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G 3116:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類の記号及び適用厚さ ···································································································· 1 

4 化学成分························································································································· 2 

5 機械的性質 ······················································································································ 2 

6 形状,寸法,質量及びその許容差 ························································································ 2 

7 外観······························································································································· 3 

8 試験······························································································································· 3 

8.1 分析試験 ······················································································································ 3 

8.2 機械試験 ······················································································································ 4 

9 検査······························································································································· 4 

10 再検査 ·························································································································· 4 

11 表示 ····························································································································· 4 

12 報告 ····························································································································· 5 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6 

G 3116:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人

日本鉄鋼連盟(JISF)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS G 3116:2013

は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

G 3116:2020 

高圧ガス容器用鋼板及び鋼帯 

Steel sheet, plates and strip for gas cylinders 

序文 

この規格は,2018年に第2版として発行されたISO 4978を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本産業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,LPガス,アセチレンなどの各種高圧ガスを充塡する内容積500 L以下の溶接容器に用いる

熱間圧延鋼板及び鋼帯(以下,それぞれ鋼板,鋼帯という。)について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 4978:2018,Steel sheet and strip for welded gas cylinders(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法 

JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件 

JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書 

JIS G 3193 熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差 

JIS Z 2241 金属材料引張試験方法 

JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法 

種類の記号及び適用厚さ 

鋼板及び鋼帯は,4種類とし,種類の記号及び適用厚さは,表1による。 

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G 3116:2020  

表1−種類の記号及び適用厚さ 

単位 mm 

種類の記号 

適用厚さ 

SG255 

1.6以上 6.0以下 

SG295 

SG325 

SG365 

化学成分 

鋼板及び鋼帯は,8.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。 

表2−化学成分 

単位 % 

種類の記号 

Si 

Mn 

SG255 

0.20以下 

− 

0.30以上 

0.020以下 

0.020以下 

SG295 

0.20以下 

0.35以下 

1.00以下 

0.020以下 

0.020以下 

SG325 

0.20以下 

0.55以下 

1.50以下 

0.020以下 

0.020以下 

SG365 

0.20以下 

0.55以下 

1.50以下 

0.020以下 

0.020以下 

必要に応じて,この表に“−”と記載している元素及びこの表に記載していない合金元素を添加し

てもよい。 

機械的性質 

鋼板及び鋼帯は,8.2の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性は,表3による。

鋼帯の場合,圧延時の先端部及び尾端部1) には,機械的性質の規定を適用しない。 

なお,曲げ性の場合は,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。 

注記 曲げ性の試験の実施については,8.2.1を参照。 

注1) 圧延時の先端部及び尾端部の非定常部は,形状,寸法及び機械的性質が不安定になる。熱間圧

延鋼帯の場合,商習慣上,この不安定部を切除せず,出荷する場合がある。 

表3−降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性 

種類の記号 

降伏点 

又は耐力 

N/mm2 

引張強さ 

N/mm2 

伸び 

引張試験片 

曲げ性 

曲げ角度 

内側半径 

試験片 

SG255 

255以上 

400以上 

28以上 

5号 

180° 

厚さの 

1.0倍 

3号 

SG295 

295以上 

440以上 

26以上 

180° 

厚さの 

1.5倍 

SG325 

325以上 

490以上 

22以上 

180° 

SG365 

365以上 

540以上 

20以上 

180° 

注記 1 N/mm2=1 MPa 

形状,寸法,質量及びその許容差 

鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3193による。ただし,厚さの許容差は,表

4又は表5によるものとし,鋼板の長さ及びカットエッジの場合の幅の許容差は,特に指定のない限りJIS 

G 3193の表7(幅の許容差)の許容差Aとする。 

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G 3116:2020  

表4−SG255及びSG295の厚さの許容差a) 

単位 mm 

厚さ 

幅b) 

1 200未満 

1 200以上 
1 500未満 

1 500以上 
1 800未満 

1 800以上 
2 000未満 

1.60以上 2.00未満 

±0.16 

±0.17 

±0.18 

±0.21 

2.00以上 2.50未満 

±0.17 

±0.19 

±0.21 

±0.25 

2.50以上 3.15未満 

±0.19 

±0.21 

±0.24 

±0.26 

3.15以上 4.00未満 

±0.21 

±0.23 

±0.26 

±0.27 

4.00以上 5.00未満 

±0.24 

±0.26 

±0.28 

±0.29 

5.00以上 6.00未満 

±0.26 

±0.28 

±0.29 

±0.31 

6.00 

±0.29 

±0.30 

±0.31 

±0.35 

厚さの測定箇所は,縁から20 mm以上内側の任意の点とする。 

注a) 鋼帯の場合,圧延時の先端部及び尾端部[箇条5の注1) 参照]には適用し

ない。 

b) 幅2 000 mm以上の場合は,受渡当事者間の協定による。 

表5−SG325及びSG365の厚さの許容差a) 

単位 mm 

厚さ 

幅b) 

1 200未満 

1 200以上 
1 500未満 

1 500以上 
1 800未満 

1 800以上 
2 000未満 

1.60以上 2.00未満 

±0.16 

±0.19 

±0.20 

− 

2.00以上 2.50未満 

±0.18 

±0.22 

±0.23 

− 

2.50以上 3.15未満 

±0.20 

±0.24 

±0.26 

− 

3.15以上 4.00未満 

±0.23 

±0.26 

±0.28 

±0.30 

4.00以上 5.00未満 

±0.26 

±0.29 

±0.31 

±0.32 

5.00以上 6.00未満 

±0.29 

±0.31 

±0.32 

±0.34 

6.00 

±0.32 

±0.33 

±0.34 

±0.38 

厚さの測定箇所は,縁から20 mm以上内側の任意の点とする。 

注a) 鋼帯の場合,圧延時の先端部及び尾端部[箇条5の注1) 参照]には適用し

ない。 

b) 幅2 000 mm以上の場合は,受渡当事者間の協定による。ただし,厚さ3.15 

mm未満の場合を除く。 

外観 

鋼板及び鋼帯の外観は,JIS G 3193の箇条7(外観)による。 

試験 

8.1 

分析試験 

分析試験は,次による。 

a) 分析試験の一般事項 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404の箇条8(化

学成分)による。 

b) 分析方法 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。 

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8.2 

機械試験 

8.2.1 

試験一般 

機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,供

試材の採り方は,JIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とする。 

なお,曲げ試験は,省略してもよい2)。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなけれ

ばならない。 

注2) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならない

ことを意味する。 

8.2.2 

引張試験片及び曲げ試験片の数 

同一溶鋼に属し,同一厚さのものを一括して一組とし,引張試験片及び曲げ試験片をそれぞれ1個採取

する。ただし,一組の質量が25 tを超えるときは,それぞれ2個採取する。 

8.2.3 

引張試験片及び曲げ試験片の採取位置及び方向 

引張試験片及び曲げ試験片の中心は,幅の縁から幅の1/4又はそれに近い位置とし,圧延方向に平行に

採取する。 

8.2.4 

試験片 

引張試験片及び曲げ試験片は,次による。 

a) 引張試験片は,JIS Z 2241の5号試験片による。 

b) 曲げ試験片は,JIS Z 2248の3号試験片による。 

8.2.5 

試験方法 

引張試験及び曲げ試験の方法は,次による。 

a) 引張試験方法は,JIS Z 2241による。 

b) 曲げ試験方法は,JIS Z 2248による。曲げ角度及び内側半径は,表3による。 

検査 

検査は,次による。 

a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。 

b) 化学成分は,箇条4に適合しなければならない。 

c) 機械的性質は,箇条5に適合しなければならない。 

d) 形状,寸法及び質量は,箇条6に適合しなければならない。 

e) 外観は,箇条7に適合しなければならない。 

10 

再検査 

引張試験又は曲げ試験で合格とならなかった鋼板及び鋼帯は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって再試

験を行い,合否を判定してもよい。 

11 

表示 

検査に合格した鋼板及び鋼帯は,1結束ごと又は結束しない鋼板は,1枚ごとに次の項目を適切な方法で

表示する。ただし,受渡当事者間の協定によって,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略してもよい。 

a) 種類の記号 

b) 溶鋼番号又は検査番号 

G 3116:2020  

c) 寸法。寸法の表示は,JIS G 3193の箇条3(寸法の表し方)による。 

d) 結束ごとの数量又は質量(結束した場合に適用) 

e) 製造業者名又はその略号 

12 

報告 

製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ

る。ただし,注文時に特に指定がない場合,検査文書の種類は,JIS G 0415の5.1(検査証明書3.1)によ

る。 

なお,化学成分は,表2以外の合金元素を添加した場合は,添加した合金元素の含有率を成績表に付記

する。 

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G 3116:2020  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS G 3116:2020 高圧ガス容器用鋼板及び鋼帯 

ISO 4978:2018,Steel sheet and strip for welded gas cylinders 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 LPガス,アセチレン

などの各種高圧ガ
スを充塡する内容
積500 L以下の溶接
容器に用いる熱間
圧延鋼板及び鋼帯。 

ISO 4706に規定する高
圧ガス容器用の12 mm
以下の炭素鋼鋼板及び
鋼帯。 

変更 

ISO規格は,高圧ガス容器の規格を
引用しているが,JISは具体的に記
載している。 

JISの方が材料の製品規格として
分かりやすく完結している。 

2 引用規格  

3 種類の記
号及び適用
厚さ 

4種類を規定。適用
厚さは,1.6 mm以上
6.0 mm以下。 

6種類を規定。 

変更 

ISO規格は,主に欧州で用いられて
いるグレードの他にJISの鋼種を
含む6種類を規定している。 

欧州で用いられているグレード
は,JISと大きく異なるものでは
ない。 

4 化学成分 溶鋼分析値を規定。  

6.1 

溶鋼分析値を規定。 

変更 

ISO規格は,JISをほぼ包含する規
定内容になっている。 

規定値そのものは,完全には一致
していない部分もあるが,考え方
は同様で相違はない。 

5 機械的性
質 

引張特性及び曲げ
特性について規定。 

6.2 

引張特性及び衝撃特性
を規定。 

変更 

JISは,曲げ特性も規定しているが,
適用板厚が6.0 mm以下のため,衝
撃特性は規定していない。 

使用者の要求に基づいて,JISは,
従来から規定している曲げ特性要
求も保持している。市場ニーズか
ら現行を踏襲する。 

6 形状,寸
法,質量及
びその許容
差 

JIS G 3193による。
ただし,厚さの許容
差は,この規格で規
定。 

6.6 

ISO 16160による。 

変更 

JISは,鋼板の直角度の測定で,対
角線を用いる方法(JIS G 3193)も
規定している。 
JISは,厚さの許容差の表を変更し
ている。 

JISは,選択肢を示して実用的な
規定になっている。 

3

G

 3

11

6

2

0

2

0

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G 3116:2020  

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7 外観 

JIS G 3193による。  

6.5 

受渡当事者間の協定に
よる。 

変更 

JISは,より詳細に規定している。 本質的な相違ではないため静観す

る。 

8 試験 

分析試験及び機械
試験を規定。 


分析試験及び機械試験
を規定。 

変更 

JISは,引張試験の規定を変更して
いる。 

使用者の要求に基づいて,JISは,
国内で用いられている試験方法に
変更している。 

追加 

JISは,曲げ試験を規定している。 使用者の要求に基づいて,JISは,

従来から規定している曲げ特性要
求も保持している。市場ニーズか
ら現行を踏襲する。 

削除 

JISは,衝撃試験を削除している。 国内では,衝撃試験は要求されな

いため,削除している。 

9 検査 

規格に規定した試
験項目について検
査。 

規格に規定した試験項
目について検査。 

変更 

JISは,各要求項目が規定に適合し
ていることを検査として求めてい
る。ISO規格は,検査のタイプを求
めている。 

規格体系の相違であり,静観する。 

10 再検査 

JIS G 0404による。  

9.7 

ISO 404による。 

追加 

JISは,曲げ試験を追加している。  

11 表示 

種類の記号,溶鋼番
号,寸法,製造業者
名など表示。 

12 

種類の記号,製造業者名
を表示。これ以外は,協
定又は製造業者の任意。 

追加 

JISは,溶鋼番号の表示及び寸法の
表し方を追加している。 

問題となるような相違ではないた
め,当面は静観する。 

12 報告 

注文時に指定がな
ければ,JIS G 0415
の5.1の検査証明書
3.1による。 

9.1 

購入者の指定に基づく
検査文書(3.1又は3.2)。 

一致 

いずれも基本は,注文者の指定が基
礎である。 

 
 
 
 
 
 

3

G

 3

11

6

2

0

2

0

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G 3116:2020  

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4978:2018,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

3

G

 3

11

6

2

0

2

0