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D 3637-2:2003  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人自動車技術会 (JSAE)/財団法人日

本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによってJIS D 3637は廃止され,JIS D 3637-1及びJIS D 3637-2に置き換えられる。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 7440-2:1991,Road vehicles−Fuel 

injection equipment testing−Part 2 : Orifice plate flow-measurementを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS D 3637-2には,次に示す附属書がある。 

附属書A(参考) 試験油供給回路及び流量測定装置の一例 

附属書B(参考) 流量測定装置(選択) 

JIS D 3637の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS D 3637-1 自動車−ディーゼル機関用燃料噴射装置の試験−第1部:校正用ノズル及びホルダアッ

センブリ 

JIS D 3637-2 自動車−ディーゼル機関用燃料噴射装置の試験−第2部:オリフィス板の流量測定 

D 3637-2:2003  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. オリフィス板流量測定設備 ································································································ 1 

3.1 概要 ···························································································································· 1 

3.2 単孔オリフィス板固定ジグ ······························································································ 2 

4. 流量測定方法 ·················································································································· 2 

4.1 全般的要求事項 ············································································································· 2 

4.2 標準状態 ······················································································································ 3 

4.3 測定精度 ······················································································································ 3 

4.4 補正手順 ······················································································································ 3 

附属書A(参考) 試験油供給回路及び流量測定装置の一例························································· 5 

附属書B(参考) 流量測定装置(選択)················································································· 6 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格             JIS 

D 3637-2:2003 

自動車−ディーゼル機関用燃料噴射装置の試験− 

第2部:オリフィス板の流量測定 

Road vehicles−Diesel fuel injection equipment testing− 

Part 2 : Orifice plate flow-measurement 

序文 この規格は,1991年に第2版として発行されたISO 7440-2:1991, Road vehicles−Fuel injection 

equipment testing−Part 2 : Orifice plate flow-measurementを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,自動車ディーゼル機関用燃料噴射ポンプを試験装置上で試験及び調整するた

めの,JIS D 3637-1で規定の単孔オリフィス板形校正用ノズル及びホルダアッセンブリのオリフィス板の

流量測定設備及びジグについて規定する。 

JIS D 3637のこの部分 (JIS D 3637-2) で規定する単孔オリフィス板の流量測定設備及びジグは,JIS D 

3637-1で規定する直径0.4〜0.8 mmのすべての範囲のオリフィス板の流量試験を正確にする。この規格は,

主に単孔オリフィス板製造業者が使用するために作成された。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 7440-2:1991, Road vehicles−Fuel injection equipment testing−Part 2 : Orifice plate 

flow-measurement (IDT) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの

規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付

記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS D 3637-1 自動車−ディーゼル機関用燃料噴射ポンプの試験−第1部:校正用ノズル及びホルダア

ッセンブリ 

備考 ISO 7440-1:1991 Road vehicles−Fuel injection equipment testing−Part 1 : Calibrating nozzle and 

holder assembliesからの引用事項は,この規格の該当項目と同じである。 

ISO 4113:1988 Road vehicles−Calibration fluid for diesel injection equipment 

3. オリフィス板流量測定設備  

3.1 

概要 オリフィス板流量測定設備は,図1による。 

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D 3637-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試験油供給回路及び流量測定装置[附属書A(参考)参照] 

b) 単孔オリフィス板固定ジグ  

c) 流量検定装置(選択)[流量検定装置は,流量測定装置の正確度を定期的に確認するためのものである。

[附属書B(参考)参照]  

図 1 単孔オリフィス板流量測定設備 

− この設備は,流体の蒸発・汚染,空気の混入及び圧力・温度の不安定に起因する諸

問題に特に注意を払って設計し,製造しなければならない。 

− 代替設備で得られた流量値は,図1に示す設備を用いて校正しなければならない。 

3.2 単孔オリフィス板固定ジグ 単孔オリフィス板固定ジグの機能面を最低限規定する詳細及び寸法を,

図2に示す。 

なお,規定しない寸法及び組立方法は, ジグ製造業者の任意とするが,流れを制限したり,妨げたりし

ないジグでなければならない。 

単位 mm 

備考 漏れ排出口から漏れがあってはならない。 

図 2 単孔オリフィス板固定ジグ 

4. 流量測定方法  

4.1 

全般的要求事項  

試験油供給回路及び

流量測定装置 

附属書A(参考) 

単孔オリフィス

板固定ジグ 

(図2参照) 

流量検定装置 

附属書B(参考) 

供給条件を確実にするため

に4.3.2に規定する要求条件

を満足しなければならない。 

D 3637-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.1.1 

図2に示すジグによって,単孔オリフィス板を固定しなければならない。 

4.1.2 

次の値を,規定された測定位置で測定又は確認しなければならない。 

a) 単孔オリフィス板入口での試験油温度 

b) 単孔オリフィス板入口での試験油圧力 

c) 単孔オリフィス板出口での試験油圧力  

4.1.3 

試験油は,入口の円すい(錐)部を通じて単孔オリフィス板に入れる。 

4.1.4 

個々の単孔オリフィス板を通過する流量は,単独で測定する。 

4.1.5 

回路中の試験油の粘度及び密度は,頻繁に測定し,ISO 4113に適合しない場合には廃棄する。 

4.2 

標準状態 単孔オリフィス板流量は,313 Kで測定された(又は補正された)体積流量で,JIS D 

3637-1に規定されている。その他の標準状態は,次による。 

a) 入口圧力から出口圧力を差し引いた値:10 MPa 

b) 出口圧力:大気圧力 

c) 試験油の入口温度(補正してもよい。):313 K 

d) 313 Kにおける試験油の粘度:2.1×10−3 Pa・s (1) 

注(1) 313 Kにおける粘度は,313 Kにおける動粘度に313 Kにおける密度をかけた値に等しい。 

e) 313 Kにおける試験油の密度:0.808 g/cm3 

4.3 

測定精度  

4.3.1 

測定は,次の精度で行う。 

a) 313 Kにおける単孔オリフィス板の流量:読取値の±0.2 % 

b) 流量測定時の試験油温度:±0.5 K 

c) 313 Kにおける試験油粘度:±10−4 Pa・s 

d) 313 K及び大気圧力での試験油密度:±0.001 g/cm3 (2) 

注(2) 密度は,できれば大気温度で測定し,次の式によって313 Kに補正する。式の中の記号は4.4

による。 

m40

a

a

=

0.00068 (313

)

t

ρ

ρ

 g/cm3 

4.3.2 

次の試験油の供給条件は,計測器の誤差を考慮した上で確保する。 

a) 入口温度:±1 K 

b) 入口圧力:±0.01 MPa 

c) 入口圧力の最大周期変動:±0.1 MPa 

4.4 

補正手順 次の実験式によって温度,密度及び粘度の影響を補正する。 

(

)

m40

m40

m

m

1.7

1

×

1

K

QQ

t

t

ρ

μμ

ρ

μ

γ

×

×

×

=

+

ここに, Q: 流量 
 

Qm: 測定流量 

ρ: 標準密度=0.808 (g/cm3) 

ρa: 大気密度 (g/cm3) 

ρm40: 313 Kにおける回路中の試験油の密度 (g/cm3) 

μ: 標準粘度=2.1×10−3 (Pa・s) 

μm40: 313 Kにおける回路中の試験油の粘度 (Pa・s) 

γ: 試験油の体積膨張係数=0.824×10−3 (K−1) 

t: 標準温度=313 (K) 

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D 3637-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ta: 大気温度 (K) 

tm: 流量測定装置中の試験油の温度 (K) 

K: 次の表による。 

オリフィス板 番号 

オリフィス径 mm 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

   K 

88 

100 

114 

134 

∞ 

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D 3637-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(参考) 試験油供給回路及び流量測定装置の一例 

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

圧力及び温度制御,並びに流量測定装置を含む試験油供給回路の一例を附属書A図1に示す。 

附属書A図 1  

D 3637-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B(参考) 流量測定装置(選択) 

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

1. 要求事項 附属書B図1に示す装置は,次のa) 〜g) に示す特徴を備えていなければならない。細別

符号の括弧内の数字は,附属書B図1に示す番号に対応する。 

a) 測定容器 サンプルの体積は,次の要件を満たす容器で測定する。 

1) 最小4 Lの容積をもつ。 

2) 最小の内表面ぬれ面積をもつ。 

3) 円すい(錐)形の上下面をもつ。 

4) 容器の上方に最大25 mmの目盛を付けた鉛直の管を備える。 

5) この管には1 cm3の目盛があり,1分間の排出後323 Kで±2 cm3の精度をもつ。 

6) 容器には熱膨張係数の低い材料を使用するか,熱膨張の違いに対して本体の4.4に規定する測定流

量の補正方法に従った補正を行う。 

7) 有効径25 mmの排出弁を底部中心に備える。 

8) 独立した上方の試験油導入口を備える。 

9) 測定容器は,中心部で導入口への接続部の軸線上に温度センサを備える。 

b) レベルセンサ レベルセンサは,目盛を感知すると同時にサンプルの導入及びタイマを停止する。 

c) 三方弁 も(洩)れのない対称形状の動力作動の三方弁 (1) を,オリフィスの出口,計測シリンダ及

び別体の容器各々に接続し,かつ,同じ高さに配置する。この弁は,直径6〜8 mmの孔に相当する流

路面積をもち,双方向に同じで50 m/s以下の速い応答性をもつ。 

注(1) “プッシュプル”モードで作動する2個の二方弁を用いてもよい。 

d) 従属容器 第2の従属容器は,b) に示すセンサと同じ高さにオーバーフローをもち,測定容器は,よ

り高い位置にオーバーフローをもつ。 

e) 排出の戻り 排出の戻りは,オーバーフロー配管から独立し,完全な排出を確保する。 

f) 

制御装置 制御装置は,6けた表示で,その中の3けた小数部の秒表示をもち,±0.001 sの精度をも

つ。制御は,次の事項を行う。 

1) 測定容器への導入と同時にタイマの作動を開始する。 

2) 排出及びタイマのリセットを行う。 

3) もれ試験のために流路を手動選択し, 保持する。 

センサは,弁を逆に作動させ,同時にタイマを停止する。 

g) 試験油通路 試験油通路は,試験油が下向きに流れるので,背圧を生じない十分な内径をもち,最小

のオリフィス流量のときにも空気を下向きに巻き込まない内径に制限される。 例えば,7〜8 mmの

内径となる。 

2. 概念図 附属書B図1に,異なるタイプの高速で作動する本体を補正及び点検するための流量検定装

置の概念図を示す。 オリフィスの高さに対するオーバーフローの高さの関係及び流路の配置に注目する必

要がある。 

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D 3637-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 ⇒は試験油の流れを示し,実線は制御装置f) からの信号線を示す。 

附属書B図 1 流量検定装置の概念図