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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 0208-1993 

自動車用スイッチ類の試験方法通則 

Automobiles−General rules of test methods of switches 

1. 適用範囲 この規格は,自動車に用いる機械的接点をもつスイッチ類(以下,スイッチという。)の試

験方法についての通則を規定する。ただし,二輪自動車用スイッチ及び電気自動車用スイッチは除く。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式) 

JIS D 0203 自動車部品の耐湿及び耐水試験方法 

JIS D 0205 自動車部品の耐候性試験方法 

JIS D 0207 自動車部品の防じん及び耐じん試験通則 

JIS D 1601 自動車部品振動試験方法 

JIS D 5005 自動車用電装部品の公称電圧及び試験電圧 

JIS K 5400 塗料一般試験方法 

JIS Z 2371 塩水噴霧試験方法 

JIS Z 8901 試験用ダスト 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) スイッチ類 機械的に接触する接点をもち,自動車の電気回路において,電流の断接作動をするもの

の総称。ただし,リレー及びセンサは除く。 

(2) 環境条件 スイッチ類が受ける環境のレベルであって,環境の種類ごとに人為的に再現する代用的条

件。 

(3) 個別規格 スイッチ類の種類,用途ごとにその仕様を規定する規格。受渡当事者間で必要に応じて規

定したものも含む。 

3. 試験の種類 試験の種類は,次のとおりとする。 

なお,耐久性試験は,個別規格で規定する。 

(1) 作動確認試験 

(2) 端子間電圧降下試験 

(3) 絶縁耐力試験 

(4) 耐温度性試験 

(a) 高温及び低温放置試験 

(b) 高温及び低温作動試験 

(c) 温湿度サイクル試験 

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D 0208-1993  

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(d) 熱衝撃試験 

(5) 耐湿及び耐水試験 

(6) 耐じん試験 

(7) 塩水噴霧試験 

(8) 耐振試験 

(9) 落下衝撃試験 

(10) 構造強度試験 

(11) 表示部耐はく(剥)離性試験 

(12) 操作部耐候性試験 

4. スイッチ類装着位置の区分 スイッチ類を自動車に装着する位置は,環境条件によって表1のように

区分する(図1参照)。 

表1 スイッチ類装着位置の区分 

装着位置の区分 

記号 

スイッチ類の例(参考)(1) 

エンジンルーム
(記号E) 

エンジンに直接 

E1 

オイルプレッシャスイッチ 

エンジンに近い位置 

E2 

アクセルスイッチ,バキュームスイッチ 

トランスミッションに直接 

E3 

ニュートラルスイッチ,バックアップランプスイッチ 

エンジンルーム内の高い位置 

E4 

フードスイッチ 

エンジンルーム内の低い位置 

E5 

ラジエータに直接 

E6 

ラジエータ液面スイッチ,水温スイッチ 

車室内 
(記号C) 

ステアリングコラム装着 

C1 

イグニションスイッチ,スタータスイッチ,ディマスイ
ッチ,ターンシグナルスイッチ,ワイパスイッチ,ウオ
ッシャスイッチ,ホーンスイッチ,クルーズコントロー
ルスイッチ,ハザードウオーニングスイッチ 

インストルメントパネル上面 

C2 

インストルメントパネル前
面,コンソールボックス上面 

C3 

ライティングスイッチ,マップランプスイッチ,フォグ
ランプスイッチ,イグニションスイッチ,スタータスイ
ッチ,ワイパスイッチ,ウオッシャスイッチ,デフォッ
ガスイッチ,エアコンスイッチ,ミラーコントロールス
イッチ,ショックアブソーバスイッチ 

インストルメントパネル内側
及び下側,グローブボックス
内 

C4 

グローブボックススイッチ,ストップランプスイッチ,
オーバトップスイッチ,キックダウンスイッチ 

コンソールボックス内側及び
下面 

C5 

シフトレバースイッチ,オーバドライブスイッチ 

フロントシート背面,天井内
面 

C6 

ラジオコントロールスイッチ,ルームランプスイッチ,
サンルーフスイッチ 

シート下面 

C7 

パワーシートスイッチ 

ドラ内側,ピラー内側 

C8 

ドアスイッチ,パワーウインドスイッチ,オートドアロ
ックスイッチ 

バックドア(ハッチバック),
テールゲート 

C9 

バックドアスイッチ,テールゲートスイッチ 

トランクルーム内 
(記号B) 

トランクルーム内 

トランクルームランプスイッチ 

注(1) “装着位置の区分”に対応して掲げた“スイッチ類の例”は,現状の一例である。 

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図1 装着位置の区分(フロントエンジン乗用車の例) 

5. 試験条件及び試験装置 

5.1 

試験場所の状態及び試験装置 試験場所の状態及び試験に用いる装置は,特に規定がない限り次の

とおりとする。 

(1) 試験場所の状態は,常温 (5〜35℃),常湿 (40〜80%) とする。 

(2) 試験に用いる電流計,電圧計及び抵抗計は,JIS C 1102に規定する0.5級又はこれと同等以上のもの

を用いる。 

(3) 試験に用いる恒温槽は,低温側が−40℃,高温側が130℃まで変えることができるもので,任意の設

定温度で±2℃の温度に維持できるものを用いる。 

5.2 

試験電圧 スイッチの試験電圧は,JIS D 5005に規定する電気回路に応じて表2のとおりとする。 

表2 試験電圧 

単位 V 

公称電圧 

電気回路 

始動回路 

点火回路 

照明,信号,
その他の回路 

12 

 7.0〜13.0 

 7.0〜15.0 

10.0〜15.0 

24 

14.0〜26.0 

14.0〜30.0 

20.0〜30.0 

6. 試験方法 

6.1 

作動確認試験 スイッチに電源及び所定の負荷を接続し,表2の試験電圧を負荷の端子間に加えた

状態で,スイッチを操作して確実に負荷が作動することを調べる。 

6.2 

端子間電圧降下試験 スイッチに所定の負荷を接続して一定の電流が流れるように通電し,スイッ

チを作動させたとき,作動する接点端子間の電圧降下を測定する。 

6.3 

絶縁耐力試験 スイッチの絶縁耐力を,次の方法によって試験する。 

(1) 絶縁抵抗試験 絶縁された外枠と端子との間,及び非導通の各端子間の絶縁抵抗を,JIS C 1302に規

定する500V絶縁抵抗計を用いて測定する。 

(2) 耐電圧試験 絶縁された外枠と端子との間及び非導通の各端子間に,50Hz又は60Hzで500Vの交流

電圧を1分間加え,異常の有無を調べる。 

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6.4 

耐温度性試験 スイッチの温度特性を,次の方法によって試験する。 

(1) 高温及び低温放置試験 スイッチを恒温槽内に正規の使用状態で取り付け,表3に示す条件によって

恒温槽内に放置した後,取り出して常温に戻してから6.1〜6.3の試験を行う。 

表3 高温及び低温放置試験 

装着位置の区分 

高温放置試験(2) 

低温放置試験(3) 

温度 θH 

℃ 

時間 

温度 θC 

℃ 

時間 

E1 

120 [130] 

96 

−30 (−40) 

96 

E2, E3, E4 

100 [120] 

E5, C2, C5 

 90 [100] 

E6 

110 [120] 

C1, C3, C4, C6, 
C7, C8, C9, B1 

 80 [ 80] 

注(2) [ ] 内の温度は,高温地向けのスイッチについて特殊

温度条件を設定する必要がある場合に用いる。 

(3) ( ) 内の温度は,寒冷地向けのスイッチについて特殊

温度条件を設定する必要がある場合に用いる。 

(2) 高温及び低温作動試験 スイッチを恒温槽内に正規の使用状態で取り付け,表4に示す温度θH及びθc

に安定させ,その状態で所定の時間,回数及び負荷で連続作動させて,異常の有無を調べる。 

なお,温度以外の試験条件は,個別規格の規定による。 

表4 高温作動及び低温作動の試験温度 

単位 ℃ 

装着位置の区分 

高温作動試験

温度 θH(2) 

低温作動試験

温度 θC(3) 

E1, E6 

110 [120] 

−10 (−30) 

E2 

100 [100] 

−20 (−30) 

E3, E4 

 80 [120] 

−20 (−30) 

E5, C1, C2, C3, 
C4, C5, C6, C7, 
C8, C9, B1 

 60 [ 80] 

−20 (−30) 

(3) 温湿度サイクル試験 スイッチを恒温槽内に正規の使用状態で取り付け,図2に示す24時間の温湿度

変化を1サイクルとして,5サイクル以上の温湿度変化を加える。その後,常温に戻してから6.1〜6.3

の試験を行う。 

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図2 温湿度サイクル試験 

(4) 熱衝撃試験 スイッチを恒温槽内に正規の使用状態で取り付け,図3に示す温度変化を1サイクルと

して,3サイクル以上の温度変化を加える。その後,常温常湿に1時間放置してから,6.1〜6.3の試験

を行う。高温時の試験時間θH及び低温時の試験時間θcは,スイッチの大きさ(質量)に応じて,200g

未満のものは1時間,200g以上のものは2時間とする。 

図3 熱衝撃試験の温度サイクル 

備考 t0からt1までを1サイクルとする。 

6.5 

耐湿及び耐水試験 スイッチが耐湿性又は耐水性を必要とする場合には,正規の使用状態に取り付

け,表5に示すJIS D 0203の耐湿試験又は耐水試験を行った後,常温常湿に24時間放置してから,6.1〜

6.3の試験を行う。 

特に必要とする場合は,電源端子とアース端子との間に表2の電圧を加えて試験してもよい。 

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表5 耐湿及び耐水試験条件 

装着位置の区分 

耐湿試験 

(JIS D 0203の) 

耐水試験 

(JIS D 0203の) 

E1 

M2 

R2 

E3, E5 

S1又はS2 

E4, E6 

R1又はR2 

C7, C8, B1, E2 

M1 
又はM2 

R1又はR2 

C1, C2, C3, C4, 
C5, C6, C9 

− 

6.6 

耐じん試験 スイッチが耐じん性を必要とする場合には,JIS D 0207の耐じん試験装置内に正規の

使用状態に取り付け,表6に示す条件で試験を行った後,スイッチ表面のじんあいをふ(拭)き取ってか

ら,6.1〜6.3の試験を行う。 

表6 耐じん試験条件 

装着位置の区分 

耐じん試験条件 

試験用ダストの種類 

E1〜E6 

JIS D 0207のF2 

JIS Z 8901の8種 

C1〜C9 
B1 

JIS D 0207のF3 

6.7 

塩水噴霧試験 スイッチが耐塩水性を必要とする場合には,塩水噴霧試験装置に正規の使用状態に

取り付け,JIS Z 2371に規定する方法で48時間の試験を行う。その後,水道水で表面を洗ってから24時

間放置し,6.1〜6.3の試験を行う。 

なお,塩水噴霧中は,スイッチに電源及び負荷は接続しない。 

6.8 

耐振試験 スイッチを正規の使用状態で振動試験機に取り付け,表7に示すJIS D 1601の5.2(振動

機能試験方法)又は5.3(振動耐久試験方法)の試験を行う。その後,6.1の試験を行い,また,異常の有

無を調べる。 

表7 振動試験の振動加速度 

装着位置の区分 

自動車の種類 

振動機能試験
の振動加速度 

振動耐久試験
の振動加速度 

E1 

ガソリン車 

段階7 

段階9 

ディーゼル車 

段階9 

段階15 

E2, E3 

乗用車系(4) 

段階7 

段階7 

トラック系(5) 

段階9 

段階9 

E4, E5, E6 

乗用車系(4) 

段階4 

段階4 

トラック系(5) 

段階7 

段階7 

C1〜C9 
B1 

乗用車系(4) 

トラック系(5) 

段階4 

段階4 

注(4) 乗用車,バス及び積載質量4 000kg以下のトラック。 

(5) 乗用車系以外の自動車をいう。 

6.9 

落下衝撃試験 スイッチを,0.5m又は1.0mの高さから平らなコンクリート床面に自由落下させた

後,6.1の試験を行い,また,外観などの異常の有無を調べる。 

なお,落下試験高さの選択,落下衝撃面の向き及び試験回数は,個別規格の規定による。 

6.10 構造強度試験 スイッチの各部の構造強度を,次の方法によって試験する。 

(1) 操作部の強さ スイッチを正規の使用状態に取り付け,操作部に表8の荷重を1分間加えた後,6.1

の試験を行い,また,外観などの異常の有無を調べる。 

(2) 端子部の強さ スイッチを正規の使用状態に取り付け,各端子部に80Nの荷重を1分間,端子の接続

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

方向に加えた後,6.1の試験を行い,また,外観などの異常の有無を調べる。ただし,リード線付きの

ものは,リード線の接続方向に引っ張る。 

(3) 取付部の強さ スイッチを正規の使用状態に取り付け,スイッチの外枠先端部に表9の荷重を1分間,

スイッチの軸線と直角方向に加えた後,6.1の試験を行い,また,外観などの異常の有無を調べる。 

表8 操作部の試験荷重 

装着位置

の区分 

荷重方向 

操作する方向 

操作に直角の方向 

E1〜E6 

80N又は 
トルク0.80N・m 

80N 

C1〜C9 

80N又は 
トルク0.80N・m 

50N 

B1 

80N 

50N 

表9 取付部の試験荷重 

装着位置の区分 

試験荷重 

E1〜E6 

100N 

C1〜C9 
B1 

 50N 

6.11 表示部耐はく(剥)離性試験 スイッチの操作部に塗装又は印刷による表示があるものは,JIS K 5400

に規定する8.4(鉛筆引っかき値)及び8.5.2(碁盤目テープ法)の試験を行い,操作部の表示のはがれな

どの程度を調べる。 

6.12 操作部耐候性試験 スイッチを正規の使用状態に取り付け,表10に示す環境に放置した後,操作部

の外観などの異常の有無を調べる。 

表10 耐候性試験 

項目 

条件 

温度,湿度 

83±3℃,50〜60% 

試験装置 

JIS D 0205の促進耐光性試験 (WAL-1S) サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機 

照射時間 

200時間 

D 0208-1993  

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JIS D 0208改正原案作成委員会 構成表(順不同,敬省略) 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 清 水 健 一 

工業技術院機械技術研究所 

(幹事) 

○ 中 野 雅 光 

ナイルス部品株式会社 

(幹事) 

○ 河 村 祥太郎 

アンデン株式会社 

林   洋 和 

通商産業省機械情報産業局 

○ 山 村 修 蔵 

工業技術院標準部 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

○ 浅 沼   勲 

日産自動車株式会社 

村 田 容 一 

トヨタ自動車株式会社 

川 崎 秀 則 

ダイハツ工業株式会社 

雨 海 正 勝 

いすゞ自動車株式会社 

冨 谷 直 充 

三菱自動車工業株式会社 

田 中   光 

株式会社本田技術研究所 

杉 田 昌 夫 

富士重工業株式会社 

○ 長谷川   保 

株式会社三ッ葉電機製作所 

○ 小 磯 文 三 

自動車電機工業株式会社 

○ 服 部 政 一 

株式会社東海理化電機製作所 

○ 平 井 一 夫 

丸子警報器株式会社 

○ 城 下   毅 

株式会社今仙電機製作所 

○ 旅 川   実 

メトロ電装株式会社 

○ 村 岡 良 三 

社団法人日本自動車部品工業会 

(専門委員) 

中 込 常 雄 

日本工業標準調査会自動車航空部会規格調整専門委員会 

(関係者) 

笹 尾 照 夫 

工業技術院標準部 

渡 辺 健 司 

日産自動車株式会社 

梅 田 幸 彦 

トヨタ自動車株式会社 

川 井 浩 史 

三菱自動車工業株式会社 

室 岡 冨 夫 

ナイルス部品株式会社 

金 子   昇 

自動車電機工業株式会社 

(事務局) 

中 田 八 重 

社団法人日本自動車部品工業会 

備考 ○印は小委員会委員