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C 8702-3:2009  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 技術者が機器に蓄電池を設置する場合の設置上及び設計上の規定 ·············································· 2 

5 使用者に対する注意事項の表示に関する規定 ········································································· 2 

附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 4 

C 8702-3:2009  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人電池工業

会(BAJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS C 8702-3:2003は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

JIS C 8702の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 8702-1 第1部:一般要求事項,機能特性及び試験方法 

JIS C 8702-2 第2部:寸法,端子及び表示 

JIS C 8702-3 第3部:電気機器への使用に際しての安全性 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

C 8702-3:2009 

小形制御弁式鉛蓄電池− 

第3部:電気機器への使用に際しての安全性 

Small-sized valve regulated lead-acid batteries- 

Part 3:Safety recommendations for use in electric appliances 

序文 

この規格は,1991年に第1版として発行されたIEC/TR 61056-3を基に作成した日本工業規格であるが,

より適切な内容とするため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。対応国際規格には規定

されていない規定項目及び規定内容を日本工業規格として追加している。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項であり,変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,補水を必要としないサイクル仕様用,トリクル仕様用及び浮動仕様用小形制御弁式鉛蓄電

池(以下,蓄電池という。)について人,資材に対する危険及び被害を防止するため,次の項目について規

定する。 

− 蓄電池を搭載する電気機器を設計する技術者(以下,技術者という。)が電気機器を設計する場合,そ

の電気機器に使用する蓄電池設備に対して,安全上配慮しなければならない事項。 

− 蓄電池の使用者(以下,使用者という。)に最低限知らせなければならない安全事項。 

また,この規格は,JIS C 8702-2に規定する形式に適用する。 

なお,この規格は,次の用途に使用される蓄電池には適用しない。 

− JIS C 8704 規格群に規定する据置鉛蓄電池 

− JIS D 5301 始動用鉛蓄電池 

− JIS D 5303 規格群に規定する電気車用鉛蓄電池 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC/TR 61056-3:1991,Portable lead-acid cells and batteries (Valve-regulated types)−Part 3: Safety 

recommendations for use in electric appliances (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示

す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 8702-1 小形制御弁式鉛蓄電池−第1部:一般要求事項,機能特性及び試験方法 

C 8702-3:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 対応国際規格:IEC 61056-1,General purpose lead-acid batteries (valve-regulated types)−Part 1: 

General requirements, functional characteristics−Methods of test (MOD) 

JIS C 8702-2 小形制御弁式鉛蓄電池−第2部:寸法,端子及び表示 

JIS C 8704規格群 据置鉛蓄電池 

JIS D 5301 始動用鉛蓄電池 

JIS D 5303規格群 電気車用鉛蓄電池 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 8702-1による。 

技術者が機器に蓄電池を設置する場合の設置上及び設計上の規定 

技術者が電気機器に蓄電池を設置する場合に,その電気機器に使用する蓄電池設備に対して,安全上配

慮しなければならない事項を次に示す。 

a) 機能的な働きをする電気部品から離れたところに蓄電池を設置する。 

b) 電気スパークを発生するような部品がある場合は,蓄電池を収納する箱はガスを通さない壁で分離す

る。 

c) 蓄電池を収納する箱を密閉構造にしない。 

d) 蓄電池を機器内で充電する場合には,機器の側面等には単電池当たり1 mm2/Ah以上の開口部をもた

せる。 

e) 機器が通常の使用状態で熱を発生する場合には,蓄電池温度が製造業者によって定められた許容範囲

又はこれが示されていない場合は,50 ℃を超えないような設計とする。 

f) 

蓄電池端子と機器との接続は,直接溶接又ははんだ付けなどによっては行わず,切離し可能とする。 

g) 機器に蓄電池を設置する場合は,蓄電池を正立状態から90°を超えて傾けて設置したり,充電したり

してはならない。 

h) 機器に蓄電池を設置する場合は,衝撃に耐えるように配慮する。 

i) 

蓄電池の設置は,未熟練者が行っても極性の逆接続が防止できるような方法とする。 

j) 

不適切な形式の蓄電池の使用を防止するために,機器等に推奨する蓄電池の形式,公称電圧及び容量

を表示する。 

k) 短絡などによる過大電流を防止するための保護措置(例えば,ヒューズ,ブレーカなど)を施す。 

l) 

蓄電池設置時には蓄電池にベンジン,アルコール,ガソリン,シンナー,油・防せい(錆)剤などの

有機溶剤及び洗剤などの界面活性剤が付着しないようにする。 

m) 蓄電池の充電は,製造業者によって定められた充電条件に従う。 

n) 蓄電池が交換時期を過ぎて使用されないように,取扱説明書,各種ラベルなどを用いて注意を促す。 

o) 蓄電池と機器との漏電回路形成を防止するために,蓄電池の下に絶縁シートを敷くなどの対策を施す。

ただし,可塑剤を含む軟質塩化ビニルなどのシートを使用してはならない。 

使用者に対する注意事項の表示に関する規定 

蓄電池を使用した電気機器に記載しなければならない蓄電池に関する注意事項の表示は,本体,取扱説

明書などに次の事項を含まなければならない。 

C 8702-3:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 蓄電池の形式,公称電圧及び定格容量 

b) 次の据付時の注意事項 

機器を密閉構造にしない。また,発熱部付近で使用しない。 

c) 次の充電時の説明事項 

蓄電池の充電は,専用充電器を使用するか,製造業者によって定められた充電条件を守る。 

d) 保管及び使用に関する周囲温度範囲 

e) 操作上の説明 

f) 

機械的破損,取扱不良又は欠陥を生じた場合の次の指示 

1) 蓄電池の端子の腐食,漏液,電槽の変形,発熱など,これまでと異なる現象に気が付いたときは,

使用を停止する。 

2) 電解液(希硫酸)が漏出した場合,手,目及び衣服を保護しながら蓄電池を機器から取り外し,皮

膚,目などに電解液が付着しないよう,厳重に注意する(電解液を蓄電池及び蓄電池を収納する箱

からぬぐい去る方法を示してもよい。)。 

3) 電解液が皮膚,頭髪,着衣類などに付着した場合は,すぐに多量の水で洗い流す。 

4) 電解液が目に入ったときは,すぐに多量の水道水などのきれいな水で洗った後,医師の診察を受け

る。 

g) 同一形式,同一使用年数及び同一製造業者の蓄電池を使用する。 

h) 蓄電池を火中に投じたり加熱したりしない。 

i) 

蓄電池の(+)端子と(−)端子とを短絡させない。 

j) 

蓄電池を分解,改造,破壊及び解体しない。 

k) 子どもを蓄電池に近づけてはならない。 

l) 

蓄電池は取扱説明書,又は機器に記載された交換時期までに新しい蓄電池に交換する。交換時期を過

ぎて使用すると漏液,発火,爆発などの原因となる。 

m) 蓄電池使用時には蓄電池にベンジン,アルコール,ガソリン,シンナー,油・防せい(錆)剤などの

有機溶剤及び洗剤などの界面活性剤が付着しないようにする。 

n) 蓄電池の外観にほこりなどによる汚損が見られる場合には,水又は温水で湿らせた布で清掃し,ベン

ジン,アルコール,ガソリン,シンナーなどの有機溶剤及び洗剤などの界面活性剤を用いない。乾布

による清掃及びはたきがけは,静電気放電による爆発の原因となるため行わない。 

o) 保守点検する場合は,ゴム手袋着用などの安全対策をして作業する。 

p) 使用済み蓄電池を家庭ごみ廃棄物の中に捨ててはならない。リサイクルするためにしかるべき経路を

通じて返却する。 

q) 使用済み蓄電池は,端子を粘着テープなどで絶縁する。 

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C 8702-3:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS C 8702-3:2009 小形制御弁式鉛蓄電池−第3部:電気機器への使用
に際しての安全性 

IEC/TR 61056-3: 1991, Portable lead-acid cells and batteries (Valve-regulated types)−Part 3: 
Safety recommendations for use in electric appliances 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号及び
名称 

内容 

箇条
番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

序文 

IEC/TR 61056-3 

JISとほぼ同じである
が,Technical Reportと
している。 

変更 

JISでは規格として規定してい
る。 

安全上必要な規定であり,今後
IECへ提案する。 

1適用範囲 

サイクル仕様用,ト
リクル仕様用及び浮
動仕様用小形制御弁
式鉛蓄電池について
規定 

1  

サイクル仕様用制御弁
式鉛蓄電池について規
定 

追加 

JISでは,トリクル仕様及び浮
動仕様用途も規定している。適
用範囲外の蓄電池を規定する。 

小形制御弁式鉛蓄電池は,世界的
にサイクル,トリクル・浮動用と
もに使用されているためIECへ提
案する。 

2 引用規格 

3用語及び定義 必要な用語を定義 

追加 

IEC規格には用語の項目がない
が,JISでは必要な用語を規定
している。 

IEC 61056-1で説明されている内
容と同じである。ただし,トリク
ル仕様はIEC規格にはないので,
IECへ提案する。 

4技術者が機器
に蓄電池を設
置する場合の
設置上及び設
計上の規定 

設計上の注意事項に
ついて15項目を規定 

設計上の注意事項につ
いて11項目を規定 

追加 

IEC規格で規定されていない項
目を,JISでは追加規定してい
る。 

安全上必要な項目であり今後,
IECへ提案する。 

5使用者に対す
る注意事項の
表示に関する
規定 

使用上の注意事項に
ついて17項目を規定 

使用上の注意事項につ
いて11項目を規定 

追加 

IEC規格で規定されていない項
目を,JISでは追加規定してい
る。 

安全上必要な項目であり今後,
IECへ提案する。 

2

C

 8

7

0

2

-3

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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C 8702-3:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC/TR 61056-3:1991,MOD 

関連する法規 

資源の有効な利用の促進に関する法律 

 
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。  

2

C

 8

7

0

2

-3

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。