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F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 記号······························································································································· 2 

5 一般要求事項 ··················································································································· 3 

5.1 目的 ···························································································································· 3 

5.2 ストロングポイントの最少数 ··························································································· 3 

6 強度要求事項 ··················································································································· 3 

6.1 破壊強度の評価 ············································································································· 3 

6.2 水平荷重 ······················································································································ 3 

6.3 直接的な計算による評価 ································································································· 4 

6.4 組合せ強度 ··················································································································· 4 

7 詳細要求事項 ··················································································································· 4 

7.1 構造支持 ······················································································································ 4 

7.2 耐食性及び耐紫外線性 ···································································································· 4 

7.3 ラベルのはり付け ·········································································································· 4 

8 オーナ用マニュアルへの記載事項 ························································································ 4 

9 合成繊維ロープ ················································································································ 4 

附属書A(規定)オーナ用マニュアルへの記載事項 ···································································· 5 

附属書B(参考)ストロングポイントにおける化繊ロープ材料の寸法及び強度 ································· 6 

附属書JA(参考)舟艇用U形バウアイの仕様 ··········································································· 7 

F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶

技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS F 1010:2006は改正され,また,JIS F 1015:1987は,廃止・統合され,この規格に置

き換えられる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

JIS 

F 1010:2010 

(ISO 15084:2003) 

舟艇−投揚びょう,係留及びえい航− 

ストロングポイント 

Small craft-Anchoring, mooring and towing-Strong points 

序文 

この規格は,2003年に第1版として発行されたISO 15084を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。今回の改正では,この規格の範ちゅうで舟艇の移動,釣り上げなどに

用いる舟艇用U形バウアイの仕様について附属書JAに参考として追加した。 

適用範囲 

この規格は,船体の長さ24 m以下の舟艇において投揚びょうするためのアンカーチェーン,係留する

ための係留索及びえい航されるための被えい航索を結び付けるストロングポイントに対する要件について

規定する。 

この規格は,他の船をえい航するストロングポイントに対する要件については,規定しない。 

この規格は,アンカー質量又はチェーン及びラインの長さについては規定しない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 15084:2003,Small craft−Anchoring, mooring and towing−Strong points(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS F 0081 舟艇−主要データ 

注記 対応国際規格:ISO 8666:2002,Small craft−Principal data(IDT) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

ストロングポイント(strong point) 

アンカーチェーン,アンカーライン,被えい航索及び係留索を結ぶために設計された船上の部品又は装

置。 

例 ボラード,クリート,サムソンポスト,マストステップ,被えい航船の船首アイ,ウインチ,ウ

インドラス,キャプスタン及び同様の装置。 

F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

  

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3.2 

設計区分(design category) 

ボートが適切に航行できると考えられる海象及び風の状態の区分。 

3.2.1 

設計区分A(design category A) 

“外洋”(ocean) 

十分に自給できる装備をもち,ビューフォード風浪階級8を超え,有義波高4 mを超える海象に遭遇す

る可能性がある海域を,長期間にわたって航海できる能力をもつ設計区分。ただし,ハリケーン(台風)

のような異常な海象は除外する。 

3.2.2 

設計区分B(design category B) 

“オフショア”(offshore) 

ビューフォード風浪階級8以下,有義波高4 m以下の海象に遭遇する可能性がある沖合の海域を,航海

できる能力をもつ設計区分。 

3.2.3 

設計区分C(design category C) 

“インショア”(inshore) 

ビューフォート風浪階級6以下,有義波高2 m以下の海象に遭遇する可能性がある沿岸海域,大きな入

り江,河口域,湖及び河川を,航行できる能力をもつ設計区分。 

3.2.4 

設計区分D(design category D) 

“閉水”(sheltered waters)  

ビューフォート風浪階級4以下,有義波高0.3 m以下の海象に遭遇する可能性がある沿岸の閉鎖海域,

小さな入り江,湖,河川及び運河を,航行できる能力をもつ設計区分。 

3.3 

満載運航可能状態(fully loaded ready-for-use condition) 

意図した使用に対して十分に装備されたJIS F 0081による満載排水量mLDCの船。 

3.4 

破壊強度(breaking strength) 

ストロングポイントにおいて,その取付け用の構成部品,支持部品又は周辺の構造に永久変形,構造上

の損傷の兆候又は材料損傷が現れる強度限界。 

記号 

この規格では,表1の記号及び関連する単位を適用する。 

background image

F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−記号 

記号 

単位 

意味 

引用 

LC 

計算長さ 

6.2 

LH 

JIS F 0081による船体の長さ 

JIS F 0081 

LWL 

JIS F 0081による水線の長さ 

JIS F 0081 

Pn 

kN 

ストロングポイント上の水平荷重 

6.2 

設計区分係数 

6.2 

mLDC 

kg 

船の満載排水量 

JIS F 0081 

一般要求事項 

5.1 

目的 

ストロングポイントは,別の目的に使用してもよい。投揚びょう又はえい航のためのストロングポイン

トは,係留に使用してもよい。 

5.2 

ストロングポイントの最少数 

ストロングポイントの最少数は,次による。 

− すべての船:船首部に一組の投揚びょう又はえい航ポイント。 

− 船体の長さが6 mを超える船 :少なくとも船尾部に一組の係留ポイント。 

− 船体の長さが12 mを超える船 :少なくとも船首部及び船尾部の両側に一組の係留ポイントを追加す

る。 

− 船体の長さが18 mを超える船 :少なくとも左げん(舷)及び右げん(舷)の両側に一組の係留ポイ

ントを追加する。 

強度要求事項 

6.1 

破壊強度の評価 

破壊強度の評価は,6.2,6.3又は6.4に従って行わなければならない。 

6.2 

水平荷重 

ストロングポイントは,そのストロングポイント又は取り付けられている周囲の構造が破損することな

く,水平荷重Pn (kN) に耐えるように設計し,取り付けなければならない。 

− 船首部,投揚びょう及び被えい航に対して, 

P1=f (4.3 LC−5.4) 

− 船首部,係留に対して, 

P2=f (3.5 LC−4.3) 

− 船尾部, 

P3=f (3.0 LC−3.8) 

ここに, 

f = 1.0(設計区分A及び設計区分B) 

0.9(設計区分C) 

0.75(設計区分D) 

LCは,計算長さで, 

LC=(LH+LWL) / 2 

いずれの適用に対しても,ストロングポイントの破壊強度は,満載運航可能状態における排水量mLDC

F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

に耐え得る値よりも高くする必要はない。 

6.3 

直接的な計算による評価 

ストロングポイントの破壊強度の評価は,設計区分,風圧面積を特別に考慮した船の形状,船型及び使

用海域における波浪状態を考慮して,直接的に計算によって評価してもよい。 

6.4 

組合せ強度 

舟艇の建造者が,6.2の要求事項を超えるライン,チェーン又はケーブルを指定又は供給する場合は(例

えば,船が極端な状態で使用される場合又はより簡単にラインを扱うことが求められる場合),関連するス

トロングポイントの破壊強度は,指定又は供給されるロープ又はチェーンの125 %よりも小さくしてはな

らない。 

詳細要求事項 

7.1 

構造支持 

ストロングポイント周辺の船体構造は,6.2〜6.4に従って計算した荷重に耐えられるよう補強しなけれ

ばならない。ストロングポイントをナット及びボルトで固着する場合には,適切な寸法の当て板又は座金

を使用しなければならない。 

7.2 

耐食性及び耐紫外線性 

ストロングポイントは,耐腐食性材料又は防食性材料で製作しなければならない。 

非金属製(プラスチック)のストロングポイントを装備する場合の材料は,耐紫外線性としなければな

らない。オーナ用マニュアルには,著しく劣化したストロングポイントの交換について警告した通知を記

載しなければならない。 

7.3 

ラベルのはり付け 

投揚びょう及び/又は被えい航のためのストロングポイントの使用目的が明確でない場合は,ストロン

グポイントにラベルをはり付けなければならない。 

オーナ用マニュアルへの記載事項 

オーナ用マニュアルには,附属書Aに規定した情報を記載しなければならない。 

合成繊維ロープ 

合成繊維ロープの強度要件は,附属書Bを参照するとよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

オーナ用マニュアルへの記載事項 

A.1 警告 

舟艇の建造者は,ストロングポイントの破壊強度について情報を提供する必要がある。 

一般的に,索及びチェーンの破断強度は,それぞれのストロングポイントの破壊強度の80 %を超えない

ようにする。 

A.2 警告 

目的が明白でない特定のストロングポイントには,ボート製造業者はラベル(投揚びょう用及び/又は

えい航用である。)をはり付け,オーナ用マニュアルに適切な情報を提供する。 

A.3 警告 

えい航するとき,又はえい航されるときは,常に低速で航行しなければならない。えい航されるときは,

その排水量時における船速を超えてはならない。 

A.4 警告 

えい航索は,えい航中においても常に開放できる方法で固縛しなければならない。 

A.5 責任 

係留索,被えい航索,アンカーチェーン,アンカーライン及びアンカーが船の意図的な使用,すなわち

ライン又はチェーンがそれぞれのストロングポイントの破壊強度の80 %を超えないことに対して十分で

あることを保証するのは所有者及び使用者の責任である。 

所有者は,船上で被えい航索の安全を維持するとき,どのような操船が必要であるか考えるべきである。 

A.6 非金属製のストロングポイント 

非金属製のストロングポイントが設置される箇所は,それらの耐用期限を考慮すべきである。それらに

劣化,目に見える表面クラック又は永久変形の徴候が現れたとき,それらは交換するべきである。 

注記 暗い色の部品は,明るい色をしたものよりも紫外線劣化を起こしにくい。 

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F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

ストロングポイントにおける化繊ロープ材料の寸法及び強度 

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。 

舟艇の建造者は,ストロングポイントの寸法を確定するために,索/チェーン製造業者が公表した技術

情報,又は最小破断強度を確かめるための適切な基準又は規格に適合した索/チェーンを使うべきである。

従来からある化繊ロープのために,表B.1を手引として用いて差し支えない。 

表B.1−三つ編みされた合成ロープの機械的特性 

ポリアミド 

ポリエステル 

ポリプロピレン 

呼び径 

mm 

最小破断強度 
(ISO 1140) 

kN 

呼び径 

mm 

最小破断強度 

(ISO 1141) 

kN 

呼び径 

mm 

最小破断強度 
(ISO 1346) 

kN 

 6 

7.35 

 6 

5.8 

 6 

5.9 

 8 

13.2 

 8 

10.5 

 8 

10.4 

10 

20.4 

10 

16.8 

10 

15.3 

12 

29.4 

12 

24.0 

12 

21.7 

14 

40.2 

14 

33.7 

14 

29.9 

16 

52.0 

16 

43.4 

16 

37.0 

18 

65.7 

18 

54.8 

18 

47.2 

20 

81.4 

20 

68.2 

20 

56.9 

22 

98.0 

22 

82.0 

22 

68.2 

24 

118.0 

24 

98.5 

24 

79.7 

26 

137.0 

26 

115.5 

26 

92.2 

F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

舟艇用U形バウアイの仕様 

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。 

JA.1 目的 

この規格は,ストロングポイントの構造,強度,取付けなどの要件について規定しているが,投揚びょ

う,えい航及び係留に用いる個々のぎ装品の種類,詳細な構造,形状などの要件は規定していない。この

ためこの附属書では,ストロングポイントに用いるぎ装品としてはん用的に多用されているステンレス鋼

製の舟艇用U形バウアイ(以下,バウアイという。)の仕様について記載することによって,ストロング

ポイントの装備,購入,使用などにかかわるそれぞれの関係者にストロングポイントの製品情報を提供し,

規格利用のときの利便性の向上を図ることを目的として,JIS F 1015:1987舟艇用U形バウアイに規定され

ていた技術的な要件について記載するものである。 

JA.2 構成,形状,寸法及び材料 

バウアイの構成,形状,寸法及び材料は,図JA.1によるほか,次による。 

a) 呼びとボルト部長さ(L)との関係は,表JA.1による。 

b) Uボルトのねじは,JIS B 0205-1,JIS B 0205-2,JIS B 0205-3及びJIS B 0205-4,六角ナットは,JIS B 

1181の規定による。 

JA.3 外観 

バウアイの外観は,目視によって確認し,表面は滑らかで,使用上有害なひび,割れ,きずなどの欠陥

がないのがよい。検査は目視検査とし,上記の欠陥がないことを検査する。 

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F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

  

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単位 mm 

呼び 

Uボルト 

ストッパ 

座金 

六角 

ナット 

D1 

d1 

d2 

t1 

呼び 

 8 

32 

M 8 

 8 

27 

12 

32 

16 

8.5 

 8 

1.5 

18 

1.6 

 M 8 

10 

40 

M10 

10 

30 

15 

40 

20 

10.5 

10 

22 

11 

 M 10 

12 

50 

M12 

12 

38 

19 

50 

24 

13 

12 

2.3 

26 

13.5 

2.3 

 M 12 

16 

60 

M16 

16 

44 

22 

30 

32 

17 

16 

2.3 

32 

17.5 

2.3 

 M 16 

部品番号 

部品名称 

材料 

Uボルト 

JIS G 4315のSUS 304−WSA 

ストッパ 

JIS G 4305のSUS 304 

座金 

六角ナット 

JIS G 4315のSUS 304−WSA 

図JA.1−バウアイの構成,形状,寸法及び材料 

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F 1010:2010 (ISO 15084:2003) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JA.1−呼びとボルト部長さ(L)との関係 

長さL 

mm 

呼び 

10 

12 

16 

 25 

 30 

 35 

 40 

 45 

 50 

 60 

 70 

 80 

 90 

100 

110 

120 

130 

140 

150 

注記 白色部は使用可,灰色部は使用不可を示す。 

参考文献 JIS B 0205-1 一般用メートルねじ−第1部:基準山形 

JIS B 0205-2 一般用メートルねじ−第2部:全体系 

JIS B 0205-3 一般用メートルねじ−第3部:ねじ部品用に選択したサイズ 

JIS B 0205-4 一般用メートルねじ−第4部:基準寸法 

JIS B 1181 六角ナット 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 4315 冷間圧造用ステンレス鋼線 

ISO 1140:1990,Ropes−Polyamide−Specification 

 対応日本工業規格:JIS L 2704:1992 ナイロンロープ(MOD) 

ISO 1141:1990,Ropes−Polyester−Specification 

 対応日本工業規格:JIS L 2707:1992 ポリエステルロープ(MOD) 

ISO 1346:1990,Ropes−Polypropylene−Specification 

 対応日本工業規格:JIS L 2706:1992 ポリプロピレンロープ(MOD)