1
H
1
2
7
8
:
1
9
9
8
解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表
JIS H 1278 : 1998 ニッケル及びニッケル合金中の
りん定量方法
ISO 9388 : 1992 ニッケル合金−りん含有率の定量−モリブドりん酸青吸光光度法
ISO 11400 : 1992 ニッケル,フェロニッケル,ニッケル合金−りん含有率の定量−りんバナドモリブデン酸吸光光度
法
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との一致
が困難な理由及び今後の
対策
1. 適用範囲
○ ニッケル及びニッケル合金
ISO 9388
ISO 11400
○
○
ニッケル合金
ニッケル,フェロニッケル及びニ
ッケル合金
≡
2. 定量方法の
区分
○ a) モリブドりん酸青吸光
光度法
0.005〜0.05% (m/m)
−
○ b) 水酸化鉄共沈・モリプド
りん酸抽出分離モリブ
ドりん酸青吸光光度法
0.001〜0.025% (m/m)
ISO 9388
○ モリブドりん酸青吸光光度法
0.001〜0.025% (m/m)
≡
○ c) イオン交換分離モリブ
ドりん酸青吸光光度法
0.005〜0.05% (m/m)
−
○ d) モリブドバナドりん酸
抽出吸光光度法
0.000 5〜0.05% (m/m)
ISO 11400
○ りんバナドモリブデン酸吸光光
度法
0.000 5〜0.05% (m/m)
≡
3. 分析方法
○ a) モリブドりん酸青吸光
光度法
[試料を塩酸と硝酸との
混酸で分解した後,過塩素酸
を加え,白煙が発生するまで
加熱濃縮して塩酸及び硝酸
を除去する。塩類を水で溶解
し,亜硫酸水素ナトリウムを
加えて鉄などを還元した後,
七モリブデン酸六アンモニ
ウム及び硫酸ヒドラジニウ
−
2
H
1
2
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:
1
9
9
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解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との一致
が困難な理由及び今後の
対策
3. 分析方法
ムを加えてりんをモリブド
りん酸青とし,光度計を用い
て,その吸光度を測定する。]
○ b) 水酸化鉄共沈・モリブド
りん酸抽出分離りん酸
青吸光光度法
[試料を塩酸と硝酸との
混酸で分解した後,硫酸を加
え,白煙が発生するまで加熱
濃縮して塩酸及び硝酸を除
去し,ペルオキソ二硫酸アン
モニウムを加え,クロム(III)
をクロム(IV)に酸化する。ア
ンモニア水を加え,りんを水
酸化鉄(III)と共沈させ,ふっ
化水素酸と硝酸の混酸で溶
解する。モリブデン酸ナトリ
ウムを加え,生成したモリブ
ドりん酸を2−メチル−1−
プロパノールに抽出後,塩化
すず(II)を加え,モリブドりん
酸青に還元した後,水相に逆
抽出し,光度計を用いて,そ
の吸光度を測定する。]
ISO 9388 : 1992
○ モリブドりん酸青吸光光度法
[試料を硝酸と塩酸との混酸
で分解する。硫酸を加えた後,白
煙が発生するまで加熱濃縮して
硝酸及び塩酸を除去し,ペルオキ
ソ二硫酸アンモニウムを加えク
ロム(III)をクロム(VI)に酸化す
る。りん酸鉄(III)の沈殿をふつ化
水素酸と硝酸の混酸で再溶解す
る。ほう酸酒石酸及びスルファミ
ン酸を加え,遊離しているふつっ
化水素イオンを錯化させ,ひ素か
らの干渉を除去し,酸化窒素を揮
散させる。モリブドりん酸塩をイ
ソブチルアルコールに抽出し,還
元剤を加えりん酸青に還元した
後,水相に逆抽出する。光度計を
用いて水相の700nmにおける吸
光度を測定する。]
≡
3
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:
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9
9
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解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との一致
が困難な理由及び今後の
対策
3. 分析方法
○ c) イオン交換分離モリブ
ドりん酸青吸光光度法
[試料を塩酸と硝酸とで
分解した後,濃縮してシロッ
プ状とする。塩酸とふっ化水
素酸とで塩類を溶解した後,
陰イオン交換カラムを通し
てりんをモリブデンから分
離する。流出液に過塩素酸を
加え,白煙が発生するまで加
熱渡濃して,塩酸及びふっ化
水素酸を除去する。塩類を水
で溶解し,亜硫酸水素ナトリ
ウムを加えて鉄などを還元
した後,七モリブデン酸六ア
ンモニウム及び硫酸ヒドラ
ジニウムを加えてりんをモ
リブドりん酸青とし,光度計
を用いて,その吸光度を測定
する。]
−
○ d) モリブドバナドりん酸
抽出吸光光度法
[試料を,硝酸で分解し
た後,過塩素酸を加え,白煙
が発生するまで加熱濃縮し
てクロムを揮発性の塩化ク
ロミルとして除去する。ふっ
化水素酸を加えてけい素及
び難溶性元素を錯化し,亜硝
酸
ISO 11400 : 1992 ○ りんバナドモリブデン酸吸光光
度法
[試料は,硝酸と塩酸の混酸
で溶解する。PFA又はPTFEビー
カー中で過塩素酸を発煙させ,ク
ロムを揮発性の塩化クロミルと
して除去する。ふっ素イオンでけ
い素及び難溶性の元素を錯化さ
せる。りんを過塩素酸と硝酸溶液
中
≡
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:
1
9
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解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との一致
が困難な理由及び今後の
対策
3. 分析方法
ナトリウムを加えて残留す
る二クロム酸塩を還元した
後,バナジン酸アンモニウム
と七モリブデン酸六アンモ
ニウムを加え,生成するモリ
ブドバナドりん酸を,4−メ
チル−2−ペンタノンで抽出
し,光度計を用いて有機相の
吸光度を測定する。]
でりんバナドモリブデン酸塩に
転化させる。クエン酸によってひ
素を錯化し,りんバナドモリブデ
ン酸塩を4−メチル−2−ペンタ
ノンに抽出する。光度計を用いて
水相の700nmにおける吸光度を
測定する。]
備考1. 対比項目(I)及び(III)の小欄で,“○”は該当する項目を規定している場合,“−”は規定していない場合を示す。
2. 対比項目(IV)の小欄の記号の意味は,次による。
“≡”:JISと国際規格との技術的内容は同等である。