サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 5807-1991 

自動車用シガーライタ 

Cigar lighters for automobiles 

1. 適用範囲 この規格は,自動車に用いる電熱式で,かつバイメタル使用のシガーライタ(以下,ライ

タという。)について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0209 メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式) 

JIS C 2520 電熱用合金線及び帯 

JIS C 2530 電気用バイメタル板 

JIS C 6401 電力形固定巻線抵抗器 

JIS D 0032 自動車用操作・計量・警報装置類の識別記号 

JIS D 1601 自動車部品振動試験方法 

JIS D 5403 自動車用電線端子 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考として併記したものである。 

2. 種類 ライタの種類は,ソケット深さ,取付方法,公称電圧,及び照明の有無によって区分し,表1

に示すとおりとする。 

表1 ライタの種類 

種類の記号 ソケット深さ 

取付方法 

公称電圧 

照明の有無 

1 S 

31mm 

ねじ式 

12V又は24V 

あり又はなし 

2 S 

27mm 

ねじ式 

2 T 

ワンタッチ式 

3 T 

22mm 

ワンタッチ式 

備考 ライタの各部の名称及び取付方法は付図1,ソケット深さは付

図2を参照。 

3. 性能 ライタの性能は,8.の規定によって試験を行ったとき,表2に示すとおりでなければならない。

ただし,ヒューズを装着しないライタには,表2の(8)は適用しない。 

background image

D 5807-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 性能 

項目 

性能 

試験方法箇条 

(1) 消費電流 

公称電圧12Vのものは10A以下 

公称電圧24V,抵抗付きのものは10A 以下 

       抵抗なしのものは 5A 以下 

8.2 

(2) 熱保持性 

380℃以上(1) 

8.3 

(3) 復帰時間 

20秒以下 

8.4 

(4) 絶縁抵抗 

1MΩ以上 

8.5 

(5) 耐振性 

取付部,ねじ締付部,かしめ部の緩み及び有害な異常音を生じてはならない。 

 また試験後,(2)及び(3)の性能を満足しなければならない。 

8.6 

(6) 耐久性 

試験後,(1),(2),(3)及び(4)の性能を満足しなければならない。 

8.7 

(7) 操作力 

押込操作力 15〜40N {1.5〜4.1kgf} 

8.8(1) 

引出操作力  5〜40N {0.5〜4.1kgf} 

8.8(2) 

(8) ヒューズ 

性能 

電圧降下 

0.35V以下 

8.9(1) 

繰返し通電 ヒューズに異状を生じてはならない。 

8.9(2) 

電流遮断 

ヒューズは正常に作動しなければならない。 

8.9(3) 

(9) 端子強度 

有害な変形,端子固定部の緩み,ライタ取付部のがた,その他に異状を生じ

てはならない。 

8.10 

(10) 取付部強度 

取付部,その他に異状を生じてはならない。 

8.11 

注(1) 紙巻たばこに火が着く温度。 

4. 構造 

4.1 

一般構造 ライタの構造は,次のとおりとする。 

(1) ライタは,バイメタルを内蔵するライタソケット(以下,ソケットという。),ヒータをもつライタプ

ラグ(以下,プラグという。)及びソケット取付用のホルダによって構成する。 

また,ライタは,取扱いが簡単でしかも堅ろうなものとし,各部が緩まないような構造でなければ

ならない(付図1参照)。 

(2) 24V用抵抗付きライタは,12V用ライタに直列に抵抗を接続した構造とし,その抵抗は,JIS C 6401

の1.2〜1.45Ω,30W以上又はそれと同等以上の抵抗器を使用しなければならない。 

(3) プラグにフードを付けたものは,プラグをソケットから引き出したとき,フードは確実にヒータ及び

ヒータキャップを囲っていなければならない。 

(4) ソケットに照明を付けたものは,ソケットの内側を照らすか,又はソケットの外側の縁をリング状に

照明し,その存在を示すものでなければならない。 

4.2 

作動方式 ライタの作動方式は,次による。 

(1) プラグをソケットに挿入し,点火位置まで押し込んだとき通電し,プラグ先端のヒータが赤熱状態と

なったときに,自動的にプラグが点火位置から復帰位置に戻らなければならない。 

なお,復帰位置を越えて飛び出してはならない(図1参照)。 

background image

D 5807-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 作動位置 

(2) プラグをソケットに戻す場合は,復帰位置まで容易に押し込むことができるもので,かつ,点火位置

と復帰位置との間で手を離した場合には,復帰位置に戻るものでなければならない。 

5. 形状・寸法 ライタの形状は,付図1によるのがよい。 

また,ライタの主要寸法は,付図2に示すとおりとする。 

6. 外観 ライタの取付パネル表面側の外観は,泡,異物,ばり,かけ,きずなどの容易に識別できるも

のがあってはならない。 

7. 材料 ライタの主要部品の材料は,表3による。 

表3 ライタ主要部品材料 

部品 

材料 

バイメタル 

JIS C 2530に規定するもの 
又はそれと同等以上のもの 

ヒータ 

JIS C 2520に規定するもの 
又はそれと同等以上のもの 

8. 試験方法 

8.1 

試験条件 ライタの試験条件は,特に指定がない限り次による。 

(1) 試験場所の状態は,JIS Z 8703に規定する常温常湿 [20±15℃, (65±20) %] とする。 

(2) 測定用の電圧計及び電流計は,JIS C 1102による0.5級以上のものか,又はそれと同等以上のものを

使用する。 

また,絶縁抵抗計はJIS C 1302による500V用のもの,若しくはそれらと同等以上のものを使用す

る。 

(3) 時間測定器は0.5秒以下が読み取れるものを使用する。 

(4) 試験電圧は,特に指定がない限り表4による。 

表4 試験電圧 

単位 V 

公称電圧 試験電圧(端子電圧) 

12 

12 

24 

24 

8.2 

消費電流試験 正規の取付状態でライタに通電し,消費電流を測定する。 

background image

D 5807-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.3 

熱保持性試験 正規の取付状態でソケットにプラグを押し込み,通電した後,復帰したプラグをソ

ケットから取り出し,10秒後におけるヒータの温度を熱電対などを用いて測定する。ただし,8.7の耐久

性試験後においては,5秒後の温度を測定する。 

8.4 

復帰時間試験 プラグを点火位置に押し込み,通電後,復帰位置に戻るまでの時間を測定する。 

なお,復帰時間は通電時間で測定してもよい。 

8.5 

絶縁抵抗試験 絶縁抵抗計を用いて,ソケットの端子とアース端子との間の絶縁抵抗を測定する。 

8.6 

耐振性試験 正規の状態にライタを取り付け,JIS D 1601の5.3の段階4の試験を行い,異状の有無

を調べる。 

8.7 

耐久性試験 ライタを表5によって繰り返し作動させて試験を行い,異状の有無を調べる。 

なお,1回の作動周期はプラグを押し込んでから復帰位置に戻った後,更にライタがほぼ常温に戻るま

での時間とする。 

表5 耐久性試験条件 

項目 

試験条件 

作動回数 

4 000回 

試験電圧 

(端子電圧) 

公称電圧12Vのものは14±0.5V 
公称電圧24Vのものは28±1.0V 

8.8 

操作力試験 ライタの操作力試験は,次による。 

(1) 押込操作力試験 正規の状態にライタを取り付け,点火のためにプラグを押し込むときの操作力を,

ばねばかりなどを用いて測定する。 

(2) 引出操作力試験 プラグを復帰位置から引き出すときの操作力を,ばねばかりなどを用いて測定する。 

8.9 

ヒューズ性能試験 ライタにヒューズが付いたものは,次の試験を行う。 

(1) 電圧降下試験 ヒューズにライタの消費電流の最大値を通電し,ヒューズ両端の電圧降下を測定する。 

(2) 繰返し通電試験 プラグを押し込んで通電し,プラグが復帰した後,10秒後に更に通電操作を行う。

これを3回繰り返した後,異状の有無を調べる。 

(3) 電流遮断試験 ヒューズ取付部を130〜210℃の温度としたとき,ヒューズが作動し,電流を遮断する

かどうかを調べる。 

8.10 端子強度試験 正規の状態にライタを取り付け,端子の接続の方向に表6の引張静荷重を1分間加

えて,異状の有無を調べる。 

表6 端子強度試験条件 

ヒューズの有無 

引張静荷重 

ヒューズ付き 

2550

+N 

{2.6

5.00

+

kgf} 

ヒューズなし 

50100

+N 

{5.110+kgf} 

8.11 取付部強度試験 正規の状態にライタを取り付け,ライタ先端(付図1参照)に垂直静荷重 (W) 50N 

{5.1kgf} を1分間加えたとき,取付部などの異状の有無を調べる。 

9. 製品の呼び方 ライタの呼び方は,規格の名称(又は規格番号),種類の記号,公称電圧及び照明の有

無による。照明付きの場合の記号はLを用いる。 

例 自動車用シガーライタ 1 S-12V照明付き 

background image

D 5807-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS D 5807 1 S-12 V-L 

10. 表示 ライタには見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。 

(1) 製造業者名又はその略号 

(2) 公称電圧 

(3) 製造年月又はその略号 

また,ライタのノブの正面には,JIS D 0032に規定するシガーライタの識別記号を表示する。 

付図1 シガーライタ各部の名称 

background image

D 5807-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図2 主要寸法 

種類 

1 S 

31.1

5.06.0

+− 

15.4±0.1 

5.6±0.6 

2 S, 2 T 

27.4±0.5 

15.7±0.25 

5.4±0.6 

3 T 

22±0.5 

12.5±0.05 

8.3±0.6 

備考1. 端子の寸法は,原則として次のとおりとする。 

(1) 平端子は,JIS D 5403のPAとする。 
(2) ねじ端子のねじは,JIS B 0209のM4とする。 
(3) ぎぼし形端子は,JIS D 5403のCAとする。 

2. 図は,ぎぼし形端子の例を示す。 

background image

D 5807-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考 アクセサリプラグ 

この参考は,規格本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

1. アクセサリプラグの主要寸法 シガーライタのソケットに用いるアクセサリプラグの主要寸法は,参

考図1に示すとおりとする。 

参考図1 アクセサリプラグの主要寸法 

注 ※印の寸法部分は,バイメタルに接触するような形状であってはならない。 

2. 構造 アクセサリプラグの構造は,次による。 

(1) 端子aは,ソケットに挿入可能な弾性構造とし,ソケット内壁に2個以上で接触,通電できる構造と

する。 

(2) 端子bは,ソケット本体内のバイメタルかしめ部に接触する弾性構造とし,通電できるものとする。 

3. 通電容量 アクセサリプラグの通電容量は,12V,10A(又は,24V,5A)までとし,アクセサリプラ

グ本体に定格容量を表示し,かつヒューズを内蔵することが望ましい。 

D 5807-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS D 5807 自動車用シガーライタ改正原案調査作成委員会 構成表 

(順不同,*印は関係者) 

氏名 

所属 

(委員長) 

野 崎 武 敏 

工業技術院機械技術研究所 

鈴 木 孝 男 

通商産業省機械情報産業局 

* 梅 沢 茂 之 

通商産業省機械情報産業局 

下 平   隆 

運輸省地域交通局陸上技術安全部 

伊 東   厚 

工業技術院標準部 

* 平 野 由紀夫 

工業技術院標準部 

森   和 幸 

日産自動車株式会社電子設計部 

伊 藤   肇 

トヨタ自動車株式会社電子技術部 

* 倉 橋   弘 

トヨタ自動車株式会社電子技術部 

相 賀 義 光 

株式会社本田技術研究所栃木研究所 

大 竹 祥 夫 

いすゞ自動車株式会社車体設計部 

稲 垣   真 

鈴木自動車工業株式会社四輪電装設計部 

* 古 橋   博 

鈴木自動車工業株式会社四輪電装設計部 

蓮 見 典 利 

富士重工業株式会社設計第3部 

福 井 駿二郎 

三菱自動車工業株式会社乗用車技術センター 

* 芳 本 雅 之 

三菱自動車工業株式会社乗用車技術センター 

近 田 隆 愛 

スタンレー電気株式会社自動車機器技術管理部 

* 広 沢 昌 彦 

スタンレー電気株式会社自動車機器用品開発部 

井 深 靖 彦 

株式会社東海理化電機製作所第3技術部 

* 加 藤 雅 彦 

株式会社東海理化電機製作所第3技術部 

中 野 雅 光 

ナイルス部品株式会社設計部 

* 横 山 浩 明 

ナイルス部品株式会社設計部 

青 木 嘉 男 

ケーブル工業株式会社 

矢 野   洋 

関東精器株式会社設計部 

* 市 村 悦 男 

関東精器株式会社設計部 

井 上 徹 也 

日本電装株式会社メータ事業部 

* 竹 下 幹 男 

日本電装株式会社メータ技術部 

松 本 邦 雄 

日本精機株式会社技術管理部 

中 辻 信 一 

株式会社ユーシン開発本部 

面 谷 昭 義 

株式会社ワイエヌエス技術本部 

片 山 三代次 

矢崎計器株式会社計器開発設計室 

村 岡 良 三 

社団法人日本自動車部品工業会技術部 

(事務局) 

内 藤 智 男 

社団法人日本自動車部品工業会技術部