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H 0400 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS H 0400 : 1982は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 0400 : 1998 

電気めっき及び関連処理用語 

Glossary of terms used in electroplating and related processes 

序文 この規格は,1981年に第2版として発行されたISO 2079, Surface treatment and metallic coatings−

General classification of terms及び1981年に第2版として発行されたISO 2080, Electroplating and related 

processes−Vocabularyを元に,対応する用語及びその定義については対応国際規格を翻訳し,技術的内容

を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない用語及びその定

義を日本工業規格として追加した。 

1. 適用範囲 この規格は,電気めっき及び関連処理において用いられる主な用語及び定義について規定

する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 2079 : 1981 Surface treatment and metallic coatings−General classification of terms 

ISO 2080 : 1981 Electroplating and related processes−Vocabulary 

2. 用語の分類 電気めっき及び関連処理用語は,次の8部門に分類する。 

a) 一般 

b) 処理剤及び設備器具 

c) 研磨及び前処理 

d) めっき処理 

e) 後処理 

f) 

関連表面処理 

g) 排水処理 

h) 試験及び検査 

3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。 

なお,参考のために対応する英語を示す。 

備考 二つ以上の用語を並べてある場合は,その順位に従って使用する。 

a) 一般 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1001 

表面処理 

材料の表面を改質すること。 

参考 表面の状態を変えることによって,表面の性質

を変えたり,新しい機能を付加する。 

surface treatment, 
surface finishing 

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H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1002 

化学めっき法 

金属又は非金属表面に金属を化学的に還元析出させる方
法。 

参考 置換法,化学還元法,熱分解法とがあり,置換

法は浸せきめっきと接触めっきとに,また化学
還元法は自己触媒めっきと非触媒めっきとに
分けられる。 

chemical plating, 
electroless plating 

1003 

化成処理 

化学及び電気化学的処理によって,金属表面に安定な化合
物を生成させる処理。 

参考 りん酸塩処理,クロメート処理,黒染処理など

がある。 

conversion treatment 

1004 

拡散処理 

a) 下地表面に別の金属又は非金属を拡散させて,表面層

を作り出す方法。 

b) 電気めっきでは,皮膜及び素地金属,又は二つ以上の

皮膜間で合金化若しくは金属間化合物を形成するた
めの熱処理。 

diffusion treatment 

1005 

溶融めっき法 

めっきしようとする物を溶融金属中に浸せきして,表面に
金属皮膜を形成する方法。 

hot dip metal coating, 
hot dipping 

1006 

金属被覆 

あらゆる方法で得られるすべての金属被覆を意味する一
般的用語。 

metal coating, 
metallic coating 

1007 

電気分解, 
電解 

一対の電極を電解質溶液などのイオン伝導体に挿入し,外
部電源から電流を流して化学変化を起こさせる操作。 

electrolysis 

1008 

電解析出, 
電析 

電気分解によって,電極表面に物質が生成すること。 

参考 水素ガスの発生,金属の析出及び高分子膜の析

出などがある。 

electrolytic deposition, 
electrodeposition 

1009 

電着 

電気分解によって,電極表面に物質が付着して生成するこ
と。 

electrodeposition 

1010 

電析結晶 

電解析出のうち,電極表面に金属又は金属酸化物結晶が生
成すること。 

electrocrystallization 

1011 

電気めっき法 

金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出(電着)さ
せる方法。 

electroplated coating, 
electroplating 

1012 

貴金属 

標準水素電極と比較して,高い正極電位をもつ金属。 

参考 イオン化しにくく,そのため容易に溶解しない

方が貴となる。例えば,銅は亜鉛より,そして
金は銅又は亜鉛より貴となる 

noble metal 

1013 

卑金属 

標準水素電極と比較して,低い正極電位をもつ金属。 

base metal 

1014 

酸化 

物質が酸素と化合する反応。 

oxidation 

1015 

還元 

物質が水素と化合する反応及び酸化物又は酸素が含む化
合物から酸素の一部若しくは全部が除去される変化。 

reduction 

1016 

アニオン, 
陰イオン 

負に帯電したイオン。 

anion 

1017 

カチオン, 
陽イオン 

正に帯電したイオン。 

cation 

1018 

電解質 

水などの溶媒に溶けてイオン化し,その溶液が電気伝導性
をもち,電流を流すと電気分解現象を起こす物質。 

electrolyte 

1019 

電気泳動 

溶液中の荷電粒子が電位こう(勾)配によって移動する現
象。 

electrophoresis, 
cataphoresis 

1020 

イオン移動, 
イオン泳動 

電解液に電流を流したときにイオンが移動する現象。 

ion transference, 
ion transport, 
ion migration 

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H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1021 

輸率 

電解液に電流を流したときに特定のイオンが運ぶ電流の
割合。 

transference number, 
transport number 

1022 

錯塩 

2種類以上の塩が化合してできた塩で,水に溶かしたとき
錯イオンに解離して,構成要素のイオンを生成しない塩。 

complex salt 

1023 

錯イオン 

電解質錯体が解離したときに生じるイオン。 

complex ion 

1024 

複塩 

2種類以上の塩が化合してできた塩で,水に溶かしたとき,
もとの成分の塩と同じイオンに電離する塩。 

double salt 

1025 

電導度塩 

導電性を増すため,電解液に添加する塩。 

conducting salt, 
electric conducting salt 

1026 

キレート化合物 

金属原子が環状構造の一部を形成し,容易にイオンに解離
しない化合物。 

chelate compound 

1027 

電極 

陽極又は陰極を表す用語。 

electrode 

1028 

陽極 

a) 金属が電気化学的に溶解する極。不溶性の場合は,ア

ニオン(陰イオン)が放電する極。 

b) 上記の機能を行う物質。 

anode 

1029 

陰極 

金属又は水素が電気化学的に析出する極。 

cathode 

1030 

酸化還元電位, 
平衡電位 

単一の酸化還元系の電極反応が平衡にあるときの電位。 

oxidation-reduction 

potential, 

redox potential 

1031 

バイポーラ電極 

電解中,陽極と陰極との間に浸せきした電源に接続されて
いない導体が,電極のように働く現象。 

bipolar electrode 

1032 

分極 

電気分解中の電極に生じる自然電位からの電位のずれ。 

polarization 

1033 

アノード分極 

陽極での分極。 

anode polarization 

1034 

カソード分極 

陰極での分極。 

cathode polarization 

1035 

減極 

電極での分極が減少すること。 

depolarization 

1036 

アノード反応, 
陽極反応 

電気分解において陽極で起こるアニオンの放電,金属の溶
出,酸化などの反応。 

anode reaction 

1037 

カソード反応, 
陰極反応 

電気分解において陰極で起こるカチオンの放電,還元など
の反応。 

cathode reaction 

1038 

陽極酸化 

陽極処理によって電極表面において起こる酸化反応。 

anodic oxidation 

1039 

拡散層 

電解過程で,電極と接し,拡散による物質移動のために溶
液本体と濃度こう(勾)配を生じている溶液の薄い層。 

diffusion layer 

1040 

アノード皮膜 

a) 電解によって陽極上に形成される皮膜 
b) 電解過程で,陽極に接し溶液本体と濃度が変わる溶液

の薄い層。 

anode film 

1041 

カソード皮膜 

電解過程で,陰極に接し溶液本体と濃度が異なる溶液の薄
い層。 

cathode film 

1042 

電流濃度 

電解液の単位容積当たりの電流の大きさ。 

current concentration 

1043 

電流密度 

電極の単位面積当たりの電流の大きさ。 

current density 

1044 

臨界電流密度 

(電気めっきにおいて)正常な皮膜を生成する電流密度の
上限及び下限。 

critical current density 

1045 

限界電流密度 

拡散によるイオンの補給が限界に達し,電圧を上げても電
流密度が増加しなくなる電流密度の最大値。 

limiting current density 

1046 

電流効率 

通過した電流のうち,目的とする電極反応に使用された電
流の割合。 

参考 理論析出量(又は溶出量)に対する実際の析出

量(又は溶出量)との割合を百分率で表す。 

current efficiency 

1047 

アノード効率, 
陽極効率 

特定の陽極過程の電流効率。 

anode efficiency 

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H 0400 : 1998  

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1048 

カソード効率, 
陰極効率 

特定の陰極過程の電流効率。 

cathode efficiency 

1049 

過電圧 

実際電解が行われている電極電位と平衡電位との差。 

参考 水素過電圧,酸素過電圧,活性化過電圧,濃度

過電圧などがある。 

overvoltage 

1050 

水素過電圧 

水素発生反応における過電圧。 

hydrogen overvoltage 

1051 

酸素過電圧 

酸素発生反応における過電圧。 

oxygen overvoltage 

1052 

電流分布 

電極の各位置における通過電流の分布状態。 

current distribution 

1053 

ハルセル 

種々の電流密度における電極表面の状況を観察する特殊
な形の電解槽。 

Hull cell 

1054 

電解液, 
電解質溶液 

電解質を水などの溶媒に溶かした溶液。 

electrolytic solution 

1055 

陽極液 

分離セルで隔膜のアノード側の電解液。 

anolyte 

1056 

陰極液 

分離セルで隔膜のカソード側の電解液。 

catholyte 

1057 

めっき浴 

めっき槽内に入れられためっき液。 

plating bath 

1058 

素地 

皮膜が析出又は形成される材料。 

basis material, 
basis metal 

1059 

下地 

直接めっきされる素地。 

参考 単めっきの場合は,下地は素地と同義語にな

る。多層めっきの場合は,中間皮膜を下地と呼
ぶ。 

substrate 

1060 

核生成 

非電導性素地に電気めっきを行う際,析出の初期段階のサ
イトとしての役目を果たす触媒物質が吸着されるめっき
の前段階。 

nucleation 

1061 

析出電位 

電析又は電着において,固体生成物が析出し始める電位。 deposition potential 

1062 

電気めっき範囲 

十分な電着が得られる電流密度の範囲。 

deposition range, 
electroplating range, 
plating range 

1063 

一次電流分布 

幾何学的な考察だけから予想される電極表面上の電流の
分布。 

primary current  
distribution 

1064 

被覆力 

初期に陰極の全表面に金属を析出するため,所定の条件の
下で電気めっきさせ得る浴の能力。 

covering power 

1065 

レベリング, 
平滑能 

素地の微視的な凹凸や,研磨の条こんなどを平滑化するめ
っき浴の能力。平滑化作用ともいう。 

levelling, 
(USA, leveling) 

1066 

均一電着性, 
マクロスローイング
パワー 

厚さが均一にめっきされるめっき浴の能力。 

throwing power, 
macrothrowing power 

1067 

微視的均一電着性, 
ミクロスローイング
パワー 

一定条件のもとで,穴とか狭い溝にも十分めっきさせ得る
めっき浴の能力。 

microthrowing power 

1068 

めっき分布, 
金属分布比 

陰極上の二つの特定面積上で析出した電着金属の厚さの
割合。 

metal distribution ratio 

1069 

不動態 

化学的又は電気化学的に溶解若しくは反応が停止するよ
うな金属の特殊な表面状態。 

passivity, 
passive state 

1070 

不動態化 

金属表面を不動態にすること。 

passivating, 
passivation, 
passivate 

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H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1071 

活性化 

a) 表面の化学的反応性を高めるため,表面の不動態を破

壊する処理。 

b) 非電導性素地に金属を析出させる工程で,表面に触媒

金属を吸着させる処理。 

activation 

1072 

光沢電気めっき 

めっきした状態で,鏡のような高い反射率をもつ電着物を
生成させる方法。 

bright electroplating 

1073 

光沢電気めっき範囲 

所定の作業条件の下で,光沢電気めっきが得られる電流密
度の範囲。 

bright electroplating  
range 

1074 

光沢浸せき法 

金属表面を種々な組成の溶液中に短時間浸せきして光沢
面とする方法。 

参考 キリンス仕上げなどがある。 

bright dipping 

1075 

化学光沢処理 

アルミニウム及びその合金を溶液中に浸せきして光沢面
にする方法。 

参考 英国で使用されている用語。 

chemical brightening 

1076 

水素ぜい性 

前処理及びめっき処理の過程で,被めっき物が水素を吸蔵
して延性又はじん(靱)性が低下する現象。 

hydrogen embrittlement 

1077 

電着応力 

電着によって皮膜に発生する引張り又は圧縮の内部応力。 stress of electrodeposits 

1078 

表面張力 

互いに接する2相の界面において,それら2相の接触面積
を減少する向きに作用する力。 

surface tension 

1079 

アニーリング 

成形によるひずみ除去又は密着性改善のために一定の温
度でする加熱処理。 

annealing 

1080 

pH 

水素イオン濃度の逆数の対数。 

参考 溶液の酸度又はアルカリ度を表すためなどに

用いる 

hydrogen ion 

concentration 

1081 

アノード腐食 

電解槽中及び大気中で,陽極金属が電気化学的に溶解する
現象。 

anode corrosion 

1082 

カソード防食 

流電陽極又は外部電源を用いて金属体を陰極として通電
し,腐食を防止する方法。 

cathodic protection 

1083 

犠牲防食 

より卑な金属を電気的に接触させ,腐食させることによっ
て金属を保護する操作。 

sacrificial protection 

1084 

バレル法 

品物を回転容器の中に入れて,機械的,化学的又は電解的
に処理する方法の総称。 

barrel processing 

1085 

電鋳法 

電気めっき法による金属製品の製造・補修又は複製法。 

electroforming 

1086 

置換反応 

ある化合物に含まれる原子又は原子団を,他の原子又は原
子団に置き換える反応。 

substitution reaction 

1087 

イオン交換 

塩類水溶液中で,ある種の物質中のイオンが液中のイオン
と交換される現象。 

ion exchange 

1088 

ウイスカ 

単結晶の微小金属繊維成長物。 

参考 貯蔵中若しくは使用中,自然に生成し,又は,

めっき処理中に生成することがある。すずめっ
きなどに生成しやすい。 

whiskers 

1089 

めっきの種類 

めっきに用いる金属及び合金の種類によって分類される
めっき。 

kind of plating 

1090 

めっきの構成 

多層めっきを組み立てている一連のめっきの種類の順序。 composition of plating 

1091 

めっきのタイプ 

同一種類のめっきにおいて,性質,形態,方法などを異に
するめっき。 

type of plating 

1092 

めっき有効面 

表面処理の用途上で重要な面。 

significant surface 

1093 

使用環境 

装飾,防食などのめっきにおいて,めっきを施した製品が
使用される環境で,直接又は間接にその製品に影響を及ぼ
す周囲の雰囲気。 

service condition 

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H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 処理剤及び設備器具 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2001 

添加剤 

めっき皮膜の特性を向上させる目的で,めっき浴その他の
処理液に添加する物質。 

addition agent, 
additives 

2002 

光沢剤 

めっき皮膜に光沢を与えるための添加剤。 

brightener, 
brightening agent 

2003 

錯化剤 

金属イオンと結合して錯イオンを形成させるための添加
剤。 

complexing agent 

2004 

酸化剤 

他の物質を酸化させるための添加剤。 

oxidizing agent, 
oxidizer 

2005 

還元剤 

他の物質を還元させるための添加剤。 

reducing agent, 
reducer 

2006 

緩衝剤 

pHの変化を防ぐための添加剤。 

buffer 

2007 

界面活性剤 

液体の表面張力を減少させ,ぬ(濡)れをよくしたり,乳
化分散などの目的で用いられる物質。 

surface active agnet, 
interfacial action agent, 
surfactant 

2008 

湿潤剤 

表面張力を減少させ,材料表面上で液体を広がりやすくさ
せる物質。 

wetting agent 

2009 

清浄剤, 
洗浄剤 

材料表面に付着している油脂類などの汚れの洗浄を助け
る物質。 

detergent, 
cleaning agent, 
cleaner 

2010 

抑制剤, 
インヒビタ 

化学若しくは電気化学反応の急激な進行又は局部的な進
行を妨げる物質。 

参考 めっきでは,酸洗液などに用いる 

inhibitor 

2011 

乳化剤, 
エマルジョン剤 

安定した乳濁を生成するために用いる物質。 

emulsifying agent, 
emulsifier 

2012 

キレート剤 

金属イオンに配位して,環状構造をもつ錯化合物(キレー
ト化合物)を形成する物質。 

chelating agent 

2013 

不溶性アノード 

電解中,電解液に金属イオンを出さない陽極。 

inert anode, 
insoluble anode 

2014 

補助極 

均一電着性若しくは被覆力を改善するために用いる補助
の陰極又は陽極。 

auxiliary electrode 

2015 

補助陽極 

最低電流密度部分に配置して,陰極の電流密度分布を改善
する補助の陽極。 

auxiliary anode 

2016 

補助陰極, 
かぶり止め 

陰極の電流密度を改善するために配置する補助の陰極。 

参考 電流の集中しやすい箇所に品物とは別の陰極

を配置し,めっき厚さを均一にしたり,めっき
皮膜の焼けを防止することを目的とする。 

auxiliary cathode, 
robber, 
thief, 
supplementary cathode 

2017 

極棒 

電解槽に固定された導電部で,ブスバから陽極,陰極に電
流を導く金属製の棒。 

bar (anode or cathode), 
rod 

2018 

ブスバ 

電源から陽極及び陰極の棒に電流を伝えるための堅い導
体。 

busbar 

2019 

アノードバッグ 

陽極スライムが被めっき物に影響を与えないように陽極
を包む袋。 

anode bag 

2020 

隔膜 

陽極部分と陰極部分とを分離する多孔性又は透過性の膜。 diaphragm 

2021 

シールド 

a) 陽極又は陰極上の電流分布を改善するように置いた

不導体の障害物。 

b) 不導体物を間に置いて,陽極又は陰極上の電流分布を

変える操作。 

shield 

2022 

分離セル 

隔膜を含むセル又はその他の方法で陽極液と陰極液を物
理的に分けるセル。 

divided cell 

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H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2023 

引っかけ, 
ジグ, 
ラック 

被めっき物の支持及び通電のために用いる支持具。 

jig, 
rack, 
plating rack 

2024 

整流器 

交流を直流に変換する装置。 

rectifier 

2025 

脈動率, 
リプル 

電源の特性によって作られる直流電圧の規則的な変調。 

ripple 

2026 

めっき防止材 

電極又はラックの一部にレジストを施し,めっきされるの
を防ぐために使用する材料。 

stop-off material, 
stopping off, 
masking material 

2027 

ダミー電極, 
ダミー 

めっき浴中の不純物の除去又は分解に使用する陰極。 

dummy, 
dummy cathode 

2028 

加熱器, 
ヒータ 

めっき条件を維持するため,めっき液を加熱するための機
器。 

heater 

2029 

冷却機, 
クーラ 

めっき条件を維持するため,めっき液を冷却するための機
器。 

cooler 

2030 

かくはん機 

めっき液の濃度を均一にするために,液をかき混ぜる機
器。 

agitator 

2031 

カソードロッカ 

陰極棒を左右又は上下に動かして,被めっき物にかくはん
効果を与えるための機器。 

cathode roker, 
cathode rod movement 

2032 

ろ過機 

ろ布又はひも巻きカートリッジなどのろ材を用いて,めっ
き液中の微粒子を分離する機器。 

filter 

2033 

ろ過助剤 

ろ材の目づまりを防ぎ,ろ過性能を増加させるために使用
される物質。 

filter aid 

2034 

自動めっき装置 

被めっき物の搬送又は槽の出し入れなどのめっき作業を
コンピュータによって管理する機器。 

参考 自動めっき装置には,ホイスト式,エレベータ

式などがある。 

automatic plating 

equipment 

2035 

自動浴管理装置 

浴成分の変動を連続的に検知し,この情報に基づき,コン
ピュータによって金属イオン,添加剤などの補給又は液の
更新を行う機器。 

automatic plating bath 

control equipment 

c) 研磨及び前処理 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3001 

研磨 

a) 金属表面を滑らかにする処理。 

参考 欧州大陸で使用される用語。 

b) 研磨剤で金属表面を平滑にする初期の段階。 

参考 米国で使用される用語。 

polishing 

3002 

前処理 

被めっき物をめっき浴に入れる前の諸工程。 

参考 表面状態の調整,装飾的効果などのために,表

面処理の主工程の前に行う処理。 

pretreatment 

3003 

機械研磨法 

金属表面を微細なと粒研磨材によって削り取り,平滑で所
定の寸法に近い面とする方法。 

mechanical polishing 

3004 

電解研磨法 

金属表面を特定溶液中で陽極溶解し,平滑な光沢面とする
方法。 

electropolishing 

3005 

化学研磨法 

金属表面の平滑さを改善するため,種々の組成の溶液中に
浸せきし,平滑な光沢面とする方法。 

chemical polishing 

3006 

油性研磨剤 

研磨剤を主成分とし,これに脂肪酸,鉱油,金属石けんな
どを混合した研磨剤。 

参考 棒状と液状のものとがある。 

buffing compound, 
grease base buffing bar 

background image

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3007 

トリポリ 

研磨に用いる,もろく,極微細なけい酸。 

参考 トリポライトに類似した研磨粒と油脂で作ら

れた棒状研磨剤。 

tripoli 

3008 

バフ 

布製又はその他の材料で作られた研磨輪。 

buff 

3009 

エメリーバフ 

バフにエメリー,溶融アルミナなどの研磨剤を接着したも
の。 

emery polishing wheel, 
emery wheel, 
polishing wheel, 
set-up wheel 

3010 

バフ研磨法 

バフの周囲又は表面に種々の研磨剤などを付けて研磨す
る方法。 

参考 研磨の程度や工程によって,素地研磨,仕上げ

研磨などに分けられる。 

mopping, 
buffing, 
(USA, polishing) 

3011 

バレル研磨法 

被研磨物を研磨剤などとともに回転又は振動容器中に入
れて研磨する方法。 

barreling, 
barrel polishing 

3012 

がら研磨 

被研磨物を回転容器中で研磨する方法。 

tumbling 

3013 

ベルト研磨法 

研磨剤の付着したベルトを使用して研磨する方法。 

belt sanding, 
belt polishing 

3014 

研削 

粗粒の研磨剤を含むか,又は付着させた研磨剤によって材
料の表面を除去する方法。 

grinding 

3015 

ボビング 

研磨剤で金属表面を平滑にする初期の段階。 

bobbing, 
(USA, polishing) 

3016 

グレイニング 

回転ベルトに研磨剤を付着させて,平面を一方向に研磨す
る操作。 

linishing, 
(USA, graining) 

3017 

筆電解研磨 

筆,スポンジなどにめっき液を吸収させて陰極とし,電解
研磨する方法。 

brush electrolytic 

polishing 

3018 

ラッピング 

寸法誤差の調整又は表面仕上げの改善のために行う研磨。 lapping 

3019 

脱脂 

素地に付着している油脂性の汚れを除去して清浄にする
操作。 

参考 アルカリ脱脂,溶剤脱脂,エマルジョン脱脂,

電解脱脂,機械脱脂などがある。 

degreasing 

3020 

電解脱脂 

所定の溶液中に品物を陰極又は陽極として浸せきし,電解
によって脱脂する操作。 

参考 陰極脱脂,陽極脱脂,PR脱脂などがある。 

electrolytic cleaning, 
electrolytic degreasing 

3021 

洗浄 

表面から油脂その他の汚れをすべて除去する操作。 

cleaning 

3022 

酸洗浄 

酸溶液による洗浄。 

acid cleaning 

3023 

酸浸せき 

軽いさびなどを除去するため,酸溶液中に短時間浸して清
浄にする操作。 

acid dipping 

3024 

酸洗い, 
ピックリング 

ミルスケール又は厚いさびの層を除去するため,比較的長
い時間,酸溶液中に浸して清浄にする操作。 

参考 対応国際規格では,ピックリング (pickling) を

化学的又は電気化学的作用によって素地金属
から酸化物又はその他の化合物を除去するこ
とと規定している 

acid pickling 

3025 

スケール 

変色と呼ぶ表面皮膜より,厚い密着性のある酸化皮膜。 

scale 

3026 

スマット 

鉄鋼などの酸洗において,酸洗過多となった場合や,アル
カリ溶液でアルミニウム合金の酸化皮膜を除去したとき
に生じる微粉末状の黒色物質。 

smut 

3027 

デスマット 

スマットを除去する操作。 

desmut 

3028 

アルカリ洗浄 

アルカリ溶液による洗浄。 

alkaline cleaning 

background image

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3029 

電解洗浄 

被めっき物を陰極又は陽極として行う電解による洗浄。 

参考 陰極法,陽極法,PR法などがある。 

electrolytic cleaning 

3030 

アノード洗浄 

被めっき物を陽極にして電解洗浄する方法。 

anodic (reverse)  

cleaning 

3031 

カソード洗浄 

被めっき物を陰極にして電解洗浄する方法。 

cathodic cleaning, 
direct cleaning 

3032 

PR洗浄 

電流の方向を周期的に変えて電解洗浄する方法。 

periodic reverse current 

cleaning 

3033 

超音波洗浄 

超音波によって,被めっき物及び洗浄液に微振動を与えて
行う洗浄。 

ultrasonic cleaning 

3034 

溶剤洗浄 

有機溶剤を用いて行う被めっき物の洗浄脱脂。 

solvent cleaning, 
solvent degreasing 

3035 

二相洗浄 

有機溶剤層と水成層とからなる液体を用いて行う洗浄。 

参考 溶剤と乳化作用とによって洗浄効果が得られ

る。 

diphase cleaning 

3036 

エマルジョン洗浄 

乳化液を用いて行う被めっき物の洗浄。 

emulsion cleaning 

3037 

浸せき洗浄 

電流を使わずに,一般的にアルカリ溶液に浸して行う洗
浄。 

immersion cleaning, 
soak cleaning 

3038 

スプレー洗浄 

金属表面に洗浄溶液を吹き付けて行う洗浄。 

spray cleaning 

3039 

蒸気洗浄, 
蒸気脱脂 

被めっき物の上に溶剤蒸気を凝縮させて行う洗浄。 

vapour degreasing, 
(USA, vapor degreasing) 

3040 

ブラスト法 

加工面に固体金属,鉱物性又は植物性の研磨材を高速度で
吹き付け,表面を清浄化,摩耗若しくは硬化させる方法。 

参考 対応国際規格では,使用する研磨材などの種類

によって,アブレシブブラスト (abrasive 
blasting),ビードブラスト (bead blasting),ガラ
スビードブラスト (glass bead blasting),カット
ワイヤブラスト (cut wire blasting),グリットブ
ラスト (grit blasting),サンドブラスト (sand 
blasting),ショットブラスト (shot blasting),ウ
エットブラスト (wet blasting) の用語を規定し
ている。 

blasting 

3041 

液体ホーニング 

微粒の研磨材を加えた水又はそれに適切な腐食抑制剤を
加えたものを金属製品に吹き付けて清浄にし,同時になし
地仕上げにする方法。 

liquid honing 

3042 

バニシ仕上げ, 
バニッシング 

表面層を除去せず,圧力をかけてこすって表面を平滑にす
る方法。 

参考 研磨処理法の一種。 

burnishing 

3043 

カラーオフ 

軽い最終的なバフ研磨。 

colouring off 
(USA, coloring or colour 

buffing) 

3044 

レリービング 

色を少しずつ変化させるため,着色して特定面から物質を
機械的に除去する方法。 

relieving 

3045 

ばり取り 

機械,化学又は電気化学的な方法で鋭いへりを取る操作。 deburring, 

trimming 

d) めっき処理 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4001 

電気めっき 

金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出させた皮
膜。 

electroplated coatings, 
electroplating 

background image

10 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4002 

防食めっき 

製品に耐食性を付与するために行うめっき。 

electroplating for 

corrosion prevention 

4003 

装飾めっき 

製品に美観を付与するために行うめっき。 

decorative plating 

4004 

機能めっき 

めっき皮膜そのものの特性を利用するために行うめっき。 plating for functional use 

4005 

複合めっき 

繊維状,粒子状などの分散相をもつ複合材料の電気めっ
き。 

composite coatings, 
composite plating 

4006 

合金めっき 

2種類又はそれ以上の金属及び金属と非金属の合金の電気
めっき。 

alloy platings, 
electroplated coatings of 

alloy 

4007 

多層めっき 

2層又はそれ以上の金属を析出した電気めっき。 

multilayer deposits 

4008 

銅めっき 

銅イオン又は銅錯イオンを含む電解質に直流若しくはパ
ルス電流を流して,陰極上に金属銅を析出させる処理。 

copper plating 

4009 

黄銅めっき 

銅イオン,亜鉛イオン又はそれらの錯イオンを含む電解質
に直流又はパルス電流を流して,陰極上に銅と亜鉛の合金
を析出させる処理。 

参考 銅−亜鉛の合金めっきで,真ちゅう(鍮)めっ

きともいう。 

brass plating 

4010 

ニッケルめっき 

ニッケルイオンを含む電解質に直流又はパルス電流を流
して,陰極上に金属ニッケルを析出させる処理。 

nickel plating 

4011 

亜鉛めっき 

亜鉛イオンや亜鉛錯イオンを含む電解質に直流又はパル
ス電流を流して,陰極上に金属亜鉛を析出させる処理。 

zinc plating 

4012 

亜鉛合金めっき 

亜鉛めっき液に,他の金属イオン又は錯イオンを添加して
通電し,陰極上に亜鉛と添加金属の合金を析出させる処
理。 

zinc alloy plating 

4013 

すずめっき 

すずイオンやすず錯イオンを含む電解質に直流又はパル
ス電流を流して,陰極上に金属すずを析出させる処理。 

tin plating 

4014 

すず合金めっき 

すずめっき液に,他の金属イオン又は錯イオンを添加して
通電し,陰極上にすずと添加金属を析出させる処理。 

tin alloy plating 

4015 

金めっき 

金イオンや金錯イオンを含む電解質に直流又はパルス電
流を流して,陰極上に金属金を析出させる処理。 

参考 金含有率が99.9%以上の電気めっき。 

gold plating 

4016 

金合金めっき 

金めっき液に他の金属イオンを添加して通電し,陰極上に
金属金と添加金属を析出させる処理。 

参考 金含有率が58.5%以上99.9%未満の電気めっき。 

gold alloy plating 

4017 

銀めっき 

銀イオンや銀錯イオンを含む電解質に直流又はパルス電
流を流して,陰極上に金属銀を析出させる処理。 

silver plating 

4018 

装飾用クロムめっき 

製品の美観のために仕上げめっきとして行われるクロム
めっき。 

decorative chromium 

plating 

4019 

工業用クロムめっ
き, 
硬質クロムめっき 

主として耐摩耗性を付与する目的で施した比較的厚いク
ロムめっき。 

electroplated coatings of 

chromium for 
engineering purpose, 

industrial chromium 

plating, 

hard chromium 

electroplating 

4020 

マイクロポーラスク
ロムめっき 

微細な穴が均一に分布したクロムめっき。 

microporous chromium 

plating 

4021 

マイクロクラックク
ロムめっき 

微細な割れが均一に分布されるように施すクロムめっき。 microcracked chromium 

plating 

background image

11 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4022 

ポーラスクロムめっ
き 

あらかじめ表面を粗にしてクロムめっきをするか,又はめ
っき後その表面をエッチングによって多孔性とし,油の保
持性を与えるクロムめっき。 

porous chromium plating 

4023 

微小不連続 

微細な割れ又は微小なあな(孔)。 

microdiscontinuity 

4024 

多孔率 

ポーラスクロムめっき面の任意の面積内において,割れ又
はあな(孔)の占める面積の割合を百分率で表したもの。 

porosity rate 

4025 

静止めっき法 

品物を個々に陰極に取り付けてめっきする方法。 

rack plating, 
vat plating, 
(USA, still plating) 

4026 

バレルめっき法 

回転容器中で行う電気めっき法。 

barrel  (electro)   
plating 

4027 

ワンラック方式 

樹脂上にめっきをするとき,前処理とめっき工程間でひっ
かけを変えない方式。 

one-rack system 

4028 

変調電流めっき法 

陰極電流密度を周期的に変えて行うめっき方法。 

参考 変調電流めっき法には,断続めっき法,不完全

整流法,PR法などがある。また,サイクル数
は通常数分を超えず,交流と直流とを重ね合わ
せる場合ははるかに少ない。 

modulated current 

plating, 

interrupted electro 

plating 

4029 

断続めっき法 

直流電流を周期的に中断させたり減少させて行うめっき
方法。 

interrupted electroplating 

4030 

パルスめっき法 

パルス波形の電流を用いて行うめっき方法。 

pulse plating 

4031 

重畳電流めっき法, 
重畳めっき法 

直流電流にサージ,リプル,パルス,交流などの脈流を重
畳させ,周期的に電流を調整しながら行うめっき方法。 

superimposed current 

electroplating, 

(UK, surge plating), 
(USA, ripple plating) 

4032 

PRめっき, 
PR法 

電流の方向を周期的に変えて行うめっき方法。 

periodic reverse 

electroplating, 

periodic reverse current 

plating 

4033 

ストライクめっき, 
ストライク 

a) 後工程で行われる皮膜の析出を促進するための電着

金属の薄膜。 

b) この膜を得るために特に調製された溶液。 
c) 薄膜a)を得るために,異なる組成の浴か,又は後の過

程とは異なる作業条件で比較的短時間に行うめっき。 

strike, 
strike plating 

4034 

フラッシュめっき, 
フラッシュ 

極めて短時間に行う薄いめっき方法。 

参考 この用語は,最終被覆だけに使用するとよい。

同じ性質の中間皮膜には,ストライクを使用す
る。 

flash, 
flash plating 

4035 

二層ニッケルめっき
法 

第1層に硫黄を含まない無光沢又は半光沢のニッケルめ
っきを施し,その上に硫黄を含む光沢のニッケルめっきを
施すめっき方法。 

duplex nickel plating 

4036 

肉盛りめっき法 

寸法不足を補うことを目的として施すめっき方法。 

salvage plating, 
electro sizing 

4037 

下地めっき 

多層めっきの下地となるめっき皮膜。 

undercoat 

4038 

建浴 

電解槽内にめっき浴その他の処理液を作り,電解できるよ
うに準備する作業。 

initial make-up of 

electrolytic bath 

4039 

浴管理 

電解浴の状態を正常に維持するために行う管理。 

参考 めっき浴成分の維持,正常な作業条件の維持,

不純物混入の予防と不純物除去などの管理作
業からなる。 

control of bath 

background image

12 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4040 

脱塩 

a) イオン交換などによって,溶存する塩類を除くこと。 

参考 米国及び英国で一般的に使用されている。 

b) 脱イオンと同義語。 

参考 欧州大陸で一般的に使用されている。 

demineralization 

4041 

脱イオン 

イオン交換などによって溶液からイオンを除く操作。 

deionization 

4042 

水の軟化 

イオン交換などによって,水の硬度を下げる操作。 

softening of water 

4043 

活性炭処理 

めっき浴中の有機不純物を吸着除去するために活性炭を
用いる処理。 

activated carbon 

treatment 

4044 

空電解処理 

めっき浴の調整を目的とした電解処理。 

preplating treatment, 
electrolytic purification, 
work-out, 
dummy plating 

4045 

迷走電流 

a) 漏えい電流 
b) 電解液,めっき液以外の伝熱管,槽壁などを通って被

めっき物に達する電流。 

stray current 

4046 

浴電圧 

めっき浴中の陰極と陽極との間の電圧。 

bath voltage 

4047 

槽電圧 

電解中,めっき浴又は電解セルの陽極,陰極間で測定され
る電圧。 

tank voltage 

4048 

陽極スライム 

金属を陽極にして電解したとき,電気化学的に溶解しない
残さ(渣)。 

anode slime 

4049 

全シアン, 
トータルシアン 

めっき浴中の金属と錯塩とを作っているシアンイオンと
遊離状態のシアンとの総量。 

total cyanide 

4050 

遊離シアン, 
フリーシアン 

めっき浴中の金属分をシアン錯塩にするのに必要な量以
上のシアン。 

free cyanide 

4051 

持ち込み 

槽外の液が被めっき物その他に付着して持ち込まれる現
象。 

drag-in 

4052 

すくい出し 

槽内の液が被めっき物その他に付着して持ち出される現
象。 

drag-out 

4053 

ガス発生 

電解中に,電極から目に見えるガスの発生。 

gassing 

4054 

めっきはがし 

a) 素地又は下地から皮膜を除去するのに用いる方法若

しくは溶液。 

b) 素地又は下地から皮膜を除去する処理。 

strip 

4055 

筆めっき 

めっき液を筆やスポンジなどに吸収させて陽極とし,陰極
にした品物の表面をこすってめっきする方法。 

brush (electro) plating, 
tampon plating 

4056 

マンドレル, 
鋳型, 
金型 

a) 電鋳でカソードに用いられる型。 
b) 巻付け試験(マンドレル試験ともいう。)で使われる

支え。 

mandrel, 
matrix, 
mould, 
(USA, mold) 

e) 後処理 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5001 

後処理 

めっきの後工程として使用目的に適するようめっき皮膜
に施す処理。 

post treatment 

5002 

ベーキング 

素材のひずみ除去又はめっきの水素除去を目的として行
う熱処理。 

baking, 
(UK, stoving) 

5003 

応力除去 

適切な温度に加熱保持して,めっき皮膜及び素地金属の残
留応力を減少させる操作。 

stress relief 

background image

13 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5004 

水素ぜい化除去 

表面処理後,水素吸蔵によるぜい化を減少させたり除去す
るために行う処理。 

hydrogen embrittlement 

relief, 

(UK, de-embrittlement) 

5005 

りん酸塩処理 

りん酸塩を含む水溶液で,化学的に皮膜を生成させる方
法。 

phosphating, 
phosphate treatment 

5006 

クロメート処理 

クロム酸又は重クロム酸塩を主成分とする溶液中に品物
を浸せきし,化学的に防せい皮膜を生成させる方法。 

chromating, 
chromate treatment, 
(UK, chromate filming) 

5007 

クロメート皮膜 

クロメート処理によって得られる膜。 

chromate conversion 

coatings 

5008 

光沢クロメート皮膜 

化学研磨作用を利用して,めっきに光沢を与えるクロメー
ト皮膜。 

bright chromate 

conversion coatings, 

clear chromate 

conversion coatings 

5009 

有色クロメート皮膜 

防食を目的とする有色(淡黄色,黄色などの干渉色)のク
ロメート皮膜。 

coloured chromate 

conversion coatings, 

yellow chromate 

conversion coatings 

5010 

緑色クロメート皮膜 

防食を目的とする緑色のクロメート皮膜。 

参考 皮膜の組成割合によって,オリーブ,グリーン,

ブロンズ,褐色などの色調を呈する。 

green chromate 

conversion coatings, 

olive-drab chromate 

conversion coatings 

5011 

黒色クロメート皮膜 

防食及び装飾を目的とする黒色のクロメート皮膜。 

black chromate 

conversion coatings 

5012 

表面干渉じま 

比較的薄いクロメート皮膜の場合,めっき上に残留した薄
い透明皮膜の表面に光が当たったとき,皮膜の表面及びめ
っき表面での反射光が互いに干渉して生じたにじ(虹)色
のしま模様。 

interference fringe of 

surface 

5013 

表面の色のばらつき 

クロメート処理の浴組成,操作条件などによって変わる皮
膜組成の変化によって生じる有色クロメート皮膜の色調
のばらつき。 

irregular colour 

5014 

白色腐食生成物 

クロメート皮膜が破壊され,電気亜鉛めっき及び電気カド
ミウムめっきが腐食環境にさらされるときに生じる塩基
性炭酸亜鉛,塩基性カドミウムなどの白色化合物。 

white corrosion product 

5015 

黒色処理 

鉄鋼又は銅(銅合金)表面を黒色に仕上げる方法。 

blackening, 
black oxide treatment 

5016 

アルカリ黒色処理 

高温アルカリ塩浴に浸せきして,鉄鋼又は銅(銅合金)表
面に,酸化物若しくは硫化物の皮膜を形成し,黒色に仕上
げる方法。 

alkaline blackening, 
black finishing 

5017 

エージング 

一定の条件下に長時間置いて,所定の状態にする操作。 

aging, 
ageing 

5018 

リフロ処理 

すず又ははんだめっき後,光沢化,ウィスカ防止及び密着
性を向上させるために加熱して溶融させる処理。 

reflow treatment 

5019 

フュージング 

はんだめっきを溶融させた後,再凝固させる操作。 

fusing 

f) 

関連表面処理  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6001 

無電解めっき法 

外部電源を用いずに,金属を化学的に還元析出させる方
法。 

electroless plating 

6002 

自己触媒めっき法 

化学還元作用によって金属を析出させ,還元される金属そ

autocatalytic plating 

background image

14 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

のものが触媒として働く方法。 

6003 

非触媒めっき法 

化学還元作用によって金属を析出させ,還元される金属は
触媒としては働かない方法。 

non-autocatalytic plating 

6004 

浸せきめっき法, 
置換めっき法 

置換反応によって物体の表面に金属の皮膜を形成する方
法。 

immersion plating 

6005 

接触めっき法 

析出する金属の化合物を含む溶液中で,下地を他の金属と
接触するように浸せきし,下地上に金属を析出させる方
法。 

contact plating,   
galvanic contact plating 

6006 

浸せき析出法 

置換反応によって金属を被覆する方法。 

immersion deposit 

6007 

コンディショニング 

非電導性下地に金属を析出させる工程で,表面をあらかじ
め被覆しやすい状態に変える処理。 

conditioning 

6008 

センシタイゼーショ
ン, 
感受性化 

非電導性下地表面に還元剤が吸着する現象。 

sensitization 

6009 

キャタライザー−ア
クセラレータ法 

Sn2+とPd2+の混合によってパラジウムコロイド液とし,こ
れに浸せきし,次に塩酸溶液に浸せきして化学めっきの反
応を促進させる方法。 

catalyser-accelerator 

process 

6010 

センシタイザー−ア
クチベータ法 

Sn2+を含む液に浸せき後,Pd2+を含む液に浸せきして化学
めっきの反応を促進させる方法。 

sensitizer-activator 

process 

6011 

陽極酸化処理, 
陽極処理 

陽極における電気化学的な酸化処理の総称。 

anodizing, 
anodic treatment, 
(USA, anodising) 

6012 

陽極皮膜 

a) 電解酸化処理によって,金属表面構造が変化して形成

される保護,装飾又は機能的な皮膜。 

b) 素地金属より卑な金属皮膜。 

anodic coatings 

6013 

陽極酸化皮膜 

陽極酸化処理によって生成した皮膜。 

anodic oxide coating, 
anodic oxide film 

6014 

自然発色陽極酸化 

染料・顔料を用いないで陽極酸化処理だけで発色させる方
法。 

integral colour 

anodizing,  

self-colour anodic 

oxidation 

6015 

陽極酸化皮膜の封孔
処理 

陽極酸化によって生成した多孔性皮膜のあな(孔)を封じ,
耐汚染性,耐食性などの物理的化学的性質を改善する処理
の総称。 

sealing of anodic oxide 

coating 

6016 

染色 

陽極酸化皮膜の多孔性を利用して,その皮膜に染料を吸着
させる操作。 

dyeing 

6017 

着色 

化学又は電気化学的浸せき法によって,装飾着色仕上げを
得る方法。 

colouring, 
(USA, coloring) 

6018 

電解着色 

多孔性陽極酸化皮膜を生成後,金属塩を溶解した浴中で電
解を行い,金属又は金属化合物を皮膜孔中に析出させ着色
する操作。 

electrolytic colouring 

6019 

ブロンズ処理 

銅及び銅合金又は銅及び黄銅(真ちゅう)めっきした金属
の表面の色を変えるために化学浸せきする処理。 

bronzing 

6020 

プリエッチング 

エッチング処理を容易に行うために,前もって加工物を有
機溶剤に浸せきする処理。 

pre-etching 

background image

15 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6021 

エッチング 

金属又は非金属表面を化学的若しくは電気化学的に腐食
する方法。 

参考 樹脂上にめっきする場合には,酸化剤を含む液

に樹脂を浸せきし,表面粗化と化学的変化を同
時に行うこと。 

etch,   
etching 

6022 

エッチング液 

エッチングで用いられる溶液。 

etchant 

6023 

レジスト 

化学又は電気化学反応を防ぐため,品物,電極などの表面
の一部を被覆する物質。 

resist 

6024 

電解加工 

希望どおり金属を加工するため,電流を集中できるような
形をした道具及び(カソード)品物のすき間に電解液を入
れ,直流によって品物を加工する方法。 

electrochemical 

machining (ECM), 

electrochemical milling 

6025 

ケミカルミリング 

酸又はアルカリ溶液の金属溶解能を利用して金属の成形
加工を行う方法。 

chemical milling, 
chemical contouring 

6026 

メカニカルプレイテ
ィング, 
ピーニング, 
ピーンプレイティン
グ, 
衝撃めっき 

被覆しようとする金属粉末を投入し,ガラスビードのよう
な球状粒子を表面にぶつけて金属層を作る方法。 

mechanical plating, 
peening, 
peen plating 

6027 

気相めっき, 
ドライプロセス 

気相状態を用いて材料表面をめっきする方法。ドライプロ
セスともいう。 

参考 PVD(物理蒸着法)とCVD(化学蒸着法)とが

ある。 

dry process, 
vapor deposition 

6028 

物理蒸着 

高温加熱,スパッタリングなどの物理的方法で物質を蒸発
し,基板に凝縮させ,薄膜を形成する方法。略称PVD。 

参考 真空蒸着,イオンプレーティング,スパッタリ

ングなどの総称。 

physical vapor 

deposition 

6029 

真空蒸着 

真空中で物質を加熱蒸発し,基板上に薄膜を形成する成膜
法。 

vacuum evaporation 

6030 

イオンプレーティン
グ 

電界を印加して発生したプラズマを利用し,蒸発原子をイ
オン化又は励起させ,基板上に薄膜を形成する成膜法。 

ion plating 

6031 

スパッタリング 

加速された粒子が固体表面に衝突したとき,運動量の交換
によって固体を構成する原子が空間へ放出される現象,及
びこの現象を用いた成膜法。 

sputtering 

6032 

化学蒸着 

気相化学反応によって,基板上に膜を形成させる方法。略
称CVD。 

chemical vapor 

deposition 

6033 

ブルーイング 

適切な温度,空気,水蒸気又は化学薬品にさらして,鋼表
面に鉄の酸化物皮膜を形成させる処理。 

参考 鋼の外観及び耐食性を改善するために行い,表

面は,加熱温度によって黄色又は青色を呈す
る。 

blueing 

6034 

ショットピーニング 

球状微物(ショット)を鋼材の表面に噴射し,表面層に残
留圧縮応力を生じさせ,かつ,加工硬化させながらある程
度の仕上げ度を保持させる方法。 

shot peening 

6035 

仕上げ 

a) 皮膜又は素地金属の外観。 
b) この外観を得るための処理法。 

finish 

6036 

光沢仕上げ 

高い反射率をもった均一で方向性のない平滑な表面仕上
げ。 

bright finish 

6037 

半光沢仕上げ 

光沢の乏しいめっきを作る方法。 

semibright finish, 
semi-bright finishing 

background image

16 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6038 

無光沢仕上げ 

放散及び反射しない表面を作る方法。 

dull finish 

6039 

サテン仕上げ, 
なし地仕上げ 

方向性のあるつや消し面に仕上げる方法。 

参考 ヘヤライン仕上げとマット仕上げとがある。 

satin finish 

6040 

ヘヤライン仕上げ 

方向性のある連続した細かいすじ模様に仕上げる方法。 

hair line finish 

6041 

マット仕上げ 

無方向性のつや消し面に仕上げる方法。 

matte finish, 
matt finish 

6042 

ビロード仕上げ 

滑らかなつや消し面に仕上げる方法。 

fine matte finish 

6043 

ゆず肌仕上げ, 
オレンジピール仕上
げ 

表面に機械的又は化学処理によって,微細な凹凸を均一に
形成させたつや消し仕上げ。 

参考 小さなくぼみのあるゆず肌のような仕上げと

も表現する。 

orange peel finish 

g) 排水処理 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7001 

排水処理 

排水中の汚濁物質を除去し,排水基準に合った水質にして
排出するための処理。 

waste water treatment, 
effluent treatment 

7002 

溶存酸素 

水や各種溶液中に分子状で溶解した酸素。略称DO。 

参考 水の汚染状態を示す項目の一つ。 

dissolved oxygen 

7003 

化学的酸素要求量 

水中の有機物を酸化するために消費される酸化剤  
(KMnO4)  の量を酸素量に換算して表した量。略称COD。 

chemical oxygen demand 

7004 

生物化学的酸素要求
量 

好気性微生物によって,水中の有機物を生物化学的に酸化
分離するときに消費される酸素量。略称BOD。 

biochemical oxygen 

demand 

7005 

イオン電極 

特定のイオンだけに感応してイオン濃度に応じた電位を
示す電極。 

ion selective electrode 

7006 

中和処理 

(排水処理においては)重金属を含むめっき排水を処理し
やすくするため,アルカリで中和する処理。 

neutralization process 

7007 

活性汚泥, 
活性スラッジ 

排水を好気性微生物に処理させた後,静置し,凝集沈殿し
たもの。 

activated sludge 

7008 

イオン交換樹脂 

水に溶解している陽イオン及び陰イオンを吸着し,これを
除去する性質をもった多孔性の合成樹脂。 

ion-exchange resin 

7009 

キレート樹脂 

キレート結合で,特定のイオンを選択吸収する樹脂。 

chelate resin 

7010 

浮遊剤 

排水処理の際,水中の各種固体粒子を泡を付けて水面に浮
かせるために用いられる物質。 

参考 起泡剤,捕集剤,条件剤(凝集剤,pH調節剤)

などがある。 

flotation agent 

7011 

凝集剤 

排水処理の際,水中に浮遊する各種固体微粒子を凝集する
ために用いられる物質。 

agglomerate reagent, 
aggregate reagent 

coagulant 

7012 

フロック 

排水中の固体粒子(コロイド,その他の懸濁粒子)が,凝
集剤によって接着,凝集して粗大化したもの。 

flock 

7013 

重金属 

比重が4〜5以上の金属約60種の総称。 

heavy metal 

7014 

スラッジ, 
汚泥 

排水処理後に残る泥状のもの。 

sludge 

7015 

スラリ 

液体中に泥状物質が懸濁しているもの。 

slurry 

7016 

沈殿法 

排水中に懸濁している微粒子を重力によって沈降させて
処理する方法。 

precipitation 

7017 

沈降分離装置 

希薄なスラリを水平に流し,固形分を重力によって沈降さ
せ,分離させる装置。 

precipitater 

7018 

シックナ, 
濃縮装置 

沈降分離装置のうち,スラリ中の固形物を沈降させ,濃縮
することを目的とした装置。 

thickener 

background image

17 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7019 

クラリファイヤ, 
清澄装置 

沈降分離装置のうち,スラリ中の固形物を沈殿させ,上部
の澄んだ水の回収を目的とした装置。 

clarifier 

7020 

アルカリ塩素法 

処理すべき排水を塩基性として,活性塩素によってシアン
イオンを酸化分解する方法。 

alkaline chrorination 

process 

7021 

イオン交換法 

イオン交換樹脂によって,塩類を除去する方法。 

ion exchange method 

7022 

電解酸化法 

排水を電気分解することによって,陽極でイオン化又は化
合物を酸化する方法。 

electrolytic oxidation 

method 

7023 

還元処理 

(排水処理において)重金属を含むめっき排水を処理しや
すくするため,還元剤を用いて処理する方法。 

参考 例えば,クロム系排水処理法の一つとして,重

亜硫酸ソーダ (NaHSO2) で六価クロムを三価
に還元して処理する。還元後はアルカリ剤で水
酸化クロムとして除去する。 

reduction treatment 

7024 

濃縮回収 

希薄なイオン濃度の水溶液をイオン交換樹脂に吸着させ,
比較的高濃度で回収する方法。 

concentration recovery 

h) 試験及び検査 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

8001 

外観試験 

めっき面の欠陥の有無を目視によって調べる方法。 

visual test 

8002 

膜厚試験 

めっき皮膜の厚さを調べる方法。 

参考 JIS H 8501には,顕微鏡断面厚さ試験方法,渦

電流式厚さ試験方法,蛍光X線試験方法などの
膜厚試験方法が規定されている。 

film thickness test 

8003 

密着性試験 

皮膜の密着性を調べる方法。 

参考 JIS H 8504には,熱試験方法,引きはがし試験

方法,引張試験方法,曲げ試験方法などの密着
性試験方法が規定されている。 

adhesion test 

8004 

硬さ試験 

皮膜の表面硬さを調べる方法。 

参考 硬さ試験方法として,ブリネル硬さ試験方法  

(JIS Z 2243),ビッカース硬さ試験方法 (JIS Z 
2244),ロックウェル硬さ試験方法 (JIS Z 
2245),ショア硬さ試験方法 (JIS Z 2246) が規
定されている。 

surface hardness test 

8005 

耐摩耗試験 

摩耗に対する抵抗性を調べる方法。 

参考 JIS H 8503には,往復運動磨耗試験方法,平板

回転磨耗試験方法,両輪駆動磨耗試験方法な
ど,5種類の試験方法が規定されている。 

abrasion test, 
wear resistance test 

8006 

耐食性試験 

屋外、人工的腐食環境などに試料を暴露し,その耐食性を
調べる方法。 

参考 JIS H 8502には,屋外暴露試験方法,連続噴霧

試験方法,サイクル試験方法,コロードコート
試験方法,ガス腐食試験方法が規定されてい
る。 

corrosion resistance test, 
corrosion test 

8007 

有孔度試験 

皮膜のピンホールの有無を調べる方法。 

参考 耐食性,電気絶縁性などの試験に用いる。 

porosity test 

8008 

変色 

環境などによって,めっき面が本来の色調を失う現象。 

tarnish, 
tarnishing 

8009 

乳白めっき 

クロムめっきの場合に,電流密度が低すぎるか,又はめっ
き浴の温度が高すぎる場合に生じる光沢の乏しいめっき。 

milky surface, 
dull stain, 
slighty milky 

background image

18 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

8010 

しみ出し 

めっき又はめっき後の仕上げた表面上にはん(斑)点や汚
点が,時間が経過してから遅れて出現する現象。 

spotting out 

8011 

焦げ 

粗いめっきで,主に過大な電流密度の場合に生じる表面の
変質。やけともいう。 

burnt deposit 

8012 

ひび割れ 

腐食試験において,自然に発生した細かい網状模様の割
れ。 

crazing 

8013 

割れ 

皮膜表面で無秩序,無方向に割れる現象。 

crack, 
crazing 

8014 

ざらつき 

めっき浴中の固体浮遊物がめっき層の中に入り込んで生
じる小突起。 

rough surface, 
rough deposits 

8015 

樹枝状めっき 

被めっき物に生じる枝状又は不規則な突起物。 

trees dendrite, 
trees 

8016 

こぶ状生成物 

被めっき物に生じる丸みをおびた突起物。 

nodule 

8017 

ピット 

めっき面に生成される巨視的な穴。 

pit 

8018 

ピンホール 

素地又は下地層まで達するめっきの細孔。 

pore, 
pinhole 

8019 

ふくれ, 
膨れ 

めっき層の一部が素地又は下地層と密着しない状態。 

blister 

8020 

はく離 

めっき層が素地又は下地からはがれる現象。 

peeling 

8021 

バーンオフ 

無電解めっきした後に電気めっきをするとき,過大な電流
密度の通電又は電気的接触面積の不足によって,非導電性
下地から無電解めっき皮膜がはく離,消失してしまう現
象。焼け抜けともいう。 

burn-off 

8022 

スポーリング 

特異な熱膨張又は収縮が原因で,皮膜が割れたり,欠けた
りする現象。 

spalling 

8023 

水切れ 

表面が汚れているために,水皮膜が不連続に現れる現象。 water break 

8024 

無めっき 

めっきが付いていない状態。低電流密度部分などに生じや
すい。 

bare spot, 
void, 
uncovered 

8025 

レイティングナンバ 

腐食面積と有効面積との割合によって腐食の程度を示す
評点。10〜0に区分されている。略称 RN。 

rating number 

19 

H 0400 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

電気めっき用語改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 松 本 誠 臣 

武蔵工業大学 

○ 青 江 徹 博 

OEAガルバノ事務所 

阿 部 芳 彦 

北海道立工業試験場 

天 野   徹 

工業技術院標準部材料規格課 

榎 本 英 彦 

大阪市立工業研究所 

○ 海老名 延 郎 

エビナ電化工業株式会社 

○ 大 高 徹 雄 

上村工業株式会社 

金 子 國 雄 

社団法人表面技術協会 

○ 神 戸 徳 蔵 

東京都鍍金工業組合 

○ 小 泉 宗 栄 

日本パーカーライジング株式会社 

小 浦 延 幸 

東京理科大学理工学部 

小 谷   勇 

愛知県工業技術センター 

古 賀 孝 昭 

荏原ユージライト株式会社中央研究所 

○ 斎 藤 いほえ 

東京都城南地域中小企業振興センター 

○ 須 賀   蓊 

スガ試験機株式会社 

星 野 重 夫 

武蔵工業大学 

○ 矢 部   賢 

矢部技術士事務所 

山 崎 龍 一 

神奈川県産業技術総合研究所 

山 下 嗣 人 

関東学院大学工学部 

○ 渡 辺   博 

株式会社東芝重電技術研究所 

(事務局) 

及 川 耕 一 

社団法人表面技術協会 

備考 ○印をつけてある委員は,小委員会委員を兼ねる。