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F 9704 : 1999  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工

業規格である。 

これによって,JIS F 9704 : 1989は改正され,この規格に置き換えられる。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 9704 : 1999 

船用電気式圧力発信器 

Marine electronic pressure transmitters 

1. 適用範囲 この規格は,船の主機,補機などの監視,記録及び制御用として使用する電気式圧力発信

器(以下,圧力発信器という。)について規定する。 

備考 圧力は,ゲージ圧力をいう。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成する。

これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS B 0202 管用平行ねじ 

JIS F 0807 船用自動化機器環境試験通則 

JIS F 8007 船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則 

JIS F 8801 船用電線貫通金物−箱用 

JIS F 8813 船用圧着端子用端子盤 

JIS H 8601 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 圧力発信器 検出した圧力を伝達するために出力信号に変換する機器。 

b) 受圧部 圧力検出のため測定対象に接する部分。 

c) 変換部 圧力を出力信号に変換する部分。 

d) 出力信号 圧力発信器から出る統一した電気信号。 

e) 負荷抵抗 圧力発信器の出力側に接続できる負荷の容量。 

f) 

フルスパン 出力信号の最大値と最小値との差。 

g) 耐圧 定格圧力に復帰したとき,性能の低下をもたらさず耐えなければならない圧力。 

4. 種類 圧力発信器の種類は,取付方法,接続ねじ,圧力範囲,定格電圧,出力信号及び精度によって,

表1のとおりとする。 

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F 9704 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 圧力発信器の種類 

種類 

記号 

取付方法 

R, S, T(表2による。) 

接続ねじ 

3, 4(表3による。) 

圧力範囲 

A, B, C, D, E, F, G, H, K, L, M, N, P, Q, U, V, W, Y, Z(表4による。) 

定格電圧 

a, b, c, d(表5による。) 

出力信号 

1, 2, 3, 4(表6による。) 

精度 

0.25, 0.5, 1.0(表7による。) 

外被の保護等級 IP44(以上) 

備考 外被の保護等級は,JIS F 8007の規定による。 

a) 形名の構成 形名は,次の例に示すような配列によって,記号の組合せで構成する。 

例 

1 − 

1.0 

(取付方法) 

(接続ねじ) 

(圧力範囲) 

(定格電圧) 

(出力信号) 

(精度) 

b) 取付方法 取付方法は,表2によって,それぞれに対応する記号で表す。 

なお,取付方法の一例を参考図1に示す。 

表2 取付方法 

記号 

取付方法 

直接取付 

壁取付 

パイプ取付 

c) 接続ねじ 圧力導入部の接続ねじは,表3によって,それぞれに対応する記号で表す。 

表3 接続ねじ 

記号 

接続ねじ 

G8

3A,G8

3B 

G2

1A,G2

1B 

備考 接続ねじは,JIS B 0202の規定

による。ただし,ねじの等級は,
特に指定のない限りB級とす
る。 

d) 圧力範囲 圧力範囲は,表4によって,それぞれに対応する記号で示す。 

表4 圧力範囲 

単位 MPa 

記号 

圧力範囲 

記号 

圧力範囲 

0〜0.1 

0〜5 

0〜0.2 

0〜7 

0〜0.3 

0〜10 

0〜0.4 

0〜15 

0〜0.6 

0〜25 

0〜1 

0〜35 

0〜1.5 

−0.1〜0 

0〜2 

−0.1〜0.3 

0〜2.5 

−0.1〜0.4 

0〜3.5 

e) 定格電圧 定格電圧は,表5によって,それぞれに対応する記号で表す。 

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F 9704 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表5 定格電圧 

記号 

定格電圧 

DC 24V 

AC100V 

AC110V 

DC  5V 

f) 

出力信号 出力信号は,表6によって,それぞれに対応する記号で表す。 

表6 出力信号 

記号 

出力信号 

定格電圧 

4〜20mA 

DC 24V 

0〜5V 

AC100V 

1〜5V 

AC110V 

0.5〜4.5V 

DC5V 

g) 精度 精度は,表7によって,それぞれに対応する等級で表す。 

表7 精度 

等級(級) 

精度 % 

0.25 

±0.25 

0.5 

±0.5 

1.0 

±1.0 

備考 精度は,フルスパン

に対する比率を示
す。 

5. 性能 圧力発信器は,次の諸性能を備えたものでなければならない。 

a) 精度 加わる圧力に対する出力信号の精度は,それぞれの等級によって,表7に示す値以内でなけれ

ばならない。 

b) 電源変動 圧力発信器は,表8の電源変動に対してそれぞれの等級によって,表7に示す精度の値以

内でなければならない。 

表8 電源変動 

定格電圧 

電圧変動 % 

周波数変動 % 

DC24V 

−25〜30 

− 

AC100V 

整定±10,瞬時±20 

±10 

AC110V 

DC5V 

±5 

− 

c) 耐圧性能 圧力発信器は,7.6によって試験したとき,正常に動作しなければならない。 

d) 外被の保護性能 外被は,JIS F 8007に規定する保護等級IP44以上の性能を満足しなければならない。 

e) 圧力発信器は,7.8の環境検査を満足しなければならない。 

6. 構造,形状,寸法及び材料 圧力発信器の構造,形状,寸法及び材料は,次による。 

a) 船用として適した材料を使い,できるだけ小形の堅ろうな構造で,機械的振動に耐え,かつ,動作が

円滑で電気的な特性を維持し,外部ケーブルとの接続が容易でなければならない。 

b) 受圧部は,ブルドン管,ベローズ,ダイアフラムなどの要素,接続ねじなどで構成する。 

c) 変換部は,受圧部から取り出した変位などを出力信号に変換する部分で構成する。 

F 9704 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 外部ケーブル接続用端子台は,JIS F 8813によるか,又はこれと同等以上の性能をもつものとする。 

e) 外部ケーブル導入部の構造,寸法は,JIS F 8801の呼び寸法15又は20とする。 

f) 

外被は,できる限り耐食性のある金属材料又は難燃性の樹脂を使用する。 

腐食のおそれがある金属材料を用いる場合は,塗装を施す。 

なお,アルミニウム合金を用いる場合は,塗装の代わりにJIS H 8601による陽極酸化皮膜を施して

もよい。 

7. 検査 

7.1 

検査項目及び順序 圧力発信器の検査は,次の項目及び順序によって同一品について行う。ただし,

*印が付けてある項目の検査は,同一製造業者の同一設計による最初の製品について行い,次回以降は省略

することができる。 

h)塩水噴霧検査及びn)〜u)の電磁環境干渉検査は,その性能を要求される場合に行うものとする。 

なお,n)〜u)電磁環境干渉検査の検査順序については,特に規定しないものとする。 

 a) 構造及び材料検査 

 b) 精度検査 

*c) 電源変動検査 

 d) 絶縁抵抗検査 

 e) 耐電圧検査 

*f) 振動検査 

*g) 外被の保護性能検査 

*h) 塩水噴霧検査 

*i) 温湿度検査 

*j) 乾燥高温検査 

*k) 傾斜検査 

*l) 耐圧力検査 

*m) 低温検査 

*n) 静電気放電検査 

*o) 放射無線周波電磁界検査 

*p) バースト/ファーストトランジェント検査 

*q) サージ/スロートランジェント検査 

*r) 伝導低周波検査 

*s) 伝導無線周波検査 

*t) 放射放出検査 

*u) 伝導放出検査 

7.2 

検査条件 検査条件は,特に指定がない限り,常温常湿 [25℃±10℃, (60±30) %] 及び通常の気

圧 (96kPa±10kPa) とする。ただし,判定に疑義を生じた場合,又は再現性をよくする必要がある場合に

は,JIS Z 8703の温度湿度 [20℃±2℃, (65±5) %] 及び通常の気圧 (96kPa±10kPa) による。 

7.3 

構造,材料検査 構造,材料検査は,6.の規定に適合しなければならない。 

F 9704 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.4 

精度検査 精度検査は,圧力発信器に定格電圧を加え,圧力を最小圧力から最大圧力まで逐次加え

て,最大圧力(1)に達した後その圧力を30分間保ち,次に逐次圧力を減じて最小圧力に戻す。この増圧及び

減圧の過程で最小圧力及び最大圧力を除く任意の3か所以上の圧力で出力信号を測定したとき,この値は,

5.a)の規定に適合しなければならない。 

注(1) 表4の記号Wの場合に限り,−0.1MPa側を最大圧力と読み替える。 

7.5 

電源変動検査 電源変動検査は,5.b)に示す電源変動範囲で動作させ,5.b)の規定に適合しなければ

ならない。 

7.6 

耐圧力検査 耐圧力検査は空気圧式及び油圧式機器に対して,計画最大使用圧力(設計圧力)の1.5

倍の圧力で行い,異状がないことを確認する。 

7.7 

外被の保護性能検査 外被の保護性能検査は,JIS F 8007によって行い,5.d)によって要求される規

定に適合しなければならない。 

7.8 

環境検査 

a) 絶縁抵抗検査 絶縁抵抗検査は,JIS F 0807によって行い,最小絶縁抵抗の規定に適合しなければな

らない。 

b) 耐電圧検査 耐電圧検査は,JIS F 0807によって行い,これに耐えなければならない。 

c) 振動検査 振動検査は,JIS F 0807によって行い,損傷を生じることなく,かつ,動作に支障を生じ

てはならない。試験条件は指定のない場合,一般機器に要求されるものとする。 

d) 塩水噴霧検査 塩水噴霧検査は,JIS F 0807によって行い,異状があってはならない。かつ,著しい

腐食があってはならない。 

e) 温湿度検査 温湿度検査は,JIS F 0807によって行い,電気的,機械的損傷があってはならない。 

f) 

乾燥高温検査 乾燥高温検査は,JIS F 0807によって行い,電気的,機械的損傷があってはならない。 

g) 傾斜検査 傾斜検査は,垂直に取り付けて,JIS F 0807によって行い,その間,指定された動作がで

きなければならない。 

h) 低温検査 低温検査は,JIS F 0807によって行い,動作に異状があってはならない。 

試験温度は指定のない場合−10℃±3℃とする。 

i) 

静電気放電検査 静電気放電検査は,JIS F 0807によって行い,性能基準Bに適合しなければならな

い。 

j) 

放射無線周波電磁界検査 放射無線周波電磁界検査は,JIS F 0807によって行い,性能基準Aに適合

しなければならない。 

k) バースト/ファーストトランジェント検査 バースト/ファーストトランジェント検査は,JIS F 

0807によって行い,性能基準Aに適合しなければならない。 

l) 

サージ/フロートランジェント検査 サージ/フロートランジェント検査は,JIS F 0807によって行

い,性能基準Aに適合しなければならない。 

m) 伝導低周波検査 伝導低周波検査は,JIS F 0807によって行い,性能基準Aに適合しなければならな

い。 

n) 伝導無線周波検査 伝導無線周波検査は,JIS F 0807によって行い,性能基準Aに適合しなければな

らない。 

o) 放射放出検査 放射放出検査は,JIS F 0807によって行い,試験条件の規定に適合しなければならな

い。 

p) 伝導放出検査 伝導放出検査は,JIS F 0807によって行い,試験条件の規定に適合しなければならな

F 9704 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

い。 

8. 製品の呼び方 圧力発信器の呼び方は,規格の名称又は規格番号及び形名による。 

例 船用電気式圧力発信器 R3Bal-0.5 

又はJIS F 9704-R3Bal-0.5 

9. 表示 圧力発信器の表面の見やすい箇所に銘板又は刻印によって,次の事項を表示しなければならな

い。 

a) 名称 

b) 圧力範囲 

c) 定格電圧 

d) 出力信号 

e) 線数 

f) 

負荷抵抗 

g) 外被の保護等級 

h) 製造年又はその略号 

i) 

製造番号 

j) 

製造業者名又はその略号 

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F 9704 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注 図は取付角度が垂直の場合を示す。 

参考図1 各取付方法の一例 

F 9704 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案作成専門分科会 構成表 

氏名 

所属 

(専門分科会長) 

佐 藤 孝 雄 

三井造船株式会社 

(委員) 

臼 井 俊 通 

財団法人日本海事協会 

有 村 信 夫 

運輸省船舶技術研究所 

鈴 木 利 栄 

財団法人日本海技協会 

岩 野 淳 一 

日本郵船株式会社 

竹 中 功 行 

大阪商船三井船舶株式会社 

長谷川   司 

川崎汽船株式会社 

中 嶋 孝 雄 

ナビックスライン株式会社 

横 山 直 彦 

三菱重工業株式会社 

中 居 幸 夫 

寺崎電気産業株式会社 

山 田 秀 光 

株式会社トキメック 

安 藤 重 樹 

東洋エレクトロニクス株式会社 

木 内 光 宏 

長野計器株式会社 

籠 宮 茂 樹 

明陽電機株式会社 

佐 野 良 幸 

横河電子機器株式会社 

(事務局) 

久 保 明 博 

財団法人日本船舶標準協会