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D 0116-5:2008  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 用語及び定義 ··················································································································· 2 

附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 4 

D 0116-5:2008  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人自動車技

術会(JSAE)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会

の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS D 0116-5:2001は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

JIS D 0116の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS D 0116-1 第1部:燃料噴射ポンプ 

JIS D 0116-2 第2部:燃料インジェクタ 

JIS D 0116-3 第3部:ユニットインジェクタ 

JIS D 0116-4 第4部:高圧管及び結合端部 

JIS D 0116-5 第5部:コモンレール燃料噴射システム 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 0116-5:2008 

ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語− 

第5部:コモンレール燃料噴射システム 

Diesel engines-Vocabulary of fuel injection equipment- 

Part 5: Common rail fuel injection system 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 7876-5を基に,対応する部分については対応国

際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,その後に広く用いら

れるようになった関連用語を利用するため,対応国際規格には規定されていない用語及び定義を日本工

業規格として追加している。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更

の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,ディーゼル(圧縮着火)機関用コモンレール燃料噴射システム及びその構成部品に関す

る,用語(以下,用語という。)及び定義について規定する。 

なお,この規格で規定する用語に“燃料”という用語が含まれる場合には,誤解を生じなければ,実

際の使用に当たって“燃料”を省略してもよい。 

注記1 この規格の定義は,コモンレール燃料噴射システムに固有のものであり,それ以外の燃料

噴射システムに一般的である用語は,この規格群の他の部に規定する。 

注記2 この規格で定義した用語を,別の用語の定義で用いる場合は,項目番号を付けて斜体で示

した。 

注記3 用語及び対応英語の欄で,丸括弧で記載したものは,省略形である。 

注記4 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

 ISO 7876-5:2004,Fuel injection equipment−Vocabulary−Part 5: Common rail fuel injection 

system(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正しているこ

とを示す。 

background image

D 0116-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2.1 

コモンレール (CR) 

燃料噴射システム, 

コモンレールシステム

(CRS) 

個々のインジェクタに常時高圧に保たれた燃料を供給し
たり,高圧燃料回路に生じる圧力波動を減衰させるよう
な,独特の高圧構成部品[レール(2.8)]をもつことを特
徴とする高圧燃料噴射システム。 
注記 CR燃料噴射システムの特徴を,次に示す。 

a)  レール圧力は,機関回転速度及び負荷条件から

独立して電子制御することが可能である。 

b)  噴射開始と終了とは,CRインジェクタ(2.5)

の電子制御弁が制御する。 

c)  噴射のためのエネルギは,レール(2.8)を介し

て高圧の燃料によって供給される。 

d)  噴射する燃料は,レール(2.8)から直接送られ

る。 

common rail (CR) fuel 

injection system, 

common rail system 

(CRS) 

2.2 

燃料供給ポンプ 

燃料タンクから燃料を,一つ又は幾つかのフィルタを経由
して,高圧生成部品に送出する低圧ポンプ。 

fuel feed pump 

2.3 

高圧サプライポンプ 

必要量又は必要最高圧力の燃料を供給可能な,機械的に駆
動されるポンプ(ギアポンプ,ピストンポンプなど)。 
注記 このポンプは,レール(2.8)への燃料供給量を調節

する部品を備えていてもよい。 

high-pressure supply 

pump 

2.4 

予圧ポンプ 

高圧サプライポンプ(2.3)に内蔵されて,それと同一軸で

駆動されて予圧した燃料を高圧サプライポンプ(2.3)に送
出するポンプ(例えば,ベーンポンプ又はギアポンプ)。 

internal transfer pump 

2.5 

CR燃料インジェクタ 

通常の燃料インジェクタの特徴の他に,噴射の開始及び終
了を制御する機構,例えば,電磁弁又はピエゾ駆動弁を付
加した燃料インジェクタ。 
注記1 CRインジェクタは,噴射圧力に対する圧力増幅器

を含んでいてもよいし,含んでいなくてもよい。
増幅器は,高圧化された燃料によって駆動される。 

注記2 通常の燃料インジェクタの定義に関しては,JIS  

D 0116-2を参照。 

CR fuel injector 

2.6 

圧力制御弁 

レール(2.8)内の燃料圧力を機関回転速度及び負荷条件に

よって要求される圧力に制御する,高圧燃料回路中の電気
的作動の逃がし弁。 

pressure control valve 

2.7 

吐出量制御弁 

機関回転速度及び負荷条件に応じて電子制御ユニット
(2.13)から出される要求に基づき,高圧サプライポンプ
(2.3)の燃料供給量を制御する弁。 

volumetric control 

valve 

2.8 

レール 

次の二つの機能を備えた高圧燃料貯蔵室。 
a) 高圧燃料をCRインジェクタ(2.5)に供給する。 
b) 個々の噴射によって発生する高圧燃料回路内の圧力振

動波を低減する。 
注記 レールは,機関に取り付ける独立した部品(例

えば,管状の部品)として製造するものでも,
シリンダヘッド内の通路でもよい。 

rail 

2.9 

フローリミッタ 

レール(2.8)と個々のCRインジェクタ(2.5)との間に配

置され,最大許容流量を超えた場合に高圧燃料管への燃料
流れを遮断する部品。 

flow limiter 

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D 0116-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.10 

フローダンパ 

レール(2.8)と個々のCRインジェクタ(2.5)との間に配

置され,個々の噴射によって高圧燃料管内に発生する燃料
圧力振動波を低減する部品。 
注記 このダンパは,フローリミッタ(2.9)のように機能

してもよい。 

flow damper 

2.11 

(CR) 圧力センサ 

レール(2.8)内圧力を測定し,圧力値に応じた電気信号を
電子制御ユニット(2.13)に供給するセンサ。 

(CR) pressure sensor 

2.12 

圧力制限弁 

作動圧力を最大許容値以下に制限する安全弁。 

pressure limiter 

2.13 

電子制御ユニット 

機関回転速度,負荷条件及び他の機関運転条件(空気温度,
冷却液温度,ブースト圧力など)によって,CRインジェ

クタ(2.5)及び他の制御弁,例えば吐出量制御弁(2.7)

又は圧力制御弁(2.6)を作動させる,演算機能を含む電子
回路装置。 

electronic control unit 

2.14 

入口絞り機構, 
入口流量制御弁 

レール(2.8)に供給される高圧燃料量を制御するために,
高圧サプライポンプ(2.3)の入口燃料流量を絞る装置。 

inlet throttling device,  
inlet flow control valve 

2.15 

多段噴射, 
マルチ噴射 

制御された状態で1サイクル中に複数回行われる燃料噴
射。 

multiple injection 

2.16 

主噴射, 
メイン噴射 

多段噴射(2.15)において,ピストンを押し下げる力を発

生させるための燃焼に最も寄与している噴射。 

main injection 

2.17 

前噴射, 
プリ噴射, 
パイロット噴射 

主噴射(2.16)の前に,制御された状態で行われる少量の

燃料噴射。前噴射と主噴射(2.16)との間には,噴射して
いない時間が明確に存在する。 

pre injection, 
pilot injection 

2.18 

後噴射, 
ポスト噴射, 
アフター噴射 

主噴射(2.16)の後に,再度,制御された状態で行われる

燃料噴射。主噴射(2.16)と後噴射との間には,噴射して
いない時間が明確に存在する。 

post injection, 
after injection 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS D 0116-5:2008 ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語−第5部:コモ
ンレール燃料噴射システム 

ISO 7876-5:2004,Fuel injection equipment−Vocabulary−Part 5: Common rail fuel injection 
system 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異の理由及び今
後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条
番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

2.1 コモン
レール(CR)
燃料噴射 
システム
(CRS) 

用語として,”コモンレ
ール燃料噴射システ
ム”及び”コモンレー
ルシステム”を定義。 

2.1 
 

“コモンレール燃
料噴射システム”
だけを定義。 

追加 
 

“コモンレールシステ
ム”の定義を追加した。 

コモンレール燃料噴射システムの採用拡大に伴
い,“コモンレールシステム”という表現が一般的
に用いられるようになったので,JISで追加規定し
た。ISOにも追加規定を提案する。 

2.15 多段
噴射 

多段噴射,マルチ噴射
を定義。 

− 

− 

追加 

用語及びその定義を追加
した。 

広く用いられるようになった技術を表す語を用語
として追加した。ISOにも用語の追加を提案する。 

2.16 主噴
射 

主噴射,メイン噴射を
定義。 

− 

− 

追加 

用語及びその定義を追加
した。 

広く用いられるようになった技術を表す語を用語
として追加した。ISOにも用語の追加を提案する。 

2.17 前噴
射 

前噴射,プリ噴射,パ
イロット噴射を定義。 

− 

− 

追加 

用語及びその定義を追加
した。 

広く用いられるようになった技術を表す語を用語
として追加した。ISOにも用語の追加を提案する。 

2.18 後噴
射 

後噴射,ポスト噴射,
アフター噴射を定義。 

− 

− 

追加 

用語及びその定義を追加
した。 

広く用いられるようになった技術を表す語を用語
として追加した。ISOにも用語の追加を提案する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7876-5: 2004  MOD 
 
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD…………… 国際規格を修正している。 

3

D

 0

11

6

-5

2

0

0

8

3

D

 0

11

6

-5

0

0

0

0