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G 0572:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,ステンレス協会

(JSSA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS G 0572:1984は改正され,この規格に置き換えられる。 

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 3651-2:1998,Determination of 

resistance to intergranular corrosion of stainless steels−Part 2 : Ferritic, austenitic and ferritic-austenitic (duplex) 

stainless steels−Corrosion test in media containing sulfuric acidを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。 

JIS G 0572には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

G 0572:2006  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 試験装置 ························································································································ 1 

4. 試験溶液 ························································································································ 2 

5. 試験片 ··························································································································· 2 

6. 試験片の鋭敏化熱処理 ······································································································ 2 

7. 試験方法 ························································································································ 2 

8. 腐食度 ··························································································································· 2 

9. 報告 ······························································································································ 2 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 4 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

G 0572:2006 

ステンレス鋼の硫酸・硫酸第二鉄腐食試験方法 

Method of ferric sulfate-sulfuric acid test for stainless steel 

序文 この規格は,1998年に第2版として発行されたISO 3651-2,Determination of resistance to intergranular 

corrosion of stainless steels−Part 2 : Ferritic,austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels−Corrosion 

test in media containing sulfuric acidを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,附属書1(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,オーステナイト系ステンレス鋼の沸騰硫酸・硫酸第二鉄溶液中の腐食減量を

測定して,粒界腐食の程度を試験する方法について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 3651-2,Determination of resistance to intergranular corrosion of stainless steels−Part 2 : Ferritic, 

austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels−Corrosion test in media containing 

sulfuric acid (MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8981 硫酸鉄(Ⅲ)n水和物(試薬)* 

JIS R 6251 研磨布 

JIS R 6252 研磨紙 

JIS R 6253 耐水研磨紙 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8804 液体比重測定方法 

注* 

慣用名は硫酸第二鉄 

3. 試験装置 試験装置は,次による。 

a) 試験容器は,十分な冷却面積をもつガラス製の立形逆流コンデンサを,テーパすり合わせで結合した

ガラス製の三角フラスコ(容量約1 L)を用いる。 

b) 試験片を,試験溶液の中に保持できる適切な形状のガラス製ホルダを使用する。 

c) 加熱装置は,試験中の試験溶液を静かな沸騰状態に保持できるものを用いる。 

G 0572:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 試験溶液 試験溶液は,次による。 

a) JIS K 8951に規定する硫酸特級品(密度 約1.84)と蒸留水又は脱イオン水とによって約50%(質量

分率%)の硫酸溶液を調合し,その濃度を,JIS Z 8804に規定する比重測定か,又は中和滴定によっ

て50±0.3 %(質量分率%)の硫酸溶液に調製する。 

b) この調整した溶液600 mLに対し,JIS K 8981に規定する硫酸第二鉄特級品を25 gの割合で加え,加

温し,十分に溶解して試験溶液とする。 

なお,所要試験溶液量は7.b)による。 

5. 試験片 試験片は,次による。 

a) 試験片は,全表面積が10〜35 cm2で,圧延又は鍛造方向に直角の断面の面積が全表面積の1/2以下に

なるように供試材から採取する。鋳鋼品,溶着金属などの試験片採取方法は,それぞれの規格の規定

による。 

b) 試験片の切断方法は,通常,のこぎり切断による。せん断による場合は,切断面を切削又は研削で再

仕上げして,せん断の影響部分を除く。 

c) 試験片にスケールが付着している場合には,切削又は研削によって除去する。 

d) 試験片の表面は,JIS R 6251又はJIS R 6252に規定するP 120以上で乾式研磨を行うか,又はJIS R 

6253に規定するP 80以上で湿式研磨を行う。 

e) 表面仕上げした試験片は,適切な溶剤又は洗剤(非塩化物)で脱脂後,乾燥する。 

6. 試験片の鋭敏化熱処理 試験片の鋭敏化熱処理は,極低炭素鋼種(炭素0.030 %以下)及び安定化鋼

種(チタン,ニオブを添加)だけについて行う。熱処理は研磨前に施し,熱処理条件は700±10 ℃で30

分間保持後に水冷する又は650±10 ℃で10分間保持後に水冷する。ただし,受渡当事者間の協定によっ

て,これ以外の鋭敏化熱処理条件に代えてもよい。 

7. 試験方法 試験方法は,次による。 

a) 沸騰試験前後において,試験片質量を少なくとも1 mgまではかる。 

b) 試験溶液を試験容器に入れ,その量は,試験片の表面積1 cm2当たり20 mL以上とする。 

c) 試験片をガラス製ホルダを用いて試験溶液の中位に保持するようにして入れ,加熱装置にて連続120

時間の沸騰試験を行う。ただし,受渡当事者間の協定によって,連続72時間の沸騰試験に代えてもよ

い。 

なお,一つの試験容器の中では,試験片1個を試験する。 

d) 沸騰試験後,試験溶液から試験片を取り出し,付着している腐食生成物を流水中で柔らかいブラシな

どを用いて除去し,乾燥後,質量をはかり減量を求める。 

e) 試験溶液は,試験ごとに新しいものを使用し,一度試験した液を繰り返し使用してはならない。 

8. 腐食度 腐食度は,沸騰試験後の質量減の単位面積,単位時間当たりの値をg/m2・h-1単位で,JIS Z 8401

の規則Aによって,小数点以下2けたに丸めて表す。 

G 0572:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9. 報告 報告には,通常,次の項目について記載する。 

a) 規格番号 

b) 試験した鋼の種類の記号又は化学成分 

c) 表面仕上げの条件 

d) 鋭敏化熱処理条件(行った場合) 

e) 腐食度 

f) 試験中の特記事項(試験片面積,試験時間など) 

関連規格 JIS G 0571 ステンレス鋼のしゅう酸エッチング試験方法 

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G 0572:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS G 0572 :2006 ステンレス鋼の硫酸・硫酸第二鉄腐食試験方法 

ISO 3651-2:1998 ステンレス鋼の耐粒界腐食性試験方法 第2部−フェライト,オーステナイト
及びフェライト−オーステナイト(2相)ステンレス鋼−硫酸を含む環境における腐食試験 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ)国際
規格番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと

の評価 

技術的差異の内容 

1. 適用
範囲 
 

オーステナイト系ステンレス鋼に限
定  

ISO 
3651-2 

フェライト系,オーステナイ
ト系,二相ステンレス鋼に適
用 

MOD/削除 日本ではフェライト系,

二相ステンレス鋼系への
適用事例がない。 

ISOに両鋼種への適
用事例を求めてい
く。 

2. 引用
規格 

JIS K 8951,JIS K 8981,JIS R 6251,
JIS R 6252,JIS R 6253,JIS Z 8401,
JIS Z 8804 

− 

MOD/追加 引用規格欄を追加 

実質的な差異はな
し。 

3. 試験
装置 

試験容器,コンデンサー(立型逆流),
試験片支持方法について規定。 

試験容器,コンデンサー(4
球アリン型),試験片支持方
法について規定。 

IDT 

4. 試験
溶液 

試験溶液の濃度,作成方法について
規定 

6.3.1 

試験溶液の濃度,作成方法に
ついて規定 

MOD/変更 試験溶液の組成が異なる 

JIS:50 %硫酸+25 g/600 
mLの硫酸第二鉄 
ISO:40 %硫酸+25 g/L
の硫酸第二鉄 

共同実験の結果ISO
条件では判定不可,
条件の修正を提案
していく。 

5. 試験
片 

試験片の採取,切断,前処理方法に
ついて規定 

4.2 

試験片の形状,前処理方法に
ついて規定 

MOD/削除 
 

試験片表面積が異なる 
JIS:10〜30 cm2 
ISO:15〜35 cm2 
ISOには溶接試験片の規
定と,前処理方法の一つ
として化学的前処理法が
ある。 
 

試験片の表面積を
ISOと整合 

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 0

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2

2

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0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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G 0572:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ)国際
規格番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線又は実線の側線 

(Ⅴ)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと

の評価 

技術的差異の内容 

6. 試験
片の鋭敏
化熱処理 

鋭敏化熱処理条件を規定 

ISO 
3651-2 

鋭敏化熱処理条件を規定 

IDT 
 

7. 試験
方法 

試験片の質量測定方法,比液量,沸
騰試験時間を規定 

6.3.2 

比液量,沸騰試験時間を規定 MOD/変更 比液量,沸騰試験時間が

異なる 
JIS:20 mL/cm2以上,120 

ISO:10 mL/cm2以上,20

±5 h 

共同実験の結果,
ISO条件では判定不
可,条件の修正を提
案していく。 

8. 腐食
度 

腐食度の算出方法について規定 

曲げ試験片の粒界腐食判定
方法について規定 

MOD/削除
追加 

粒界腐食性の判定基準が
異なる。JISは腐食度だ
が,ISOは曲げによる。 

共同実験の結果,曲
げでの判定は不可 

9. 報告 

報告の項目について規定 

JISとほぼ同じ 

MOD/変更 

− 

実質的な差異はな
し。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

 
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― IDT……………… 技術的差異がない。 
  ― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  ― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  ― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。 
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 
  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。