G 3114:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号並びに適用厚さ ······························································································ 1
4 化学成分························································································································· 2
5 熱処理及び熱処理の記号 ···································································································· 2
5.1 熱処理 ························································································································· 2
5.2 熱処理の記号 ················································································································ 2
6 炭素当量及び溶接割れ感受性組成 ························································································ 3
6.1 SMA570W及びSMA570Pの炭素当量及び溶接割れ感受性組成 ··············································· 3
6.2 熱加工制御を行った鋼板の炭素当量及び溶接割れ感受性組成 ·················································· 4
7 機械的性質 ······················································································································ 4
7.1 降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び··················································································· 4
7.2 シャルピー吸収エネルギー ······························································································ 5
8 形状,寸法,質量及びその許容差 ························································································ 5
9 外観······························································································································· 5
10 試験 ····························································································································· 6
10.1 分析試験 ····················································································································· 6
10.2 機械試験 ····················································································································· 6
11 検査 ····························································································································· 7
12 再検査 ·························································································································· 7
13 表示 ····························································································································· 8
14 報告 ····························································································································· 8
附属書JA(規定)辺が40 mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼の機械的性質 ·························· 9
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS G 3114:2008は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成29年2月21日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS G 3114:2008によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材
Hot-rolled atmospheric corrosion resisting steels for welded structure
序文
この規格は,2014年に第1版として発行されたISO 630-5を基に,技術的内容を変更して作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,橋梁,建築,その他の構造物に用いる,溶接性を考慮した耐候性1) 熱間圧延鋼材(以下,
鋼材という。)について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 630-5:2014,Structural steels−Part 5: Technical delivery conditions for structural steels with
improved atmospheric corrosion resistance(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
注1) 耐候性とは,自然環境の大気中での腐食に耐える性質をいう。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 0416 鋼及び鋼製品−機械試験用供試材及び試験片の採取位置並びに調製
JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS G 3193 熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS G 3194 熱間圧延平鋼の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2242 金属材料のシャルピー衝撃試験方法
3
種類及び記号並びに適用厚さ
鋼材の種類は14種類とし,その記号及び適用厚さは,表1による。
2
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表1−種類の記号及び適用厚さ
単位 mm
種類の記号
鋼材
適用厚さa)
SMA400AW
鋼板,鋼帯,形鋼及び平鋼
200以下
SMA400AP
SMA400BW
鋼板,鋼帯,形鋼及び平鋼
200以下
SMA400BP
SMA400CW
鋼板,鋼帯及び形鋼
100以下
SMA400CP
SMA490AW
鋼板,鋼帯,形鋼及び平鋼
200以下
SMA490AP
SMA490BW
鋼板,鋼帯,形鋼及び平鋼
200以下
SMA490BP
SMA490CW
鋼板,鋼帯及び形鋼
100以下
SMA490CP
SMA570W
鋼板,鋼帯及び形鋼
100以下
SMA570P
Wを付した鋼材は,通常,塗装しないか又はさび安定化処理を行って使用する。
Pを付した鋼材は,通常,塗装して使用する。
注a) 形鋼の厚さは,JIS G 3192の表3(山形鋼,I形鋼,溝形鋼,球平形鋼及びT
形鋼の形状及び寸法の許容差)の厚さt又はt2,及び表4(H形鋼の形状及び
寸法の許容差)の厚さt2とする。
4
化学成分
鋼材は,10.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。
5
熱処理及び熱処理の記号
5.1
熱処理
鋼材には,必要に応じて,焼ならし,焼入焼戻し又は焼戻しを行ってもよい。また,全ての種類の鋼材
に対して,受渡当事者間の協定(以下,5.2では協定という。)によって,熱加工制御などの熱処理を行っ
てもよい。
5.2
熱処理の記号
鋼材に熱処理を行った場合,熱処理を示す記号は次による。
なお,次によって,熱処理の記号を付記する場合は,表1の種類の記号の末尾に付記する。
a) 協定によって,鋼材に焼ならしを行う場合
N
b) 協定によって,鋼材に焼戻しを行う場合
T
c) 鋼材に焼入焼戻しを行う場合
Q
d) 協定によって,鋼材に熱加工制御を行う場合
TMC
e) 協定によって,鋼材にその他の熱処理を行う場合
協定による
例 SMA400BWN,SMA570WTMC
3
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表2−化学成分a)
単位 %
種類の記号
C
Si
Mn
P
S
Cu
Cr
Ni
SMA400AW
SMA400BW
0.18以下
0.15〜0.65
1.25以下
0.035以下 0.035以下 0.30〜0.50 0.45〜0.75 0.05〜0.30
SMA400CW
SMA400AP
SMA400BP
0.18以下
0.55以下
1.25以下
0.035以下 0.035以下 0.20〜0.35 0.30〜0.55
−
SMA400CP
SMA490AW
SMA490BW
0.18以下
0.15〜0.65
1.40以下
0.035以下 0.035以下 0.30〜0.50 0.45〜0.75 0.05〜0.30
SMA490CW
SMA490AP
SMA490BP
0.18以下
0.55以下
1.40以下
0.035以下 0.035以下 0.20〜0.35 0.30〜0.55
−
SMA490CP
SMA570W
0.18以下
0.15〜0.65
1.40以下
0.035以下 0.035以下 0.30〜0.50 0.45〜0.75 0.05〜0.30
SMA570P
0.18以下
0.55以下
1.40以下
0.035以下 0.035以下 0.20〜0.35 0.30〜0.55
−
注a) 必要に応じて,この表に規定のない合金元素を添加してもよい。ただし,耐候性に有効な元素のMo,Nb,
Ti及びVを添加した場合は,これらの元素の総計は,0.15 %を超えてはならない。
6
炭素当量及び溶接割れ感受性組成
6.1
SMA570W及びSMA570Pの炭素当量及び溶接割れ感受性組成
SMA570W及びSMA570Pの炭素当量及び溶接割れ感受性組成は,焼入焼戻しの鋼材に適用し,次によ
る。
a) 炭素当量 炭素当量は,式(1)によって,10.1の溶鋼分析値を用いて算出し,その値は,表3による。
Ceq=
14
V
4
Mo
5
Cr
40
Ni
24
Si
6
Mn
C
+
+
+
+
+
+
············································ (1)
ここに,
Ceq: 炭素当量(%)
表3−炭素当量
鋼材の厚さ
mm
炭素当量
%
50以下
0.44以下
50を超え 100以下
0.47以下
b) 溶接割れ感受性組成 受渡当事者間の協定によって,炭素当量の代わりに溶接割れ感受性組成を適用
してもよい。この場合の溶接割れ感受性組成は,式(2)によって,10.1の溶鋼分析値を用いて算出し,
その値は,表4による。
B
5
10
V
15
Mo
20
Cr
60
Ni
20
Cu
20
Mn
30
Si
C
CM
+
+
+
+
+
+
+
+
=
P
······························ (2)
ここに,
PCM: 溶接割れ感受性組成(%)
4
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表4−溶接割れ感受性組成
鋼材の厚さ
mm
溶接割れ感受性組成
%
50以下
0.28以下
50を超え 100以下
0.30以下
6.2
熱加工制御を行った鋼板の炭素当量及び溶接割れ感受性組成
受渡当事者間の協定によって熱加工制御を行った鋼板の炭素当量,及び受渡当事者間の協定によって炭
素当量の代わりに適用する溶接割れ感受性組成は,次による。
a) 炭素当量 炭素当量は,6.1の式(1)によって,10.1の溶鋼分析値を用いて算出し,その値は,表5に
よる。
b) 溶接割れ感受性組成 溶接割れ感受性組成は,6.1の式(2)によって,10.1の溶鋼分析値を用いて算出
し,その値は,表6による。
表5−炭素当量
単位 %
鋼材の厚さ
(mm)
種類の記号
SMA490AW,SMA490BW,
SMA490CW
SMA490AP,SMA490BP,
SMA490CP
50以下
0.41以下
0.40以下
50を超え 100以下
0.43以下
0.42以下
厚さ100 mmを超える鋼板の炭素当量は,受渡当事者間の協定による。
表6−溶接割れ感受性組成
単位 %
鋼材の厚さ
(mm)
種類の記号
SMA490AW,SMA490BW,
SMA490CW
SMA490AP,SMA490BP,
SMA490CP
50以下
0.24以下
0.24以下
50を超え 100以下
0.26以下
0.26以下
厚さ100 mmを超える鋼板の溶接割れ感受性組成は,受渡当事者間の協定による。
7
機械的性質
7.1
降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び
鋼材は,10.2の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ及び伸びは,表7による。ただし,辺が40
mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼の降伏点又は耐力,引張強さ及び伸びは,附属書JAによる。
5
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表7−降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び
種類の記号
降伏点又は耐力
N/mm2
引張強さ
伸び
鋼材の厚さa)
mm
鋼材及び試験片の適用
16以下
16を超
え40以
下
40を超
え75以
下
75を超
え
100
以下
100を超
え160以
下
160を超
え200以
下
N/mm2
厚さ
mm
試験片
伸び
%
SMA400AW
245
235
215
215
205
195
400〜
5以下
5を超え16以下
16を超え50以下
40を超えるもの
5号
1 A号
1 A号
4号
22以上
17以上
21以上
23以上
SMA400AP
以上
以上
以上
以上
以上
以上
540
SMA400BW
SMA400BP
SMA400CW
245
235
215
215
−
−
SMA400CP
以上
以上
以上
以上
SMA490AW
365
355
335
325
305
295
490〜
5以下
5を超え16以下
16を超え50以下
40を超えるもの
5号
1 A号
1 A号
4号
19以上
15以上
19以上
21以上
SMA490AP
以上
以上
以上
以上
以上
以上
610
SMA490BW
SMA490BP
SMA490CW
365
355
335
325
−
−
SMA490CP
以上
以上
以上
以上
SMA570W
460
450
430
420
−
−
570〜
16以下
16を超えるもの
20を超えるもの
5号
5号
4号
19以上
26以上
20以上
SMA570P
以上
以上
以上
以上
720
引張強さの上限は,鋼板,鋼帯及び平鋼に適用する。注文者は,形鋼についても指定してよい。
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 形鋼の場合は,厚さは,試験片採取位置の厚さとする。
7.2
シャルピー吸収エネルギー
厚さ12 mmを超える表8に示す鋼材は,10.2の試験を行い,そのシャルピー吸収エネルギーは表8によ
る。この場合,シャルピー吸収エネルギーは,3個の試験片の平均値とし,JIS G 0404の9.6(組試験の結
果の評価)によって判定する。
8
形状,寸法,質量及びその許容差
鋼材の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3192,JIS G 3193及びJIS G 3194による。この場合,
鋼板及び鋼帯のカットエッジの場合の幅及び鋼板の長さの許容差は,特に指定がない限りJIS G 3193の許
容差Aによる。
9
外観
鋼材の外観は,JIS G 3192の箇条9(外観),JIS G 3193の箇条7(外観)及びJIS G 3194の10.(外観)
による。
なお,SMA570W及びSMA570Pの鋼板の溶接補修は,事前に注文者の承諾を得た場合に適用する。
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表8−シャルピー吸収エネルギー
種類の記号
試験温度a)
℃
シャルピー吸収
エネルギー
J
試験片及び
試験片採取方向
SMA400BW
0
27以上
Vノッチ
SMA400BP
圧延方向b)
SMA400CW
0
47以上
SMA400CP
SMA490BW
0
27以上
SMA490BP
SMA490CW
0
47以上
SMA490CP
SMA570W
−5
47以上
SMA570P
注文者は,この表の規定値以上のシャルピー吸収エネルギー値を指定してもよい。
注a) 受渡当事者間の協定によって,これらの試験温度より低い温度で試験を行う場
合は,その試験温度に置き換えてもよい。
b) 受渡当事者間の協定によって,圧延方向に対して直角方向での試験を行う場合
には,注文者の承認があれば,圧延方向試験を省略してもよい。
10
試験
10.1
分析試験
分析試験は,次による。
a) 分析試験の一般事項 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404の箇条8(化
学成分)による。
b) 分析方法 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。
10.2
機械試験
10.2.1
機械試験の一般事項
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,供
試材の採り方はJIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とし,試験片の数及び採取位置は,
次による。
a) 引張試験片の数 引張試験片の数は,次による。
1) 鋼板及び平鋼 同一溶鋼に属し,最大厚さが最小厚さの2倍以内のものを一括して一組とし,引張
試験片を1個採取する。ただし,一組の質量が50 tを超えるときは,引張試験片を2個採取する。
この場合,鋼板1枚で50 tを超えるときは,引張試験片の数は,鋼板1枚から1個とする。
2) 鋼帯及び鋼帯からの切板 同一溶鋼に属し,同一厚さのものを一括して一組とし,引張試験片を1
個採取する。ただし,一組の質量が50 tを超えるときは,引張試験片を2個採取する。
3) 形鋼 同一溶鋼及び同一断面形状に属し,最大厚さが最小厚さの2倍以内のものを一括して一組と
し,引張試験片を1個採取する。ただし,一組の質量が50 tを超えるときは,引張試験片を2個採
取する。
4) 熱処理を行った鋼材 熱処理を行った鋼材の試験片の数は,同一溶鋼に属し,同一熱処理条件ごと
に,1),2) 及び3) による。
b) 衝撃試験片の数 熱処理を行わない鋼材は,同一溶鋼に属する鋼材について,熱処理を行った鋼材は,
7
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同一溶鋼及び同一熱処理条件に属する鋼材について,その最大厚さの鋼材から供試材1個を採り,こ
れから試験片を圧延方向に3個採取する。ただし,形鋼は同一断面形状ごとによる。
c) 引張試験片の採取位置 引張試験片の採取位置は,JIS G 0416の附属書A(供試材及び試験片の採取
位置)による。ただし,鋼板,鋼帯及び平鋼の幅方向の試験片の中心は,幅の縁から幅の1/4又はそ
れに近い位置とする。
d) 衝撃試験片の採取位置 衝撃試験片の採取位置は,JIS G 0416の附属書A(供試材及び試験片の採取
位置)による。ただし,鋼板,鋼帯及び平鋼の幅方向の試験片の中心は,幅の縁から幅の1/4又はそ
れに近い位置とする。鋼板の板厚方向採取位置は,厚さ28 mm以下についてはJIS G 0416の図A.11
(鋼板,鋼帯及び平鋼−衝撃試験片の採取位置)のa) とし,厚さ28 mm超えについてはJIS G 0416
の図A.11(鋼板,鋼帯及び平鋼−衝撃試験片の採取位置)のb) とする。試験片が所定の位置から採
れない場合には,それに近い位置とする。
10.2.2
試験片
引張試験片及び衝撃試験片は,次による。
a) 引張試験片は,JIS Z 2241の1 A号,4号,5号又は14B号試験片による。
b) 衝撃試験片は,JIS Z 2242のVノッチ試験片による。この場合,試験片切欠部の切欠きの長さ方向は,
圧延面に垂直とする。
10.2.3
試験方法
引張試験及び衝撃試験の方法は,次による。
a) 引張試験方法は,JIS Z 2241による。
b) 衝撃試験方法は,JIS Z 2242による。
注記 この規格に規定する以外の試験として,受渡当事者間の協定によってJIS G 0801(圧力容器用
鋼板の超音波探傷検査方法),JIS G 0901(建築用鋼板及び平鋼の超音波探傷試験による等級分
類及び判定基準)などの非破壊試験が行われることがある。この場合,事前に試験片の採り方,
試験方法,合否判定基準などについて,受渡当事者間で協定される。
11
検査
検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条4に適合しなければならない。
c) 炭素当量又は溶接割れ感受性組成は,箇条6に適合しなければならない。
d) 機械的性質は,箇条7に適合しなければならない。
e) 形状,寸法及び質量は,箇条8に適合しなければならない。
f)
外観は,箇条9に適合しなければならない。
12
再検査
再検査は,次による。
a) 引張試験で合格にならなかった鋼材は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって,再試験を行って合否を
決定してもよい。
b) 衝撃試験が,JIS G 0404の9.6(組試験の結果の評価)で合格とならなかった鋼材は,JIS G 0404の
9.8(再試験)によって,再試験を行って合否を決定してもよい。
8
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c) 機械試験で合格とならなかった鋼材は,熱処理又は再熱処理を行った後,改めて機械試験を行い,合
否を決定してもよい。
13
表示
検査に合格した鋼材は,鋼材ごと又は1結束ごとに,次の項目を適切な方法で表示する。ただし,受渡
当事者間の協定によって,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号及び5.2の熱処理の記号
注記 注文者側での識別のために,注文書又は受渡当事者間の協定で決められた付記記号を末尾に
追加して表示することがある。
b) 溶鋼番号又は検査番号
c) 寸法。寸法の表示は,JIS G 3192の箇条4(寸法の表し方及び表示),JIS G 3193の箇条3(寸法の表
し方)及びJIS G 3194の4.(寸法の表し方)による。
d) 結束ごとの数量又は質量(鋼板及び鋼帯の場合)
e) 製造業者名又はその略号
14
報告
製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ
る。ただし,注文時に特に指定がない場合,検査文書の種類はJIS G 0415の表1(検査文書の総括表)の
記号3.1(検査証明書3.1)とする。
なお,表2の注a) による場合は,成績表に添加元素の含有率を付記する。また,炭素当量又は溶接割れ
感受性組成が適用された場合は,それらの計算式に含まれる合金元素の含有率を報告しなければならない。
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G 3114:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(規定)
辺が40 mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼の機械的性質
JA.1 降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び
辺が40 mm未満の形鋼及び幅が40 mm未満の平鋼は,10.2の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張
強さ及び伸びは,表JA.1による。
表JA.1−降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び
種類の
記号
降伏点又は耐力
N/mm2
引張強さ
伸び
厚さ mm
試験片の適用
16以下
16を超え
40未満
N/mm2
厚さa)
mm
引張試験片
伸び
%
SMA400AW
SMA400AP
SMA400BW
SMA400BP
SMA400CW
SMA400CP
245以上
235以上
400〜540
3以上
5以下
5号
22以上
14B号
22以上
5を超え 16以下
5号
27以上
14B号
25以上
16を超え 40未満
5号
33以上
14B号
24以上
SMA490AW
SMA490AP
SMA490BW
SMA490BP
SMA490CW
SMA490CP
365以上
355以上
490〜610
3以上
5以下
5号
19以上
14B号
19以上
5を超え 16以下
5号
24以上
14B号
22以上
16を超え 40未満
5号
30以上
14B号
22以上
SMA570W
SMA570P
460以上
450以上
570〜720
3以上
5以下
5号
19以上
14B号
19以上
5を超え 16以下
5号
19以上
14B号
17以上
16を超え 40未満
5号
26以上
14B号
19以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 形鋼の場合,厚さは,試験片採取位置の厚さとする。
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G 3114:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 3114:2016 溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材
ISO 630-5:2014,Structural steels−Part 5: Technical delivery conditions for structural
steels with improved atmospheric corrosion resistance
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 鋼板,鋼帯,形鋼及び
平鋼
1
鋼板,広幅帯鋼,広幅平
鋼,棒鋼,形鋼
変更
JISは,棒鋼を含んでいない。
棒鋼は,他のJISによって規定さ
れており,必要に応じて対応する。
2 引用規格
3 種類及び
記号並びに
適用厚さ
SMA400AW,BW,CW
SMA400AP,BP,CP
SMA490AW,BW,CW
SMA490AP,BP,CP
SMA570W,SMA570P
4.2
各グレード及び各品質
区分の特性
S235W
S355W,S355WP
SG245,SG345,SG365,
SG400,SG460,SG500,
SG700
変更
JISは,引張強さを,ISO規格は降
伏点を鋼種名としている。
ISO規格は,Annex Aに欧州規格
を,Annex Bに日米の規格を基に
して規定した共存規格となってい
る。
4 化学成分 5元素(C,Si,Mn,P,
S)及びCu,Cr,Niを
規定。必要に応じて
Mo,Nb,Ti及びVの
添加可
6.4
5元素(C,Si,Mn,P,
S)及びCu,Ni,Cr規
定。
細粒化元素としてAl,
Nb,V,Tiの添加規定あ
り。
変更
ISO規格は,高P添加鋼の規定があ
る。
地域的な気候の差が背景。共存規
格として選択可としている。
5 熱処理及
び熱処理の
記号
必要に応じて,焼なら
し,焼入焼戻し,焼戻
し,熱加工制御を行っ
てもよいと規定
6.3
受渡し条件
圧延まま,焼ならし,焼
入焼戻し,TMC。
記号の規定はなし
変更
ISO規格には,記号の規定はない。 JISは,熱処理を必要に応じて選
択できることにしており,現状ま
まとする。
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G
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:
2
0
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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G 3114:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 炭素当量
及び溶接割
れ感受性組
成
炭素当量(Ceq)及び溶
接割れ感受性組成
(PCM)を規定
6.4
化学成分及び一部の種
類では炭素当量を規定。
追加
ISO規格では,PCMの規定はない。 PCMの採用を提案。
7 機械的性
質
機械的性質
6.5
機械的性質
一致
7.1 降伏点又は耐力,
引張強さ及び伸び
6.5.1
引張試験
降伏点,引張強さ及び伸
びを規定
変更
JISとISO規格とでは降伏点及び引
張強さの規定値が異なる(設計思想
の相違によって,同じ引張強さのレ
ベルでも降伏点の下限規定値に差
異がある)。
共存規格として選択可としてい
る。
7.2 シャルピー吸収エ
ネルギー
Aグレード:規定なし
Bグレード:0 ℃,27 J
以上
Cグレード:0 ℃,47 J
以上
SMA570:−5 ℃,47 J
以上
6.5.2
衝撃試験
Aグレード:規定なし
Bグレード:20 ℃,27 J
以上
Cグレード: 0 ℃,27 J
以上
Dグレード:−20 ℃,
27 J以上
D1グレード:−20 ℃,
40 J以上
変更
JISとISO規格とで温度及びエネル
ギーの規定値が細部で異なる。
共存規格となっており,現状まま
とする。
8 形状,寸
法,質量及
びその許容
差
JIS G 3192,JIS G
3193,JIS G 3194を引
用
6.8
形状,寸法,質量及びそ
の許容差
変更
ISO 630-1を引用。ISO規格は,ISO
630-1のほかに各国規格を適用して
よいと規定しているので,JIS G
3192,JIS G 3193及びJIS G 3194
を記載している。
JISの規定を記載しており,現状
ままとする。
9 外観
JIS G 3192,JIS G
3193,JIS G 3194の外
観を引用
6.6
表面性状
変更
ISO 630-1を引用(ISO 7788によ
る。)。ISO規格は,選択肢として表
面きず除去部の局部的な板厚不足
を認めているが,JISは認めていな
い。
品質の考え方の相違。JISの規定
の方が厳しく,ISO規格の規定を
満足するので,現状ままとする。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
10 試験
試験
10.1 分析試験
JIS G 0404の箇条8を
引用。
分析方法は,各JISの
方法を引用
9
試験方法
変更
ISO 630-1を引用。
共存規格となっており,現状まま
とする。
10.2 機械試験
JIS G 0404の箇条9を
引用。
50 tを超えるときは2
個。
試験片の採取位置は
JIS G 0416を引用
8.2
試験単位
40 t又はその端数ごと
試験片の採取位置は,
ISO 630-1を引用(ISO
377)。
変更
試験単位は,若干の差異あり。
試験片の採取位置は整合。
共存規格となっており,現状まま
とする。
11 検査
一般事項及び再検査は
JIS G 0404を引用
7
検査
ISO 630-1を引用。検査
文書は,ISO 10474を引
用。
変更
本質的な相違はなく,現状ままと
する。
12 再検査
JIS G 0404による。
一致
13 表示
a) 種類の記号
b) 溶鋼番号又は検査
番号
c) 寸法
d) 結束ごとの数量又
は質量
e) 製造業者名又はそ
の略号
10
表示
ISO 630-1を引用。
変更
JISの方がISO規格に比して規定内
容が多い
JISをISOに提案。
14 報告
JIS G 0404及び
JIS G 0415を引用
一致
附属書JA
(規定)
辺が40 mm未満の形鋼
及び幅が40 mm未満の
平鋼の機械的性質
追加
本体で規定する寸法の試験片が採
れない場合の規定を追加。
JIS独自の規定。
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11
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:
2
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 630-5:2014,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。