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D 0106:2011  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 分類······························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 29 

D 0106:2011  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人自動車技

術会(JSAE)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS D 0106:2005は改正さ

れ,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 0106:2011 

自動車−ブレーキ用語−種類,力学及び現象 

Road vehicles-Brake types,  

braking mechanics and brake operation-Vocabulary 

序文 

この規格は,2003年に第4版として発行されたISO 611を基に,対応する用語については対応国際規格

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格であるが,2005年以降の最新化を織り込むため,

対応国際規格に規定されていない用語を日本工業規格として追加している。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している,又は対応国

際規格にない事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,自動車に用いるブレーキの種類,力学及び現象に関する用語について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 611:2003,Road vehicles−Braking of automotive vehicles and their trailers−Vocabulary(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

分類 

用語の分類は,次による。 

a) 種類に関する用語 

1) ブレーキ系 

2) ブレーキ装置 

2.1) 全般 

2.2) 用途による分類 

2.3) エネルギー源による分類 

2.4) 制御方式による分類 

2.5) 伝達媒体による分類 

2.6) 接続方式による分類 

2.7) 取付位置による分類 

3) ブレーキ機構及び要素 

3.1) ブレーキ機構 

3.2) 摩擦ブレーキ 

3.3) ドラムブレーキ 

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D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.4) ディスクブレーキ 

3.5) その他のブレーキ機構 

3.6) 制動力配分に関する装置 

3.7) 摩擦ブレーキコンポーネント 

4) ブレーキ系の構成要素 

4.1) 自動制御装置全般 

4.2) ABS 

4.3) 車両の安定性を向上させる装置・機能 

4.4) BAS 

4.5) その他の自動制御装置・機能 

4.6) センサ 

4.7) 連結車のブレーキシステムに関するもの 

4.8) リターダに関するもの 

4.9) 警報装置に関するもの 

b) 力学及び現象に関する用語 

1) 動作及び車両性能に関するもの 

2) 力学及び圧力に関するもの 

3) 時間に関するもの 

4) 距離に関するもの 

5) 速度及び加速度に関するもの 

6) 仕事に関するもの 

7) 性能に関するもの 

8) 一般的な現象に関するもの 

9) 摩擦材,ドラム及びディスクの表面の現象に関するもの 

10) 摩擦材の試験に関するもの 

11) 自動車の運動に関するもの 

用語及び定義 

用語及び定義は,次による。 

注記1 用語の一部に,丸括弧“( )”を付けてあるものは,この丸括弧の中の用字を含めた用語と,

丸括弧の中の用字を省略した用語との二通りの用語を用いてよいことを示しているが,丸括

弧の中の用字を含めた用語を優先する。 

注記2 参考のために,用語に対応する慣用語及び対応英語を示す。また,対応英語の中で太字で示

したものは,ISO 611に規定してある用語である。 

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D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 種類に関する用語 

1) ブレーキ系 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

1000 

ブレーキ系 

自動車に装備するブレーキ装置及びリターダの
総称。 

ブレーキシ

ステム 

braking system 

2) ブレーキ装置 

2.1) 全般 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2000 

ブレーキ装置 

自動車の車速を制御(通常は減速),停止,又は
ある位置に保持するために使用する一連の機
構。 

ブレーキ, 
制動装置 

braking 

equipment,  

braking device 

2001 

エネルギー供給装置 制動に必要なエネルギーを供給,調節する装置。  

energy-supplying 

device 

2002 

エネルギーソース 

エネルギー供給装置のエネルギーを発生させる
部分。 
注記 例えば,トレーラのエアブレーキ系のよう

に自動車から離れて配置してあってもよ
く,また,力であってもよい。 

energy source 

2003 

制御装置 

ブレーキ系の作動を開始し,かつ,出力を制御
する装置。 

control device 

2004 

伝達装置 

制御装置によって分配されたエネルギーを伝達
する装置。 

transmission 

device 

2005 

ブレーキ回路 

制動力を発生させるエネルギーを,全体又は部
分的に伝達又は制御するブレーキ系の伝達部
分。 

circuit 

2006 

アクチュエーション

機構 

ブレーキ動作部品を結ぶ伝達装置の全ての機構
部品。 

actuation 

mechanism 

2.2) 用途による分類 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2101 

常用ブレーキ 

自動車を減速及び停止するために,通常使用す
る主要なブレーキ装置。 

フットブレ

ーキ, 

主ブレー

キ, 

サービスブ

レーキ 

service braking  

system 

2102 

二次ブレーキ 

常用ブレーキの一部故障状態のとき自動車を減
速及び停止するために使用するブレーキ装置,
又は非常用として特に備えたブレーキ装置。 

非常ブレー

キ 

secondary braking  

system 

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D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2103 

パーキングブレーキ 自動車を停止の状態に機械的に保持するために

使用するブレーキ装置。坂路でも,運転者が不
在でも能力を発揮する。 
注記 制御方式として,手動式,足動式及び電動

式がある。ブレーキ装置の取付位置とし
て,ホイールパーキング式とセンタブレー
キ式とがある。 

サイドブレ

ーキ 

parking braking  

system 

2104 

補助ブレーキ 

摩擦ブレーキを使用せずに,自動車を減速又は
長い下り坂を安定した速度で走行するために,
使用するブレーキ装置。リターダを含む。 

endurance 

braking system,  

additional retarding  

braking system 

2105 

独立形補助ブレーキ

(の制御装置) 

常用ブレーキから独立して制御される補助ブレ
ーキの制御装置。 

independent 

control device 

2106 

統合形補助ブレーキ

(の制御装置) 

常用ブレーキと同時又は適切な位相で作動する
補助ブレーキの制御装置。 

integrated control  

device 

2.3) エネルギー源による分類 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2201 

人力ブレーキ 

運転者の力だけで制動力を発生させる装置。 

muscular energy  

braking system 

2202 

非人力エネルギーブ

レーキ 

制動力を発生させるのに必要なエネルギーが,
運転者の力以外の一つ以上のエネルギー供給装
置によって供給されるブレーキ装置。 

non-muscular 

energy braking 
system,  

full-power 

braking system 

2203 

フルエアブレーキ 

エアタンクに蓄えられた圧縮空気によって作動
する非人力エネルギーブレーキ。 

空気ブレー

キ 

full-air braking  

system,  

air brake 

2204 

フルパワーハイドロ

リックブレーキ 

アキュムレータに蓄えられた液圧,又は循環す
る液の流れを制限することによって作動する非
人力エネルギーブレーキ。 

full-power 

hydraulic 
braking system,  

hydraulic power  

brake 

2205 

エネルギーアシステ

ッドブレーキ 

制動力を発生させるのに必要なエネルギーが,
運転者の力及び一つ以上のエネルギー供給装置
によって供給されるブレーキ装置。 

energy-assisted 

braking system,  

power-assisted 

braking system 

2206 

バキュームアシステ

ッドブレーキ 

負圧によって,制動時の人力を軽減するエネル
ギーアシステッドブレーキ。 

真空倍力ブ

レーキ 

vacuum-assisted 

braking system,  

vacuum servo  

brake 

2207 

エアアシステッドブ

レーキ 

エアタンクに蓄えられた圧縮空気によって,制
動時の人力を軽減するエネルギーアシステッド
ブレーキ。 

空気倍力ブ

レーキ 

compressed 

air-assisted 
braking system,  

air servo brake 

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D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2208 

ハイドロリックアシ

ステッドブレーキ 

アキュムレータに蓄えられた液圧,又は循環す
る液の流れを制限することによって発生する液
圧で,制動時の人力を軽減するエネルギーアシ
ステッドブレーキ。 

hydraulic-assisted 

braking system,  

hydraulic servo  

brake 

2209 

スプリングブレーキ 制動力を発生させるのに必要なエネルギーが,

エネルギーアキュムレータのように働く一つ以
上のばねによって供給されるブレーキ装置。 

spring braking  

system 

2210 

電気ブレーキ 

電気的エネルギーによって作動するブレーキ。 

electric brake 

2.4) 制御方式による分類 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2301 

可調ブレーキ 

運転者が制御装置を操作することによって,制
動力を十分に細かく,増加又は減少できるブレ
ーキ装置。 

graduated braking 

2302 

フットブレーキ 

運転者が足で操作するブレーキ装置。 

foot brake 

2303 

ハンドブレーキ 

運転者が手で操作するブレーキ装置。 

hand brake 

2304 

慣性ブレーキ 

連結中のトレーラが,トラクタに接近すること
によって生じた推力によって,制動力を発生さ
せるブレーキ装置。 

イナーシャ

ブレーキ 

inertia braking  

system 

2305 

電子制御ブレーキ装

置, 

EBS 

制動力を発生させる装置を電気信号によって制
御するブレーキ装置。 

electronic braking  

system 

2.5) 伝達媒体による分類 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2401 

メカニカルブレー

キ 

作動力の伝達が,レバー,ロッド,ケーブルな
どの機械的部品によって行われるブレーキ装
置。 

mechanical 

braking system 

2402 

ハイドロリックブ

レーキ 

作動力の伝達が,液圧によって行われるブレー
キ装置。 

オイルブレ

ーキ 

hydraulic braking 

system 

2403 

エアブレーキ 

作動力の伝達が,空気圧によって行われるブレ
ーキ装置。 
注記 圧縮空気式ブレーキ及び真空式ブレーキ

がある。 

pneumatic 

braking system 

2404 

エアオーバハイド

ロリックブレー
キ 

作動力の伝達が,空気圧から倍力装置を介して
液圧に変換され,その液圧によって制動するブ
レーキ装置。 

複合ブレー

キ 

air-over-hydraulic 

braking system 

2.6) 接続方式による分類 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2501 

シングルサーキッ

トブレーキ 

作動力が1系統の伝達装置を介して伝達される
ブレーキ装置。 

single-circuit 

braking system 

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D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2502 

デュアルサーキッ

トブレーキ 

ブレーキ装置が二つの系統に分割され,作動力
が2系統だけの伝達装置で,各々の系統に伝達
されるブレーキ装置。 

スプリット

システム 

dual-circuit 

braking system 

2503 

マルチサーキット

ブレーキ 

ブレーキ装置が二つ以上の系統に分割され,作
動力が2系統以上の伝達装置で,各々の系統に
伝達されるブレーキ装置。 

multi-circuit 

braking system 

2.7) 取付位置による分類 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

2601 

フロントブレーキ 

前車輪に取り付けたブレーキ装置。 

front brake 

2602 

リヤブレーキ 

後車輪に取り付けたブレーキ装置。 

rear brake 

2603 

センタブレーキ 

トランスミッション又は推進軸に取り付けたブ
レーキ装置。 

transmission brake 

2604 

インボードブレー

キ 

差動装置の両側に取り付けてあり,車軸を介し
て制動力を働かせるブレーキ装置。 

inboard brake 

2605 

ホイールブレーキ 

車輪の付近に取り付けたブレーキ装置。 

wheel brake 

3) ブレーキ機構及び要素 

3.1) ブレーキ機構 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3000 

ブレーキ機構 

自動車が動いている,又は動き出そうとするの
と反対方向に力を働かせて制動する機構。 

brake,  
brake mechanism 

3.2) 摩擦ブレーキ 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3100 

摩擦ブレーキ 

摩擦力によって制動するブレーキ機構。 
注記 作動力の効果が摩擦力によって増大され

る摩擦ブレーキを“セルフサーボブレー
キ”という。 

friction brake 

3.3) ドラムブレーキ 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3200 

ドラムブレーキ 

ドラムの内面又は外面に摩擦材を押し付けて制
動する摩擦ブレーキ。 

drum brake 

3201 

内拡式ドラムブレー

キ 

ドラムの内面に摩擦材を押し付けて制動するド
ラムブレーキ。 

ドラムブレ

ーキ 

internal expanding 

brake  

3202 

ツーリーディングシ

ューブレーキ 

ドラムの回転によって,食い込むシューを2個
組み合わせた内拡式ドラムブレーキ。 

2Lブレー

キ, 

ツーリーデ

ィングブ
レーキ 

two leading shoe 

brake 

background image

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3203 

デュオツーリーディ

ングシューブレー
キ 

正逆両方の回転に対して,ツーリーディングシ
ューブレーキとして働く内拡式ドラムブレー
キ。 

D2Lブレー

キ, 

デュアルツ

ーリーデ
ィングブ
レーキ 

duo two leading 

shoe brake 

3204 

ツートレーリングシ

ューブレーキ 

ドラムの回転によって,押し戻されるシューを2
個組み合わせた内拡式ドラムブレーキ。 

2Tブレー

キ, 

ツートレー

リングブ
レーキ 

two trailing shoe 

brake 

3205 

デュオツートレーリ

ングシューブレー
キ 

正逆両方の回転に対して,ツートレーリングシ
ューブレーキとして働く内拡式ドラムブレー
キ。 

D2Tブレー

キ, 

デュアルツ

ートレー
リングブ
レーキ 

duo two trailing 

shoe brake 

3206 

リーディングトレー

リングシューブレ
ーキ 

ドラムの回転によって,食い込むシューと押し
戻されるシューとを,各々一つずつ組み合わせ
た内拡式ドラムブレーキ。 

LTブレーキ 

leading trailing 

shoe brake 

3207 

ユニサーボブレーキ 

一方向の回転に対してだけ隣接するシューによ
って,他のシューの,ドラム内面への押付け力
を増大させる作用を行う内拡式ドラムブレー
キ。 

USブレーキ uni-servo brake 

3208 

デュオサーボブレー

キ 

正逆両方の回転に対して,隣接するシューによ
って,他のシューの,ドラム内面への押付け力
を増大させる作用を行う内拡式ドラムブレー
キ。 

DSブレーキ duo-servo brake 

3209 

外部収縮式ドラムブ

レーキ 

ドラムの外面に摩擦材を押し付けて制動するド
ラムブレーキ。 

external 

contracting 
brake 

3210 

バンドブレーキ 

摩擦材を張り付けたバンドを,ドラムの外面に
押し付けて制動する外部収縮式ドラムブレー
キ。 

band brake 

3.4) ディスクブレーキ 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3300 

ディスクブレーキ 

ディスクの両面に摩擦材を押し付けて制動する
摩擦ブレーキ。 

disc brake 

3301 

フィクストキャリパ

ディスクブレーキ 

ディスクの両側に加圧機構をもつキャリパが,
固定した状態で制動するディスクブレーキ。 

対向ピスト

ンキャリ
パディス
クブレー
キ 

disc brake with  

fixed caliper 

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D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3302 

フローティングキャ

リパディスクブレ
ーキ 

ディスクの片側だけに加圧機構をもつキャリパ
が,浮動して加圧力を反対側にも働かせて制動
するディスクブレーキ。 

浮動キャリ

パディス
クブレー
キ 

disc brake with  

floating caliper 

3303 

フローティングディ

スクブレーキ 

浮動するディスクによって,その片側にだけ加
圧機構をもち,キャリパの加圧力を反対側にも
働かせて制動するディスクブレーキ。 

floating disc brake 

3.5) その他のブレーキ機構 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3401 

ウェッジブレーキ 

くさびの働きで,ドラム内面に摩擦材を押し付
けて制動するドラムブレーキ。 

wedge brake 

3402 

カムブレーキ 

カムの働きで,ドラム内面に摩擦材を押し付け
て制動するドラムブレーキ。 
注記 例えば,S字形カムブレーキ。 

cam brake 

3403 

ポジティブエンゲー

ジメントブレーキ 

自動車の非回転部分と車輪又は車輪装置とを,
歯車などでかみ合わせて移動を防止するブレー
キ機構。 
注記 通常は自動車が停止しているときだけ作

動させる。 

positive 

engagement 
brake 

3404 

(スプリングブレー

キアクチュエータ
の)補助解除装置 

液圧又は空気圧が,失陥によって作動開始圧以
下に落ちたときに,スプリングブレーキによる
制動力を解除することができる装置。 

auxiliary release  

device for  
spring brake  
actuator 

3405 

ブレーキアジャスタ  非制動時の,摩擦材とドラム又はディスクとの

隙間を,自動的又はその他の方法で調整する装
置。 
例 オートアジャスタ,マニュアルアジャスタ 

brake adjustment 

device,  

wear compensation 

device 

3.6) 制動力配分に関する装置 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3500 

制動力配分装置 

制動力を荷重,液圧,減速度などのような,あ
るパラメータの関数として自動的,又はその他
の方法で制動力配分を変える装置。 

braking force  

proportioning 
device,  

brake force  

distribution 
device 

3501 

荷重検知式制動力配

分装置 

車両の各車輪又は車軸における動的な荷重又は
変位値を検知し,自動的に1又はそれ以上の車
輪の制動力を調整する装置。 
例 ロードセンシングプロポーショニングバル

ブ 

load-sensing 

device,  

load-sensing 

braking force  
distribution 
device 

background image

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3502 

圧力検知式制動力配

分装置 

設定された入力圧力との関係によって,自動的
に1又はそれ以上の車輪の制動力を調整する装
置。 
例 プロポーショニングバルブ 

pressure-sensing 

device,  

pressure-sensing 

braking force  
distribution 
device 

3503 

減速度検知式制動力

配分装置 

車両の減速度を検知し,自動的に1又はそれ以
上の車輪の制動力を調整する装置。 
例 減速度検知式プロポーショニングバルブ 

deceleration- 

sensing device,  

deceleration- 

sensing braking  
force distribution 
device 

3.7) 摩擦ブレーキコンポーネント 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3600 

摩擦ブレーキコンポ

ーネント 

摩擦材をドラム又はディスクに押し付けること
によって,制動力を得るブレーキの構成要素の
総称。 

friction brake 

components 

3601 

ブレーキライニング

アッセンブリ 

ドラム又はディスクに押し付け摩擦力を得るド
ラムブレーキ若しくはディスクブレーキの構成
要素。 

brake lining 

assembly 

3602 

シューアッセンブリ 

ドラムブレーキ用のブレーキライニングアッセ
ンブリ。 

shoe assembly 

3603 

リーディングシュー

アッセンブリ 

回転するドラムとブレーキライニングとの間で
発生する摩擦力によって,効きが増加する側の
シューアッセンブリ。 

leading shoe 

assembly 

3604 

トレーリングシュー

アッセンブリ 

回転するドラムとブレーキライニングとの間で
発生する摩擦力によって,効きが減少する側の
シューアッセンブリ。 

trailing shoe 

assembly 

3605 

パッドアッセンブリ 

ディスクブレーキのライニングアッセンブリ。 

pad assembly 

3606 

アタッチメント 

ブレーキライニングを固定しているブレーキラ
イニングアッセンブリの構成要素。 

キャリア 

attachment,  
carrier 

3607 

シュー 

シューアッセンブリにおけるアタッチメント。 

shoe 

3608 

バックプレート 

パッドアッセンブリにおけるアタッチメント。 

backplate 

3609 

ブレーキライニング 

ブレーキライニングアッセンブリの摩擦材部
分。 

brake lining 

3610 

ライニングプロフィ

ール 

ブレーキライニングがドラム又はディスクに接
触する面の輪郭。 

lining profile 

3611 

レジンモールド 

熱硬化性樹脂を結合剤として熱成形される摩擦
材。現在のブレーキライニングはほとんどがレ
ジンモールドである。 

resin mold 

3612 

NAO材 

フェノール樹脂を結合材として,アスベスト材
の代替材の耐熱性有機繊維又は無機繊維を配合
した摩擦材。 

ノンアスベ

スト材 

non-asbestos 

organic material 

3613 

ロースチール材 

スチール成分を補強繊維として10〜30 %程度含
む摩擦材。 

low steel materials 

3614 

メタル材 

100 %金属(鉄,銅)を主成分とした摩擦材。 

焼結材 

metallic materials 

background image

10 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3615 

セミメタル材 

スチール成分を補強繊維として30〜50 %程度含
む摩擦材。 

semi-metallic 

materials 

4) ブレーキ系の構成要素 

4.1) 自動制御装置全般 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4000 

自動制御ブレーキ 

センサから受けた信号によって,コントローラ
が判断して自動的にブレーキ又はブレーキシス
テムを制御するブレーキ装置又はブレーキの機
能。 

automatically 

commanded 
braking 

4001 

センサ 

車両動的状態又は車両構成部品の作動状態を検
出し,コントローラにその情報を伝達する要素。 

sensor 

4002 

コントローラ 

センサからの情報を評価し,モジュレータに制
御信号を伝達する要素。 

controller 

4003 

モジュレータ 

コントローラからの制御信号に応じ,直接制動
トルクを調節する要素。 

アクチュエ

ータ 

modulator 

4004 

ブレーキングモジュ

レーション 

ドライバーがブレーキペダルなどによって制動
力を調整するとき,車両状態又は個々の車輪の
ブレーキ変動及びギヤ位置を検知し,制動力を
自動的に低減又は増加するシステム制御。 

braking 

modulation 

4005 

選択ブレーキ 

姿勢制御を目的として,減速時に個々の制動力
を自動で変更させるシステム。 

selective braking 

4006 

自動ブレーキ 

減速を目的として,ブレーキ装置の中で不具合
があるときなどに,自動的に作動するブレーキ
システム。 

automatic 

braking 

4.2) ABS 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4100 

ABS 

車輪の制動力を発生しているブレーキ圧を自動
的に調節し,車輪スリップを抑制する装置。 

ABS,  
anti-lock braking 

system 

4101 

各輪独立制御 

制動力を発生する圧力を,各車輪ごとに調節す
る制御方法。 

individual wheel 

control 

4102 

複数輪制御 

制動力を発生する圧力を,1グループの車輪につ
いて共通の命令で調節する制御方法。 

multi-wheel 

control 

4103 

アクスル制御 

1軸上の全車輪を,共通の命令で制御する複数輪
制御方法。 

axle control 

4104 

サイド制御 

車両の片側の車輪を,共通の命令で制御する複
数輪制御方法。 

side control 

4105 

ダイアゴナル制御 

互いに斜めに相対している車輪を,共通の命令
で制御する複数輪制御方法。 

diagonal control 

4106 

複数軸制御 

複数軸の全車輪を,共通の命令で制御する複数
輪制御方法。 

combined 

multi-axle 
control 

background image

11 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4107 

拡張形アクスル及び

サイド制御 

動的に変更されるセンサ信号によって決定され
る共通の命令に従って,アクスル制御とサイド
制御との組合せで行う複数輪制御方法。 

modified axle/side 

control 

4108 

拡張形各輪独立制御 

圧力制御が反対側の車輪のデータも考慮して決
定されている各輪独立制御方法。 
注記 制動力を徐々に増加させることによって,

左右不均一摩擦路面における横方向への
偏向を低減するのが目的である。 

modified 

individual 
wheel control 

4109 

セレクトロー 

グループの共通の命令を決定するための信号
が,速度の最も低い車輪から与えられる複数輪
制御方法。 

select-low 

4110 

セレクトハイ 

グループの共通の命令を決定するための信号
が,速度の最も高い車輪から与えられる複数輪
制御方法。 

select-high 

4111 

車輪選択 

あらかじめ定められた車輪の信号で,グループ
の全車輪を制御する複数輪制御方法。 

selection by wheel 

4112 

平均選択 

数個の車輪の瞬間的速度を平均化した信号で,
グループの全車輪を制御する複数輪制御方法。 

average selection 

4113 

直接制御輪 

少なくともその車輪自身のセンサによって得ら
れたデータをもとに,制動力が調節される車輪。 

directly 

controlled 
wheel 

4114 

間接制御輪 

他の車輪のセンサ(複数でもよい。)によって得
られたデータをもとに,制動力が調節される車
輪。 
注記 セレクトハイ制御のABSでは直接制御輪

と間接制御輪との両方を含み,セレクトロ
ー制御のABSでは全て直接制御輪と考え
られる。 

indirectly 

controlled 
wheel 

4115 

最低制御速度 

その速度以下ではABSが作動しなくなる自動車
の速度。 

minimum control  

speed 

4116 

センサシグナル 

センサが供給する信号。 

sensor signal 

4117 

車輪速センサ分解能 

車輪1回転当たりにセンサが供給するインパル
スの数。 

resolution of  

impulse wheel  
speed sensor 

4118 

制御サイクル 

ある車輪ロックから次の車輪ロックまでに,
ABSがブレーキ液圧を調節するサイクル。 

control cycle 

4119 

制御周波数 

1秒間当たりに発生する制御サイクルの数。 

control frequency 

background image

12 

D 0106:2011  

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4.3) 車両の安定性を向上させる装置・機能 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4201 

横滑り防止装置,
ESC 

操だ(舵)角及び操だ方向に応じて,自動車又
は連結車の操縦性を自動的に補助する装置・機
能。 
注記 自動車の動的状態を加速度センサ及び/

又はヨーレートセンサによって検出し制
御する。詳細はUN-ECE R13H参照。 

stability control  

system,  

dynamic drive  

control system,  

electronic stability 

control 

4202 

EVSC 

大型車における車両の安定性を向上させる装
置・機能であり,次のいずれか一方又は両方を
含むもの。 
a) 方向制御 
b) 転覆制御 

なお,“方向制御”とは,動力駆動車両の場合

には,アンダステア及びオーバステアの状態の
ときに,車両の物理的限界内で,運転者が意図
する方向を保持するために運転者を支援し,ま
た,トレーラの場合には,トレーラの方向をト
ラクタのそれに合わせて保持するのを支援す
る,車両安定性機能に含まれる機能を指す。 
“転覆制御”とは,車両の物理的限界内で,動
的操縦における動力駆動車両又はトラクタとト
レーラとの組合せ若しくはトレーラの安定化を
図るために,差し迫った転覆に対して反応する,
車両安定性機能に含まれる機能を指す。 
注記 自動車の動的状態を加速度センサ及び/

又はヨーレートセンサによって検出し制
御する。詳細はUN-ECE R13参照。 

electronic vehicle 

stability control 

4203 

トレーラスウェイコ

ントロール 

連結車において,トレーラが連結点を中心に横
揺れする事象を検出し,必要に応じてエンジン
トルク低減及び/又はブレーキを介入すること
で,トレーラの横揺れを抑制し,車両安定性を
高める装置・機能。 

trailer sway 

control 

4.4) BAS 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4300 

ブレーキアシストシ

ステム, 

BAS 

ブレーキ操作の速さ及び/又は強さによって制
動力を自動的に助勢する装置・機能。助勢しな
い場合に比べ同じブレーキ操作での制動力は増
加する。 
注記 メカ式と電子制御式とがある。 

詳細はUN-ECE R13及びR13H参照。 

brake assist system 

background image

13 

D 0106:2011  

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4.5) その他の自動制御装置・機能 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4401 

トラクションコント

ロール 

駆動輪の過度の車輪スリップを抑制することに
よって,トラクション及び/又は安定性を向上
する装置・機能。 
例 エンジントルク制御,ブレーキ介入,ディ

ファレンシャルギヤ制御,又はそれらの組
合せ 

ASR 

traction control  

system 

4402 

坂道発進補助, 
ヒルホールダ 

ブレーキ系の作用が自動的に継続され,運転者
が自動車を動かそうとする信号が示されたとき
にブレーキを解除する装置・機能。 

brake hold and  

release aid,  

hill holder 

4403 

電子制御制動力配

分, 

EBD 

電子制御によって自動的に制動力配分を調節す
る装置・機能。 
例 ABSの液圧保持動作を利用した制動力配分

制御 

electronic braking  

force 
distribution 

4404 

アダプティブクルー

ズコントロール 

エンジン及び/又は駆動系及び/又は可能なら
ブレーキを制御することによって,適切な距離
で前車に追従することを可能とした装置・機能。 

autonomous 

intelligent 
cruise control  
system, 

adaptive cruise  

control system 

4405 

衝突緩和ブレーキ 

障害物への衝突予測に基づき,制動力の作用及
び/又は制動力の付加を自動的に行うことで衝
突によるダメージを緩和する装置・機能。 

collision 

mitigation brake 
system,  

advanced 

emergency 
braking system 

4406 

回生協調ブレーキ 

摩擦ブレーキと回生ブレーキとの協調によっ
て,常用ブレーキの機能を達成する装置・機能。 
注記 詳細はUN-ECE R13及びR13H参照。 

regenerative 

cooperative 
braking system 

4.6) センサ 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4501 

車輪速センサ 

車輪の回転速度を検出するセンサ。 
注記 電磁式,磁気式などがある。 

wheel speed sensor 

4502 

加速度センサ 

自動車に加わる前後・左右・上下方向の加速度
を検出するセンサ。 
注記 半導体式,ひずみゲージ式,振り子式など

がある。 

Gセンサ 

accelerometer 

4503 

ヨーレートセンサ 

自動車に加わる水平方向の角速度を検出するセ
ンサ。 
注記 各種のジャイロを用いて検出している。 

yaw rate sensor 

4504 

ステアリング角セン

サ 

ステアリングホイールの操作角度を検出するセ
ンサ。 
注記 光学式,ポテンショメータ式,磁気式など

がある。 

ハンドル角

センサ 

steering wheel  

angle sensor 

4505 

ブレーキ液圧センサ 

ブレーキ液圧を検出するセンサ。 

油圧センサ 

brake fluid  

pressure sensor 

background image

14 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4506 

ブレーキ空気圧セン

サ 

ブレーキの空気圧を検出するセンサ。 

brake air pressure  

sensor 

4507 

ブレーキストローク

センサ 

ブレーキペダルの踏込み量を検出するセンサ。 

brake stroke  

sensor,  

pedal travel sensor 

4508 

負圧センサ 

エネルギー源である負圧を検出するセンサ。 

vacuum sensor 

4.7) 連結車のブレーキシステムに関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4601 

カップリングフォー

スコントロール 

連結車で,トラクタ及びトレーラの制動割合を
自動的に調整する装置。 

coupling force 

control system 

4602 

単列配管ブレーキ 

トレーラのブレーキ装置の作動と,エアタンク
への圧縮空気の充塡とを,1本のホースで行うブ
レーキ装置。 

single-line 

braking system 

4603 

複列配管ブレーキ 

トレーラのブレーキ装置の作動と,エアタンク
への圧縮空気の充塡とを,同時に2本以上のホ
ースで行うブレーキ装置。 

multi-line 

braking system,  

two-line braking 

system 

4604 

コンティニュアスブ

レーキ 

連結車を構成する自動車のブレーキ装置の組合
せで,次の特徴をもつもの。 
a) 運転者が運転席から,トラクタに直接作動

する制御装置と,トレーラに間接作動する
制御装置とを,単一操作で可調的に作動さ
せることができる。 

b) 連結車を構成する各車両のブレーキに使用

するエネルギーを,同一エネルギー源が供
給する(運転者の人力であってもよい。)。 

c) 連結車を構成する各車両を,同時又はほぼ

同時に制動できる。 

continuous 

braking system 

4605 

セミコンティニュア

スブレーキ 

連結車を構成する自動車のブレーキ装置の組合
せで,次の特徴をもつもの。 
a) 運転者が運転席から,トラクタに直接作動

する制御装置と,トレーラに間接作動する
制御装置とを,単一操作で可調的に作動さ
せることができる。 

b) 連結車を構成する各車両のブレーキに使用

するエネルギーを,二つ以上の異なったエ
ネルギー源が供給する(そのうち一つは,
運転者の人力であってもよい。)。 

c) 連結車を構成する各車両を,同時又はほぼ

同時に制動できる。 

semi-continuous 

braking system 

4606 

ノンコンティニュア

スブレーキ 

連結車を構成する自動車のブレーキ装置の組合
せで,コンティニュアスブレーキでも,セミコ
ンティニュアスブレーキでもないもの。 

non-continuous 

braking system 

background image

15 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4607 

フィードライン 

エネルギー源又はエネルギーの流れを制御する
装置(例えば,ブレーキバルブ)を連結してい
る配管。ただし,連結車の二つの車両を連結し
ている配管は除く。 

internal supply 

line 

4608 

アクチュエーティン

グライン 

エネルギーの流れを制御する装置(例えば,ブ
レーキバルブ)と,エネルギーを機械的エネル
ギーに変換する装置(例えば,ブレーキシリン
ダ)とを連結している配管。 

actuating line 

4609 

パイロットライン 

制御装置(例えば,ブレーキバルブ)と,他の
制御装置(例えば,リレーバルブ)とを連結し
ている配管。エネルギーの流れは,第二制御装
置を制御するためだけに用いる。ただし,連結
車の二つの車両を連結している配管は除く。 

pilot line 

4610 

供給ライン 

トラクタからトレーラのエネルギーリザーバ
へ,エネルギーを伝達しているフィードライン。 

supply line 

4611 

制御ライン 

制御に必要な信号をトラクタからトレーラへ伝
達するパイロットライン。 

control line 

4612 

共用ライン 

単列配管ブレーキで,供給ライン及び制御ライ
ンとして共用する配管。 

common supply  

and control line 

4613 

セカンダリライン 

トレーラの非常ブレーキに必要なエネルギー
を,トラクタからトレーラへ伝達するアクチュ
エーティングライン。 

secondary line 

4614 

(トレーラの)自動

ブレーキシステム 

必要によって,又は事故で連結車両が分離した
トレーラに,自動的にブレーキがかかる装置。 

automatic braking 

system 

4615 

追加装置 

連結車のブレーキ系の一部で,トラクタからト
レーラのブレーキ系へのエネルギー供給及び制
御をするための装置。トラクタのエネルギー供
給装置と供給ライン(連結器を含む。)及び伝達
装置と制御ライン(連結器を含む。)とから構成
される。 

supplementary 

device 

4.8) リターダに関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4700 

リターダ 

ブレーキ装置の補助として,自動車の速度を減
少又は制限するために,連続的に使用する装置。 

retarder,  
retarding device 

4701 

内燃機関式リターダ  駆動輪に連結した内燃機関の内部抵抗(例えば,

燃料供給の減少,空気の絞り,排気ガスの排出
の絞り,バルブタイミングの変更など)によっ
て,自動車を減速する装置。 

retarder by  

combustion 
engine 

4702 

エンジンブレーキ 

内燃機関の燃料供給の減少及び空気の絞りによ
って,自動車を減速する作用。 

engine braking 

4703 

エンジンリターダ 

バルブタイミングを変えることによって機関の
内部抵抗を増して,自動車を減速する装置。 

圧縮開放ブ

レーキ 

engine retarder 

4704 

エキゾーストリター

ダ 

排気ガスの流れを阻止することによって機関の
内部抵抗を増して,自動車を減速する装置。 

排気ブレー

キ 

exhaust retarder 

4705 

発電機式リターダ 

発電機の回転抵抗によって,自動車を減速する
装置。 

electric traction  

motor retarder 

background image

16 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4706 

流体式リターダ 

駆動軸に連結された装置で,制限された回路中
に液体をくみ上げることによって,自動車を減
速する装置。 
注記 例として,流体中で羽根が回転するときに

発生する抵抗によって自動車を減速する
装置がある。 

ハイドロリ

ターダ 

hydraulic 

retarder,  

hydrodynamic 

retarder 

4707 

摩擦リターダ 

自動車の動力伝達部品に連結された部品間の摩
擦によって,自動車を減速する装置。 

friction retarder 

4708 

電磁式リターダ 

駆動輪に連結した装置で,電磁コイルによって
生じた磁場を利用し,回転するリターダドラム
に発生する渦電流抵抗によって,自動車を減速
する装置。 

エディーカ

レントリ
ターダ 

electromagnetic 

retarder 

4709 

永久磁石式リターダ  駆動輪に連結した装置で,永久磁石によって生

じた磁場を利用し,回転する金属円板に発生す
る渦電流抵抗によって,自動車を減速する装置。 

permanent- 

magnetic 
retarder 

4710 

(電気式)回生ブレ

ーキ 

制動トルクの発生を通して,自動車の運動エネ
ルギーを電気エネルギーに変換し,バッテリに
蓄積することによって,自動車を減速する装置。 

regenerative 

braking 
retarder 

4711 

機械式回生ブレーキ  制動トルクの発生を通して,自動車の運動エネ

ルギーを機械的にエネルギー蓄積装置に蓄積す
ることによって,自動車を減速する装置。 

mechanical 

regenerative 
braking 
retarder 

4712 

空気式リターダ 

走行中の自動車の車体及び/又は車体に連結さ
せた装置の空気抵抗を増して,自動車を減速す
る装置。 

エアロリタ

ーダ 

aerodynamic 

retarder 

4.9) 警報装置に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

4801 

保護圧力 

ブレーキ装置の一部又はその付属装置が失陥し
た後に,失陥した系統以外の系統に持続してい
る圧力。 

protection 

pressure 

4802 

ブレーキ警報圧力 

警報装置が作動するエネルギー貯蔵圧力。 

warning pressure 

4803 

ブレーキ警報装置 

ブレーキ系の,ある作動状態が危険又は整備が
必要となったときに,運転者に警報する光学的
又は聴覚的装置。 

warning device 

4804 

摩耗警報装置 

摩擦ブレーキ(ドラムブレーキ又はディスクブ
レーキ)の場合に,摩擦材の使用限界を運転者
に光学的,聴覚的,機械的な方法などで警報す
る装置。 

wear alarm device 

b) 力学及び現象に関する用語 

1) 動作及び車両性能に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6000 

ブレーキ力学 

制御装置の作動開始から制動作用の終わりまで
の間に起こる力学現象。 

braking 

mechanics 

background image

17 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6001 

ブレーキ作用 

運転者によってブレーキ系が操作され,作動し
ている働き。 

brake application 

6002 

ブレーキ作動 

伝達手段の出力によってブレーキが作動してい
る働き。 

brake actuation 

6003 

ブレーキ解除 

ブレーキ系が非作動状態に戻っている働き。 

brake release 

6004 

作用しきい(閾)値 制動トルクが発生し始めるブレーキ作動点。 

actuation 

threshold  
(of the brake)  

6005 

クランピング 

作用しきい値より上で,ブレーキ動作の増加に
よって制動トルクが発生又は増加する働き。 

 
 

clamping (of the  

brake) 

6006 

ブレーキ解除位置 

ブレーキ非作動状態となる制御装置の終端位
置。 

brake release  

position 

6007 

ブレーキ性能 

自動車の制動初速度に対する制動距離及び/又
は制動中の平均飽和減速度及び/又は坂路勾配
での停車保持能力として測定されるブレーキ系
の性能。 
注記 耐久性能は,長い坂道を下る状態で一定

速度を保つ能力によって計測される。 

braking 

performance 

6008 

規定ブレーキ性能 

法規要件としての最低限のブレーキ性能。 

prescribed 

braking 
performance 

6009 

残余ブレーキ性能 

伝達回路の一つが故障した後の常用ブレーキ性
能。最低限のブレーキ性能値が規定されている。 

residual braking  

performance 

6010 

(トレーラの)自動

ブレーキシステム
性能 

供給ライン内を通り,トレーラに供給されてい
る空気が完全に失われたときの,トレーラのブ
レーキ系の最低性能(トレーラが分離した場合
の保護)。 

automatic 

braking system 
performance 

2) 力学及び圧力に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6101 

制動力 

制動システムの効果によって生じる自動車の動
作又は動作方向と反対方向に,車輪と地面との
間の接触面に働く力。 

ブレーキ力 

braking force 

6102 

総制動力 

自動車の全車輪に働く制動力の総和。 

total braking  

force 

6103 

制動力変動 

一定のブレーキ入力における車輪一回転中のブ
レーキ出力の瞬間的な変動幅で,ブレーキの平
均出力に対する百分率で表した値。 

トルク変動 

braking force   

variation 

6104 

車軸内制動力不均衡 車軸上のブレーキ間の制動力の差異のうち,最

も高い制動力差を百分率で表した値。 

braking force  

imbalance 
across an axle 

6105 

制動トルク 

ブレーキの作動力によって生じる摩擦力と,そ
の摩擦力の作用点から回転軸までの距離との
積。 

ブレーキト

ルク 

braking torque 

6106 

制動力配分 

全車軸の制動力に対する各車軸の制動力の比を
各車軸ごとの割合で表した値。 
例 前軸:60 %,後軸:40 % 

ブレーキ力

配分 

braking force  

distribution 

background image

18 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6107 

操作力 

制御装置にかけられる力。 
注記 量記号FCで表す。 

control force 

6108 

作動力 

摩擦ブレーキで摩擦効果によって制動力を発生
させるため1個の摩擦材に加えられる総力。 
注記 量記号FSで表す。 

actuation force 

6109 

ブレーキシステムヒ

ステリシス 

同一制動トルクに対する作動時と解除時との操
作力の差。 
注記 図に示す∆FCである。 

braking system  

hysteresis 

6110 

ブレーキヒステリシ

ス 

同一制動トルクに対する作動時と解除時との作
動力の差。 
注記 図に示す∆FSである。 

brake hysteresis 

6111 

ライン圧力 

制動トルクを発生させるために必要な圧力。 

line pressure 

6112 

制動開始圧力 

制動トルクの発生を開始させるために必要な圧
力。 

brake threshold  

 pressure 

6113 

制動解除圧力 

制動トルクの減少を開始させるために必要な圧
力。 
注記1 圧力の増加によって制動トルクを増加

させるブレーキ系(例 常用ブレーキ)
において,この点から圧力の減少によっ
て制動トルクが減少する位置が分かる。 

注記2 圧力の減少によって制動トルクを増加

させるブレーキ系(例 スプリングブレ
ーキ)において,この点から圧力の増加
によって制動トルクが減少する位置が
分かる。 

brake release  

pressure 

6114 

安定圧力 

制御装置が完全に作用した後の安定した圧力。 
注記 5秒間圧力がほとんど変化しなければ,安

定圧力に到達したとみなす。 

asymptotic 

pressure of  
braking 

background image

19 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6115 

ホールド解除圧力 

スプリングブレーキアクチュエータの場合,制
動トルクを発生させるために必要なアクチュエ
ータの圧力。 

hold-off pressure 

6116 

解放開始圧力 

スプリングブレーキアクチュエータの場合,制
動トルクの減少を開始するために必要なアクチ
ュエータの圧力。 

commencement of 

release pressure 

6117 

完全解放圧力 

スプリングブレーキアクチュエータの場合,制
動トルクがゼロに達するときのスプリング圧縮
室の圧力。 

full brake release  

pressure 

6118 

フルスプリング圧縮

圧力 

スプリングブレーキアクチュエータの場合,ば
ねを終点まで押すのに必要なスプリング圧縮室
の圧力。 

full spring  

compression 
pressure 

6119 

プレドミナンス 

車両のアクスル間又はトラクタ及びトレーラに
おいて,ブレーキのかけ始めに影響する圧力差。 

predominance 

3) 時間に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6201 

反応時間 

運転者が,制動の必要を認めてから,アクセル
ペダル又は床面から足を離すまでの時間。 

reaction time 

6202 

踏替時間 

運転者が,アクセルペダル又は床面から足を離
してから,ブレーキペダルに触れるまでの時間。 

foot transfer time 

6203 

踏込時間 

ブレーキペダルに足を乗せ,ペダルストローク
が出始めてから,指定された位置に到達するま
での時間。 
注記 図に示す (t3−t0) である。 

control device  

application 
time 

background image

20 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6204 

効き遅れ時間 

ブレーキペダルに足を乗せ,ペダルストローク
が出始めてから,ライン圧力が発生し始めるま
での時間。 
注記 図に示す (t1−t0) である。 

initial response  

time 

6205 

立上がり時間 

ライン圧力が発生し始めてから,安定値に達す
るまでの時間。 
注記 図に示す (t5−t1) である。 

build-up time 

6206 

主制動時間 

減速度が安定値を保っている時間。 

main braking time 

6207 

解除時間 

制御装置に作用する操作力の解除の始まりか
ら,制動力が失われるまでの時間。 

release time 

6208 

空走時間 

運転者が制動の必要を認めてから,減速度が発
生するまでの時間。 

free running time 

6209 

実制動時間 

減速度が発生し始めてから,自動車が停止する
までの時間。 
注記 図に示す (t7−t2) である。 

active braking  

time 

background image

21 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6210 

制動時間 

運転者がブレーキペダルに足を乗せ,ペダルス
トロークが出始めてから,自動車が停止するま
での時間。 
注記 図に示す (t7−t0) である。 

total braking time 

6211 

停止時間 

運転者が制動の必要を認めてから,自動車が停
止するまでの時間。 

stopping time 

4) 距離に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6301 

空走距離 

空走時間に自動車が走行した距離。 

free running  

distance 

6302 

制動距離 

実制動時間に自動車が走行した距離。 
注記 量記号S1で表す。 

braking distance 

6303 

停止距離 

制動時間に自動車が走行した距離。 
注記 量記号S0で表す。 

stopping distance 

background image

22 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5) 速度及び加速度に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6401 

制動初速度 

ブレーキ系の作動によって,自動車が減速を開
始するときの走行速度。 

initial speed of  

braking 

6402 

制動終速度 

ブレーキ系の作動によって,自動車が減速を終
了するときの走行速度。 

final speed of  

braking 

6403 

制動減速度 

ブレーキ系の作動による自動車の速度の時間的
変化の割合。 

braking  

deceleration 

6404 

瞬間減速度 

自動車の瞬間速度を微少時間で除した減速度。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

dt

dv

a=

ここに, a :瞬間減速度(m/s2) 

dv :瞬間速度(m/s) 

dt :微少時間(s) 

instantaneous 

deceleration 

6405 

移動距離内の平均

減速度 

制動中のある2地点,SBとSEとの間の平均減速
度。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

×

=

E

B

)

(

1

B

E

ms

S

S

ds

s

a

S

S

a

結果として,次のとおりになる。 

)

(

2

B

E

2

B

2

E

ms

S

S

V

V

a

×

=

ここに,VB :距離点SBにおける自動車

の速度(m/s) 

VE :距離点SEにおける自動車

の速度(m/s) 

mean 

deceleration 
over distance 

6406 

時間平均減速度 

制動中のある期間,tBとtEとの間の平均減速度。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

×

=

E

B

)

(

1

B

E

mt

t

t

dt

t

a

t

t

a

結果として,次のとおりになる。 

B

E

B

E

mt

t

t

V

V

a

=

ここに,VB :時刻tBにおける自動車の

瞬間速度(m/s) 

VE :時刻tEにおける自動車の

瞬間速度(m/s) 

mean 

deceleration 
over time 

6407 

停止距離内の平均

減速度 

ある停止距離で減速したときの平均減速度。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

0

2

0

0

ms

2S

V

a

×

=

これは,VB=V0における停止時の特別な

ケースである。 

ここに, V0:時刻t0における瞬間速度

(m/s) 

VE=0(km/h) 

SB=0(m) 

SE=S0 

mean 

deceleration 
over stopping  
distance 

background image

23 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6408 

平均飽和減速度 

減速度の大きさがほぼ一定になり,安定してい
るときの平均減速度。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

)

(

2

B

E

2

E

2

B

m

S

S

V

V

d

×

=

ここに, VB=0.8×V0(m/s) 

VE=0.1×V0(m/s) 

平均飽和減速度はブレーキ性能測定手

段としてUN-ECE R13で利用されている。 

mean fully  

developed 
deceleration 

6) 仕事に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6501 

制動仕事 

ブレーキ機構又はリターダが制動中に果たす仕
事量。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

=

S

ds

F

W

0

f

ここに, W :制動仕事(N・m) 

Ff :総制動力(N) 

S :制動した距離(m) 

吸収エネル

ギー 

braking work 

6502 

瞬間ブレーキパワ

ー 

総制動力と自動車の速度との積。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

 P=Ff×V 
ここに, P :瞬間ブレーキパワー(W) 

Ff :総制動力(N) 

V :自動車の速度(m/s) 

instantaneous 

braking power 

6503 

ブレーキライニン

グのエナジーロ
ーディング 

単位面積の摩擦材に負荷される単位時間当たり
の平均制動仕事量。 

kinetic energy  

loading of brake  
lining 

7) 性能に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6601 

(制動)効力 

ブレーキ装置又は機構の,入力と出力とを関連付
けた効きの程度。 

ブレーキ効

力 

(brake) 

effectiveness 

6602 

制動(内部)効力係

数 

ブレーキが作用している半径での接線力と,作動
力との比。 
注記 ブレーキ機構による力の増幅率を示す。 

ブレーキ係

数, 

B.E.F.効力

係数 

(internal) brake  

factor 

6603 

制動(外部)効力係

数 

ブレーキ出力トルク/出力と入力トルク/入力
との比。 

(external) brake  

factor 

6604 

シュー係数 

ドラムブレーキのシューアッセンブリの円周力
と作動力との比。 
注記 シューの効きを示す。 

shoe factor 

6605 

平均シュー係数 

1個のブレーキのシュー係数の和とシューの数
との比。 

mean shoe factor 

background image

24 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6606 

制動比 

(セミトレーラを除く場合) 
瞬間減速度a(m/s2)と重力加速度g(m/s2)と
の比。 
(セミトレーラの場合) 
総制動力Ff(N)と自動車の車軸にかかる静的総
質量に相当する力GS(N)との比。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

g

a

z=

(セミトレーラを除く場合) 

S

f

G

F

z=

(セミトレーラの場合) 

braking rate 

6607 

スピードスプレッ

ド 

制動初速度の違いによる効力の差。 

speed spread 

6608 

ペダルストローク 

ブレーキペダルが踏み込まれて移動する距離。 

pedal travel 

6609 

ペダル余裕 

ブレーキペダルを踏み込んだときのペダル位置
から,ブレーキペダルの可動最大位置までの距
離。 
注記 ペダルの踏込み余裕量を示す。 

踏みしろ, 
踏み残りし

ろ, 

余裕ストロ

ーク 

pedal reserve 

6610 

ペダル踏力 

足による操作力で,ブレーキペダルを踏み込むの
に要する力。 
注記 例えば,制動減速度5.9 m/s2を得るのに必

要なペダル踏力を0.6 G踏力という。 

pedal pressure,  
pedal effort 

6611 

ペダルストローク

速度 

ブレーキペダルが踏み込まれて移動する速度。 

pedal travel speed 

6612 

ブレーキスリップ

率 

車輪面方向への車輪中心速度VCと,車輪周速度

VWとの差をVCで除したもの。 

注記 計算式は,次のとおりである。 

C

W

C

V

V

V−

=

λ

ここに,VW=ωW×r 

ωW :車輪の角速度 

r :運転中の車両に取り付け

られた負荷がかかった状
態のタイヤの,軸から地
面への理論的半径。 

braking slip 

6613 

摩擦力係数 

二つの物体の接触面で発生している接線力FT
と,そこに作用している垂直抗力FNとの比。 
注記 摩擦ブレーキの場合,摩擦力は摩擦係数μ

で特性付けられる。一方,タイヤと路面間
では,粘着係数κ によって特性付けられ

る。 

friction force  

coefficient 

6614 

摩擦係数 

(摩擦ブレーキにおいて)摩擦材とドラム又はデ
ィスクとの間に作用している接線力FTBと垂直
抗力FNとの比。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

N

TB

F

F

=

μ

coefficient of  

friction 

background image

25 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6615 

ピーク摩擦係数 

制動トルクを増加していく過程で,標準試験タイ
ヤに車輪ロックが発生するときの最大制動力と
垂直抗力との比。 
注記 試験手順は,ASTM E1337-90参照。 

peak friction  

coefficient 

6616 

粘着係数 

タイヤによって路面に伝達される接線力FTRと,
垂直抗力FNとの比。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

N

TR

F

F

=

κ

主要なパラメータであるブレーキスリ

ップ,スリップ角及びキャンバー角のう
ち,ブレーキスリップだけ最大粘着係数と
ホイールロック粘着係数とが考慮される。 

coefficient of  

adhesion 

6617 

最大粘着係数 

制動中の回転する車輪が路面に伝達できる最大
接線力FTmaxRと,垂直抗力FNとの比。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

N

R

max

T

max

F

F

=

κ

κmaxは,UN-ECE R13において使用され

ているκpeakと同じ。 

maximum 

coefficient of  
adhesion 

6618 

ホイールロック粘

着係数 

ロックした車輪が路面に伝達する接線力FLWR
と,垂直抗力FNとの比。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

N

LWR

lock

F

F

=

κ

coefficient of  

locked wheel  
adhesion 

6619 

粘着利用率 

制動比zと最大粘着係数κmaxとの比。 

注記 計算式は,次のとおりである。 

max

κ

ε

z

=

adhesion 

utilization 

6620 

粘着利用曲線 

指定の負荷条件で,各アクスルiが利用する車両
の粘着力fiを車両の制動比zに対してグラフ化し
た曲線。 
注記 計算式は,次のとおりである。 

g

+

=

=

P

E

h

z

P

T

N

T

f

1

1

1

1

1

g

=

=

P

E

h

z

P

T

N

T

f

2

2

2

2

2

ここに, Ti :路面での通常の制動条件

下のブレーキによってア
クスルiにかかる力 

Ni :制動時のアクスルiの路 

面からの垂直反力 

Pi :静止状態におけるアクス

ルiの路面からの垂直反
力 

P :車両重量 

h :重心高 

g :重力加速度 

adhesion 

utilization 
curves 

background image

26 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6621 

コンパチビリティ 

トラクタ及びトレーラにおいて,各々が同じ粘着
利用率となるようにブレーキの効きが調整され
る状態。 
注記 通常の誤差によって,一般的に完全なコン

パチビリティは達成されない。許容可能な
不均衡の限度によって規則で定められて
いる範囲で,ほぼコンパチビリティが達成
されていればよい。 

compatibility 

6622 

空転クリアランス 

非制動時のドラムブレーキのドラムとライニン
グとの隙間,及びディスクブレーキのディスクと
パッドとの隙間。 

パッドクリ

アランス, 

シュークリ

アランス 

running clearance 

8) 一般的な現象に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6701 

ブレーキフェード 

一定の制動作動において,温度及び/又は速度に
よって制動トルクが減少する現象。 

brake fade 

6702 

フェード 

摩擦熱によって効力が一時的に低下する現象。 

fade 

6703 

メカニカルフェー

ド 

制動による発熱がドラムの径拡大方向の熱変形
を招き,ストロークが長くなる現象。 

mechanical fade 

6704 

ウォータフェード 

摩擦面に浸水して効力が一時的に低下する現象。  

water fade 

6705 

リカバリ 

熱又は水の影響で低下した効力が回復する現象。 回復 

recovery 

6706 

オーバーリカバリ 

熱又は水の影響で低下した効力が回復する過程
で大きくなり過ぎる現象。 

over recovery 

6707 

ビルドアップ 

効力が立ち上がる現象。 

build up 

6708 

モーニングシック

ネス 

早朝又は長時間休止していて,冷えたブレーキ
が,異常な効力を示す現象。 

朝効き 

morning sickness 

6709 

引きずり 

ブレーキ機構の解放が不完全なため,普通走行時
に制動力を発生する現象。 

brake drag 

6710 

ベーパロック 

ハイドロリックブレーキの過熱した部分の液中
に気泡が発生し,ペダルストロークが急激に増加
する現象。 

vapor lock 

6711 

ノックバック 

走行中にディスクの振れ,変位によって,パッド
が戻される現象。 

knock back 

6712 

シェイクバック 

走行中にキャリパが車軸方向に振れることによ
って,ピストンが戻される現象。 

shake back 

6713 

ブレーキジャダ 

制動時にブレーキ機構又はその付近から発生す
る振動。 

judder 

6714 

ブレーキ鳴き 

ブレーキ機構又はその付近から発生する不快な
制動時の異音。 

brake noise 

6715 

グラッビング 

必ずしも聞こえない不規則な制動力変動。 

grabbing 

6716 

スキール 

一定の高周波で澄んだ制動時の異音。 

squeal 

6717 

チャープ 

振幅変調した中周波数及び/又は高周波数の制
動時の異音。 

chirp 

6718 

グレーティング 

中及び/又は高い複雑な周波数の入り交じった
制動時の異音。 

grating 

background image

27 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6719 

グローン 

比較的低い複雑な周波数の入り交じった制動時
の異音。 

growl/groan 

9) 摩擦材,ドラム及びディスクの表面の現象に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6721 

グレイジング 

軽負荷制動の繰り返しによって摩擦材の表面が
摩擦係数の低い堅い光沢がある状態になる現象。 

glazing 

6722 

クラック 

摩擦材を破損又は2個以上に破砕させるには不
十分な,表面の深くて狭い割れ。 

crack 

6723 

表面クラック 

摩擦材の表面の浅い割れ。 

surface cracking 

6724 

フレーキング 

摩擦材表面の薄い破片が分離する現象。 

flaking 

6725 

対面損傷 

摩擦によってドラム又はディスクの,摩擦面に付
いたきず。 

damage of brake  

drum or disc  
rotor 

6726 

スコーリング 

対面損傷のうち,しゅう(摺)動方向に平行に付
いたきず。 

scoring 

6727 

ヒートクラック 

対面損傷のうち,摩擦熱によって発生する亀裂。  

heat crack 

6728 

剝離 

比較的大きな摩擦材部分の脱落。 

detachment 

6729 

DTV 

ディスクロータの摩擦面における厚さの偏差。 

disc thickness  

variation 

10) 摩擦材の試験に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6731 

すり合わせ 

摩擦材とドラム又はディスクとの間に,物理的及
び化学的に十分な接触面を得るための予備制動
操作。 

lining bedding,  
lining burnishing 

6732 

常温効力試験 

設計温度より比較的低温での摩擦材の効力を,一
定の手順で調べる試験。 

cold lining test 

6733 

高温効力試験 

設計温度を超えて設定最高温度までの間の摩擦
材の効力を,一定の手順で調べる試験。 

hot lining test 

6734 

フェード試験 

数回の連続した制動,又は連続した引きずり制動
によって変化する摩擦材の効力を,一定の手順で
調べる試験。 
注記 温度上昇に伴う効力変化,又は低温効力と

高温効力とを比較することによって性能
を調べる。 

fade test 

6735 

回復試験 

フェード試験後に試験の熱によって変化した摩
擦材の効力の回復程度を,一定の手順で調べる試
験。 

recovery test 

6736 

フェード回復試験

後の効力試験 

高温効力試験,フェード試験,及び回復試験の後
に常温での摩擦材の効力を,一定の手順で調べる
試験。 

after fade-and- 

recovery lining 
effectiveness 
test 

6737 

摩耗試験 

摩擦材の耐摩耗性の評価をするために,一定の手
順で調べる試験。 

lining wear test 

background image

28 

D 0106:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11) 自動車の運動に関するもの 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

6801 

ホイールロック 

走行中に,自動車の車輪が,制動トルクによって
回転運動を停止する現象。 

wheel lock 

6802 

スキッド 

制動時に,タイヤが路面を滑る現象。 

スリップ 

skid 

6803 

片効き 

制動時に,自動車の進路を変えようとする力がブ
レーキ装置に働く現象。 

pulling right or  

left 

6804 

しり振り 

制動時に,後輪がロックして横滑りを起こし,自
動車の後部が進路を外れる現象。 

swerve 

6805 

ジャックナイフ 

連結車の制動時に,慣性力によってトレーラがト
ラクタと,くの字形になる現象。 

jack-knifing 

6806 

ノーズダイブ 

制動時に,自動車の前部が一時的に沈む現象。 

nose dive 

6807 

ブレーキホップ 

制動時に,車輪がはね上がる振動現象。 

brake hop 

6808 

不均一制動 

ドライバーが感じたり,又は車両姿勢の安定性に
影響するような不規則な制動。 
注記 数回の連続した制動によって,直進してい

た自動車が右又は左に方向が外れる傾向,
若しくは1回の制動中に同様の傾向を示す
現象。 

uneven braking 

6809 

ブレーキペダルフ

ィーリング 

制動時に,反力又はストロークをブレーキペダル
から感じる現象。 

操作フィー

リング 

brake pedal feeling 

参考文献 JIS D 0107 自動車−ブレーキ用語−部品 

SAE J 656g,Automotive Brake Definitions and Nomenclature 

UN-ECE Regulation No.13,Uniform provisions concerning the approval of vehicles of categories M, 

N and O with regard to braking 

UN-ECE Regulation No.13H,Uniform provisions concerning the approval of passenger cars with 

regard to braking 

ASTM E1337-90,Standard Test Method for Determining Longitudinal Peak Braking Coefficient of 

Paved Surfaces Using a STD Reference Test Tire

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS D 0106:2011 自動車−ブレーキ用語−種類,力学及び現象 

ISO 611:2003 Road vehicles−Braking of automotive vehicles and their trailers−
Vocabulary 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

自動車に用いるブ
レーキの種類,力学
及び現象に関する
用語。 

自動車,トレーラ及びそ
の組合せにおけるブレー
キ及びブレーキ装置に関
する用語で,制動動作及
び動作を特徴付ける値を
含む。 

変更 

ISO規格では自動車,トレーラ
とその組合せと表現。 
JISでは力学及び現象と表現。 

JISの自動車はトレーラ及びその
組合せを含む意で用いている。ISO
規格の“制動動作及び動作を特徴
付ける値を含む用語”とは,力学
及び現象を表す用語と意味の上で
はほぼ同等である。 
技術的差異はない。 

ISO 3833:1977 
ISO/TR 13487:1997 
ASTM E1337-90 

削除 

JISではISO規格の引用規格を
削除した。 

JISではISO規格を基に対応する
よう,用語を規定しているので,
ISO規格の引用規格を直接JISの
引用規格とはせず,参考文献とし
た。 

2 分類 

追加 

JISでは,用語の分類を追加し
た。 

JISでは,規格利用者の利便を図る
ため,分類の項目を追加した。 
ISOに提案を検討する。 

3 用語及
び定義 

変更 

JISでは,四つの用語を変更し,
94の用語を追加。 

JISとして必要な定義の変更を行
い,かつ,用語を追加した。 
全ての変更及び追加は,ISOに提
案を検討する。 

2

9

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内
容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 
(続き) 

a) 種類に関する用語 
1) ブレーキ系 
1000 
自動車に装備するブレーキ装置
及びリターダの総称。 

3.2 
車両速度を制御(通
常は減速),停止又
はそれを保持する
機能をもつ部品の
組合せ。 

変更 

JISではブレーキ装
置の定義を,ISO規
格のブレーキ系の定
義を用いた(ブレー
キ系とブレーキ装置
の定義とを入れ替え
た。)。 

ブレーキ系が,ブレーキ装置も含む
最も広義の用語として定着している
こと,また,装置という語から部品
又は機構が連想されることから,ブ
レーキ装置はそれらの語を用いて定
義するべきであるとの理由で,旧JIS
同様の定義とした。 

2) ブレーキ装置 
2000 
自動車の車速を制御(通常は減
速),停止又はある位置に保持す
るために使用する一連の機構。 

3.1 
車両に搭載される
全てのブレーキ系。 

変更 

2203 フルエアブレーキ 

追加 

2) ブレーキ装置2.3) エネルギー源
による分類として追加。 

2204 フルパワーハイドロリック
ブレーキ 

追加 

2206 バキュームアシステッドブ
レーキ 

追加 

2207 エアアシステッドブレーキ 

追加 

2208 ハイドロリックアシステッ
ドブレーキ 

追加 

2210 電気ブレーキ 

追加 

2302 フットブレーキ 

追加 

2) ブレーキ装置2.4) 制御方式によ
る分類として追加。 

2303 ハンドブレーキ 

追加 

2601 フロントブレーキ 

追加 

2) ブレーキ装置2.7) 取付位置によ
る分類として追加。 

2602 リヤブレーキ 

追加 

2603 センタブレーキ 

追加 

2604 インボードブレーキ 

追加 

2605 ホイールブレーキ 

追加 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内
容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 
(続き) 

3201 内拡式ドラムブレーキ 

追加 

3) ブレーキ機構及び要素3.3) ドラ
ムブレーキとして追加。 

3202 ツーリーディングシューブ
レーキ 

追加 

3203 デュオツーリーディングシ
ューブレーキ 

追加 

3204 ツートレーリングシューブ
レーキ 

追加 

3205 デュオツートレーリングシ
ューブレーキ 

追加 

3206 リーディングトレーリング
シューブレーキ 

追加 

3207 ユニサーボブレーキ 

追加 

3208 デュオサーボブレーキ 

追加 

3209 外部収縮式ドラムブレーキ 

追加 

3210 バンドブレーキ 

追加 

3301 フィクストキャリパディス
クブレーキ 

追加 

3) ブレーキ機構及び要素3.4) ディ
スクブレーキとして追加。 

3302 フローティングキャリパデ
ィスクブレーキ 

追加 

3303 フローティングディスクブ
レーキ 

追加 

3401 ウェッジブレーキ 

追加 

3) ブレーキ機構及び要素3.5) その
他のブレーキ機構として追加。 

3402 カムブレーキ 

追加 

3611 レジンモールド 

追加 

3) ブレーキ機構及び要素3.7) 摩擦
ブレーキコンポーネントとして追
加。 

3612 NAO材 

追加 

3613 ロースチール材 

追加 

3614 メタル材 

追加 

3615 セミメタル材 

追加 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内
容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 
(続き) 

4201 横滑り防止装置,ESC 

6.3 
stability control 
system,  
dynamic drive control 
system 

変更 

技術的差異はなし 

UN-ECE R13Hにおいて定義され,
国内でも乗用車の制動装置の技術基
準になっている用語とした。 

4202 EVSC 

追加 

UN-ECE R13において大型車の車両
姿勢制御装置として用語規定された
ため,4) ブレーキ系の構成要素4.3) 
車両の安定性を向上させる装置・機
能として追加。 

4203 トレーラスウェイコントロ
ール 

追加 

4) ブレーキ系の構成要素4.3) 車両
の安定性を向上させる装置・機能と
して追加。 

4300 ブレーキアシストシステ
ム,BAS 

追加 

UN-ECE R13及びR13Hに規定され
たため,4) ブレーキ系の構成要素
4.4) BASとして追加。 

4403 電子制御制動力配分,EBD 

追加 

4) ブレーキ系の構成要素4.5) その
他の自動制御装置・機能として追加。 

4404 アダプティブクルーズコン
トロール 

6.5 
autonomous 
intelligent cruise 
control system 

変更 

技術的差異はなし 

日本で広く使われている用語とし
た。 

4405 衝突緩和ブレーキ 

追加 

4) ブレーキ系の構成要素4.5) その
他の自動制御装置・機能として追加。 

4406 回生協調ブレーキ 

追加 

4501 車輪速センサ 

追加 

4) ブレーキ系の構成要素4.6) セン
サとして追加。 

4502 加速度センサ 

追加 

4503 ヨーレートセンサ 

追加 

4504 ステアリング角センサ 

追加 

4505 ブレーキ液圧センサ 

追加 

3

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内
容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 
(続き) 

4506 ブレーキ空気圧センサ 

追加 

4507 ブレーキストロークセンサ 

追加 

4508 負圧センサ 

追加 

4606 ノンコンティニュアスブレ
ーキ 

追加 

4) ブレーキ系の構成要素4.7) 連結
車のブレーキシステムに関するもの
として追加。 

4613 セカンダリライン 

追加 

4614 (トレーラの)自動ブレー
キシステム 

追加 

4701 内燃機関式リターダ 

追加 

4) ブレーキ系の構成要素4.8) リタ
ーダに関するものとして追加。 

4707 摩擦リターダ 

追加 

4804 摩耗警報装置 

追加 

4) ブレーキ系の構成要素 4.9) 警報
装置に関するものとして追加。 

6111 ライン圧力 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語2) 力
学及び圧力に関するものとして追
加。 

6116 解放開始圧力 

追加 

6201 反応時間 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語3) 時
間に関するものとして追加。 

6202 踏替時間 

追加 

6206 主制動時間 

追加 

6207 解除時間 

追加 

6208 空走時間 

追加 

6211 停止時間 

追加 

6301 空走距離 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語4) 距
離に関するものとして追加。 

6401 制動初速度 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語5) 速
度及び加速度に関するものとして追
加。 

6402 制動終速度 

追加 

6503 ブレーキライニングのエナ
ジーローディング 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語6) 仕
事に関するものとして追加。 

3

3

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内
容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 
(続き) 

6601 (制動)効力 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語7) 性
能に関するものとして追加。 

6607 スピードスプレッド 

追加 

6608 ペダルストローク 

追加 

6609 ペダル余裕 

追加 

6610 ペダル踏力 

追加 

6611 ペダルストローク速度 

追加 

6620 粘着利用曲線 

追加 

6702 フェード 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語8) 一
般的な現象に関するものとして追
加。 

6703 メカニカルフェード 

追加 

6704 ウォータフェード 

追加 

6705 リカバリ 

追加 

6706 オーバーリカバリ 

追加 

6707 ビルドアップ 

追加 

6708 モーニングシックネス 

追加 

6709 引きずり 

追加 

6710 ベーパロック 

追加 

6711 ノックバック 

追加 

6712 シェイクバック 

追加 

6714 ブレーキ鳴き 

追加 

6725 対面損傷 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語9) 摩
擦材,ドラム及びディスクの表面の
現象に関するものとして追加。 

6727 ヒートクラック 

追加 

6729 DTV 

追加 

6801 ホイールロック 

追加 

b) 力学及び現象に関する用語11) 
自動車の運動に関するものとして追
加。 

6802 スキッド 

追加 

6804 しり振り 

追加 

6805 ジャックナイフ 

追加 

6806 ノーズダイブ 

追加 

6807 ブレーキホップ 

追加 

3

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1

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内
容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 
(続き) 

6809 ブレーキペダルフィーリン
グ 

追加 

3.2.4.1.3 

cut-out device 

削除 

用語の使用頻度が少ないと判断し,
規定せず。 

4.1.5 

gravity braking  
system 

削除 

4.2.5 

electric braking  
system 

削除 

ISO規格では伝達媒体による分類で
記載されているが,内容からa) 2) 
2.3) エネルギー源による分類2210 
電気ブレーキに含まれると判断し,
規定せず。 

5.5.1.3.5.1 manual brake  

adjustment device 

削除 

3405 ブレーキアジャスタにまとめ
て規定。 

5.5.1.3.5.2 automatic brake  

adjustment device 

削除 

5.5.3.1.1 

primary retarder 

削除 

用語の使用頻度が少ないと判断し,
規定せず。 

5.5.3.1.2 

secondary retarder 

削除 

5.5.3.2.5.2 hydrostatic retarder 

削除 

5.6.1 

pipe, tube 

削除 

JIS D 0107にブレーキチューブとし
て規定。 

5.6.1.1 

rigid pipe 

削除 

5.6.1.2 

semi-rigid pipe 

削除 

5.6.1.3 

flexible pipe 

削除 

5.14 

auxiliary device  
consuming energy 

削除 

用語の使用頻度が少ないと判断し,
規定せず。 

10.9 

cut-out pressure 

削除 

10.10 

cut-in pressure 

削除 

3

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内
容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

Annex A 

brake amplification  
factors 

削除 

Annex Aは,“用語”ではなく,
“Symbols”でありISO規格のあり
方が好ましくないため,JISでは削
除した。 

Annex B 

evaluation of mean  
fully developed  
deceleration 

削除 

Annex Bは,評価の計算法であり,
“用語”ではない。単なる計算式で
あり,用語規格としては不要のため
JISでは削除した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 611:2003,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

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