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H 7008:2002  

(1) 

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人大阪科学技術センター付属ニューマ

テリアルセンター(OSTEC)/財団法人日本規格協会(JSA)から工業標準原案を具して日本工業規格を制定

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

H 7008:2002  

(2) 

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目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 分類 ······························································································································ 2 

4. 定義 ······························································································································ 2 

 a) 基礎··························································································································· 2 

 b) 特性 ·························································································································· 5 

 c) 製造法 ························································································································ 6 

 d) 処理 ·························································································································· 7 

 e) 材料 ··························································································································· 8 

 f) 評価 ··························································································································· 9 

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日本工業規格          JIS 

H 7008:2002 

金属超微粒子用語 

Glossary of terms used in ultrafine metal particles 

1. 適用範囲 この規格は,超微粒子関連技術のうち,主に金属系超微粒子の分野において用いる主な用

語について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0137 複写機用語 

JIS B 3000 FA―用語 

JIS B 8624 氷蓄熱システム用語 

JIS C 5600 電子通信用語(基礎編) 

JIS C 5603 プリント回路用語 

JIS C 0203 鉄鋼用語(製品及び品質) 

JIS H 0211 ドライプロセス表面処理用語 

JIS H 7005 超電導関連用語 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門) 

JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門) 

JIS K 3211 界面活性剤用語 

JIS K 3611 生体工学用語(生体システム部門) 

JIS K 3802 膜用語 

JIS K 5500 塗料用語 

JIS K 6800 接着剤・接着用語 

JIS K 6900 プラスチック―用語 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

JIS S 2091 家庭用燃焼機器用語 

JIS T 1011 医用電気機器用語(共通編) 

JIS Z 2300 非破壊試験用語 

JIS Z 2500 粉末や(冶)金用語 

JIS Z 3001 溶接用語 

JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語 

JIS Z 8126-1 真空技術―用語―第1部:一般用語 

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JIS Z 9211 エネルギー管理用語(その1) 

JIS Z 9212 エネルギー管理用語(その2) 

3. 分類 用語は,次の6部門に分類する。 

a) 基礎  

b) 特性  

c) 製造法  

d) 処理  

e) 材料  

f) 

評価  

4. 定義 用語及び定義は,次による。 

なお,参考のために対応英語を示す。 

a) 基礎  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1001 

プラズマ 

負の荷電粒子(電子・負イオン)と正イオンとの
濃度がほとんど等しく空間的に中性であるよう
なイオン化されたガス状物質(JIS C 5600参照)。 

plasma 

1002 

直流アークプラズマ 

直流電流で発生させたアークによってガスがプ
ラズマになったもの。 

direct current arc plasma 

1003 

直流プラズマジエット 

直流アークプラズマをノズルから噴出させて作
る高温・高速のガス気流。 

direct current arc plasma 

jet 

1004 

高周波熱プラズマ 

コイルに高周波電流を流し,電磁誘導によって
発生する電場で,コイル内のガスを電離させて
得られる超高温のプラズマ。 

high frequency induction 

thermal plasma 

1005 

ハイブリッドプラズマ 

高周波熱プラズマの安定化,広域化などを図る
ため,高周波熱プラズマに直流アークプラズマ
又は他の高周波熱プラズマなどを重畳させた熱
プラズマ。 

hybrid plasma 

1006 

吸着 

気体又は蒸気分子が,固体又は液体の表面にと
どまっている現象(JIS H 0211参照)。 

adsorption 

1007 

化学吸着 

化学結合を伴う吸着(JIS Z 8126-1参照)。 

chemical adsorption,  
chemisorption 

1008 

物理吸着 

化学結合を伴わない吸着(JIS Z 8126-1参照)。 

physical adsorption,  
physisorption 

1009 

吸着熱 

吸着によって発生する熱。 

heat of adsorption 

1010 

ぬれ 

固体面に液体が広がる現象。 
 参考 ぬれがよい場合には両者の間の接触角

が小さく,固体面に液体が広がる 
(JIS K 6800参照)。 

wetting 

1011 

湿潤熱 

粉体などの固体表面が液体でぬれるときに発生
する熱(エンタルピー変化)。浸せき熱ともいう。 

heat of immersion 

1012 

付着 

異種の二物質が接触したときに互いにくっつく
現象。 

adhesion 

1013 

蒸発 

液体が気体へ変化する現象(JIS B 8624参照)。 

evaporation,  
vaporization 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1014 

蒸気圧 

その温度で,固体又は液体と平衡にある蒸気の
圧力。 

vapor pressure 

1015 

活量 

理想混合物でない溶体中のある成分の平衡分圧
と,その成分の飽和分圧との比 
(JIS Z 9211参照)。 

activity 

1016 

飽和蒸気圧 

その温度で凝縮相及び熱力学的に平衡に達して
いる蒸気が示す圧力(JIS H 0211参照)。 

saturation vapor pressure 

1017 

過飽和 

飽和の限度以上に非平衡の状態で物質が存在す
る状態。 

supersaturation 

1018 

凝縮 

蒸気,ガスなどの温度が,それぞれの露点温度
以下に降下したときに液体粒子になる現象 
(JIS Z 8122参照)。 

condensation 

1019 

核生成 

原子,イオン又は分子が集合して安定的に成長
し得る大きさの凝縮相を形成した状態。 

nucleation 

1020 

均一核生成 

凝縮相の核生成確率が系内の,すべての場所で
同一であるような場合に生じる核生成現象。 
 参考 系内が化学的・熱的に均一である場合

に起こり得る。 

homogeneous nucleation 

1021 

不均一核生成 

系内の異物質(イオン,微粒子,器壁など)を核
として凝縮相の核生成が生じる現象。 
 参考 均一核生成に比べ不均一核生成は熱力

学的に有利であり,容易に生じる。 

heterogeneous nucleation 
 

1022 

粉体 

極めて多数の固体粒子の集合体で,各粒子間に
適度の相互作用が働いている状態。粉末と同義
語。 

powder 

1023 

超微粒子 

粒径がおよそ0.1 μm以下の粒子 

(JIS R 1600参照)。 

ultrafine particle 

1024 

クラスタ  

原子又は分子が,数十個から1 000個程度で構
成される微粒子(JIS H 0211参照)。 

cluster 

1025 

超微粉 

超微粒子の集合体。 

ultrafine powder 

1026 

単分散粒子 

粒径分布幅が極度に狭い粒径のそろった粒子。 mono-size particle,  

monodispersed particle 

1027 

一次粒子 

単一の結晶核の成長によって,生成した粒子。 primary particle 

1028 

二次粒子 

一次粒子の合体成長,凝集,固結などによって
生成した粒子。 

secondary particle 

1029 

凝集粒子 

複数の粒子が凝集し,見掛け上1個の粒子とし
て振る舞うもの。 

agglomerated particle 

1030 

粒子形状 

粒子の外観的な形(JIS Z 2500参照)。 

particle shape 

1031 

晶癖 

結晶面の発達の差異によって表れる結晶の外
形。 

habit,  
crystal habit 

1032 

複合超微粒子 

各粒子が複数の相からなる超微粒子。 

composite ultrafine  

particle 

1033 

磁性超微粒子 

強磁性の超微粒子。 

magnetic ultrafine particle 

1034 

粒径 

粒子の直径又は大きさ。粒子は各種の形状をも
っているので,粒径は測定法ごとに一定の申合
せによって示す(JIS Z 8122参照)。 

particle size 

background image

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1035 

結晶子径 

多結晶体中において,完全な単結晶として存在
する微小結晶の大きさ。 
 参考 X線回折における回折線の広がりから

求めることができる。 

crystallite size 

1036 

形状指数 

粒子の幾何学的特徴を直接数値で表したもの。 
 参考 一般に,粒子の二次元投影像の円面積

相当径と円周相当径との比(円形度),長
径と短径との比(長短度)などの代表径
の比が用いられる。 

shape factor 

1037 

アスペクト比 

一般に,ある幾何学的形状について代表的な二
つの方向の寸法比(JIS H 7005参照)。 

aspect ratio 

1038 

平均粒径 

粒径が異なる多数の粒子で構成される粒子群を
代表する粒径(JIS Z 2500参照)。 

mean particle diameter 

1039 

粒径分布 

粉体を構成する粒子の大きさの分布。分布状態
は頻度分布又は積算分布によって表す 
(JIS Z 8122参照)。 

particle size distribution 

1040 

比表面積 

粉末の単位質量当たりの表面積 
(JIS R 1600参照)。 

specific surface area 

1041 

細孔分布 

多孔質を構成する連続泡,すなわち,毛管群の
径の分布。 

pore size distribution 

1042 

分散 

一つの相の中に他の物質が微粒子状に散在する
現象(JIS K 3211参照)。 

dispersion 

1043 

分散性 

微細な固体粒子が媒質中に分散する性質。 

dispersibility 

1044 

単分散 

粒子が凝集することなく媒質中に分散している
状態。 

monodispersion state 

1045 

凝集 

粒子が粒子間相互作用力によって集合した状
態。 
 参考 粒子間の相互作用力の強さによって凝

結(coagulation),凝集(aggregation, 
agglomeration),フロック(flocculation)
などに区別する場合がある。 

flocculation,  
aggregation,  
coagulation 

1046 

凝集性 

粉体を構成する粒子同士が相互に寄り集まろう
とする性質。 

agglomerating property 

1047 

凝集体 

分散している粒子同士が互いに付着しあって,
形成した粒子集合体。 

agglomerate,  
floc,  
aggregate 

1048 

結晶構造 

原子,イオン又は分子が空間的に規則正しく配
列して周期構造を作っている場合の単位格子の
構造。 

crystal structure 

1049 

単結晶 

すべての部分が同一の結晶学的方位をもつ固体
(JIS H 0211参照)。 

single crystal 

1050 

多結晶 

結晶学的方位が異なる多くの単結晶が集合した
固体(JIS H 0211参照)。 

polycrystal 

1051 

アモルファス 

原子の配列に長距離の規則性をもたず,決まっ
た結晶形及び構造をもたない非結晶状態。非晶
質ともいう(JIS H 0211参照)。 

amorphous 

1052 

格子定数 

結晶の単位格子の大きさと形を規定する値。 
 参考 三つの単位ベクトルとそれぞれのなす

角,合計6個の定数がある。 

lattice constant 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1053 

表面エネルギー 

界面エネルギーの特殊な場合で,一方の相が気
体である場合(気体−液体及び気体−固体)の
界面エネルギー。 

surface energy 

1054 

表面拡散 

表面原子又は表面に吸着した原子若しくは分子
が,エネルギー的により安定な場所に表面に沿
って移動する現象(JIS H 0211参照)。 

surface diffusion 

1055 

体積拡散 

原子が結晶格子上又は格子間位置を占めながら
移動する現象。格子内拡散ともいう。 

volume diffusion,  
lattice diffusion 

1056 

粒界拡散 

原子及び分子が結晶粒界に沿って移動する現
象。 

grain boundary diffusion 

b) 特性  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2001 

磁気特性 

磁性材料が磁化された場合に,その材料が示す
磁気的な諸性質。 
 参考 一般的には鉄損,磁束密度,透磁率,

保磁力,残留磁束密度などが挙げられ
る(JIS G 0203参照)。 

magnetic properties 

2002 

保磁力 

ある材料の磁気ヒステリス曲線において,磁束
密度が0を示す磁界の強さ(JIS Z 2300参照)。 

coercive force 

2003 

磁化曲線 

磁性体の磁界の強さHと磁束密度Bとの関係を
表す曲線。B-H曲線ともいう 
(JIS Z 9212参照)。 

magnetization curve,   

B-H curve 

2004 

磁区 

強磁性体の内部で,原子の磁気モーメントが平
行にそろって,自発磁化が一定の方向をとって
いる小領域。 
 参考 磁区の大きさ及び方向は磁化過程で変

化し,完全に方向がそろったとき,磁
気飽和に達する。反対に,全くばらば
らになっているとき,磁化は0である。 

magnetic domain 

2005 

磁気異方性 

常磁性体の磁化率,強磁性体の磁化又は反強磁
性体の部分格子の磁化が結晶格子の対称性を反
映して,結晶軸に関して方向依存性をもつ状態。 

magnetic anisotropy 

2006 

超常磁性 

磁性体は細かくなるにつれて多磁区構造から単
磁区構造に変わるが,更に小さくなって磁化の
方向が熱振動のために一定でなくなる状態。 

super paramagnetism 

2007 

表面電荷 

固体が帯電しているとき,表面に存在する電荷。
単位面積当たりの電気量として扱う。 

surface charge 

2008 

電気二重層 

組成の異なる二つの相の接触界面において,界
面の一方の側には余分の正の電荷が,他の側に
は余分の負の電荷が連続的に分布するが,全体
として電気的中性の条件を満足するような境界
層(JIS K 0213参照)。 

electric double layer 

2009 

電気泳動 

溶液中の荷電粒子が電位こう(勾)配によって移
動する現象(JIS K 0213参照)。 

electrophoresis 

2010 

ゼータ電位 

固体と液体とが相対運動をするとき,固体表面
上の液体分子の固着層と液体内部との電位差。
界面動電位ともいう(JIS K 3211参照)。 

zeta potential 

2011 

等電点 

水溶液中の両性電解質の電荷の代数和が0にな
る状態の溶液のpH値(JIS K 3211参照)。 

isoelectric point 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2012 

サイズ効果 

粒子が小さいことによる,大きい結晶がもつ物
質の物理化学的特性とは異なる物性を示す現
象。 

size effect 

2013 

表面活性 

材料の表面が内部に比べて物理的又は化学的に
特異な性質を示すその度合い。 
 参考 材料が超微粒子になると,表面活性の

増大が期待できる。 

surface activity 

2014 

融点降下 

超微粒子のような微小粒子の融点が,巨視的な
大きさの物質が示す融点より降下する現象。 

lowering of melting point 

2015 

低温焼結性 

焼結体の原料である粉末の低温における焼結の
しやすさ。 
 参考 超微粒子は,その融点降下などによっ

て低温焼結性が顕著となる。 

low temperature 
 sinterability 

2016 

触媒活性 

熱力学的に見て化学反応の進行が可能である反
応系に,少量の添加で反応を促進させる,又は
選択的に反応を進行させる物質である触媒の,
その作用量の度合い。 

catalytic activity 

2017 

比熱 

単位質量の物質の温度を単位温度だけ上昇させ
るのに必要な熱量(JIS H 7005参照)。 

specific heat 

2018 

光学的性質 

光との相互作用によって材料が示す特異的な分
極,屈折,吸収,着色,発光,導電性などの性
質。 

optical properties 

2019 

光散乱 

光が極めて小さい凹凸のある反射面に入射する
場合又は極めて小さい粒子を含む媒質の中を通
過する場合に,光の進行方向が空間的に多くの
方向に変わる現象。 

light scattering 

2020 

光吸収 

物質を通過する光が,そのエネルギーの一部又
は全部を物質に付与する現象。 

absorption 

2021 

線形光学効果 

光と物質との相互作用によって,物質中に誘起
される分極が光の電界に比例する現象。 

liner optical effect 

2022 

非線形光学効果 

強力な光と物質との相互作用によって,物質中
に光の電界の2乗又は3乗に比例する非線形の
分極が誘起され,高調波が発生する現象。 

nonliner optical effect 

c) 製造法  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3001 

ブレークダウン法 

バルク状物質の粉砕による微細化法。 

break down process 

3002 

ビルドアップ法 

イオン,原子,分子などから核生成と成長の過
程を経て超微粒子を生成する方法。 

build up process 

3003 

気相法 

超微粒子の生成を気相中で行う方法。 

gas phase process 

3004 

蒸発凝縮法(PVD法) 

原料を加熱・溶解して蒸発させ,その蒸気を急
冷凝縮させて超微粒子を生成する方法。 

evaporation and 
 condensation process 

3005 

ガス中蒸発法 

原料をガス雰囲気中で加熱・溶解して蒸発させ,
その蒸気を急冷凝縮させて超微粒子を生成する
方法。 

evaporation process in gas 
 atmosphere 

3006 

活性水素・金属反応法 

原料を水素プラズマによって溶解して蒸発さ
せ,その蒸気を凝縮させて超微粒子を生成する
方法。 

hydrogen plasma-metal 
 reaction process 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3007 

ハイブリッドプラズマ

法 

ハイブリッドプラズマの熱空間中に原料を供給
して加熱・蒸発させ,その蒸気を凝縮させて超
微粒子を生成する方法。 

hybrid plasma process 

3008 

スパッタリング法 

原料をターゲットとし,スパッタリングで放出
された原子同士の衝突・合体で超微粒子を生成
する方法。 

sputtering process 

3009 

気相反応法(CVD法) 成分蒸気の凝縮及び気体成分の化学反応によっ

て超微粒子を生成する方法。 

gas phase reaction process 

3010 

プラズマCVD法 

プラズマを利用して生成した金属蒸気又は金属
化合物蒸気と反応ガス間との化学反応によって
超微粒子を生成する方法。 

plasma chemical vapor 
 deposition process 

3012 

液相法 

超微粒子の生成を液相中で行う方法。 

liquid phase process 

3013 

沈殿法 

金属化合物の溶液から沈殿剤などとの化学反応
を利用して難溶性化合物の沈殿を析出させ,超
微粒子を生成する方法。 

precipitation process 

3014 

共沈法 

2種以上の金属イオンを含む沈殿物を同時に析
出させ,超微粒子を生成する方法。 

coprecipitation process 

3015 

加水分解法 

原料に水を加えて分解し,水酸化物又は含水酸
化物を析出させ,超微粒子を生成する方法。 

hydrolysis process 

3016 

ゾルーゲル法 

固体微粒子を分散したコロイド溶液(sol)を脱
溶媒してゲル(gel)化し,超微粒子を生成する
方法。 

sol-gel process 

3017 

アルコキシド法 

金属アルコキシドを加水分解して酸化物又は水
酸化物の沈殿物を析出させ,超微粒子を生成す
る方法。 

alkoxide process 

3018 

噴霧乾燥法 

金属化合物溶液などの微粒液滴を乾燥室内に噴
霧し,急速加熱して乾燥又は熱分解することに
よって超微粒子を生成する方法。 

spray drying process 

3019 

水熱合成法 

高温・高圧の水溶液中における又は水蒸気の存
在下における化学反応によって結晶質の超微粒
子を生成する方法。 

hydrothermal synthesis 
 process 

d) 処理  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4001 

表面処理 

超微粒子表面を超微粒子が置かれている雰囲気
又は,相接する物質との適した状態にするため
の化学的又は物理的処理(JIS K 6800参照)。 

surface treatment 

4002 

表面改質 

表面処理によって超微粒子表面を使用目的に適
合した性質に調える処理。 

surface modification 

4003 

安定化処理 

超微粒子の大気中における自然発火を防止する
ため,あらかじめ超微粒子表面に薄い保護酸化
被膜などを形成する処理。 

stabilizing treatment 

4004 

徐酸化処理 

酸素供給(発熱)を制御しながら超微粒子を酸化
させ,超微粒子表面に薄い保護酸化被膜層を形
成させる処理。 
 参考 安定化処理の一種。 

gradual oxidation 
 treatment 

4005 

マイクロカプセル 

微粒子の見掛けの形態及び性質を改変するため
に用いられる直径が,約1〜数100 μmの微小容

器。 
 参考 微粒子の表面改質・調整法の一種。 

microcapsule 

background image

H 7008:2002  

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4006 

超微粒子膜 

基板の表面に超微粒子をたい(堆)積して得られ
る数100 nm〜100 μm程度の厚膜。 

ultrafine particle film 

4007 

分散処理 

超微粒子を液体媒質中に均一に懸濁させ,その
状態を持続させるための処理。 

dispersion treatment 

4008 

分散媒 

微粒子の分散系を形成するための媒質 
(JIS K 3211参照)。 

dispersion medium 

4009 

混合 

組成及び粒径の異なる2種以上の粉末又は粉末
と他の物質とを混ぜ合わせ,均質な混合物を作
る操作(JIS Z 2500参照)。 

mixing 

4010 

造粒 

微粉体を所望の大きさ・形状・組成をもつ粒状
物又は粉体成形物に塊化させる処理。 

granulation 

4011 

圧粉体 

粉末を成形したままのもので,成形時の流動
性・保形性のために添加したバインダなどを含
んだままのもの(JIS Z 2500参照)。 

green compact 

4012 

かさ減り度 

加圧,タッピングなどによって粉体の見掛けの
体積が減少する度合い。 
 参考 一般に,かさ減り度の大きい粉体は流

動性が悪い。 

degree of volume 
 reduction 

4013 

焼結 

加熱によって,粉末の粒子又は圧粉体の粒子を
結合させるための処理(JIS Z 2500参照)。 

sintering 

4014 

焼結性 

焼結のしやすさをいう。 

sinterability 

4015 

焼結開始温度 

粉末の粒子間で結合が開始する最低の温度。 

initial sintering 
 temperature 

4016 

還元処理 

主として粒子表面の酸化被膜を還元除去するた
めの処理。 

reduction treatment 

4017 

脱ガス 

粉体中に含まれている気体成分又は加熱によっ
て,バインダなどから生じたガスを放出させる
処理。 

degassing 

4018 

焼結収縮 

焼結によって生じる圧粉体の大きさの減少。焼
結縮みともいう(JIS Z 2500参照)。 

sintering shrinkage 

4019 

焼結体 

粉末又は圧粉体を焼結したもの 
(JIS Z 2500参照)。 

sintering compact 

4020 

空げき(隙)率 

固体又は液体が気体と混在するとき,全体積に
対する気体部分の体積の割合。 
 参考 焼結体の場合は,相対密度比又は密度

比を理論密度から差し引いたものが空
げき率を表す(JIS Z 9211参照)。 

void ratio 

4021 

スケルトン 

溶浸材が満たされる多孔質の焼結体又は未焼結
体(JIS Z 2500参照)。 

skeleton 

e) 材料  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5001 

導電材料 

電気を通じるために用いられる材料。 

electro-conductive 
 material 

5002 

導電ペースト 

導電性材料を分散させた,印刷可能なペースト
(JIS C 5603参照)。 

electro-conductive paste 

5003 

磁性材料 

磁場において磁化する性質をもつ材料。 

magnetic material 

background image

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5004 

磁気記録媒体 

非磁性担体上に強磁性体微粒子を層状に塗布又
は蒸着したもの。 
 参考 テープ,カード,ディスクなどの形状

がある。 

magnetic recording 
 medium 

5005 

磁性流体 

溶液中に強磁性体微粒子をコロイド状に安定分
散させた溶液。 

 参考 磁界や遠心力を作用させても沈降せ

ず,見掛け上溶液自体が磁性をもつよ
うな挙動を示す。 

magnetic fluid 

5006 

トナー 

静電式の現像に用いる微細な着色粒子 
(JIS B 0137参照)。 

toner 

5007 

多孔質体 

連続した固相でその中に多数の空孔を含む材
料。 
 参考 一般には,解放型の連続孔である場合

をいい,不連続空孔を多く含む発泡体
と区別する。 

porous material 

5008 

フィルタ 

粒子を分離するために用いる多孔性の物体又は
装置(JIS K 3802参照)。 

filter 

5009 

熱交換器 

熱を流体(水,空気など)に伝えるための構造
体(JIS S 2091参照)。 

heat exchanger 

5010 

触媒 

それ自体は何ら化学変化はしないが,化学反応
系に少量存在することによって化学反応の速度
を変える機能をもつ物質(JIS K 6900参照)。 

catalyst 

5011 

光学材料 

可視光線,赤外線,紫外線,X線などを透過,
屈折,回折,反射又は吸収し,特異な機能を発
現させる材料。 

optical material 

5012 

顔料 

水及び溶剤に溶けない無彩又は有彩の粉末で,
無機化合物又は有機化合物。 
 参考 着色,補強,増量などの目的で塗料,

印刷インキ,プラスチックなどに用い
る。屈折率の大きなものほど隠ぺい
(蔽)力が大きい(JIS K 5500参照)。 

pigment 

5013 

焼結助剤 

粉末の焼結を促進する又は遅延するための添加
剤(JIS R 1600参照)。 

sintering aids 

5014 

燃焼助剤 

燃料の燃焼を促進する又は遅延するための添加
剤。 

combustion improver 

5015 

センサ 

対象物の物理量を検出し,信号に変換する素子
又は装置(JIS B 3000参照)。 

sensor 

5016 

超硬合金 

高融点金属の炭化物などを主成分とする耐摩耗
性に優れた高硬度の粉末や(冶)金材料 
(JIS Z 2500参照)。 

hard metal,  
cemented carbide 

5017 

医用材料 

医療目的に用いられる人工又は生体由来の無機
材料及び有機材料(JIS K 3611参照)。 

biomedical material 

f) 

評価  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6001 

物理分析 

物質に特有な物理的又は物理化学的な量を観測
して物質の構造,化学種,存在量などを決定す
る方法。 

physical analysis 

background image

10 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6002 

透過電子顕微鏡 

試料に電子線を照射し,透過した電子をレンズ
によって拡大結像させる顕微鏡。 

transmission electron 
 microscope; TEM 

6003 

明視野像 

電子顕微鏡において,試料を透過した電子線を
用いて結像した像。 

bright field image 

6004 

暗視野像 

電子顕微鏡において,試料によって散乱された
電子線を用いて得られる像。 

dark field image 

6005 

電子線回折 

結晶格子による電子線の回折現象を利用して結
晶構造及び化合物の構造の決定を行う方法。 

electron diffraction 

6006 

制限視野電子線回折法 

透過電子顕微鏡において,試料後方に弾性散乱
した回折電子によって形成された回折電子像を
用いて結晶構造及び化合物の構造を決定する方
法。 

selected area electron 
 diffraction; SAED 

6007 

走査型電子顕微鏡 

電子線を走査し,試料から放出される反射電子
及び二次電子の強度を陰極管上に拡大表示する
顕微鏡(JIS K 3611参照)。 

scanning electron 
 microscope; SEM 

6008 

X線マイクロアナライ

ザ 

細く絞った電子線を固体試料に照射し,試料か
ら発生する特性X線の波長及び強度を検出して
微小領域の元素分析を行う方法。電子プローブ
微小分析法ともいう(JIS H 0211参照)。 

X-ray micro analyzer; 
 XMA(electron probe 
 microanalysis, EPMA) 

6009 

エネルギー分散型X線
分光法 

試料に電子線を照射し,放出されるX線をエネ
ルギースペクトルとして検出し,元素分析を行
う方法(JIS Z 8122参照)。 

energy dispersive X-ray 
 spectroscopy; EDX 

6010 

粉末X線回折 

粉末試料に特定波長のX線を照射したときに生
じる結晶格子による回折パターンから,結晶構
造及び化合物の構造の決定を行う方法。 

powder X-ray diffraction; 
 XRD 

6011 

構造解析 

X線,中性子線,電子線などの回折現象を利用
し,試料の原子配列状態(結晶構造,非晶質状態
など)を決定する解析法(JIS H 0211参照)。 

structure analysis, 
structural analysis 

6012 

状態分析 

試料を構成する成分の化学状態(原子価,励起
状態,吸着状態,結合状態など)や物理状態(存
在部位,成分分布,形状,サイズ,相,結晶性,
欠陥状態など)の情報を得るための分析 
(JIS K 0211参照)。 

analysis of state 

6013 

化学分析 

物質の成分を調べる分析。 
 参考 定量分析と定性分析とがあり,前者で

は成分の量を調べる(JIS Z 9211参照)。 

chemical analysis 

6014 

熱分析 

試料の温度を所定のプログラムに従って変化さ
せながら,試料及び/又は生成物特定の物理的又
は化学的性質を温度の関数として測定する一連
の方法の総称(JIS K 0215参照)。 

thermal analysis 

6015 

熱重量分析 

試料の温度を所定のプログラムに従って変化さ
せながら,試料の質量変化を温度の関数として
測定する方法(JIS K 6900参照)。 

thermogravimetry; TG 

6016 

示差熱分析 

試料及び基準物質の温度を所定のプログラムに
従って変化させながら,その試料と基準物質と
の温度差を温度の関数として測定する方法 
(JIS K 0215参照)。 

differential thermal 
 analysis ; DTA 

6017 

吸着ガス分析 

粉体及び多孔質体の表面に吸着している蒸気・
ガスの種類,吸着状態などを調べるための分析。 

analysis of adsorbed gas 

background image

11 

H 7008:2002  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6018 

酸素含有量 

粉体粒子の酸素含有量。 
 参考 特に,金属系超微粒子の場合には,安

定化処理によって形成された表面酸化
被膜の厚さと関連付けられる。 

oxygen content 

6019 

粒径測定 

粉体粒子の粒径を測定する操作。 

particle size measurement 

6020 

基準粉体 

機器の校正,検定などに用いられる形状及び粒
径のそろった粉体。 

reference powder 

6021 

遠心沈降法 

遠心力場における粒子の沈降速度の差を用いて
粒径分布を測定する方法。 

centrifuge, 
centrifugal sedimentation 
 method 

6022 

レーザ回折/散乱法 

粒子によるレーザ光の回折又は散乱パターンか
ら粒子径を測定する方法。 

laser diffraction and 
 scattering method 

6023 

光子相関法 

粒子のブラウン運動による入射光の散乱強度の
変動から粒子径を求める方法。 

photon correlation 
 spectroscopy 

6024 

沈降分析法 

重力及び遠心力の存在下で媒質中を落下又は上
昇する粒子の速度(沈降速度又は上昇速度)か
ら,粒子の大きさを測定する方法。 

sedimentation analysis 

6025 

比表面積測定 

粉体の比表面積を測定する操作。 
 参考 測定法には気体吸着法,湿潤熱法,気

体透過法などがある。 

measurement of specific 
 surface area 

6026 

BET法 

吸着ガスの圧力と吸着量との関係からBET式
を用いて単分子吸着量を測定し,比表面積を求
める方法。 

BET absorption method 

6027 

細孔分布測定 

多孔質体の細孔分布を測定する操作。 
 参考 測定法には,水銀圧入法,気体吸着法

などがある。 

measurement of pore size 
 distribution 

6028 

水銀圧入法 

水銀に圧力を加えて多孔質材料の細孔に浸入さ
せ,加えた圧力とそれによって満たされる細孔
径の関係から細孔分布を求める方法。 

mercury porosimetry 

6029 

見掛け密度 

粉体層及び多孔質体の質量をその占める体積で
除した値(JIS Z 2500参照)。 

apparent density 

6030 

流動性 

粉体の流れやすさ。 

flowability 

6031 

安全 

危険及び危害に対する防御(JIS T 1011参照)。 

safety 

6032 

発火点 

金属系超微粒子が空気中で自己発熱燃焼を開始
する温度。着火温度(ignition temperature)ともい
う。 

ignition point 

6033 

爆発範囲 

可燃性物質が空気又は酸化剤と混合された際
に,その混合物が発火に必要な可燃性物質の組
成範囲。 

range of explosion 

6034 

許容濃度 

作業者が有害物に連日ばく(曝)露される場合
に,当該有害物の空気中濃度がこの値以下であ
れば,ほとんどすべての人に悪影響が見られな
い濃度。じょ(恕)限度(maximum allowable 
concentration)ともいう(JIS Z 3001参照)。 

threshold limit value; 
 TLV , 
allowable concentration 

12 

H 7008:2002  

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業標準調査会標準部会 非鉄金属技術専門委員会 構成表 

  氏名 

  所属 

(委員会長) 神 尾 彰 彦 

東京工業大学(名誉教授) 

(委員) 

藍 田   勲 

株式会社神戸製鋼所 

有 川 彰 一 

財団法人日本船舶標準協会 

一 瀬   明 

住友金属鉱山株式会社 

今 福   豊 

日本伸銅協会 
(三菱マテリアル株式会社非鉄材料カンパ
ニー銅加工製品部) 

碓 井 栄 喜 

社団法人軽金属学会 
(株式会社神戸製鋼所) 

齋 藤 鐵 哉 

独立行政法人物質・材料研究機構 

酒 井 勝 之 

社団法人日本アルミニウム協会 
(三菱アルミニウム株式会社) 

中 村   守 

独立行政法人産業技術総合研究所 

西 村   尚 

東京都立工業高等専門学校 

岩 坂 光 富 

日本鉱業協会 

村 上 陽 一 

社団法人日本電機工業会 

柳 沢 健 史 

古河電気工業株式会社裸線事業部 

山 田 桑太郎 

社団法人日本鉄道車輌工業会