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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 0602-1995 

船舶貨物管系用非石綿系 

ガスケット選定基準 

Shipbuilding−Non-asbestos gaskets to cargo piping system 

−Application standard 

1. 適用範囲 この規格は,船舶の船体部に属する貨物管系の管フランジ継手に用いる非石綿系ガスケッ

トの選定基準について規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考として併記したものである。 

2. ガスケットの選定基準 ガスケットの選定基準は,表1のとおりとする。 

また,表1に示す流体区分に属する流体名については表2による。 

表1 ガスケットの選定基準 

流体区分 

使用状態 

ガスケット 

圧力 MPa 

{kgf/cm2} 

温度 ℃ 

名称 

記号 

厚さ mm 

油系流体 

1.57 {16} 120〜−25 非石綿ジョイントシート 

HJ 

1.0〜3.0 

0.98 {10} 
0.49 { 5} 

非石綿ジョイントシート 

HJ 

1.0〜3.0 

ガラス繊維入りふっ素樹脂ソリッドガスケット FS 

1.5〜3.0 

動植物油系流体 

1.57 {16} 120〜−25 非石綿ジョイントシート(3) 

HJ 

1.0〜3.0 

0.98 {10} 

ふっ素樹脂被覆ガスケット(2)(3) 

FHS, FHF, FHM 

2.8 

0.49 { 5} 

非石綿ジョイントシート(3) 

HJ 

1.0〜3.0 

ガラス繊維入りふっ素樹脂ソリッドガスケット 

FS 

1.5〜3.0 

ふっ素樹脂被覆ガスケット(3) 

FHS, FHF, FHM 

2.8 

溶剤系流体 

1.57 {16} 120〜−25 ふっ素樹脂被覆ガスケット(1)(2) 

FHS, FHF, FHM 

2.8 

0.98 {10} 

0.49 { 5} 

ガラス繊維入りふっ素樹脂ソリッドガスケット 

FS 

1.5〜3.0 

ふっ素樹脂被覆ガスケット(1) 

FHS, FHF, FHM 

2.8 

液化ガス1 

1.96 {20} 80〜−48 メタルインサート膨張黒鉛ガスケット 

MK 

0.5〜1.6 

1.57 {16} 

非石綿渦巻形ガスケット 

HUC 

4.5又は4.8 

非石綿渦巻形ガスケット 

HUD 

4.5又は4.8 

膨張黒鉛渦巻形ガスケット 

KUD 

4.5又は4.8 

ふっ素樹脂渦巻形ガスケット 

FUD 

4.5又は4.8 

0.98 {10} 

非石綿ジョイントシート(4) 

HJ 

1.0〜1.5 

メタルインサート膨張黒鉛ガスケット 

MK 

0.5〜1.6 

非石綿渦巻形ガスケット 

HUC 

4.5又は4.8 

非石綿渦巻形ガスケット 

HUD 

4.5又は4.8 

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F 0602-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

流体区分 

使用状態 

ガスケット 

圧力 MPa 

{kgf/cm2} 

温度 ℃ 

名称 

記号 

厚さ mm 

膨張黒鉛渦巻形ガスケット 

KUD 

4.5又は4.8 

ふっ素樹脂渦巻形ガスケット 

FUD 

4.5又は4.8 

0.49 { 5} 

非石綿ジョイントシート 

HJ 

1.0〜1.5 

メタルインサート膨張黒鉛ガスケット 

MK 

0.5〜1.6 

液化ガス2 

0.98 {10} 80〜−196 メタルインサート膨張黒鉛ガスケット 

MK 

0.5〜1.6 

膨張黒鉛渦巻形ガスケット 

KUD 

4.5又は4.8 

0.49 { 5} 

メタルインサート膨張黒鉛ガスケット 

MK 

0.5〜1.6 

注(1) ガスケット記号FHS, FHF, FHMのガスケットをタンク内配管に使用する場合は,中しん材が侵されることもあ

るため,圧力に応じてガスケット記号HUC, HUD, KUD, FUD又はFSのガスケットを用いることが望ましい。 

(2) レイティングが16K用として使用する場合は,ガスケット製造業者と協議すること。 
(3) 食品衛生法などに適合するガスケットが必要な場合はガスケット製造業者と協議すること。 
(4) レイティングが10Kを超えて使用する場合は,ガスケット製造業者と協議すること。 

表2 適用流体 

流体の分類 

流体区分 

流体名 

流体 

油系流体 

原油,ナフサ(5),ガソリン(5),軽油,ケロシン,潤滑油,重油,作動油,鉱油,ジェット
燃料油(5),潤滑油添加剤 

動植物油系流体 あまに油,桐油,大豆油,テレピン油,とうもろこし油,綿実油,牛脂油,豚脂油,魚

油,糖みつ(6) 

溶剤系流体 

ベンゼン,トルエン,キシレン,二塩化エチレン,スチレン,メタノール,クメン(7),
エチルベンゼン,エチレングリコール(8) 

液化ガス 

液化ガス1 

プロパン,ブタン,プロピレン,ブタジエン 

液化ガス2 

天然ガス,エタン,エチレン,窒素 

注(5) これらの流体には溶剤系の添加剤が混入されている場合がある。この場合,混入量によってはガスケットに悪

影響を及ぼす可能性があるため,ガスケット製造業者と協議すること。 

(6) 糖みつは動植物油ではないが便宜上このグループに含めている。 
(7) イソプロピルベンゼン (iso propyl benzene) のことで,化学式はC6H5CH (CH3) 2である(キュメンとも表現され

る)。 

(8) エチレングリコールは溶剤ではないが便宜上このグループに含めている。 

3. ガスケットの種類 ガスケットの種類は表3のとおりとする。 

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F 0602-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 対象ガスケットの種類 

名称 

記号 

断面形状(9) 

内容 

非石綿ジョイントシート 
 ガスケット 

HJ 

非石綿繊維とゴムコンパウンドと
を配合して,ロールで加熱圧縮し,
板状に成形されたものを所定の寸
法に加工したもの。 

ガラス繊維入りふっ素樹 
 脂ソリッドガスケット 

FS 

ガラス繊維入りふっ素樹脂シート
を所定の寸法に加工したもの。 

ふっ素樹脂被覆ガスケッ 
 ト 

FHS 

中しん材を,切込みを入れたふっ
素樹脂パイプ又は板で被覆したも
の。 

FHF 

中しん材を,U字断面に成形した
ふっ素樹脂フィルムで被覆したも
の。大口径のものは被覆材を1か
所溶接したものもある。 

FHM 

中しん材を,コの字形断面に切削
加工したふっ素樹脂パイプ又は板
で被覆したもの。 

メタルインサート膨張黒 
 鉛ガスケット 

MK 

ステンレス製の補強用金属薄板の
両面に膨張黒鉛シートを張り付け
たものを所定の寸法に加工したも
の。 

非石綿渦巻形ガスケット HUC 

テープ状の金属製波形薄板と非石
綿テープとを重ね合わせて渦巻状
に巻き込み,外輪を付けたもの。 

HUD 

テープ状の金属製波形薄板と非石
綿テープとを重ね合わせて渦巻状
に巻き込み,内輪及び外輪を付け
たもの。 

膨張黒鉛渦巻形ガスケッ 
 ト 

KUD 

テープ状の金属製波形薄板と膨張
黒鉛テープとを重ね合わせて渦巻
状に巻き込み,内輪及び外輪を付
けたもの。 

ふっ素樹脂渦巻形ガスケ 
 ット 

FUD 

テープ状の金属製波形薄板とふっ
素樹脂テープとを重ね合わせて渦
巻状に巻き込み,内輪及び外輪を
付けたもの。 

注(9) 断面形状は,一例を示したものである。 

F 0602-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS F 0602原案担当作業委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

叶   耕 治 

三井造船株式会社玉野事業所 

(委員) 

三 浦 明 純 

財団法人日本海事協会 

吉 田 泰 三 

日本郵船株式会社神戸支店 

福 元 研 一 

日本汽船株式会社 

渡 辺 一 夫 

石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部愛知工場 

太 田 美 樹 

川崎重工業株式会社船舶事業本部 

加 藤 泰 典 

三菱重工業株式会社長崎造船所 

吉 川 雅 洋 

日立造船株式会社船舶・防衛事業本部 

高 野 英 夫 

新倉工業株式会社 

山 口 紀 夫 

カヤバ・マックグレゴー・ナビーレ株式会社 

疋 田 直 秀 

川崎重工業株式会社西神戸工場 

野 村 博 昭 

瀬尾高圧工業株式会社市川工場 

川 上 隆 男 

神陽金属工業株式会社 

藤 田   勲 

日本バルカー工業株式会社大阪支店 

(関係者) 

斎 藤   茂 

ニチアス株式会社 

西 村 昭 夫 

株式会社アスクテクニカ 

有 森   潔  日本ピラー工業株式会社 

神 浦 洋 文 

日本バルカー工業株式会社 

(事務局) 

久 保 明 博 

財団法人日本船舶標準協会