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H 8681-1 : 1999  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによって,JIS H 8681 : 1988は廃止され,廃止されたJIS H 8681のうち耐アルカ

リ試験方法は,この規格に置き換えられる。 

今回の制定では,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成,及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案への提案を容易にするために,廃止されたJIS H 8681に規定されて

いた(1)耐アルカリ試験,(2)キャス試験をそれぞれ部として独立させて次の新規格とした。 

JIS H 8681-1 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐食性試験方法−第1部:耐アル

カリ試験 

JIS H 8681-2 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐食性試験方法−第2部:キャス

試験 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 8681-1 : 1999 

アルミニウム及びアルミニウム合金の 

陽極酸化皮膜の耐食性試験方法 

−第1部:耐アルカリ試験 

Test methods for corrosion resistance of anodic oxide  

coatings on aluminium and aluminium alloys 

−Part 1 : Alkali resistance test 

1. 適用範囲 この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金の製品(以下,製品という。)に施した陽

極酸化皮膜(以下,皮膜という。)の耐アルカリ試験による耐食性試験方法について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS C 1202 回路計 

JIS H 0201 アルミニウム表面処理用語 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 0201による。 

4. 試験の種類 試験の種類は,次による。 

a) アルカリ滴下試験 Ks 

b) 起電力式耐アルカリ試験 Kc 

5. アルカリ滴下試験 

5.1 

概要 この試験は,アルカリ滴下試験装置を用いて試験片に水酸化ナトリウム水溶液を滴下し,皮

膜が溶け去るまでの時間を測定して耐アルカリ性を調べる方法である。 

5.2 

装置及び器具 アルカリ滴下試験装置は,恒温槽内に恒量試験液滴下器,試験片移動装置,試験液

貯槽を備え,試験片を速やかに取り出すことができるものであり,器具は,ガラス製棒状温度計,水洗槽,

回路計などとし,表1に示す要件を満たすものでなければならない。回路計のプローブの一例を図1に示

す。 

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H 8681-1 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 装置及び器具の具備する要件 

装置及び器具 

具備する要件 

恒量試験液滴下器 

一定時間の間隔で一定容量の試験液を連続的に滴下できるものでなければならない。 

試験片移動装置 

試験液の滴下ごとに試験片の位置を適宜変えられるものでなければならない。 

恒温槽 

試験片,試験液及び試験雰囲気を規定の温度に保持できるものでなければならない。 

ガラス製棒状温度計 最高50℃,0.5℃まで読み取れるもの。 
回路計及びプローブ 回路計は,JIS C 1202に規定する回路計とし,5 000Ωの指示が中心にくるような目盛をもつこと

が望ましい。 
プローブは,おもりと接触棒とからなり,接触棒は銅製で,直径4mm,先端を半径2mmに研磨
仕上げする。接触棒とおもりとの合計の質量は,約50gとする。プローブの一例を図1に示す。 

図1 回路計プローブの一例 

5.3 

試験液 試験液はJIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを脱イオン水(1)に溶解し,濃度を100g/l

に調整(2)したものを用いる。 

注(1) 脱イオン水は,導電率2μS/cm以下のものを用いる。 

(2) 試験液は,その都度調整する。 

5.4 

試験片 試験片は,次による。 

a) 試験片の採取箇所は,製品の有効面とする。ただし,製品について試験できない場合は,製品と同一

の材料(3)及び同一の皮膜の処理条件(4)で作られた試験片を用いてもよい。 

b) 試験片の標準寸法は,50×40mmとする。 

c) 試験片は,汚れに応じて適切な溶剤(5)を浸した柔らかい布などを用いてあらかじめ清浄にしておく。 

注(3) 材料の種類,質別及び処理面の表面状態は,製品と同じでなければならない。 

(4) 前処理及び皮膜の処理は,製品と同一の浴及び同一条件で,製品と同一の性能が得られるよう

に行わなければならない。 

(5) アセトン,エチルアルコール,エチルエーテル,メチルエチルケトンなどをいい,試験片を腐

食したり,保護皮膜を作るものを用いてはならない。 

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5.5 

試験条件 試験条件は,表2による。 

表2 試験条件 

項目 

試験条件 

試験雰囲気温度 

35±1℃ 

試験液温度 

35±1℃ 

試験面積 

約28mm2(直径6mm) 

試験液滴下量 

約16mg 

試験液滴下間隔時間 

5秒 

試験液 
水酸化ナトリウム濃度 

100g/l 

5.6 

操作 操作は,次の順序で行う。 

a) 耐アルカリ性インキなど(6)を用いて,試験片の表面に定の間隔で内径約6mmの円(マーク)を数個

描くか,又は,直径6mmの孔を数個あけた合成樹脂製のテープをはり付ける。 

b) 試験片を規定の温度に保温された装置内に30分以上放置し,試験片の温度が一定になるまで保持する。 

c) 試験片上のマーク内に試験液を恒量試験液滴下装置を用いて順次滴下する。 

d) 所要時間後(7),速やかに洗浄水に入れ,水中において測定面をスポンジ(海綿,ポリウレタンなど)

を用い,同一方向に軽く数回こすり,引き続き水洗して清浄にした後,通風乾燥する。 

e) 最初又は最後の滴下から洗浄水に投下されるまでの時間(秒)を測定する。 

f) 

回路計によって,各マークの電気抵抗を測定する。各マークごとにプローブを垂直に3回当て,1回

でも回路計の指針が5 000Ω以下を示した場合を導通とみなし,そのマーク部の皮膜は溶解されたもの

とする。 

注(6) 防水性樹脂インキ,金属用スタンプインキ,朱肉など。 

(7) 目安としてマーク内の気泡の発生が滴下順の中間まで進行した時点。 

5.7 

結果の表示 試験の結果は,導通した最後のマークの試験液を滴下したときから水中へ投下するま

での時間で耐アルカリ性を表す。 

5.8 

記録 試験に際しては,次の事項を記録する。 

a) 試験結果 

b) 皮膜厚さ 

c) 試験の種類又は記号 

6. 起電力式耐アルカリ試験 

6.1 

概要 この試験は,起電力測定試験装置を用いて試験片に水酸化ナトリウム溶液を接触させ,皮膜

の溶解の終点を電気的に判定して,耐アルカリ性を調べる方法である。 

6.2 

装置 起電力測定試験装置は,恒温装置,電位発生セル及び電位検出装置で構成し,表3の要件を

満たすものでなければならない。装置の略図を図2に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 装置の具備する要件 

装置 

具備する要件 

恒温装置 

試験片を規定温度に保持できる保温プレートをもつもの。 
金属製の試験片台を恒温水槽中に設置してもよい。 

電位発生セル セルは,モネルメタル製とし,セルと素地との間に試験液を入れて起電力を生じさせるもの。 

セルの容積は,約1mlの試験液を保持できるものでなければならない。 
ガスケットは,ゴム,合成樹脂など非電導性の材質を用い,試料との接触部の内径は,約3.6mmのも
のでなければならない。 

電位検出装置 1.0Ωの標準抵抗で結んだセルと素地との間の電圧が1.0mVに達した時点を正確に検知できるものでな

ければならない。 

図2 起電力測定試験装置の略図 

6.3 

試験液 試験液は5.3による。 

6.4 

試験片 試験片は,5.4による。 

6.5 

試験条件 試験条件は,表4による。 

表4 試験条件 

項目 

試験条件 

試験温度 

35±0.5℃ 

試験液 
 水酸化ナトリウム濃度 
 試験液量 

 
100g/l 
約1ml 

6.6 

操作 操作は,次の順序で行う。 

a) 試験片を35±0.5℃に保持された試験片取付台上に置き,乾燥したガスケット(8)を装置したセルを試験

片に密着(9)させ,1分間以上放置する。 

b) 試験液(10)約1mlをスポイトでセル内に注入し,電位検出装置が1.0mVの電位を示した時点までの時

間(秒)を測定する。 

c) セル内の試験液を別のスポイトで吸い取り,セルを試験片から離す。 

d) 新しい試験液を用い,試験位置を変えてa)〜c)の操作を3回以上繰り返す。 

注(8) ガスケットは測定ごとに外し,乾いたガーゼなどで付着している試験液をふき取って用いる。 

(9) 試験面積は試験値に影響があるので,液漏れなどのないよう十分に注意する。 

H 8681-1 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(10) 試験液は常温のままでよい。注入に際してはセル内に気泡が残らないように注意する。 

6.7 

結果の表示 試験の結果は,3回以上の繰返し試験の試験値(11)の平均値で耐アルカリ性を表す。 

注(11) 極端に大きな値又は小さな値が出ることがあるが,これは気泡の残留,液漏れ,又は引っかき

きずなどの皮膜欠陥に起因するものであるから試験値としない。 

6.8 

記録 記録は,5.8による。 

改正原案調査作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

馬 場 宣 良 

元東京都立大学 

○ 大 嶋 清 治 

工業技術院標準部材料規格課 

後 藤 敬 一 

通商産業省基礎産業局非鉄金属課 

○ 橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

佐 藤 敏 彦 

芝浦工業大学金属工学科 

田 村 和 男 

東京都立城南地域中小企業振興センター 

福 田 芳 雄 

科学技術庁金属材料技術研究所 

星 野 重 夫 

武蔵工業大学機械工学科 

◎ 松 下 静 夫 

元工業技術院製品科学研究所 

三 田 郁 夫 

元東京都立工業技術センター 

新 井 元 彦 

理研アルマイト工業株式会社 

○ 石 黒 明 康 

立山アルミニウム工業株式会社 

○ 菊 地   哲 

軽金属製品協会 

○ 西 沢 和 由 

昭和アルミニウム株式会社 

○ 玉 井 正 和 

トステム株式会社 

○ 大 中   隆 

株式会社日本アルミ 

○ 坂 下 満 雄 

三協アルミニウム工業株式会社 

田 中 義 朗 

日本軽金属株式会社 

西 村 健二郎 

不二サッシ株式会社 

○ 藤 原 憲 彦 

株式会社中金 

○ 山 本 尚 三 

YKK株式会社 

(事務局) 

佐 藤 信 幸 

軽金属製品協会 

小山田   誠 

軽金属製品協会 

◎試験法分科会委員長 ○分科会委員を兼ねる