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D 0113 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 0113 : 2000 

電気自動車用語(電動機・制御装置) 

Glossary of terms relating to electric vehicles 

(Electric motors and controllers) 

序文 この規格は,電気自動車の電動機・制御装置,及びそれに関連する周辺装置・機器(車両,電池及

び充電器に関するものを除く。)に関する用語及びその概念を統一することによって,電気自動車に関して

正確な表現と理解を図ることを目的とする。 

1. 適用範囲 この規格は,電気自動車の電動機・制御装置,及びそれに関連する機器(ただし,車両,

電池及び充電器に関するものを除く。)に関する用語(以下,用語という。)について規定する。ただし,

JIS D 0101(自動車の種類に関する用語)に規定する産業車両用は除く。 

2. 分類 用語は,次のように分類する。 

a) 全般 

1) 全般 

b) 種類 

1) 電動機 

2) 制御装置 

c) 構造・部品 

1) 電動機・制御装置 

2) 周辺装置・機器 

d) 仕様・性能・特性 

1) 仕様 

2) 電動機・制御装置の複合性能・特性 

e) 試験方法 

1) 電動機・制御装置 

2) 周辺装置・機器 

f) 

取扱い方法 

3. 定義 用語及び定義は,次による。 

なお,参考のために慣用語,対応英語を示す。 

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D 0113 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 全般 

1) 全般 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

0001 

走行用電動機 

主として車両を走行させるための駆動
力を発生させる電動機。 

traction motor, 
drive motor 

0002 

作業用電動機 

主として特殊作業をするための電動機。 
(例)ダンプトラック用のダンプ用電動
機。 

working motor 

0003 

補機用電動機 

車両の走行,作業用以外の機能を持つ電
動機。 

auxiliary motor 

b) 種類 

1) 電動機 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

1101 

直流直巻電動機 

直流電動機で主界磁巻線と電機子が直
列に接続されている電動機。 

DC series motor 

1102 

直流分巻電動機 

直流電動機で主界磁巻線と電機子が並
列に接続されている電動機。 

DC shunt motor 

1103 

交流誘導電動機 

交流電動機で固定子(ステータ)及び回
転子(ロータ)に互いに独立した巻線を
もち,一方の巻線から他方の巻線に電磁
誘導作用によって電力を伝え動作する
電動機。 
ロータがステータの電源周波数による
回転磁界と異なる速度で回転する電動
機。 

誘導電動機 

induction motor  
 
 
 
 
asynchronous motor 

1104 

交流同期電動機 

交流電動機で,ロータがその極数とステ
ータの電源周波数で定まる回転磁界と
同期した速度で回転する電動機。 

同期電動機 

synchronous motor 

1105 

永久磁石型同期電
動機 

ロータに鉄心とともに永久磁石を用い
た構造とした同期電動機。 

ブラシレス
DCモータ 

permanent-magnet 

synchronous motor 

1106 

巻線界磁型同期電
動機 

ロータに界磁巻線を施し,スリップリン
グを介して外部に取り出す構造とした
同期電動機。 

wound-field synchronous 

motor 

1107 

リラクタンスモー
タ 

一般的にロータは突極形の鉄心構造で,
突極の位置を検出して,電力変換器によ
って励磁電流を制御し,吸引力の変化で
トルクを得る同期電動機。 

reluctance motor 

2) 制御装置 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

1201 

IGBT(1)インバータ 

直流−交流変換器の主回路素子にIGBT
を用いてインバータとしたもの。 

IGBT inverter 

1202 

トランジスタイン
バータ 

直流−交流変換器の主回路素子にトラ
ンジスタを用いてインバータとしたも
の。 

transistor inverter 

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D 0113 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

1203 

MOSFET(2)インバー
タ 

直流−交流変換器の主回路素子に
MOSFETを用いてインバータとしたも
の。 

MOSFET inverter 

1204 

IGBTチョッパ 

直流−直流変換の主回路素子として
IGBTを用いてチョッパとしたもの。 

IGBT chopper 

1205 

MOSFETチョッパ 

直流−直流変換の主回路素子として
MOS−FETを用いてチョッパとしたも
の。 

MOSFET chopper 

1206 

トランジスタチョ
ッパ 

直流−直流変換の主回路素子としてト
ランジスタを用いてチョッパとしたも
の。 

transistor chopper 

注(1) IGBTは絶縁ゲートバイポーラトランジスタのことでInsulated Gate Bipolar Transistorの略。 

(2) MOSFETはパワーMOSFET,MOS型電界効果パワートランジスタのことでMetal Oxide Semiconductor type Field 

Effect Transistorの略。 

c) 構造・部品 

1) 電動機・制御装置 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2101 

コントローラ 

車両の走行の制御及び車両機器の制御
に用いる装置。 

controller 

2102 

車両コントローラ 

コントローラのうち,車両の制御を行う
装置。 

vehicle controller 

2103 

モータコントロー
ラ 

コントローラのうち,電動機の制御を行
う装置。 

motor controller 

2104 

チョッパ 

直流電源電圧をある周波数で断続し,電
動機に印加する平均電圧を変える変換
器。 

chopper 

2105 

インバータ 

直流電源電圧を交流電圧,電流に変換す
るための変換器。主回路に用いた半導体
の名称と続けて,IGBTインバータ,ト
ランジスタインバータとして用いても
よい。 

inverter 

2106 

コンバータ 

直流から直流,又は交流から直流に変え
るための変換器。DC/DCコンバータ,
整流器など。 

converter又はconvertor 

2) 周辺装置・機器 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2201 

DC/DCコンバータ 

主電池電圧を任意の直流電圧に変換す
る装置。補助電池充電器や灯火器・保安
部品などの電装品の電源として用いる
ための直流電圧変換器。 

DC/DC converter又は

DC/DC convertor 

2202 

ジャンクションボ
ックス 

遮断器,開閉器,ヒューズなどを収納し
た装置。 

junction box 

2203 

冷却系装置 

電動機,制御装置の冷却に用いる装置
で,水冷式ではラジエータ,ファン,ポ
ンプ,タンクなどの総称。 

cooling equipment 

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D 0113 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2204 

活電部 

主電池や電動機,制御装置などの配線に
おいて,人体が衝撃を受ける可能性があ
る電圧,電流をもつ導体部分。 

live part 

d) 仕様・性能・特性 

1) 仕様 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3101 

型式 

a) 車両の届け出のため,走行用電動機

に刻印する型式。 

b) 一般機器に,製造業者が銘板に表示

する形式。 

形式 

type 

3102 

定格値 

製造業者が決める電動機又は制御装置,
機器に対し持続時間,シーケンス及び使
用負荷条件を考慮して示した数値。 

rated value 

3103 

短時間定格 

製造業者が決める電動機又は制御装置,
機器に対し短時間に使用できる出力。 

short time rating 

3104 

繰り返し断続負荷 

電動機が繰り返し許容できるパターン
運転(典型的都市内運転パターンなど)
の負荷。 

intermittent duty rating 

3105 

定格電圧 

定格運転時の電動機又は制御装置,機器
の端子間電圧。 

rated voltage 

3106 

定格速度 

製造業者が保証する電動機等の機械の
回転速度。 

rated speed 

3107 

モータ/コントロ
ーラの電力定格 

電動機運転時考慮すべきコントローラ
との組合せ定格。 

power rating of 

motor/controller 

3108 

最大動作電圧 

機器が通常動作に耐え得る最大電圧。 

maximum operating voltage 

3109 

最低動作電圧 

機器が通常動作に耐え得る最低電圧。 

minimum operating voltage 

3110 

電圧制御方式 

チョッパ,PWMなど電源電圧を断続し
て電圧を基準に制御する方式。 

voltage control method 

3111 

電流制御方式 

電流フィードバック制御や電流源利用
による制御など電流基準に制御する方
式。 

current control method 

3112 

周波数制御方式 

誘導電動機のすべり周波数制御など周
波数を制御する方式。 

frequency control method 

3113 

ベクトル制御 

交流電動機の電圧,電流をベクトル量と
して扱い直流電動機と同様に励磁電流
とトルク相当分電流をそれぞれ独立に
制御することによって,高い応答性を得
る制御方式。 

vector control 

3114 

PWM制御 

直流電圧から交流電圧を発生させるイ
ンバータに用いられる方法で,パルス幅
変調 (PWM) (3)によって電圧を制御す
る方式。 

PWM control 

3115 

トルク制御 

指令をトルク基準で制御すること。 

torque control 

3116 

速度制御 

指令を速度基準で制御すること。 

speed control 

3117 

力行制御 
(りっこうせいぎょ) 

駆動するための制御。 

power running control 

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D 0113 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3118 

回生制動制御 

走行中における車両の慣性エネルギー
を電気エネルギーに変換し,主電池にエ
ネルギーを回収しながら制動力を得る
制御。 

regenerative braking control 

3119 

過回転速度抑制制
御 

電動機が過回転とならないように界磁
又は周波数を制御すること。 

over revolution holding 

control 

3120 

弱め界磁制御 

直流機,交流機ともに用いられ,速度−
トルク運転領域の高速度領域で界磁を
弱める制御。 

field weakening control 

3121 

弱め磁束制御 

交流機の場合に,弱め界磁制御に代わっ
て用いられるもの。 

flux weakening control 

注(3) Pulse Width Modulation 

2) 電動機・制御装置の複合性能・特性 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3201 

連続出力特性 

電動機の各回転速度において,附属冷却
装置による上限の冷却性能で,電動機及
び制御装置の許容温度範囲で連続運転
可能な負荷を選択して得た最大出力特
性。 

continuous output 

characteristic 

3202 

短時間出力特性 

電動機の各回転速度において,室温状態
から開始し,規定時間内で電動機及び制
御装置の許容温度範囲で連続運転可能
な負荷を選択して得た出力特性。 

short time output 

characteristic 

3203 

組合せ総合効率 

電動機の軸出力を制御装置の入力で除
した値に100%をかけた値 

combination efficiency of 

motor and controller 

e) 試験方法 

1) 電動機・制御装置 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4101 

電動機の車載出力
試験方法 

車両仕様の冷却装置を使用し,装置の最
大冷却能力運転下で,0回転から最高回
転数までの出力特性を求める電動機の
出力試験方法。 

power measurement of 

electric motors equivalent 
to on-board state  

4102 

電動機・制御装置組
合せ出力試験方法 

電気自動車用として,電源接続条件,冷
却条件を車載条件に極力準じて,連続出
力特性と短時間出力特性を得る試験方
法。 

combined power 

measurement of electric 
motors and controllers 

2) 周辺装置・機器 今回は該当用語なし。 

f) 

取扱い方法 今回は該当用語なし。 

D 0113 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

“電気自動車エネルギー効率測定方法等の標準化に関する調査研究”調査推進本委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

藤 中 正 治 

東京電機大学 

(委員) 

大 道 正 夫 

通商産業省機械情報産業局自動車課 

穐 山 貞 治 

工業技術院標準部 

清 水 健 一 

工業技術院機械技術研究所 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

高 倉   毅 

財団法人エネルギー総合工学研究所 

若 狭 良 治 

コープ低公害車開発株式会社 

加 藤 武 彦 

株式会社インターリンク 

須賀井 直 哉 

東京電力株式会社 

坂 田   潔 

株式会社インタロック 

山 崎 清 美 

九州電力株式会社 

伊 藤 勝 利 

社団法人日本自動車工業会 

高 野 敏 夫 

社団法人日本自動車技術会 

森 本 良 幸 

社団法人電池工業会 

宮 崎 俊 一 

ダイハツ工業株式会社 

伊 原 文 明 

富士通電装株式会社 

(事務局) 

藤 崎   耿 

財団法人日本電動車両協会 

伊 東 重 行 

財団法人日本電動車両協会 

D 0113 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

財団法人日本電動車両協会標準化部会 構成表 

氏名 

所属(部会長) 

(部会長) 

清 水 健 一 

工業技術院機械技術研究所 

(副部会長) 

関 森 俊 幸 

トヨタ自動車株式会社 

須賀井 直 哉 

東京電力株式会社 

(委員) 

穐 山 貞 治 

工業技術院標準部 

橋 爪 邦 隆 

工業技術院標準部 

高 野 敏 夫 

社団法人日本自動車技術会 

小 林 正 次 

いすヾ自動車株式会社 

知 久 孝 弘 

スズキ株式会社 

宮 崎 俊 一 

ダイハツ工業株式会社 

吹 野 真 人 

日産自動車株式会社 

山 田   淳 

日産ディーゼル工業株式会社 

小 池 哲 夫 

日野自動車工業株式会社 

佐 藤 信 夫 

富士重工業株式会社 

秋 元 三 夫 

本田技研工業株式会社 

柏 木 章 宏 

マツダ株式会社 

篠 原 正 信 

三菱自動車工業株式会社 

宮 尾 博 保 

ヤマハ発動機株式会社 

橋 詰 正 三 

関西電力株式会社 

山 崎 清 美 

九州電力株式会社 

内 田 昭 司 

株式会社日立製作所 

森 川 正 美 

株式会社デンソー 

中 島   明 

株式会社明電舎 

籔 本 俊 昭 

古河電池株式会社 

高 田 寛 治 

松下電池工業株式会社 

築 山 直 史 

株式会社豊田自動織機製作所 

佐 野   隆 

日本輸送機株式会社 

伊 原 文 明 

富士通電装株式会社 

(オブザーバ) 

柵 木 明 夫 

工業技術院標準部 

(事務局) 

藤 崎   耿 

財団法人日本電動車両協会 

伊 東 重 行 

財団法人日本電動車両協会 

D 0113 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

財団法人日本電動車両協会標準化部会EV車両分科会 構成表 

氏名 

所属 

(分科会長) 

宮 崎 俊 一 

ダイハツ工業株式会社 

(副分科会長) 

小 椋 正 己 

株式会社本田技術研究所 

中 島   明 

株式会社明電舎 

籔 本 俊 昭 

古河電池株式会社 

(委員) 

清 水 健 一 

工業技術院機械技術研究所 

蕪 山 義 智 

いすヾ自動車株式会社 

大 橋 邦 彦 

スズキ株式会社 

渡 辺 勝 則 

トヨタ自動車株式会社 

田 原 雅 彦 

日産自動車株式会社 

山 田   淳 

日産ディーゼル工業株式会社 

廣 瀬 健 二 

富士重工業株式会社 

冨 田 幸 臣 

マツダ株式会社 

武 田 信 章 

三菱自動車工業株式会社 

武 智 裕 章 

ヤマハ発動機株式会社 

下 河 義 秀 

九州電力株式会社 

山 村 博 久 

株式会社日立製作所 

大 林 和 良 

株式会社デンソー 

石 田 和 久 

日本輸送機株式会社 

松 尾 武 司 

フォード自動車(日本)株式会社 

伊 原 文 明 

富士通電装株式会社 

渡 邉 邦 彦 

住友電気工業株式会社 

(事務局) 

藤 崎   耿 

財団法人日本電動車両協会 

伊 東 重 行 

財団法人日本電動車両協会 

自動車専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

佐 藤   武 

慶應義塾大学名誉教授 

(委員) 

石 丸 典 生 

社団法人日本自動車部品工業会 

大 山 尚 武 

工業技術院機械技術研究所 

澤 田   勉 

社団法人自動車技術会 

荒 井 正 吾 

運輸省自動車交通局 

穐 山 貞 治 

工業技術院標準部 

射 場 祥 夫 

財団法人日本自動車研究所 

瀬 尾 宏 介 

国民生活センター 

山 本   辿 

早稲田大学 

日下部 明 昭 

社団法人日本自動車連盟 

森 部 幸 男 

社団法人日本自動車整備振興連合会 

樋 口 世喜夫 

日産自動車株式会社 

古 谷 國 貴 

株式会社本田技術研究所栃木研究所 

森     守 

トヨタ自動車株式会社 

大 道 正 道 

通商産業省機械情報産業局 

小 林   栄 

日本自動車輸入組合 

下 田 邦 夫 

社団法人全日本トラック協会 

佐々木 要 助 

株式会社曙ブレーキ中央技術研究所 

(事務局) 

池 川 澄 夫 

工業技術院標準部標準業務課