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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

E 6003-1985 

通勤電車運転室の設計通則 

General Rules for Design of Driving Cabs of  

Electric Commuter Cars 

1. 適用範囲 この規格は,通勤電車(以下,電車という。)の運転室の設計に対する共通的な条件につい

て規定する。ただし,力行,制動などについての性能及び車体に関係するものを除く。 

備考 電車とは,通勤・通学する乗客のラッシュ時の輸送に対応できて,しかも日中の乗客に対する

サービスも考慮した電車をいい,路面電車及び無軌条電車を除く。 

関連規格:JIS E 6002 通勤電車の性能通則 

JIS E 7103 通勤電車車体の設計通則 

2. 設計の共通的な条件の分類 設計の共通的な条件の分類は,乗務員保護の条件,運転室の広さ及び居

住性の条件,並びに運転台の条件及び消火器設置の条件とし,次による。 

(1) 乗務員保護の条件の分類 乗務員保護の条件の分類は,乗務員保護の基本的な条件,乗務員保護の電

気的な条件,乗務員保護の衝突に対する条件及び乗務員脱出のための条件とする。 

(2) 運転室の広さ及び居住性の条件の分類 運転室の広さ及び居住性の条件の分類は,運転室の広さの条

件及び運転室の居住性の条件とする。 

(3) 運転台の条件の分類 運転台の条件の分類は,運転台の配置の条件,運転台の操作機器の条件及び運

転台の指示機器(1)の条件とする。 

注(1) 表示機器,音響信号,運転指示の時刻表などのように指示する機器。 

(4) 消火器設置の条件 

3. 乗務員保護の条件 

3.1 

乗務員保護の基本的な条件 乗務員保護の基本的な条件は,次による。 

(1) 運転室は,動揺,急停車などの場合,乗務員が負傷しない構造とする。 

(2) 運転室内に配置する機器などは,振動・衝撃によって移動しない構造とする。 

(3) 運転室は,火災に対して十分な抵抗力をもつ構造とする。 

(4) 運転室の前面ガラスには,安全ガラスを用いる。 

(5) 運転室側面の扉は,室内側に開く構造とする。 

(6) 運転室の側入口には,ステップ及び手すりを取り付ける。 

3.2 

乗務員保護の電気的な条件 乗務員保護の電気的な条件は,次による。 

(1) 運転室の屋根が金属性の場合は,屋根と車体とを電気的に確実に結合する。 

(2) 運転室内には,絶縁してない導体及び保護遮へいしてない高圧機器を配置しない。 

E 6003-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 運転室内の電気機器は,防水・防じんを十分に考慮した構造とする。 

(4) アークを発生する機器は,必要な空間距離をとり,空間距離が少ない場合は,耐アーク性保護板で遮

へいする。 

3.3 

乗務員保護の衝突に対する条件 乗務員保護の衝突に対する条件は,次による。 

(1) 運転席の前面は,剛性をもった構造で,変形に対しても十分な強度をもつものとする。 

(2) 運転席の位置は,安全性,操作性などを考慮して,レール面から適当な高さとする。 

3.4 

乗務員脱出のための条件 非常の場合,乗務員が脱出するための条件は,次による。 

(1) 運転室には,簡単に後方に脱出できる扉を少なくとも一つは設ける。 

(2) 脱出のための扉は,簡単な操作で開けられる構造とする。 

4. 運転室の広さ及び居住性の条件 

4.1 

運転室の広さの条件 運転室の広さの条件は,次による。 

(1) 運転室は,適当な広さを確保し,室内のどの部分にも立ったまま近づける構造とし,機器及び設備品

が乗務員の移動に支障のない配置とする。 

(2) 運転室の側入口は,その扉を開いた場合に乗務員の出入りが容易な構造とする。 

4.2 

運転室の居住性の条件 運転室の居住性の条件は,次による。 

(1) 通路 運転室の通路は,乗務員が脱出するのに支障がなく,危険を伴わない構造とする。 

(2) 冷暖房及び換気 

(a) 運転室は,気密性を考慮し,必要によって冷暖房装置を設ける。 

(b) 運転室は,適当に換気できる構造とする。 

(3) 窓 

(a) 運転室の前面窓は,乗務員が前方の線路,信号などを見るために必要な前方可視角度及び見通し距

離をもつものとする。 

(b) 運転室の前面窓は,乗務員に運転上有害な反射,屈折及び偏光が生じない構造とする。 

(c) 運転室の前面窓は,必要によって運転上有害な外部光線をさえぎることができる構造とする。 

(d) 運転室の前面窓には,必要によって窓ふき器及びデフロスタを取り付ける。 

(e) 運転室の両側面には,乗務員が後方及び側方を監視できる開閉可能な窓を設け,必要によって運転

上有害な外部光線をさえぎることができる構造とする。 

(4) 腰掛 

(a) 運転室の腰掛は,運転姿勢の安定性が十分に得られ,しかも緊急時にすばやく退避できる構造とす

る。 

(b) 運転室の腰掛は,乗務員の体格の個人差を考慮した構造とする。 

(5) 騒音及び振動 

(a) 運転室の騒音は,運転及び連絡の情報を聞きとることができる程度に低くするものとし,乗務員を

疲労させないように考慮する。 

(b) 運転室の振動は,乗務員の疲労を著しく促進させないように考慮する。 

(6) 照明 

(a) 運転室には,乗務員の作業に必要な明るさが得られる照明装置を設ける。 

(b) 運転室には,停電の場合にも点灯できる照明装置を設ける。 

(c) 運転室には,照明による運転上有害な光線をさえぎる遮光装置を設ける。 

E 6003-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(7) 色彩 

(a) 運転室の配色は調和がとれていて,乗務員の眼を疲労させないものとする。 

(b) 運転上有害な反射光が運転士の眼に入る場合には,つや消しなどの表面処理をする。 

5. 運転台の条件 

5.1 

運転台の配置の条件 運転台の配置の条件は,次による。 

(1) 運転台は,運転士が独りで運転できる構造とする。 

(2) 運転台及びその操作機器は,運転士が普通の姿勢でいる場合に窮屈な感じにさせないように,また,

足,ひざなどの自由な動きを阻害しないように,できるだけ広い空間をとる構造とする。 

(3) 運転台は,運転士が座ったままで楽に運転操作ができ,また,前方も見られる位置とする。 

(4) 運転台は,運転士が座った状態でも立った状態でも運転できる位置とする。 

5.2 

運転台の操作機器の条件 運転台の操作機器の条件は,次による。 

(1) 常時操作機器は,運転士の最大作業範囲内に配置し,それらをできるだけ運転台に集中する。 

(2) 運転整備時に設定する機器は,目的別に集約し,操作順序別に並べて適切に配置する。 

(3) 運転中,頻繁に扱う操作機器は,手の届きやすい位置に配置し,それらの機器の相対的な関係は,長

時間運転しても疲労が少ないようにする。 

(4) 緊急時に急いで操作しなければならない非常操作機器は,安定した姿勢で,しかも手探りで操作でき

る位置に配置する。 

(5) スイッチ,配線用遮断器などの操作方向は,統一する。 

5.3 

運転台の指示機器(1)の条件 運転台の指示機器の条件は,次による。 

(1) 表示機器(2)のうち,常時看視機器及び非常看視機器は,運転状態の姿勢で視野内に入る位置に配置し,

随時看視機器は,座った位置から見ることができる位置に配置する。 

注(2) 計器,表示灯などのように表示する機器。 

(2) 前方注視位置に配置する表示は,必要最小限とする。 

(3) 関連がある計器,表示灯,制御機器などは,できるだけグループ化する。 

(4) 表示灯は,日中の明るい光のもとでも見え,また,夜間は運転士にまぶしさを与えないもので,必要

によって明るさが調整できるものとする。 

(5) 音響による指示は,必要最小限とし,異なる指示は,明確に区別できるものとする。 

6. 消火器設置の条件 消火器設置の条件は,次による。 

(1) 消火器は,取外し及び取扱いが容易であること。 

(2) 消火器は,消防法第21条の2による検定に合格した油火災及び電気火災用のもので,有害ガスを発生

しないものとすること。 

E 6003-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

電車運転室の設計通則JIS原案作成委員会 構成表(順不同) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

松 田 清 宏 

日本国有鉄道車両設計事務所 

石 井 清 次 

通商産業省工業技術院標準部 

陸 路 栄 一 

運輸省鉄道監督局 

井 黒 文 明 

運輸省鉄道監督局 

追 野 正 視 

運輸省鉄道監督局 

原 田   昭 

日本国有鉄道技術開発室 

山 内 一 泰 

日本国有鉄道鉄道労動科学研究所 

萩 原 正 雄 

社団法人 日本民営鉄道協会 

里 田   啓 

帝都高速度交通営団車両部 

太 田 保 善 

京浜急行電鉄株式会社車両部 

伊与田 浩 一 

近畿日本鉄道株式会社技術室 

服 部 守 成 

株式会社日立製作所笠戸工場 

須 賀 啓 二 

川崎重工業株式会社車両事業部 

岡 田 安 弘 

近畿車輌株式会社車両設計部 

露 木 益 郎 

三菱電機株式会社交通技術部 

柿 沼 宏 男 

日本車輌製造株式会社車両機器本部 

市 山 昭 彦 

東急車輌製造株式会社本社車両工場 

武 田 忠 三 

株式会社東芝府中工場 

田 村 正 吾 

社団法人日本鉄道車輌工業会 

社団法人日本鉄道車輌工業会 鉄道車両規格関係専門委員会 構成表(順不同) 

氏名 

所属 

(委員長) 

宇多小路 通明 

株式会社工進精工所ニシウミ技術研究所 

黒 河 亀千代 

通商産業省工業技術院標準部機械規格課 

山 田 忠 雄 

運輸省鉄道監督局車両工業課 

岩見谷 与志雄 

日本国有鉄道技術開発室 

生 井 修 一 

日本国有鉄道工作局車両課 

杉 山 幸 雄 

日本国有鉄道車両設計事務所 

木 村 秀 夫 

社団法人日本民営鉄道協会 

赤 羽 宏 之 

株式会社日立製作所機電事業本部交通技術本部 

星 野 隆 敏 

川崎重工業株式会社車両事業本部車両営業本部 

岡 田 安 弘 

近畿車輌株式会社車両設計部 

露 木 益 郎 

三菱電機株式会社交通技術部 

小 島 健 一 

三菱重工業株式会社機械第1事業本部産業機械第2部 

小 辰 芳 雄 

株式会社新潟鉄工所車両事業部 

石 田 昌 彦 

日本車輌製造株式会社車両機器本部技術部 

磯 村 良 蔵 

住友金属工業株式会社 

松 隈 道 雄 

株式会社東芝交通昇降機事業本部車両技術部 

立 田 公 雄 

東急車輌製造株式会社本社車両工場設計部 

(事務局) 

浅 田 時 則 

社団法人日本鉄道車輌工業会 

鉄道部会 電気車専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

副 島 廣 海 

日本国有鉄道工作局 

松 波 正 壽 

運輸省地域交通局 

小 林 弘 幸 

運輸省大臣官房国有鉄道部 

横 溝 眞一郎 

工業技術院標準部 

E 6003-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

氏名 

所属 

沼 野 稔 夫 

日本国有鉄道車両設計事務所 

岩見谷 与志雄 

日本国有鉄道技術開発室 

三 品 勝 暉 

日本国有鉄道鉄道技術研究所 

小 林 善一郎 

社団法人日本民営鉄道協会 

大 原 保 道 

京王帝都電鉄株式会社車両部 

操 田   浩 

阪急電鉄株式会社車両部 

小笠原 静 夫 

社団法人日本鉄道車輌工業会 

浅 田 時 則 

社団法人日本鉄道車輌工業会 

立 田 公 雄 

東急車輌製造株式会社本社車両工場 

松 隈 道 雄 

株式会社東芝交通事業部 

磯 村 良 蔵 

住友金属工業株式会社製鋼所 

赤 羽 宏 之 

株式会社日立製作所機電事業本部 

石 田 昌 彦 

日本車輌製造株式会社車両機器本部 

星 野 隆 敏 

川崎重工業株式会社車両事業本部 

露 木 益 郎 

三菱電機株式会社交通技術部 

岡 田 安 弘 

近畿車輌株式会社車両設計部 

(事務局) 

黒 河 亀千代 

工業技術院標準部機械規格課 

武 藤 晃 雄 

工業技術院標準部機械規格課