/MS,LC/MS/MSなどで特定のプリカーサー
イオンを選択し,その衝突誘起解離(番号255)に
よって生じる特定のプロダクトイオンを連続的に
モニタリングする手法。 

selected reaction 

monitoring; 

SRM 

300 

全多孔性充塡剤 

ぜんたこうせい

じゅうてんざ
い 

内部まで開孔している多孔性粒子から成る充塡剤。 totally porous 

packing 

301 

前端クロマトグ

ラフィー, 

先端クロマトグ

ラフィー 

ぜんたんくろま

とぐらふぃー, 

せんたんくろま

とぐらふぃー 

移動相に変えて試料を連続的にカラムに注入した
場合,カラムとの相互作用の低い成分から階段状に
順に流出する現象を利用する分析法。試料に切り替
えてから溶出し始めるまでの時間又は容量から定
性分析,階段の高さから定量分析を行う。 

frontal 

chromatography 

302 

相対感度 

そうたいかんど 

基準とする成分の単位量当たりのピーク面積又は
高さに対する,対象成分の単位量当たりのピーク面
積又は高さの比。 

relative sensitivity 

303 

相対保持時間 

そうたいほじじ

かん 

一定の分離条件における,基準とする成分の空間補
正保持時間と対象成分の空間補正保持時間との比。 

relative retention 

time 

304 

相比 
(ガスクロマト

グラフィーの)

そうひ 

カラム中の固定相体積に対する移動相体積の割合。
中空カラムの場合は,次の式によって示す。 

β=r/2df 

ここに,r:カラム半径 

df:固定相の膜厚 

phase ratio 

305 

層流 

そうりゅう 

規則的な流線をもち,隣接する部分が混ざり合うこ
となく層状に動く流体の流れ。 

laminar flow 

306 

疎水性相互作用

クロマトグラ
フィー, 

HIC 

そすいせいそう

ごさようくろ

まとぐらふぃ
ー, 

えいちあいしー 

たんぱく質,界面活性剤など分子内に疎水性部位を
もつ化合物を,固定相に導入した疎水基との間の疎
水性相互作用を利用して分離するクロマトグラフ
ィー。 

hydrophobic 

interaction 
chromatography; 

HIC 

307 

疎溶媒性理論 

そようばいせい

りろん 

溶媒中にキャビティーを形成して,その中に溶質,
固定相の炭化水素及び溶質と固定相炭化水素鎖と
の間の会合体を収めるとともに溶媒分子との相互
作用自由エネルギーを計算して,保持を説明する理
論。 

solvophobic theory 

308 

対イオンa) 

(イオン交換分

離の) 

たいいおん 

イオン交換体のイオン交換基についているイオン。
イオン交換分離において,目的のイオンと同じ符号
の電荷をもつイオン。対抗イオンともいう。 
注a) 番号336の対イオン(ついいおん)とは異な

る。 

counter ion 

309 

ダイオードアレ

イ検出器 

だいおーどあれ 

いけんしゅつき 

フォトダイオードアレイ検出器(番号423)の別称。 diode array detector; 

DAD 

background image

27 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

310 

大気圧イオン化 

たいきあついお

んか 

大気圧下でイオンを生成するイオン化法の総称。 
注記 通常LC-MSに用いる。エレクトロスプレー

イオン化及び大気圧化学イオン化は,大気圧
イオン化の一種。 

atmospheric pressure 

ionization; 

API 

311 

大気圧化学イオ

ン化, 

APCI 

たいきあつかが

くいおんか, 

えーぴーしーあ

い 

大気圧イオン化の一つで,通常大気圧スプレーによ
って生成した気体試料を,コロナ放電によって生じ
たイオン種(溶媒由来のイオン)と反応させてイオ
ン化する方法。 

atmospheric pressure 

chemical 
ionization; 

APCI 

312 

大容量注入 

だいようりょう

ちゅうにゅう 

GCにおいて容量の大きいシリンジの使用又は複数
回の注入によって,試料溶液を10 μL〜1 000 μL程

度注入する方法。PTV注入法(番号408)などが相
当する。 

large volume 

injection 

313 

多価イオン 

たかいおん 

複数の電荷をもつイオン。M3+,[M+5H]5+,[M−
5H]5−など。 
注記 エレクトロスプレーイオン源を装着した

LC-MSでたんぱく質などを測定すると,[M
+5H]5+のようにプロトンが複数付加した多
価イオンが主として生成する。 

multiply charged ion 

314 

多次元クロマト

グラフィー 

たじげんくろま

とぐらふぃー 

複数種類のクロマトグラフィー,分離モード,カラ
ムなどを順次用いることによって多成分を分離す
る手法。 

multidimensional 

chromatography 

315 

多次元分離 

たじげんぶんり 

分離機構の異なる固定相又は移動相を複数組み合
わせて行うクロマトグラフィー。 

multidimensional 

separation 

316 

脱気装置 

だっきそうち 

減圧などの物理的手段によって移動相中の溶存気
体を低減するための装置。 

degas chamber 

317 

脱プロトン化分

子 

だつぷろとんか

ぶんし 

中性分子MからプロトンH+が脱離して生成する負
イオン[M−H]−。エレクトロスプレーイオン化法
(ESI法)

(番号78)又は大気圧化学イオン化(APCI)

(番号311)の負イオン測定で典型的に観測される。 

deprotonated 

molecule 

318 

脱溶媒ガス 

だつようばいが

す 

ESIイオン源において,帯電液滴の脱溶媒に用いる
ガス。通常,窒素ガスを用いる。 

desolvation gas 

319 

多波長検出器 

たはちょうけん

しゅつき 

多波長同時検出を行い分析種の保持時間と吸光度
に加えて吸収スペクトルの情報を得るもの。三次元
クロマトグラムが描ける。分光部は吸光セルの後に
置かれる。フォトダイオードアレイ検出器参照。 

multi-wavelength 

detector 

320 

多分散度 

たぶんさんど 

二つの平均分子量の比で表し,分子量分布の幅を示
す値。次の式によって示す。 

n

w/M

M

d=

ここに,d:多分散度 

Mw:質量平均分子量 
Mn:数平均分子量 

例えば,d=1の場合を単分散といい,数平均分子量
と質量平均分子量とは等しくなる。 

polydispersity 

321 

ダミーカラム 

だみーからむ 

プレカット法(番号436)又はバックフラッシュ法
(番号395)において,流路を切り替えても移動相
の流量に変化のないよう,プレカラム及び分離カラ
ムと等価の流路抵抗をもつように作られた管。多く
は適切な担体,充塡剤などを充塡した管。 

dummy column 

322 

担体 

たんたい 

分配クロマトグラフィー(番号454)用充塡剤にお
いて,固定相液体を担持するために用いる支持体。 

support 

background image

28 

K 0214:2013  

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番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

323 

タンデム質量分

析 

たんでむしつり

ょうぶんせき 

イオン源で生成した様々なイオン種を,衝突誘起解
離(CID)(番号255)を利用して分解し,生成する
特定イオン種から元のイオン種などを検出する測
定法。 
注記 2台の質量分析計を接続したMS/MS装置を

用いる方法をタンデム・イン・スペース(空
間形)といい,また1台でMS/MS装置とし
ての機能をもつ装置を用いる方法をタンデ
ム・イン・タイム(時間形)という。 

tandem mass 

spectrometry 

324 

タンデム質量分

析計, 

MS/MS 

たんでむしつり

ょうぶんせき
けい, 

えむえす/えむ

えす 

タンデム質量分析を行う装置。MS/MS装置ともい
い,種々の形式がある。 

tandem mass 

spectrometer 

325 

段理論 

だんりろん 

溶質の分離を,理論上多分割したカラム部位又は蒸
留塔から説明した理論。 

plate theory 

326 

中空カラム 

ちゅうくうから

む 

充塡剤を充塡しないで,固定相となる物質を内壁に
保持した中空状のカラム。 
WCOTカラム(番号41)を参照。 

open tubular column 

327 

抽出イオンクロ

マトグラム 

ちゅうしゅつい

おんくろまと
ぐらむ 

GC/MS,LC/MSなどにおいてTIM,SIMなどの測
定によって得られたマススペクトル又はクロマト
グラムデータに対し,特定の目的に沿った処理をし
て得られるクロマトグラム。 
注記 マスクロマトグラム(番号489),SIM(番号

57,298)の積算クロマトグラムなどが相当
する。 

extracted ion 

chromatogram 

328 

抽出率 

ちゅうしゅつり

つ 

a) 液液抽出の場合:試料中の分析種が,溶媒抽出

操作によって抽出される割合(EA)。 

b) 固相抽出,分取クロマトグラフィーの場合:当

該操作によって試料中の分析種又は目的成分
が抽出される割合。 

EA=QA/QAʼ 

ここに,EA:抽出率 

QA:抽出されたA成分の量 
QAʼ:元の試料中に存在するA成分

の量 

a) extractability in 

solvent 
extraction 

b) fraction 

extracted 

329 

超高速液体クロ

マトグラフィ
ー 

ちょうこうそく

えきたいくろ

まとぐらふぃ
ー 

粒子径2 μm前後の微細充塡剤を用いることによっ
て,高速化,高分離化をはかった高速液体クロマト
グラフィー。 

ultra high 

performance liquid 
chromatography 

330 

調整保持時間 

ちょうせいほじ

じかん 

空間補正保持時間(番号159)の別称。 

adjusted retention 

time 

331 

調整保持容量 

ちょうせいほじ

ようりょう 

空間補正保持容量(番号160)の別称。 

adjusted retention 

volume 

332 

超臨界流体 

ちょうりんかい

りゅうたい 

ある物質の相図において,臨界温度,臨界圧力をと
もに超えた領域に存在する流体。 

supercritical fluid 

333 

超臨界流体クロ

マトグラフィ
ー, 

SFC 

ちょうりんかい

りゅうたいく

ろまとぐらふ
ぃー, 

えすえふしー 

超臨界流体を移動相に用いるクロマトグラフィー。 supercritical fluid 

chromatography; 

SFC 

background image

29 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

334 

超臨界流体抽出,
SFE 

ちょうりんかい

りゅうたいち
ゅうしゅつ, 

えすえふいー 

超臨界流体(番号332)を抽出媒体に用いる抽出方
法。 

supercritical fluid 

extraction; 

SFE 

335 

直接注入法 

ちょくせつちゅ

うにゅうほう 

a) 試料を加熱した気化室に注入して,瞬間気化さ

せた後,カラムへ全量導入するキャピラリーカ
ラム用試料注入方法。 

b) 血清試料などを前処理しないで直接HPLC装置

に注入する試料導入方法。 

direct injection 

method 

336 

対イオンb) 

ついいおん 

対象とするイオン性の物質と逆の電荷をもち,イオ
ン対を形成するイオン性の物質。 
注b) 番号308の対イオン(たいいおん)とは異な

る。 

counter ion 

337 

低圧グラジエン

ト 

ていあつぐらじ

えんと 

移動相送液ポンプによって加圧する前段において,
様々な方法によって移動相を構成する複数の液の
混合比を連続又は段階的に変えるグラジエント溶
離方式。 

low-pressure 

gradient method 

338 

定圧モード 

ていあつもーど 

GCにおいて注入口にかかるキャリヤーガス圧力を
一定にして測定するモード。 

constant pressure 

mode 

339 

TICC 

てぃーあいしー

しー 

全イオン電流クロマトグラム(番号293)の略称。 total ion current 

chromatogram 

340 

低角度光散乱検

出器 

ていかくどひか

りさんらんけ
んしゅつき 

溶出液に光(レーザー光)を照射し,低い角度で同
じ波長の散乱光(レイリー散乱)を連続的に検出す
る検出器。散乱光の強度は,微粒子の数及び大きさ
の関数となり,質量平均分子量を求めることができ
る。 
注記 検知器の配置には,一つ又は複数の角度に配

置した低角1角度形検出器,90度及び低角度
の両方を検出する2角度形,3角度形,多角
度形などの装置もある。 

low angle laser light 

scattering 
photometer; 

LALLS 

341 

ディスクリミネ

ーション 

(ガスクロマト

グラフィーの)

でぃすくりみね

ーしょん 

GCにおいて,広い沸点範囲の試料を注入したとき
に,注入した試料の組成とカラムに入った試料の組
成が変わる事象。シリンジ針先での分別蒸留現象,
注入口での不均一な気化,拡散などに起因する。 

discrimination 

342 

定組成溶離 

ていそせいようり イソクラティック溶離(番号29)の別称。 

isocratic elution 

343 

定流量モード 

ていりゅうりょ

うもーど 

GCにおいてカラムを流れるキャリヤーガス流量を
一定にして測定するモード。 

constant flow mode 

344 

定量イオン 

ていりょういお

ん 

GC/MS,LC/MSなどでSIMクロマトグラム(番号
58)などを用いて定量を行う際に用いる分析種に特
有のm/zをもつイオン。 

target ion 

345 

定量限界 

ていりょうげん

かい 

試料に含まれる分析対象物の定量が可能な最低及
び最大の量又は濃度。 
注記 定量が可能な最低の量及び濃度を定量下限

という。定量限界が示す間を定量範囲とい
う。 

determination limit 

346 

デェアンズ

(Deans)スイ
ッチング法 

でぇあんずすい

っちんぐほう 

カラムスイッチング法及び多次元クロマトグラフ
ィーにおいて,圧力差を利用して移動相の流れの方
向を変える手法。 

Deans switching 

method 

background image

30 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

347 

データ処理装置 
(クロマトグラ

フィーの) 

でーたしょりそ

うち 

デジタル化されたクロマトグラムのデータを専用
のソフトウェアで処理し,ピークの高さ,面積,定
量結果などを出力する専用の解析装置。 

data system 

348 

テーリング 

てーりんぐ 

ピークの後部がすそを引いている現象。 

tailing 

349 

テーリング係数 

てーりんぐけい

すう 

シンメトリー係数(番号269)の別称。 

tailing factor 

350 

デッドタイム 

でっどたいむ 

試料導入時からカラムに保持されない成分のピー
クの頂点が現れるまでの時間。 
注記 試料導入装置,配管,検出器などのカラム外

容積及びカラムの空隙容量が関係する。ホー
ルドアップタイム(番号470)ともいう。ホ
ールドアップタイムの用語を用いるのが望
ましい。 

dead time 

351 

デッドボリュー

ム 

でっどぼりゅー

む 

a) カラム,試料導入部,検出器,配管接続部など

において移動相が占める空間容量。 

b) ホールドアップボリュームの別称。ホールドア

ップボリュームの用語を用いるのが望ましい。 

dead volume 

352 

展開 

てんかい 

クロマトグラフィーにおいて,適切な液体又は気体
を固定相に接して流し,バンド状又はスポット状に
分布した物質を移動させて,それぞれに分離させる
操作。 

development 

353 

展開溶媒 

てんかいようば

い 

ペーパークロマトグラフィー(番号465)又は薄層
クロマトグラフィー(番号392)における移動相溶
媒。 

development solvent 

354 

電気化学検出器 

でんきかがくけ

んしゅつき 

一定の電位を印加した作用電極において,分析種の
酸化及び還元反応によって生じた電流を測定する
高速液体クロマトグラフ用検出器。 

electrochemical 

detector; 

ECD 

355 

電気クロマトグ

ラフィー 

でんきくろまと

ぐらふぃー 

カラムの両端の軸方向に電圧をかけ,電気浸透流を
生起させて分離する手法。 

electrochromatograp

hy 

356 

電気伝導度検出

器 

(液体クロマト

グラフィーの)

でんきでんどう

どけんしゅつ
き 

電気伝導度に基づく高速液体クロマトグラフ用検
出器。 

electric conductivity 

detector 

357 

電気伝導度検出

器, 

ELCD 
(ガスクロマト

グラフィーの)

でんきでんどう

どけんしゅつ
き, 

いーえるしーで

ぃー 

カラムからの溶出成分を加熱した反応管に導入し,
生成したガスを直接又は溶液に吸収後,その電気伝
導度を測定することで各成分を検出するガスクロ
マトグラフ用検出器。 

electric conductivity 

detector; 

ELCD 

358 

電子イオン化, 
EI 

でんしいおんか, 

いーあい 

真空下で数10 eV以上のエネルギーをもつ電子を試
料成分に照射し,その運動エネルギーの一部を付与
してイオン化する方法。 

electron ionization; 
EI 

359 

電子式流量制御 

でんししきりゅ

うりょうせい
ぎょ 

GCにおいて用いる種々のガスの流れを圧力センサ
ーを用いて計測し,その流量を電子的に制御する方
式。 

electric pneumatic 

control 

360 

電子捕獲検出器 

でんしほかくけ

んしゅつき 

放射性同位元素からのβ線又は高エネルギーの光
照射によって生成する自由電子,又は放電で発生す
る光子によって生成する自由電子が,ハロゲン,ニ
トロ基などをもつ電子親和性の高い有機化合物に
捕獲される現象を利用したガスクロマトグラフ用
検出器。 

electron capture 

detector; 

ECD 

background image

31 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

361 

電量検出器 

でんりょうけん

しゅつき 

電解(酸化又は還元)される成分の電解電流が,そ
の成分の移動相中の量に比例することを利用した
高速液体クロマトグラフ用電気化学検出器。 
注記 電極上で分析種のほぼ100 %を電解し,面積

値が分析種の電解電気量を示す特徴がある。 

coulometric detector 

362 

同位体希釈法, 
安定同位体希釈

法 

どういたいきし

ゃくほう, 

あんていどうい

たいきしゃく
ほう 

質量分析計を用いる定量分析において,同位体標識
した分析種と同じ物質を一定量添加し,前処理操作
(分離)後に同位体の存在比を測定して,もともと
存在した物質の量を推定する方法。 
注記 基準分析法(検量線なしで物質を定量できる

方法で一次分析法ともいう。)の一つである。 

isotope dilution 

method; 

stable isotope 

dilution method 

363 

導電率セル 

どうでんりつせ

る 

流体の電気伝導率(又は抵抗率)を測定するのに用
いる容器。 

conductivity cell 

364 

内標準物質 

ないひょうじゅ

んぶっしつ 

分析種と化学的性状が類似し,そのピークが分析種
のピークの位置になるべく近く,試料中の成分ピー
クとも完全に分離する安定な濃度既知の物質。 

− 

365 

内標準法 

ないひょうじゅ

んほう 

一定濃度の内標準物質を含む3〜4段階濃度の希釈
標準液のクロマトグラムを記録してピーク面積を
測定し,次いで,導入した分析種の量(Mx)と内
標準物質の量(Ms)との比(Mx/Ms)を横軸に,分
析種のピーク面積(Ax)と内標準物質のピーク面積
(As)との比(Ax/As)を縦軸にして作成した検量
線から分析種の定量を行う方法。 

internal-standard 

method 

366 

内面逆相カラム 

ないめんぎゃく

そうからむ 

浸透制限形充塡剤の一種であり,充塡剤の細孔の内
表面が疎水性をもち,外表面は親水性をもっている
液体クロマトグラフィー用の充塡剤カラムの総称。
血清の直接注入分析に用いる。 

internal surface 

reversed phase 
column 

367 

ナノエレクトロ

スプレー 

なのえれくとろ

すぷれー 

微量化したエレクトロスプレーの試料導入法。通常
のエレクトロスプレーイオン化法(番号78)よりも
内径の小さいキャピラリーから試料溶液を数10 
nL/min〜数百nL/minで流出させ,直径200 nm以下
の微小液滴を生成させる方法。通常のエレクトロス
プレーよりも,帯電液滴からイオンを生成する効率
が高い。 

nano-electrospray 

ionization 

368 

ナノ高速液体ク

ロマトグラフ
ィー 

なのこうそくえ

きたいくろま
とぐらふぃー 

内径10 μm〜150 μmのカラムを使用し,流量10 

nL/min〜1 000 nL/minで行う高速液体クロマトグラ
フィー。 

nano-HPLC; 
nano-LC 

369 

二次元ガスクロ

マトグラフィ
ー 

にじげんがすく

ろまとぐらふ
ぃー 

多次元クロマトグラフィーのうち二つの分離カラ
ムをもち,ハートカット法(番号384)などを用い
て分析を行う手法。シングルオーブン及びデュアル
オーブン方式がある。 

two-dimensional GC; 
GC-GC 

370 

二次元高速液体

クロマトグラ
フィー 

にじげんこうそ

くえきたいく

ろまとぐらふ
ぃー 

高圧切替バルブを用いて,分離モード,又は分離目
的が異なるカラムを組み合わせて,一次元目に分離
したピークを二次元目のクロマトグラフに導入し
分離する手法。 

two-dimensional 

HPLC; 

two-dimensional LC 

371 

二次元展開 

にじげんてんか

い 

電気泳動,薄層クロマトグラフィー又はペーパーク
ロマトグラフィーにおいて,はじめ展開させた方向
と90°の角度方向に再び展開させるクロマトグラ
フィー。 

two-dimensional 

development 

background image

32 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

372 

二次電子増倍管 

にじでんしぞう

ばいかん 

高電圧を印加した電極にイオン又は電子が入射し
た際に生じた二次電子を,電位勾配によって連続的
に増倍させることによってイオンの高感度の検出
を行う質量分析用検出器。 

secondary electron 

multiplier; 

SEM 

373 

熱イオン化検出

器 

ねついおんかけ

んしゅつき 

炎中にアルカリ金属塩を共存させ,有機窒素化合物
及び有機りん化合物のイオン化を促進して,それら
の成分の検出感度を選択的に高めて測定するガス
クロマトグラフ用検出器。 

thermionic ionization 

detector; 

TID; 
flame thermionic 

detector; 

FTD; 
nitrogen phosphorous 

detector; 

NPD 

374 

熱脱着法 
(ガスクロマト

グラフィーの)

ねつだっちゃく

ほう 

捕集剤の表面に吸着捕集した揮発性成分を加熱に
よって脱離させ,移動相でカラムに導入するガスク
ロマトグラフィー用試料導入法。 

thermal desorption 

method 

375 

熱抽出法 
(ガスクロマト

グラフィーの)

ねつちゅうしゅ

つほう 

ポリマー材料,食品・食品容器などの試料の小片を
加熱し,放散される揮発性成分を移動相でカラムに
導入するガスクロマトグラフィー用試料導入法。 

thermal extraction 

method 

376 

熱伝導度検出器 

ねつでんどうど

けんしゅつき 

キャリヤーガスと試料成分との熱伝導度の差を利
用して成分を検出するガスクロマトグラフ用検出
器。 

thermal conductivity 

detector; 

TCD 

377 

熱分解ガスクロ

マトグラフィ
ー 

ねつぶんかいが

すくろまとぐ
らふぃー 

高分子化合物などの不揮発性試料を熱分解し,その
生成成分をガスクロマトグラフィーによって分離,
検出及び解析する方法。 

pyrolysis gas 

chromatography 

378 

ネブライジング

ガス 

ねぶらいじんぐ

がす 

大気圧イオン源において,液滴の生成を補助する目
的で,液体を噴霧するために用いる高圧ガス。通常
は窒素ガスを用いる。 

nebulizing gas 

379 

燃料ガス 
(ガスクロマト

グラフィーの)

ねんりょうがす 

検出器の動作に必要なフレーム(炎)形成のために
用いる水素などの可燃性ガス。 

fuel gas 

380 

ノミナル質量 

のみなるしつり

ょう 

各元素について,それぞれ天然存在比が最大の同位
体の質量に最も近い整数値を用いて計算した,イオ
ン又は分子の質量。整数質量ともいう。 

nominal mass 

381 

ノンサプレッサ

ー法 

のんさぷれっさ

ーほう 

サプレッサーによるバックグラウンドの低減を行
わずに,低電気伝導度の溶離液を用いてイオン種成
分を分離し,電気伝導度検出器で測定する方法。 

non-suppressor 

method 

382 

パージ・トラッ

プ法 

ぱーじ・とらっぷ

ほう 

液体試料中の揮発性成分を不活性ガス中に移動さ
せ,トラップ管に捕集及び濃縮した後に,これを加
熱して揮発成分を追い出し,ガスクロマトグラフに
導入する方法。 

purge and trap 

method 

383 

パーティクルビ

ーム法, 

PB法 

ぱーてぃくるび

ーむほう, 

ぴーびーほう 

揮発性溶媒を用いた LC溶出液を微小液滴として
噴霧し溶媒を加熱気化させた後,ジェットセパレー
ターなどで溶媒などの小分子を排気することによ
って生成した微粒子ビームをイオン化室へ導き,電
子イオン化(EI)(番号358)又は化学イオン化(CI)
(番号103)によってイオン化する方法。 

particle beem 

method; 

PB method 

background image

33 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

384 

ハートカット法 

はーとかっとほ

う 

カラムから溶出する特定の画分を選択的に次のカ
ラムに導入する,又は系外に排出するカラムスイッ
チング手法。 
注記 クロマトグラムの最初に溶出する画分をカ

ットする場合を,特にプレカット法(番号
436)という。 

heart-cut(s) 

385 

パーフュージョ

ンクロマトグ
ラフィー 

ぱーふゅーじょ

んくろまとぐ
らふぃー 

内部に貫通孔と吸着孔とを併せもつ担体を用いる
クロマトグラフィー。 

perfusion 

chromatography 

386 

背圧 

はいあつ 

カラム,ポンプなどの,移動相の流れの出口側にか
かる圧力。 

back-pressure 

387 

配位子交換クロ

マトグラフィ
ー 

はいいしこうか

んくろまとぐ
らふぃー 

カラム充塡剤のイオン性官能基に金属イオンを吸
着させたカラムによって,金属錯体を形成する配位
子化合物を相互分離する液体クロマトグラフィー。 

ligand exchange 

chromatography 

388 

排除限界分子量 

はいじょげんか

いぶんしりょ
う 

サイズ排除クロマトグラフィー(番号214)におい
て,充塡剤の細孔に入り得ない溶質分子の最も小さ
い分子量。 

exclusion limit 

389 

ハイフネイテッ

ドクロマトグ
ラフィー 

はいふねいてっ

どくろまとぐ
らふぃー 

オンラインにおいて,2台以上のクロマトグラフ,
又はクロマトグラフと他の分析計とを接続した分
離分析手法。 

hyphenated 

chromatography 

390 

ハイブリッドタ

ンデム形質量
分析計 

はいぶりっどた

んでむがたし

つりょうぶん
せきけい 

MS/MSを行うタンデム質量分析計(番号324)のう
ち,異なった種類のアナライザーが組み合わさった
装置。 

hybrid tandem mass 

spectrometer 

391 

パイログラム 

ぱいろぐらむ 

熱分解ガスクロマトグラフィーで得られるクロマ
トグラム。 

pyrogram 

392 

薄層クロマトグ

ラフィー, 

TLC 

はくそうくろま

とぐらふぃー, 

てぃーえるしー 

ガラスなど平滑な板の上に吸着剤を薄く均一に塗
布したものを固定相とし,通常上昇展開によって行
う液体クロマトグラフィー。 

thin layer 

chromatography; 

TLC 

393 

波形処理 

はけいしょり 

完全分離していないピークの高さ及び面積を適切
に求めるために行う作図処理。 

wave form 

processing 

394 

バックグラウン

ド 

ばっくぐらうん

ど 

a) クロマトグラムの不必要なシグナル成分。カラ

ムの溶出物,移動相中の不純物,検出器の暗電
流などの信号の重畳。 

b) 質量分析計において,試料の導入なしで観察さ

れるマススペクトル。残留スペクトルともい
う。 

c) 清浄な環境試料などに定常的に含まれる分析

種の量。 

a), c) background 
b) background 

mass 
spectrum 

395 

バックフラッシ

ュ法 

ばっくふらっし

ゅほう 

ある成分がカラムから溶出した後に,移動相を逆方
向に流してカラム内に保持された成分を溶出させ
るカラムスイッチング(番号127)手法。 
注記 分析時間の短縮,分離カラムの保護(不要成

分の排出)などのため,また狭いバンドで溶
出させ次のカラムに導入したり,一つのピー
クとして検出器に導入し定量する目的で使
用される。移動相を逆流させずに,順流のま
ま溶出させる方法をバックフラッシュ法に
対しフォアフラッシュ法という。 

back flash method 

background image

34 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

396 

パルスドアンペ

ロメトリック
検出器 

ぱるすどあんぺ

ろめとりっく
けんしゅつき 

電極にパルス状に電位をかけ電解反応を行い,流れ
る電流を測定する高速液体クロマトグラフ用検出
器。 

pulsed amperometric 

detector 

397 

半値幅 

はんちはば 

ピーク高さの1/2の点におけるピーク幅。時間軸に
平行に引いた直線とピークとの交点間距離。 

peak width at half 

height 

398 

半値幅法 

はんちはばほう 

半値幅にピーク高さを乗じて求めるピーク面積計
算法。 

peak width at half 

height method 

399 

バンド拡散 

ばんどかくさん 

カラム内を移動中に生じる溶質バンドの前後への
拡散。 

band broadening 

400 

反応イオン 

はんのういおん 

化学イオン化法において試薬ガス自身のイオン−
分子反応によって生じるイオンのうち,試料分子の
イオン化に直接関わるイオン。 

reactant ion; 
reagent ion 

401 

ピーク 

ぴーく 

クロマトグラムにおいて,カラムから試料成分が溶
出しているときの溶出曲線の形状。 

peak 

402 

ピークキャパシ

ティ 

ぴーくきゃぱし

てぃ 

一つのクロマトグラム上で理論的に分離可能なピ
ーク数(n)。次の式によって定義する。最初のある
特定ピークからn番目のピークまでの間に,n個の
ピークを隣り合った各ピークの分離度Rを一定に
保って納めることが可能であると仮定する。 

1

1

1

ln

4

1

+

++

=

k

k

R

N

n

n

ここに,N:理論段数 

k1:最初のピークの保持係数 
kn:n番目のピークの保持係数 

peak capacity 

403 

ピーク高さ 

ぴーくたかさ 

ピークの頂点からピークの両すそを結ぶ直線に時
間軸に垂直に下ろした直線の長さ。 

peak height 

404 

ピークの純度 

ぴーくのじゅんど ピークを構成する物質中の分析種の存在比率。 

purity of peak 

405 

ピーク幅 

ぴーくはば 

ピークの両側の変曲点における接線とピークの両
すそを結ぶ直線との二つの交点間の長さ。 

peak width 

406 

ピークボリュー

ム 

ぴーくぼりゅー

む 

クロマトグラフィーにおいて,ピーク幅を移動相の
容量によって表した指標。ピーク幅容量ともいう。 

peak volume 

407 

ピーク面積 

ぴーくめんせき 

ピークの両すそを結ぶ直線とピークとが囲む面積。
実際には,半値幅法による近似値又はピーク時の出
力を積算したカウント数で求める。 

peak area 

408 

PTV注入法 

ぴーてぃーぶい

ちゅうにゅう
ほう 

昇温気化注入法(番号251)の略称。 

programmed 

temperature 
vaporizing (PTV) 
injection 

409 

光イオン化検出

器 

ひかりいおんか

けんしゅつき 

紫外線を照射して分析種をイオン化し,そのイオン
電流変化を測定するガスクロマトグラフ用検出器。 

photo ionization 

detector; 

PID 

410 

飛行時間形質量

分析計 

ひこうじかんが

たしつりょう
ぶんせきけい 

イオンを真空の管中で飛行させ,検出器に到達する
までに要する時間の違いなどによって,イオンを

m/z値に応じて分離する方式の質量分析計。 

time-of-flight mass 

spectrometer; 

TOF-MS 

411 

比表面積 

ひひょうめんせ

き 

粒子の単位質量当たりで表した全表面積。通常1 g
当たりのm2を単位として表す。 

specific surface area 

412 

微分分子量分布

曲線 

びぶんぶんしり

ょうぶんぷき
ょくせん 

横軸がlogM(Mは分子量)で,縦軸が単位logM当
たりの質量分率dW/d(logM)で表したグラフ。全体の
面積は1になる。 

differential 

molecular mass 
distribution curve 

background image

35 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

413 

比保持容量 

ひほじようりょ

う 

標準状態における固定相液体の単位質量当たりの
純補正保持容量で表した値(Vg)。 

T

W

V

V

273

L

N

g

×

=

ここに,VN:純補正保持容量 

WL:固定相液体の質量(g) 
T:カラムの絶対温度(K) 

specific retention 

volume 

414 

標準液 

ひょうじゅんえ

き 

分析の際の標準となる濃度,分子量(式量)などの
特性値が既知で,その特性値がクロマトグラフィー
に用いるのに必要かつ十分な程度で確定されてい
る溶液。 

standard solution 

415 

標準操作手順書,
SOP 

ひょうじゅんそ

うさてじゅん
しょ, 

えすおーぴー 

試験,検査などの実施方法と手順について詳細に規
定した文書。標準作業手順書ともいう。 

standard operating 

procedure; 

SOP 

416 

標準添加法 

ひょうじゅんて

んかほう 

試料溶液から一定量を採取し,分析種の標準液を段
階的に加えて検量線を作成し,得られた直線をシグ
ナル量ゼロまで外挿した点から添加濃度ゼロまで
の距離に相当する濃度を求めて分析種濃度とする
方法。 

standard addition 

method 

417 

表面多孔性充塡

剤 

ひょうめんたこ

うせいじゅう
てんざい 

粒子の表面の0.3 μm〜2 μmだけが多孔性で,粒子

の中心部には細孔がない充塡剤。 
充塡剤の表層だけを利用することによって,移動相
−固定相間の分析種の物質移動が速くなり,小さな
理論段相当高さが得られる。 

superficially porous 

packings(推奨); 

pellicular packings 

418 

ファンディムタ

ー(Van 
Deemter)の式 

ふぁんでぃむた

ーのしき 

理論段相当高さを移動相の線速度の関数として示
すカラム効率を表した式。 

H=A+B/u+Cu 

ここに,H:理論段相当高さ 

A:多流路拡散と渦流拡散に関係す

る項 

B:カラム内の進行方向の拡散に関

係する項 

C:物質移動に対する抵抗に関係す

る項で,移動相中での物質移動
に対する抵抗Csと固定相中での
物質移動に対する抵抗Cmとの
和。 

u:移動相の線速度 

Van Deemter 

equation 

419 

フィールドフロ

ーフラクショ
ネーション 

ふぃーるどふろ

ーふらくしょ
ねーしょん 

中空の分離場に遠心力,温度勾配,流れ,電場など
を作用させ,生じる溶質間の空間位置の違いの下に
分離を行う方法。 

field flow 

fractionation 

420 

負イオン 

ふいおん 

負の電荷をもつイオン。GC/MSでは負イオン化学
イオン化時にM−,[M−H]−及びフラグメントイオ
ンが,LC/MSでは[M−H]−,M−,[M+Cl]−などが
主として観測される。 

negative ion 

421 

負イオン化学イ

オン化 

ふいおんかがく

いおんか 

熱電子又は負の反応イオンを用いてイオン化室内
に導入された試料分子を負に帯電させる化学イオ
ン化法。イオン化室をメタンなどの試薬ガスを用い
て満たし,電子線などを照射して生成させる。 

negative ion chemical 

ionization; 

NICI 

background image

36 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

422 

フーリエ変換イ

オンサイクロ
トロン共鳴質
量分析計 

ふーりえへんか

んいおんさい

くろとろんき

ょうめいしつ

りょうぶんせ
きけい 

一様な磁場(一様磁場)中に置かれた電極に高周波
の周波数をスキャンしながら印加し,全てのイオン
にエネルギーを与え,次いで,アンテナとしての電
極に流れる誘導電流信号をフーリエ変換してm/zの
違いで分離してイオンを検出する方式の質量分析
計。 

Fourier-transform 

ion cyclotron 
resonance mass 
spectrometer; 

FT-ICR-MS 

423 

フォトダイオー

ドアレイ検出
器 

ふぉとだいおー

どあれいけん
しゅつき 

一次元に並べた数100〜約2 000(最大2 048)のフ
ォトダイオードから成る受光素子を検出部とする
高速液体クロマトグラフ用の多波長の検出器。フォ
トダイオードアレイにフローセルを通過した光を
分光して当て,各ダイオードに割り当てた波長の光
の強さを瞬時に走査することによって,通常のクロ
マトグラムと同時に各ピークの吸収スペクトルを
測定する三次元クロマトグラムを得ることができ
る。 

photodiode array 

detector; 

PDA 

424 

付加イオン 

ふかいおん 

中性分子Mにイオン種A+又はB−が付加したイオ
ン,すなわち[M+A]+又は[M+B]−。GC/MSにおけ
る化学イオン化,LC/MSにおけるエレクトロスプレ
ーイオン化,大気圧化学イオン化などで生じやす
い。 

adduct ion 

425 

付加ガス 

ふかがす 

カラムの下流で流路に合流させ,検出器を正常に動
作させるために用いるガス。 

make up gas 

426 

負荷容量 

ふかようりょう 

試料負荷容量(番号262)を参照。 

sample capacity(推

奨); 

loading capacity 

427 

フラクションコ

レクター 

ふらくしょんこ

れくたー 

分画(番号447)操作によって分け取られた画分(番
号108)を連続的に受ける装置。 

fraction collector 

428 

フラグメンテー

ション 

ふらぐめんてー

しょん 

イオンを構成する一つ又は複数の結合が開裂する
ことによって,そのイオンより小さい質量のイオン
を生じる反応。 

fragmentation 

429 

フラグメントイ

オン 

ふらぐめんとい

おん 

フラグメンテーションによって生じたイオン。 

fragment ion 

430 

フラッデッドゾ

ーン 

ふらっでっどぞ

ーん 

ガスクロマトグラフのキャピラリーカラムの入口
部分で,注入された液体試料がキャリヤーガスによ
ってカラム内部に展開された液状の領域。コールド
オンカラム注入の際,又はスプリットレス注入の際
の試料の再凝縮によって生じる。 

flooded zone 

431 

ブランク 

ぶらんく 

分析種だけを含まない試料,又はこれを用いて,あ
る条件の試験結果を得るために,他の条件は全て同
一にしてマトリックス効果などを調べる試験又は
試料。 

blank 

432 

ブリーディング 

ぶりーでぃんぐ 

固定相及びカラム素材に由来する成分がカラムか
ら徐々に流出する現象。 
注記 カラムの製造に起因するもの,使用中に温度

及び移動相の条件(例えば,GCでは水分量,
酸素量などによるもの,LCではpH,塩濃度,
有機溶媒濃度など)によるもの,固定相など
が劣化して生じるものなどがある。これらを
ブリードと総称し,ブリード量の大小でカラ
ム性能を評価する。 

bleeding 

background image

37 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

433 

プリカーサーイ

オン 

ぷりかーさーい

おん 

あるイオンから別のイオンが生じるときのイオン。
前駆イオン(番号295)ともいう。 

precursor ion 

434 

プリカーサーイ

オンスキャン 

ぷりかーさーい

おんすきゃん 

GC/MS又はLC/MSにおいて衝突誘起解離(CID)
によるフラグメンテーションによって特定のプロ
ダクトイオンを生じる全てのプリカーサーイオン
を検出する方法。タンデム質量分析における走査法
の一種。 

precursor ion scan 

435 

プリカーサーイ

オンスペクト
ル 

ぷりかーさーい

おんすぺくと
る 

プリカーサーイオンスキャンによって取得される
マススペクトル。 

precursor ion 

spectrum 

436 

プレカット法 

ぷれかっとほう 

クロマトグラムの最初に溶出する画分を,系外に排
出するか,又は次のカラムに導入するカラムスイッ
チング(番号127)手法。 
注記 分析を妨害する溶媒ピークなどを排出する

場合,また主成分の前に溶出する微量の分析
種を,次のカラムに濃縮導入したりするとき
に用いる。 

pre-cut 

437 

プレカラム 

ぷれからむ 

分離カラムの前に設置する小形のカラム。 

pre-column 

438 

プレカラム誘導

体化 

ぷれからむゆう

どうたいか 

カラム分離に先立ち,分析種を分離・検出に適した
化学種に誘導する操作。 

precolumn 

derivatization 

439 

プレヒートコイ

ル 

ぷれひーとこい

る 

移動相の温度をカラム温度と同等にした後カラム
へ導入するために,カラムの直前,又は試料導入部
前に接続されている加熱用配管コイル。 

preheating coil 

440 

フローセル 

ふろーせる 

液体クロマトグラフィーにおいて,カラムからの溶
出液が通過するときにピーク検出される流路部分。 
注記 液体クロマトグラフィーの各種検出器に連

結できる共通の部品で,検出器の種類に応じ
て,セルの素材,形状などが異なるが,ピー
クが必要以上に拡散しないような工夫が加
えられている。 

flow cell 

441 

フローFAB 

ふろーふぁぶ 

高速原子衝撃(FAB)によるイオン化を利用した
LC-MS用インターフェイス。 
注記 LC溶出液にマトリックスと称するイオン化

促進剤を混合した後,キャピラリーを介して
混合溶液をイオン化室に導入し,FABによっ
て分析種をイオン化する。真空中に液体を直
接導入するため,導入量を数 μL/minに制限

する必要がある。 

flow FAB 

442 

プロダクトイオ

ン 

ぷろだくといお

ん 

タンデム質量分析(番号323)において特定のプリ
カーサーイオンから生じた全てのイオン。生成イオ
ンともいう。 

product ion 

443 

プロダクトイオ

ンスキャン 

ぷろだくといお

んすきゃん 

タンデム質量分析(番号323)における走査法の一
種で,特定のプリカーサーイオンから生じる全ての
プロダクトイオンを検出する方法。タンデム質量分
析における走査法の一種。 

product ion scan 

444 

プロダクトイオ

ンスペクトル 

ぷろだくといお

んすぺくとる 

プロダクトイオンスキャンによって取得されるマ
ススペクトル。 

product ion spectrum 

background image

38 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

445 

PLOTカラム 

ぷろっとからむ 

吸着剤又は共重合ポリマーの微粒子を,カラムの壁
面に一定の厚さで固定化したガスクロマトグラフ
ィーの中空キャピラリーカラム。 
注記 固定相としてアルミナ,モレキュラーシー

ブ,多孔質ポリマーなどを用いる。 

porous-layer open 

tubular column 

446 

プロトン化分子 

ぷろとんかぶん

し 

中性分子MにプロトンH+が付加して生成したイオ
ン[M+H]+。 

protonated molecule 

447 

分画 

ぶんかく 

カラムで分離され,溶出してきた成分を分け取る操
作。 

fractionation 

448 

分取クロマトグ

ラフィー 

ぶんしゅくろま

とぐらふぃー 

クロマトグラムの特定のピーク部分に相当する移
動相を採取することによって,分離された成分の分
取・精製を行う方法。 
注記 分取HPLCでは,内径10 mm以上,50 mm未

満のカラムをセミ分取カラムと分類する。 

preparative 

chromatography 

449 

分子量関連イオ

ン 

ぶんしりょうか

んれんいおん 

分子量情報の獲得に直接役立つイオン種。 
注記 M+,M−,[M+H]+,[M−H]−,[M+Na]+,

[M+NH4]+,[M+Cl]−などがある。 

molecular related 

ion 

450 

分子量標準物質 

ぶんしりょうひ

ょうじゅんぶ
っしつ 

サイズ排除クロマトグラフィー(番号214)におけ
る校正曲線を作成するときに利用する分子量既知
で単分散の高分子標準物質。 

molecular mass 

standard 

451 

分子量分布 

ぶんしりょうぶ

んぷ 

通常の高分子化合物などのような分子量に多分散
性がある化合物について,分子量の関数として,そ
れぞれの分子種の量を表したもの。 

molecular weight 

distribution 

452 

分析種 

ぶんせきしゅ 

分析試料又は試料溶液中の被検査成分。分析対象成
分ともいう。 

analyte 

453 

分析法バリデー

ション 

ぶんせきほうば

りでーしょん 

分析方法が分析の目的にかなっていることを実証
するための各種試験。妥当性確認ともいう。 

method validation 

454 

分配クロマトグ

ラフィー 

ぶんぱいくろま

とぐらふぃー 

試料成分の移動相と固定相との間の分配平衡の差
によって分離の行われるクロマトグラフィー。 

partition 

chromatoguraphy 

455 

分配係数 

ぶんぱいけいす

う 

次の式で表す値。 

m

m

s

s

/

/

V

M

V

M

K=

ここに,K:分配係数 

Ms:固定相における物質の質量 
Mm:移動相における物質の質量 
Vs:固定相の体積 
Vm:移動相の体積 

注記 物質の種類,固定相液体及び温度によって異

なる。 

partition coefficient 

456 

分離カラム 

ぶんりからむ 

試料成分の分離が行われる管状の場。充塡剤が充塡
されたもの,又はキャピラリー管壁に固定相が担持
されたものなどがある。 

separation column 

457 

分離係数, 
α 

ぶんりけいすう, 

あるふぁ 

ある2成分の保持係数k2とk1との比(α)。 
ここに,k1≦k2とするとα=k2/k1で表す数値。 

separation factor 

background image

39 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

458 

分離数 

ぶんりすう 

メチレン基数の差が1である2種類のアルカンが示
すクロマトグラムにおいて,2本のピーク間に収容
できる次の式で表すピーク数。 

0.5h(Z)

1)

0.5h(Z

R(Z)

1)

R(Z

W

W

t

t

TZ

+

=

+

+

ここに,tR(Z)及びtR(Z+1):2種類のアルカンの

保持時間 

W0.5h(Z)及びW0.5h(Z+1):それぞれのピ

ークの半値幅 

z:アルカンの炭素数 

separation number; 
Trennzahl; 
TZ; 
SN 

459 

分離度 

ぶんりど 

クロマトグラム上で近接している二つのピークが
どの程度分離しているかを示す尺度。分離度Rは次
の式によって定義する。 

2

1

1

R

2

R

)

(2

W

W

t

t

R

+

=

ここに,tR1,tR2:ピーク1及びピーク2の保

持時間(tR2≧tR1) 

W1,W2: ピーク1及びピーク2の

ピーク幅 

又は 

2

5.0

1

5.0

1

R

2

R

)

(

18

.1

h

h

W

W

t

t

R

+

=

ここに,tR1,tR2:ピーク1及びピーク2の保

持時間(tR2≧tR1) 

W0.5h1,W0.5h2:ピーク1及びピーク2の幅 

resolution 

460 

分離モード 

ぶんりもーど 

用いる固定相と移動相とで物質の分離を支配する
作用様式。 

separation mode 

461 

平均質量 

へいきんしつり

ょう 

各元素における全同位体の天然存在比を加味した
原子量を用いて計算したイオン又は分子の精密質
量。 
注記 質量分析では,モノアイソトピックピークの

分離が困難な場合には,測定したm/z値を平
均質量と比較することが多い。 

average mass 

462 

平均分子量 

へいきんぶんし

りょう 

分子量の異なる分子の集合体である合成高分子又
は合成オリゴマーの分子量の平均値。 

average molecular 

mass 

463 

平衡定数 

へいこうていす

う 

へいこうじょう

すう 

化学反応の平衡状態を物質の存在比で表した数値。
一般にKで表す。 

equilibrium constant 

464 

ベースライン 

べーすらいん 

クロマトグラムにおいて,試料成分がなく移動相だ
けが検出器を通過している部分。基線(番号139)
ともいう。 

base line 

465 

ペーパークロマ

トグラフィー 

ぺーぱーくろま

とぐらふぃー 

ろ紙(又はろ紙に含浸させた液体)を固定相とし,
移動相を上昇又は下降展開させる液体クロマトグ
ラフィー。 

paper 

chromatography 

466 

ヘッドスペース

法, 

HS 
(ガスクロマト

グラフィーの)

へっどすぺーす

ほう, 

えいちえす 

固体・液体試料を密栓した一定容器に入れ,一定温
度において一定時間加温し,気相部分の一定量を採
取し分析装置に導入する方法。 

head space method; 
HS 
(for gas 

chromatography) 

background image

40 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

467 

ヘリウムイオン

化検出器 

へりうむいおん

かけんしゅつ
き 

放射線源又は放電を用いてヘリウムを電子的な励
起状態としてカラムから溶出した成分と衝突させ,
ペニングイオン化によって生成したイオンを検出
するGC用検出器。 

helium ionization 

detector 

468 

包括的二次元ク

ロマトグラフ
ィー 

ほうかつてきに

じげんくろま
とぐらふぃー 

二次元クロマトグラフィーにおいて,最初のカラム
(一次元目のクロマトグラフィー)からの溶出物を
適時分画し,第2のカラム(二次元目のクロマトグ
ラフィー)に導入する分離手法。コンプリヘンシブ
二次元クロマトグラフィーともいう。 
注記 カラムの選択性の差を利用した高い分離能

によって多くのピーク情報を得ることがで
きる。2本のカラムの保持時間とピーク強度
の情報が一度に得られる。GC×GC,LC×
GC,LC×LCなどがある。 

comprehensive 

two-dimensional 
chromatography 

469 

放射性同位元素

検出器 

ほうしゃせいど

ういげんそけ
んしゅつき 

放射性の同位元素を特異的に検出するクロマトグ
ラフィー用検出器。 

radioisotope 

detector 

470 

ホールドアップ

タイム 

ほーるどあっぷ

たいむ 

試料導入時からカラムに保持されない成分のピー
クの頂点が現れるまでの時間。デッドタイム(番号
350)の別称。ただし,ホールドアップタイムを用
いるのが望ましい。 

holdup time 

471 

ホールドアップ

ボリューム 

ほーるどあっぷ

ぼりゅーむ 

カラムに保持されない成分に対する保持容量。カラ
ム中の遊び空間体積(空隙容量),試料導入部,検
出器の実効体積などが関係する。 

holdup volume 

472 

保持係数 

ほじけいすう 

各成分の空間補正保持時間をホールドアップタイ
ムで除した値。kで表し,次の式によって定義する。 

k=(t'R−t0)/t0 

ここに,t'R:対象成分の保持時間 

t0:保持されないで移動相と同じ速

度でカラムを通過する成分の保
持時間。 

注記 各成分の固定相中の滞在時間(空間補正保持

時間)と移動相中の滞在時間(ホールドアッ
プタイム)との比。 

retention factor 

473 

保持時間 

ほじじかん 

カラムに試料を導入後,対象成分のピークの頂点が
現れるまでの時間。 

retention time 

474 

保持指標 

ほじしひょう 

ガスクロマトグラフィーにおいて,成分を同定する
ための指標の一つで,次の式によって定義される数
値。 

+

=

+

z

z

z

i

X

X

X

X

z

I

log

log

log

log

100

100

1

ここに,Xi:対象成分の空間補正保持時間 

Xz:Xiより空間補正保持時間が小さ

く,かつ最もXiに近い直鎖アル
カンの空間補正保持時間 

z:空間補正保持時間Xzの直鎖アル

カンの炭素数 

Xz+1:z+1の炭素数の直鎖アルカン

の空間補正保持時間 

なお,直線昇温分析の場合,上式のlogXはXと

なる。Kovats Index(KI)と呼ぶこともある。 

retention index 

background image

41 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

475 

保持値 

ほじち 

保持容量,保持時間,圧力補正保持容量,空間補正
保持容量,純補正保持容量,比保持容量,保持比,
相対保持時間,補正保持時間,空間補正保持時間,
保持係数,Rf値などの総称。 

retention data 

476 

保持比 

ほじひ 

ある物質の保持値を表示するため,同一条件の下
で,次の式で得る数値。 

R2

R1

2

1

g2

g1

N2

N1

R2

R1

12

'

'

V

V

k

k

V

V

V

V

V

V

r

=

=

=

=

ここに,VR':空間補正保持容量 

VN:純補正保持容量 
Vg:比保持容量 
VR:保持容量 
k:保持係数 

なお,添字1及び添字2は,それぞれ特定物質及

び基準とする比較用物質を表す。 

relative retention 

477 

保持容量 

ほじようりょう 

ある条件の下で特定の物質をカラムから溶出させ
るのに必要な移動相の体積。 
次の式によって表す。 

VR=tRF 

ここに,tR:保持時間 

F:そのときのカラム温度における

出口での移動相の流量 

retention volume 

478 

ポストカラム誘

導体化 

ぽすとからむゆ

うどうたいか 

カラムから溶出した後に反応試薬などを作用させ,
検出能を向上させるために分析種を他の化学種に
誘導する操作。 

postcolumn 

derivatization 

479 

補正保持容量 

ほせいほじよう

りょう 

カラムにおける圧力降下を補正した保持容量。保持
容量VRに圧力勾配補正因子jを乗じたVR0=jVRで
定義する。圧力補正保持容量ともいう。 

corrected retention 

volume 

480 

ポリメリック固

定相 

ぽりめりっくこ

ていそう 

2又は3官能性有機シランによってシリカゲル表面
をシリル化する際,有機シラン同士の反応を伴って
合成された固定相。 

polymeric stationary 

phase 

481 

ボルタンメトリ

ック検出器 

ぼるたんめとり

っくけんしゅ
つき 

微小電極を用いた電解において,作用電極の電位と
電流との関係を測定する高速液体クロマトグラフ
用検出器。 

voltammetric 

detector 

482 

マイクロ高速液

体クロマトグ
ラフィー 

まいくろこうそ

くえきたいく

ろまとぐらふ
ぃー 

移動相最適流量が数μLレベルのカラムを用いる高

速液体クロマトグラフィー。ミクロ高速液体クロマ
トグラフィーともいう。 

microhigh 

performance liquid 
chromatography 

483 

マイクロ固相抽

出 

まいくろこそう

ちゅうしゅつ 

a) 固相マイクロ抽出(番号200)の別称。 
b) 試料量又は溶出液がマイクロリットル量の固

相抽出操作の総称。 

a) solid phase 

micro 
extraction; 

SPME 

b) micro solid 

phase 
extraction; 

micro SPE 

484 

マイクロシリン

ジ 

まいくろしりん

じ 

液体又は気体の試料を,定量的にクロマトグラフに
導入するための小形シリンジ(注射器)。 

microsyringe 

background image

42 

K 0214:2013  

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番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

485 

マイクロボアカ

ラム, 

ミクロボアカラ

ム 

まいくろぼあか

らむ, 

みくろぼあから

む 

内径1 mm〜2 mmのカラムに2 μm〜5 μmの充塡剤

を詰めた液体クロマトグラフィー用カラム。 

microbore column 

486 

膜厚 
(キャピラリー

カラムの) 

まくあつ 

キャピラリーカラムで管内壁にコーティングした
固定相液体の厚さ。 
注記 PLOTカラム(番号445)では,固定化され

た固定相の微粒子層の厚さを指す。 

film thickness 

487 

膜透析形 
(サプレッサー

方式の) 

まくとうせきが

た 

イオン交換膜によって隔てられた二つの流路の一
方に溶出液を通過させ,除去すべき溶離液中のイオ
ンを他方の再生液側の流路に電気的又は化学的に
透析して除去する方式。 

membranes dialysis 

type 

488 

マスクロマトグ

ラフィー 

ますくろまとぐ

らふぃー 

全イオンモニタリング実行時,保存したスペクトル
データから特定のm/z値のイオンに由来する電流値
の時間変化をクロマトグラムとして取り出す手法。 

mass 

chromatography 

489 

マスクロマトグ

ラム 

ますくろまとぐ

らむ 

マスクロマトグラフィーによって得られるクロマ
トグラム。 

mass chromatogram 

490 

マトリックス 

まとりっくす 

分析種以外の試料の構成物。 

matrix 

491 

マトリックス効

果 

まとりっくすこ

うか 

a) GCの場合:試料溶液中の共存成分がGC注入

口のライナー又はカラム内の活性点などに吸
着することによって,標準試料溶液注入時と比
較して分析種の回収率が変化し,分析結果に影
響を及ぼす現象。 

b) LC/MSの場合:試料溶液の分析種の感度が,マ

トリックスの影響によって標準溶液と比較し
て増大したり減少したりする現象。 

注記 試料溶液の分析種以外の共存成分の影響に

よる。 

matrix effect 

492 

マルチカラムク

ロマトグラフ
ィー 

まるちからむく

ろまとぐらふ
ぃー 

複数のカラム構成からなるクロマトグラフィー。 

multi column 

chromatography 

493 

マルチチャンネ

ル検出器 

まるちちゃんね

るけんしゅつ
き 

a) 紫外可視検出の場合は,非連続な複数の波長を

測定する検出器。 

b) 電気化学検出の場合は,直列につないだ複数の

異なる電位の電極によって同時計測可能な検
出器。 

multichannel 

detector 

494 

ミクロカラム 

みくろからむ 

カラム内径が1 mm未満の液体クロマトグラフィー
用カラム。 

microcolumn 

495 

ミセルクロマト

グラフィー 

みせるくろまと

ぐらふぃー 

逆相系固定相を用い,移動相に臨界ミセル濃度以上
の界面活性剤を加えて,目的物を可溶化して分離す
る手法。 

micellar 

chromatography 

496 

ミセル動電クロ

マトグラフィ
ー 

みせるどうでん

くろまとぐら
ふぃー 

溶融シリカキャピラリー内に界面活性剤のミセル
を形成させ,キャピラリーの両端に電位をかけて行
うキャピラリー電気泳動の一種。ミセルを擬似的な
固定相として,キャピラリー内に発生する電気浸透
流を移動相とみなすことから,クロマトグラフィー
と称する。 

micellar 

electrokinetic 
chromatography; 

MEKC 

background image

43 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

497 

密度プログラミ

ング 

みつどぷろぐら

みんぐ 

超臨界流体クロマトグラフィーに用いられる方法
で,GCにおける昇温分析及びHPLCでのグラジエ
ント溶離に相当する移動相流体の密度を時間とと
もに変化させる溶出方法。 

density 

programming 

498 

無孔性充塡剤 

むこうせいじゅ

うてんざい 

移動相が浸透する細孔のない充塡剤。 

nonporous packing 

material 

499 

メイクアップソ

ルベント 

めいくあっぷそ

るべんと 

超臨界流体クロマトグラフィー(番号333)におい
て,検出器,フラクションコレクターなどへ試料成
分を移動させるために流路に加える溶媒。 

make up solvent 

500 

面積百分率法 

めんせきひゃく

ぶんりつほう 

クロマトグラムから得られた各成分のピーク面積
比を百分率によって表す方法。 

area percentage 

method 

501 

モディファイア

ー 

もでぃふぁいあ

ー 

超臨界流体クロマトグラフィーにおいて,分離又は
保持の改善を目的として,主流体に加える有機溶媒
などの添加剤。 

modifier; 
entrainer; 
cosolvent 

502 

モノアイソトピ

ック質量 

ものあいそとぴ

っくしつりょ
う 

各元素において天然存在比が最大の同位体の質量
を用いて計算したイオン及び分子の精密質量。 

monoisotopic mass 

503 

モノメリック固

定相 

ものめりっくこ

ていそう 

有機シランによってシリカゲル表面をシリル化す
る際,有機シラン同士の反応を伴わず合成された固
定相。 

monometric 

stationary phase 

504 

モノリスカラム 

ものりすからむ 

固定相が多孔性のシリカゲル又はポリマーを基材
とした連続の骨格構造をもつカラム。ロッド形のも
の,フューズドシリカなどのキャピラリー管内で合
成したものなどがある。 

monolithic column 

505 

モレキュラーイ

ンプリンティ
ング充塡剤 

もれきゅらーい

んぷりんてぃ

んぐじゅうて
んざい 

分離目的の化合物又はその擬似的な化合物を鋳型
として高分子ゲルを合成し,その後,鋳型分子を取
り除いたゲルから調製した液体クロマトグラフィ
ー用の充塡剤又は選択的固相抽出剤。 

molecular imprinting 

packing material 

506 

UHPLC 

ゆーえいちぴー

えるしー 

超高速液体クロマトグラフィー(番号329)又は超
高速液体クロマトグラフの略称。 

ultra high 

performance liquid 
chromatography; 

ultra high 

performance liquid 
chromatograph; 

UHPLC 

507 

誘導体化 

ゆうどうたいか 

抽出・分離・検出を容易にする目的で,分析種を他
の化学種に誘導する操作。 

derivatization 

508 

溶出液 

ようしゅつえき 

移動相(溶離液)によって展開したときのカラムか
ら流出する液体。 

eluate; 
effluent 

509 

溶媒強度 

ようばいきょう

ど 

基準溶媒を定め,基準物質の特定の固定相からの溶
出に関わる時間を相対的に示した特性。 

solvent strength 

parameter 

510 

溶媒効果 

ようばいこうか 

キャピラリーカラムを用いたガスクロマトグラフ
ィーにおいて,分析種がカラム先端部に凝縮した溶
媒に強く保持され,ピーク幅が狭くなる現象。 

solvent effect 

511 

溶離液 

ようりえき 

カラムに保持されている試料成分を展開及び溶出
させるための液体。 

eluent; 
eluant 

512 

溶離液槽 

ようりえきそう 

溶離液を貯留する槽。 

eluent reservoir; 
eluant reservoir 

background image

44 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

513 

ライナー 

らいなー 

ガスクロマトグラフの注入口内において,注入され
た試料をカラムに導入するための部品。インサート
ともいう。 
注記 液体試料の場合は気化の場でもある。目的に

合わせて種々の形状,材質,容積のものがあ
る。 

liner; 
insert 

514 

ライブラリー検

索 

(質量分析法の)

らいぶらりーけ

んさく 

GC/MSなどで測定した特定成分のマススペクトル
と,データシステムに内蔵の,又は外部のマススペ
クトルライブラリーとを照合する手法。 

library search 

515 

ラインフィルタ

ー 

らいんふぃるた

ー 

移動相中の異物を除くために,管流路内に設けたフ
ィルター。 

line filter 

516 

リーディング 

りーでぃんぐ 

ピーク前半部が後半部に比べて緩やかに立ち上が
っている様子。 

leading 

517 

リサイクルクロ

マトグラフィ
ー 

りさいくるくろ

まとぐらふぃ
ー 

定組成溶離液体クロマトグラフィーにおいてカラ
ムから溶出した分析種を含む移動相をカラム入口
へ戻す操作を繰り返す分離方式。 

recycle 

chromatography 

518 

リテンションギ

ャップ 

りてんしょんぎ

ゃっぷ 

試料溶媒のフラッデッドゾーンによって空間的に
広がった試料バンドを,保持力の弱いプレカラムと
分離カラムの保持力との差を利用して再凝縮する
手法。 
注記 このプレカラムをリテンションギャップカ

ラムという。フラッデッドゾーンを短くする
ために溶媒になじみ,かつ,不活性なカラム
を用いる。 

retention gap 

519 

粒子径 

りゅうしけい 

通常μmを単位として用いる充塡剤粒子の直径。 

particle diameter 

520 

流量プログラミ

ング 

りゅうりょうぷ

ろぐらみんぐ 

移動相の流量を連続的又は段階的に変化させなが
ら,溶質を溶出させる操作。 

flow programming 

521 

両性イオン交換

体 

りょうせいいお

んこうかんた
い 

酸性交換基及び塩基性交換基の両方をもつイオン
交換体。あるpHより高い領域で陽イオン交換性が,
それより低いpH領域で陰イオン交換性がそれぞれ
優勢となる。また,ほとんどのpHで陽イオン及び
陰イオンを同時にイオン交換できるイオン交換体
もある。 

amphoteric ion 

exchange resin 

522 

理論段数 

りろんだんすう 

カラム効率を表す指標の一つで,段理論における段
数。特定成分について,次の三つの式で算出され,
定義される数。ピークがガウス曲線の場合,三つの
式の結果は一致する。 

2

R

16×

=

W

t

N

2

h

5.0

R

54

.5

×

=

W

t

N

2

R

π

2 ×

=

A

H

t

N

ここに,tR:保持時間 

W:ピーク幅 
A:ピーク面積 
H:ピーク高さ 
W0.5h:ピーク半値幅 

theoretical plate 

number 

background image

45 

K 0214:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み 

定義 

対応英語(参考) 

523 

理論段相当高さ,
HETP 

りろんだんそう

とうたかさ, 

えいちいーてぃ

ーぴー 

カラム効率を理論段1段に相当する長さで表すもの
で,カラム長さLを理論段数Nで除した値。 

H=L/N 

height equivalent to 

a theoretical plate 

524 

ループインジェ

クター 

るーぷいんじぇ

くたー 

ロータリーバルブなどに試料計量管をバイパス式
に取り付けた試料導入器具。 

valve injector 

525 

ロッドカラム 

ろっどからむ 

充塡剤カラムと異なり,固定相が一体形を成してい
るカラムの総称。カラム管内で重合反応などを行っ
たり,大きなゲルからカラム管と同じ形状のゲルを
切り出してカラムに封入するなどによって調製す
る。モノリスカラムはロッドカラムの一つ。 

lod-column 

参考文献 JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則 

JIS K 0123 ガスクロマトグラフィー質量分析通則 

JIS K 0124 高速液体クロマトグラフィー通則 

JIS K 0127 イオンクロマトグラフィー通則 

JIS K 0136 高速液体クロマトグラフィー質量分析通則 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門) 

JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)