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H 8682-1:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 特徴······························································································································· 2 

5 概要······························································································································· 2 

6 試験装置及び測定器具 ······································································································· 3 

7 試験方法························································································································· 3 

7.1 基準試験片 ··················································································································· 3 

7.2 照合試験片 ··················································································································· 3 

7.3 試験片 ························································································································· 3 

7.4 試験条件 ······················································································································ 4 

7.5 手順 ···························································································································· 4 

8 試験結果の表し方 ············································································································· 5 

8.1 一般 ···························································································································· 5 

8.2 耐摩耗性 ······················································································································ 5 

8.3 耐摩耗性係数 ················································································································ 5 

8.4 摩耗指数 ······················································································································ 6 

8.5 比摩耗速度 ··················································································································· 6 

9 試験報告書 ······················································································································ 7 

附属書A(規定)基準試験片(一般皮膜用)の作製仕様 ······························································ 8 

附属書B(参考)耐摩耗性の深さ方向の測定·············································································· 9 

附属書C(参考)往復運動平面摩耗試験装置 ············································································ 11 

附属書JA(規定)基準試験片(硬質皮膜用)の作製仕様 ···························································· 12 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 14 

H 8682-1:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人軽金

属製品協会(JAPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS H 8682-1:1999は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS H 8682の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS H 8682-1 第1部:往復運動平面摩耗試験 

JIS H 8682-2 第2部:噴射摩耗試験 

JIS H 8682-3 第3部:砂落し摩耗試験 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 8682-1:2013 

アルミニウム及びアルミニウム合金の 

陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法− 

第1部:往復運動平面摩耗試験 

Anodizing of aluminium and its alloys- 

Measurement of abrasion resistance of anodic oxidation coatings- 

Part 1: Abrasive-wheel-wear abrasion resistance test 

序文 

この規格は,2011年に第2版として発行されたISO 8251を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金の製品(以下,製品という。)に施した厚さ5 μmを超

える平滑な陽極酸化皮膜(以下,皮膜という。)の表面を研磨紙で摩擦(往復運動)することによって,耐

摩耗性などの摩耗特性を試験する方法について規定する。 

注記1 耐摩耗性試験方法には,往復運動平面摩耗試験,噴射摩耗試験及び砂落し摩耗試験の3種類

あるが,この規格では往復運動平面摩耗試験について規定する。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 8251:2011,Anodizing of aluminium and its alloys−Measurement of abrasion resistance of 

anodic oxidation coatings(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 0201 アルミニウム表面処理用語 

JIS H 8680-2 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法−第2部:渦電流式

測定法 

JIS R 6252 研磨紙 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS H 0201によるほか,次による。 

3.1 

試験片(test specimen) 

耐摩耗性などの摩耗特性試験を行うための試料。 

3.2 

基準試験片(standard specimen) 

試験片との比較のため,異なる試験装置,使用した研磨紙のロットの違いなどに起因して生じる試験結

果の相違を補正するための試料。 

3.3 

照合試験片(reference specimen) 

受渡当事者間で取り決めた条件で作製した試料で,試験片と照合するための試料。 

3.4 

ダブルストローク,ds(double stroke) 

摩擦輪と試験片との間の摩擦の試験片上の1往復。往復の回数を,dsで表す。 

注記 この試験では,皮膜を減耗させるのに要した摩擦の往復回数で,ダブルストロークの回数に対

応する減耗量を測定して,摩耗特性を評価する。 

特徴 

この試験は,研磨紙と試験片との間に一定の押付け力を加えた条件の下で摩耗させ,皮膜の摩耗特性を

求める方法である。表面近傍の酸化皮膜層,皮膜全体及び選択した皮膜中間層の耐摩耗性,摩耗指数など

を求めることができる。 

注記 この試験は,平滑なアルミニウム及びその合金に施した厚さ5 μmを超える平滑な皮膜に適用

できるが,凹凸のある試験片及び曲面の試験片には適用できない。これらの場合には,皮膜の

耐摩耗性の平均値を示す噴射摩耗試験で行う(JIS H 8682-2参照)。 

概要 

この試験は,往復運動平面摩耗試験装置によって,周囲に炭化けい素研磨紙を張り付けた摩擦輪と試験

片との間に一定の押付け力を加えながら試験片を往復運動させる。1回の往復運動が終わるごとに,摩擦

輪を0.9°回転させることで,摩擦中の研磨紙を試験片の摩擦面に接触したままの状態で未使用部分に移動

させ,試験を繰り返す。 

試験結果は,皮膜厚さの減少量又は質量の減少量を測定し,基準試験片(附属書A又は附属書JA)又

は照合試験片(3.3)と比較して,耐摩耗性,摩耗指数などを算出する。 

膜厚測定器で皮膜厚さを測定できない場合は,質量減少法で求める。 

研削された皮膜厚さとダブルストロークの回数との関係をグラフ化すると,皮膜の耐摩耗性の特徴を把

握できる。 

注記 皮膜の深さによる摩耗特性の変化を把握するためには,試験面を徐々に摩擦して,素地のアル

ミニウムが現れるまで操作する(附属書B参照)。 

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H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験装置及び測定器具 

6.1 

試験装置 往復運動平面摩耗試験装置は,試験片取付台,自転装置付き摩擦輪,摩擦運動機構,押

付け力付加機構,摩擦回数読取器などで構成し,試験片及び研磨紙からの脱落粉が試験中に試験片の上に

残存しない構造のもので,表1に示す要件を満たすものでなければならない。ただし,吸引装置などを用

いて,脱落粉を除去してもよい。往復運動平面摩耗試験装置の一例を,附属書Cに示す。 

摩擦輪が試験片上を1往復した後,次の摩擦操作に移る前に,摩擦輪を炭化けい素質研磨紙と試験片表

面とを接触させながら0.9°回転させる。ダブルストロークが400回になると,摩擦輪は完全に1回転する。

1回転に達したときに,新しい研磨紙と交換しなければならない。 

摩擦回数は摩擦回数読取器に記録され,摩擦運動機構は,摩擦回数読取器があらかじめ指定した摩擦回

数(最大で400 ds)に達すると,自動的に連動して停止できるものが望ましい。 

表1−試験装置が具備する要件 

装置 

具備する要件 

試験片取付台 

試験片を確実に固定できるもの。試験片と摩擦輪との往復運動で試
験片が試験片取付台から動かないものでなければならない。 

自転装置付き摩擦輪 

直径50 mm,幅12 mmで,1回のダブルストロークごとに,0.9°回
転できるものでなければならない(400 dsで1回転する。)。 

摩擦運動機構 

毎分40 ds±2 ds,30.0 mm±0.5 mmのストロークで摩擦できるもの
で,試験面の摩擦が均一に行われるものでなければならない。 

押付け力付加機構 

摩擦輪と試験片との間に,所定の押付け力を加えることができるも
のでなければならない。 

摩擦回数読取器 

摩擦回数が正確に読み取れるものでなければならない。自動停止装
置付きのものが望ましい。 

6.2 

研磨紙 研磨紙は,JIS R 6252に規定する炭化けい素質研磨材Cの粒度P 320(一般皮膜用)又はP 

240(硬質皮膜用)で裏面に接着剤を付けたものを12 mm×158 mmに裁断して用いる。 

6.3 

膜厚測定器 膜厚測定器は,JIS H 8680-2に規定する渦電流式測定器を用いる。 

6.4 

はかり 読取り限度0.1 mgの化学天びん又は電子天びんを用いる。 

試験方法 

7.1 

基準試験片 

基準試験片は,附属書A又は附属書JAの仕様によって作製されたものを用いなければならない。 

7.2 

照合試験片 

照合試験片は,受渡当事者間で取り決めた仕様に従って作製されたものを用いなければならない。 

7.3 

試験片 

試験片は,次による。 

a) 試験片の採取箇所は,製品の表面に施した皮膜が,用途に適合する品質を満たすことが不可欠な有効

面とし,試験片の形状は,平面でなければならない。 

なお,製品から試験片を採取することができない場合は,製品と同一の材料及び同一の処理条件で

作製した試験片を用いる。製品と同一の材料とは,材料の種類・質別及び処理前の表面状態が,製品

と同じであることをいう。また,同一の処理条件とは,前処理,皮膜の処理が,製品と同一の浴組成

及び同一の処理条件で,製品と同一の性能を得るように処理することをいう。 

b) 試験片の最小寸法は,70 mm×70 mmとする。 

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H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 試験片は,汚れに応じて,エタノール,アセトンなどの適切な有機溶剤を浸した柔らかい脱脂綿など

を用いてあらかじめ清浄にする。 

なお,試験片を腐食したり,保護皮膜を作るような有機溶剤を用いてはならない。 

7.4 

試験条件 

試験環境は,常温で相対湿度65 %以下とする。試験条件は,表2による。 

なお,試験片,基準試験片及び照合試験片の試験条件は,同じでなければならない。 

表2−試験条件 

一般皮膜a) 

硬質皮膜b) 

研磨紙 

CP 320 

CP 240 

押付け力 

3.9±0.1 

19.6±0.5 

ダブルストローク速度 

ds/min 

40±2 

予備のダブルストローク回数c) 

ds 

50 

100 

ダブルストローク回数 

ds 

適切なダブルストローク回数d) 

700 e) 

注a) 耐摩耗性以外の目的で施されている皮膜。 

b) 耐摩耗性の目的で施されている皮膜(JIS H 8603参照)。 

c) 皮膜厚さが薄い場合など,受渡当事者間の協定によって予備摩擦を省略してもよい。 

d) 摩擦回数は,皮膜厚さ10 μm当たり200 dsを目安とする。 

e) 25 μm前後の皮膜,銅2 %以上を含む合金の皮膜及びけい素8 %以上を含む合金の皮膜は,300 dsとし

てもよい。 

7.5 

手順 

手順は,次による。 

a) 研磨紙を摩擦輪の外周面に貼り付け,6.1の試験装置に取り付ける。このとき,研磨紙の両端に隙間が

なく,かつ,重ならないようにする。 

b) 試験装置の案内定規を用いて,基準試験片又は照合試験片の試験箇所の位置合わせを行う。 

c) 基準試験片又は照合試験片を,案内定規を用いて試験片取付台に固定する。試験片の厚さが薄くて柔

らかい場合は,試験前に,平面で硬い金属板に接着剤でしっかりと貼り付けてから試験に用いる。 

d) 規定の押付け力を加え,規定する予備のダブルストロークを行う。 

e) 試験終了後,基準試験片又は照合試験片を試験片取付台から外し,表面の研削粉を柔らかい布,刷毛

などで除去した後,摩擦面の中央部の皮膜厚さを6.3の膜厚測定器で0.1 μmの単位で3回以上測定し,

その平均値をJIS Z 8401の規則Aによって,小数点以下第一位で丸める。又は,基準試験片又は照合

試験片の質量を6.4のはかりで0.1 mgの位まで量り,JIS Z 8401の規則Aによって,小数点以下第一

位で丸める。 

f) 

試験位置を変えることなく,基準試験片又は照合試験片を試験片取付け台に固定し,規定回数のダブ

ルストロークを行う。研磨紙は,摩擦輪1回転(400 ds)に達したときに新しい研磨紙に交換する。 

g) 同じ基準試験片又は照合試験片の試験位置を変え,a)〜f)の手順を更に2回以上行い,e)の手順によっ

て,皮膜厚さ又は質量を平均する。 

h) 試験片について,a)〜g)の手順を行う。圧延マーク,ダイスマークなど方向性のある試験片は,通常,

筋目が摩擦方向と一致するように固定する。 

なお,研磨紙は,基準試験片又は照合試験片に用いた研磨紙と同一ロットのものを用いる。 

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H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験結果の表し方 

8.1 

一般 

試験結果は,3回以上の測定結果の平均値を基にして,8.2〜8.5のいずれかによって求める。ただし,基

準試験片,照合試験片及び試験片の耐摩耗性などは,同一の計算式を用いる。また,皮膜厚さの場合は0.1μm

まで測定し,質量測定の場合は0.1 mgまでひょう(秤)量し,JIS Z 8401の規則Aによって,小数点以下

第一位で丸める。 

8.2 

耐摩耗性 

試験片の試験前後の皮膜厚さ又は質量の測定結果から,それぞれの試験片に施された皮膜の耐摩耗性

(WRW又はMWRW)を式(1)又は式(2)によって求める。 

a) 皮膜厚さ測定の場合 

2t

1t

W

d

d

N

WR

=

 ·········································································· (1) 

ここに, 

WRW: 往復運動平面摩耗試験における耐摩耗性(ds/μm) 

N: ダブルストロークの回数(ds) 

d1t: 試験片の予備摩擦後の平均皮膜厚さ(μm) 

d2t: 試験片の試験後の平均皮膜厚さ(μm) 

b) 質量測定の場合 

2t

1t

W

m

m

N

MWR

=

 ······································································ (2) 

ここに, MWRW: 往復運動平面摩耗試験における質量耐摩耗性(ds/mg) 
 

N: ダブルストロークの回数(ds) 

m1t: 試験片の予備摩擦後の平均質量(mg) 

m2t: 試験片の試験後の平均質量(mg) 

8.3 

耐摩耗性係数 

基準試験片及び試験片の耐摩耗性の値を基に,式(3)又は式(4)によって耐摩耗性係数(WRCW又は

MWRCW)を求める。 

a) 皮膜厚さ測定の場合 

2t

1t

2s

1s

s

t

W

d

d

d

d

WR

WR

WRC

=

=

 ······························································· (3) 

ここに, 

WRCW: 往復運動平面摩耗試験における耐摩耗性係数 

WRt: 試験片の耐摩耗性(ds/μm) 

WRs: 基準試験片の耐摩耗性(ds/μm) 

d1s: 基準試験片の予備摩擦後の平均皮膜厚さ(μm) 

d2s: 基準試験片の試験後の平均皮膜厚さ(μm) 

d1t: 試験片の予備摩擦後の平均皮膜厚さ(μm) 

d2t: 試験片の試験後の平均皮膜厚さ(μm) 

注記 耐摩耗性係数は,8.4の摩耗指数の逆数であり,基準試験片の耐摩耗性係数は,1である。耐

摩耗性係数が1よりも大きければ,試験片の摩耗が基準試験片よりも少なく,逆に,耐摩耗

性係数が1よりも小さければ,試験片の摩耗が基準試験片よりも多いことを意味する。 

b) 質量測定の場合 

2t

1t

2s

1s

s

t

W

m

m

m

m

MWR

MWR

MWRC

=

=

 ························································ (4) 

ここに, MWRCW: 往復運動平面摩耗試験における質量耐摩耗性係数 
 

MWRt: 試験片の耐摩耗性(ds/mg) 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

MWRs: 基準試験片の耐摩耗性(ds/mg) 

m1s: 基準試験片の予備摩擦後の平均質量(mg) 

m2s: 基準試験片の試験後の平均質量(mg) 

m1t: 試験片の予備摩擦後の平均質量(mg) 

m2t: 試験片の試験後の平均質量(mg) 

8.4 

摩耗指数 

摩耗指数(WIW又はMWIW)は,耐摩耗性係数の逆数で摩耗に対する抵抗の程度を示し,式(5)又は式(6)

によって求める。 

a) 皮膜厚さ測定の場合 

2s

1s

2t

1t

s

t

W

d

d

d

d

W

W

WI

=

=

 ···································································· (5) 

ここに, WIW: 往復運動平面摩耗試験における摩耗指数 
 

Wt: 試験片の摩耗速度(μm/100 ds) 

100

2t

1t

t

×

=

N

d

d

W

d1t: 試験片の予備摩擦後の平均皮膜厚さ(μm) 

d2t: 試験片の試験後の平均皮膜厚さ(μm) 

N: ダブルストロークの回数(ds) 

Ws: 基準試験片の摩耗速度(μm/100 ds) 

100

2s

1s

s

×

=

N

d

d

W

d1s: 基準試験片の予備摩擦後の平均皮膜厚さ(μm) 

d2s: 基準試験片の試験後の平均皮膜厚さ(μm) 

注記 摩耗指数は,試験片の基準試験片に対する比率で次元はなく,試験片の基準試験片に対する

相対的な摩耗速度比であり,耐摩耗性係数の逆数である。基準試験片の摩耗指数は,1であ

る。試験片の摩耗指数が1よりも大きければ,摩耗は基準試験片よりも大きな度合いである

ことを示し,逆に,1よりも小さければ,試験片の摩耗は基準試験片よりも小さいことを示

す。 

b) 質量測定の場合 

2s

1s

2t

1t

s

t

W

m

m

m

m

MW

MW

MWI

=

=

 ···························································· (6) 

ここに, MWIW: 往復運動平面摩耗試験における質量摩耗指数 
 

MWt: 試験片の質量摩耗速度(mg/100 ds) 

MWs: 基準試験片の質量摩耗速度(mg/100 ds) 

m1t: 試験片の予備摩擦後の質量(mg) 

m2t: 試験片の試験後の質量(mg) 

m1s: 基準試験片の予備摩擦後の質量(mg) 

m2s: 基準試験片の試験後の質量(mg) 

注記 質量摩耗指数は,試験片の基準試験片に対する比率で次元はなく,摩耗の相対的な速度であ

る。基準試験片の質量摩耗指数は,1である。試験片の摩耗指数が1よりも大きければ,摩

耗は基準試験片よりも大きな度合いであることを示し,逆に,1よりも小さければ,試験片

の摩耗は基準試験片よりも小さいことを示す。 

8.5 

比摩耗速度 

比摩耗速度(CWRW又はMCWRW)は,照合試験片の摩耗速度と試験片の摩耗速度との比(%)で,式(7)

又は式(8)によって求める。 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 皮膜厚さ測定の場合 

100

100

2t

1t

2r

1r

t

r

W

×

=

×

=

d

d

d

d

W

W

CWR

 ··················································· (7) 

ここに, 

CWRW: 往復運動平面摩耗試験における比摩耗速度(%) 

Wr: 照合試験片の摩耗速度(μm/100 ds) 

100

2r

1r

r

×

=

N

d

d

W

d1r: 照合試験片の予備摩擦後の平均皮膜厚さ(μm) 

d2r: 照合試験片の試験後の平均皮膜厚さ(μm) 

N: ダブルストロークの回数(ds) 

Wt: 試験片の摩耗速度(μm/100 ds) 

100

2t

1t

t

×

=

N

d

d

W

d1t: 試験片の予備摩擦後の平均皮膜厚さ(μm) 

d2t: 試験片の試験後の平均皮膜厚さ(μm) 

b) 質量測定の場合 

100

100

2t

1t

2r

1r

t

r

W

×

=

×

=

m

m

m

m

MW

MW

MCWR

 ············································· (8) 

ここに, MCWRW: 往復運動平面摩耗試験における質量比摩耗速度(%) 
 

MWr: 照合試験片の質量摩耗速度(mg/100 ds) 

100

2r

1r

r

×

=

N

m

m

MW

m1r: 照合試験片の予備摩擦後の平均質量(mg) 

m2r: 照合試験片の試験後の平均質量(mg) 

N: ダブルストロークの回数(ds) 

MWt: 試験片の質量摩耗速度(mg/100 ds) 

100

2t

1t

t

×

=

N

m

m

MW

m1t: 試験片の予備摩擦後の平均質量(mg) 

m2t: 試験片の試験後の平均質量(mg) 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を含めなければならない。 

a) この規格の番号:JIS H 8682-1 

b) 試験年月日 

c) 試験片の材質及び皮膜の種類 

d) 使用した試験装置 

e) 摩擦輪と試験片との押付け力 

f) 

使用した研磨紙 

g) 試験片表面での試験位置及び試験箇所の数 

h) 試験中に観察された事象 

i) 

照合試験片の作製条件 

j) 

計算結果(耐摩耗性など) 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

基準試験片(一般皮膜用)の作製仕様 

A.1 アルミニウムの仕様 

耐摩耗性試験用の基準試験片は,次のように,研磨又は光輝圧延アルミニウム平板とする。 

素地の材種:Al 99.50 %以上(A1050 P) 

質別   :H14又はH24 

標準寸法 :140 mm×70 mm 

厚さ   :1.0 mm〜2.0 mm 

A.2 前処理 

前処理は,界面活性剤による脱脂,軽度のアルカリエッチング及びスマット除去とする。 

なお,電解研磨又は化学研磨を行ってもよい。 

A.3 陽極酸化 

陽極酸化は,次による。 

a) 浴組成 

遊離硫酸濃度    :180 g/L±2 g/L 

溶存アルミニウム濃度:5 g/L〜10 g/L 

溶媒        :脱イオン水 

b) 電解条件 

浴温   :20 ℃±0.5 ℃ 

電流密度 :1.5 A/dm2±0.1 A/dm2 

浴かくはん:圧縮空気及び/又は液循環 

電解時間 :約45分 

皮膜厚さ :20 μm±2 μm 

試験片は,浴かくはんの効果があるように,その表面が垂直になるようにして陽極酸化する。直流電解

時のリップル率は,5 %以下とする。電解槽中の液量は,試験片1枚当たり最低10 L以上を必要とし,20

枚を超える試験片を同時に電解してはならない。基準試験片の皮膜厚さのそれぞれの変動幅は,±10 %と

する。 

注記 全ての試験条件を注意深く制御すれば,基準試験片は最も正確に作製でき,かつ,再現性があ

る。 

A.4 封孔 

封孔は,1 g/Lの酢酸アンモニウム[NH4(C2H3O2)]を含む沸騰脱イオン水に60分間浸せきする方法によ

る。 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

耐摩耗性の深さ方向の測定 

B.1 

一般 

陽極酸化皮膜の厚さを通した耐摩耗性の変化を要求される場合があるが,そのためには,深さ方向の測

定を行う必要がある。この附属書では,往復運動平面摩耗試験によって,陽極酸化皮膜に関する耐摩耗性

の深さ方向の測定方法について規定する。 

B.2 

概要 

この測定は,任意の摩擦回数ごとに耐摩耗性を連続して求めることによって,皮膜の連続した深さ方向

の耐摩耗性の変化について知ることができる。 

この測定では,試験片の同一箇所を繰り返し試験するので,試験片の取付けに際しては,案内定規など

によって試験片を正確に装置に取り付けることが重要である。 

試験片が摩耗される試験面は,素地のアルミニウムが現れるまで連続して摩耗する。除去された皮膜厚

さは,摩耗前後の厚さの差から求める。 

B.3 

装置 

使用する装置は,6.1の往復運動平面摩耗試験装置による。 

B.4 

試験片 

試験片の最小寸法は,70 mm×70 mmとする。 

B.5 

手順 

手順は,次による。 

a) 試験面の皮膜厚さを6.3の膜厚測定器で測定し,平均皮膜厚さを求める。 

b) 案内定規によって,試験片を試験片取付台に正確にセットする。 

c) 予想される皮膜の硬さに応じて,予備摩擦を20 ds〜50 ds行う。 

d) 試験片を取り外して,残存した皮膜の平均皮膜厚さを測定する。 

e) さらに,素地のアルミニウムが現れるまでn回のダブルストロークの操作を行った後,n回ごとの皮

膜厚さを測定する。 

注記1 基本的な摩擦回数は,皮膜厚さ及びアルミニウム合金の種類などによって,50,100,200,

400,800及び1 200 dsの中から選択することが望ましい。 

注記2 試験片の正確な再配置が難しいか疑わしい所でも,試験回数を増やせば,ほぼ同じような

試験結果を得ることができる。 

B.6 

試験結果の表し方 

試験の結果は,摩擦回数ごとの式(1)による耐摩耗性又は式(3)による耐摩耗性係数のいずれかで表す。 

皮膜厚さとダブルストロークの回数との関係のグラフを使用することもできる。 

10 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 試験片の深さ方向の測定結果は,基準試験片の深さ方向の測定結果と関連づけることもできる。 

background image

11 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

往復運動平面摩耗試験装置 

C.1 一般 

往復運動平面摩耗試験装置の構造は,6.1の規定に適合していれば,図C.1に示すものに限らない。 

C.2 構造 

試験装置の基本的な構造及びレイアウトの一例を図C.1に示す。 

図C.1−往復運動平面摩耗試験装置の一例 

12 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(規定) 

基準試験片(硬質皮膜用)の作製仕様 

JA.1 アルミニウムの仕様 

耐摩耗性試験用の基準試験片は,次のように,研磨又は光輝圧延アルミニウム平板とする。 

素地の材種:Al 99.50 %以上(A1050 P) 

質別   :H14又はH24 

標準寸法 :140 mm×70 mm 

厚さ   :1.0 mm〜2.0 mm 

JA.2 前処理 

前処理は,界面活性剤による脱脂,軽度のアルカリエッチング及びスマット除去とする。 

なお,電解研磨又は化学研磨を行ってもよい。 

JA.3 陽極酸化 

陽極酸化は,次による。 

a) 浴組成 

遊離硫酸濃度    :180 g/L±2 g/L 

溶存アルミニウム濃度:1 g/L〜5 g/L 

溶媒        :脱イオン水 

b) 電解条件 

浴温   :0 ℃±0.5 ℃ 

電流密度 :3.5 A/dm2±0.35 A/dm2 

浴かくはん:圧縮空気及び/又は液循環 

電解時間 :約45分 

皮膜厚さ :50 μm±5 μm 

試験片は,浴かくはんの効果があるように,その表面が垂直になるようにして陽極酸化する。直流電解

時のリップル率は,5 %以下とする。電解槽中の液量は,試験片1枚当たり最低10 L以上を必要とし,20

枚を超える試験片を同時に電解してはならない。基準試験片の皮膜厚さのそれぞれの変動幅は,±10 %と

する。 

注記 全ての試験条件を注意深く制御すれば,基準試験片は最も正確に作製でき,かつ,再現性があ

る。 

JA.4 後処理 

後処理は,封孔せず(未封孔),冷風で強制乾燥とする。 

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13 

H 8682-1:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 JIS H 8601 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜 

JIS H 8603 アルミニウム及びアルミニウム合金の硬質陽極酸化皮膜 

注記 対応国際規格:ISO 10074:2010,Anodizing of aluminium and its alloys−Specification for 

hard anodic oxidation coatings on aluminium and its alloys(MOD) 

JIS H 8682-2 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法−第2

部:噴射摩耗試験 

JIS H 8682-3 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法−第3

部:砂落し摩耗試験 

JIS H 8688 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の単位面積当たりの質量測定

方法 

注記 対応国際規格:ISO 2106,Anodizing of aluminium and its alloys−Determination of mass per 

unit area (surface density) of anodic oxidation coatings−Gravimetric method(MOD) 

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附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS H 8682-1:2013 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の
耐摩耗性試験方法−第1部:往復運動平面摩耗試験 

ISO 8251:2011 Anodizing of aluminium and its alloys−Measurement of abrasion resistance 
of anodic oxidation coatings 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容 

(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

規格の名称 

第1部:往復運動
平面摩耗試験 

規格の 
名称 

− 

変更 

ISO規格での耐摩耗性の規格は,“往復運動平面
摩耗試験”,“噴射摩耗試験”及び“砂落し摩耗試
験”の3種類が一体として記載されている。 
一方,JISでは,3部制にした。 
技術的差異はない。 

ISO規格の見直しの際,
パート制にすることを提
案する。 

1 適用範囲 

− 

削除 

JISでは,ISO規格の“噴射摩耗試験”及び“砂
落し摩耗試験”を削除し,それぞれ“JIS H 8682-2”
及び“JIS H 8682-3”として規定した。 
技術的差異はない。 

ISO規格の見直しの際,
パート制にすることを提
案する。 

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO規格の4.1の記載の一部をこの箇条に移行し
た。 
技術的差異はない。 

− 

2 引用規格 

3 用語及び定義 

3.1 試験片 

3.1 

一致 

3.2 基準試験片 

3.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

ISO規格では,附属書に基づいて作製した試験片
としか記載されていない。JISでは,基準試験の
定義を明確にした。 
技術的差異はない。 

ISO規格の見直しの際,
提案する。 

3.3 照合試験片 

3.3 

一致 

3.4 ダブルストロ
ーク 

3.4 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に補足事項を追加した。 
技術的差異はない。 

− 

− 

削除 

JISでは,箇条1の注記1に記載したので,削除
した。 

− 

2

H

 8

6

8

2

-1

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容 

(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 特徴 

4.1 

一致 

− 

5 概要 

5.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に補足事項を追加した。 
技術的差異はない。 

− 

6 試験装置及び
測定器具 

6.1 試験装置 

5.2.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

JISでは,ISO規格の規定に補足事項を追加する
とともに,表1として示した。 
技術的差異はない。 

ISO規格の見直しの際,
表1としてまとめること
を提案する。 

6.2 研磨紙 

5.2.2 

− 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に研磨紙の長さを追加
した。 
技術的差異はない。 

− 

6.3 膜厚測定器 

5.2.3 

変更 

JISでは,ISO 2360をJIS H 8680-2に変更した。 
技術的差異はない。 

− 

6.4 はかり 

5.3.6.3 

追加 

ISO規格には,規定されていないので,JISでは,
追加した。 

ISO規格の見直しの際,
提案する。 

7 試験方法 

5.1 

一致 

− 

7.1 基準試験片 

5.3.1 

一致 

− 

7.2 照合試験片 

5.3.5.3 

追加 

ISO規格には,規定されていないので,JISでは,
追加した。 

− 

7.3 試験片 

5.3.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に補足事項を追加して,
細別に記載した。技術的差異はない。 

ISO規格の見直しの際,
提案する。 

7.4 試験条件 

5.1 
5.2.1 
5.3.3.3 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,7.4を設けて試験条件を表2として示し
た。また,硬質皮膜の条件を追加した。 
技術的差異はない。 

ISO規格の見直しの際,
提案する。 

7.5 手順 

5.3.3 
5.3.4 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に補足事項を追加する
とともに,細別として記載した。 
技術的差異はない。 

− 

− 

5.3.5 

照合試験片の使
用 

削除 

JISでは,試験条件に硬質皮膜を追加したので,
項目として削除した。手順は,7.4と同じである。 
技術的差異はない。 

− 

− 

5.3.6 

比較摩耗試験 

削除 

JISでは,試験結果の表し方と重複しているので,
削除した。 

− 

2

H

 8

6

8

2

-1

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容 

(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

8 試験結果の表
し方 

8.1 一般 

5.3.6.1 

− 

追加 

JISでは,試験結果の表し方の選択方法について
記載した。技術的差異はない。 

− 

8.2 耐摩耗性 

5.4.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に“質量測定の場合”
を追加した。技術的差異はない。 

− 

8.3 耐摩耗性係数 

5.4.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に“質量測定の場合”
を追加した。技術的差異はない。 

− 

8.4 摩耗指数 

5.4.3 
5.4.4 

変更 

JISでは,ダブルストロークの回数を変更した。 ISO規格の見直しの際,

提案する。 

8.5 比摩耗速度 

5.4.5 
5.4.6 

変更 

9 試験報告書 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に“試験片の材質及び
皮膜の種類”を追加した。技術的差異はない。 

− 

附属書A(規定) A.1 アルミニウム

の仕様 

A.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に補足事項を追加した。 
技術的差異はない。 

− 

A.2 前処理 

A.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に補足事項を追加した。 
技術的差異はない。 

− 

A.3 陽極酸化 

A.3 

− 

変更 

ISO規格の注記は要求事項であるため,JISでは
本文に移行した。 

ISO規格の見直しの際,
提案する。 

A.4 封孔 

A.4 

追加 

JISでは,ISO規格の規定に補足事項を追加した。 
技術的差異はない。 

− 

附属書B(参考)  

附属書C(参考)  

附属書JA(規定)  

追加 

JISでは,JIS H 8603に引用されているので,追
加した。 

− 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 8251:2011,MOD 

2

H

 8

6

8

2

-1

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 
 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 
 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

H

 8

6

8

2

-1

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。