C 61300-3-30:2010 (IEC 61300-3-30:2003)
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 概要······························································································································· 1
4 装置······························································································································· 2
4.1 フェルールホルダ ·········································································································· 2
4.2 微動台 ························································································································· 2
4.3 三次元干渉計表面解析装置······························································································· 2
5 手順······························································································································· 3
5.1 測定領域 ······················································································································ 3
5.2 測定手順 ······················································································································ 4
6 個別規格に規定する事項 ···································································································· 6
附属書A(参考)二次曲線近似による多心光ファイバコネクタの端面幾何形状の計算方法 ·················· 7
附属書B(規定)表面角度規定法····························································································· 8
附属書C(規定)光ファイバ配列順序 ······················································································ 9
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS C 61300の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 61300-1 第1部:通則
JIS C 61300-2-17 第2-17部:低温試験
JIS C 61300-2-18 第2-18部:高温試験
JIS C 61300-2-19 第2-19部:高温高湿試験(定常状態)
JIS C 61300-2-45 第2-45部:浸水試験
JIS C 61300-2-48 第2-48部:温湿度サイクル試験
JIS C 61300-3-3 第3-3部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
JIS C 61300-3-20 第3-20部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定
JIS C 61300-3-28 第3-28部:過渡損失測定
JIS C 61300-3-30 第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置
測定
JIS C 61300-3-31 第3-31部:光ファイバ光源の結合パワー比測定
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日本工業規格
JIS
C 61300-3-30:2010
(IEC 61300-3-30:2003)
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−
基本試験及び測定手順−
第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの
研磨角度及び光ファイバ位置測定
Fiber optic interconnecting devices and passive components-
Basic test and measurement procedures-
Part 3-30: Examinations and measurements-
Polish angle and fiber position on single ferrule multifiber connectors
序文
この規格は,2003年に第1版として発行されたIEC 61300-3-30を基に,技術的内容及び対応国際規格の
構成を変更することなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,ガイドピンで位置決めする多心光ファイバコネクタ用フェルール及び光コネクタの表面幾
何形状の測定手順について規定する。この測定手順では,端面での光ファイバの突出し量及び引込み量,
ガイドピン穴に対する端面角度などを規定している。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61300-3-30:2003,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures−Part 3-30: Examinations and measurements−Polish angle and fibre
position on single ferrule multifibre connectors(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
(なし)
3
概要
ガイドピンで位置決めする多心光コネクタは,一般的には,光コネクタの長尺方向と短尺方向とに対し
て垂直な端面をもち,その端面は,理想的には,全面において光ファイバがわずかに突き出し,かつ,平
たんな研磨が望ましい。実際には,端面は長尺方向と短尺方向とで異なった曲率半径である。接続時には
ピンとガイド穴とによって位置決めされるため,フェルールの端面は接触しているときにはガイド穴に対
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して(X方向及びY方向の角度で)適切に方向付けされて接触する。X方向の端面角度及びY方向の端面
角度は,測定対象範囲の最高点の割合に基づくベストフィット面を見つけることによって測定する。一般
的には,最高点は干渉光学的に一番密になっている部分である。このような測定は,非常に手間がかかり,
異なる干渉計での高精度な再現性が求められる。ベストフィット面の角度は,各々のガイド穴の軸に垂直
な参照面と比較することによって求める。光ファイバの突出し量(+p)及び引込み量(−p)は,光ファ
イバ端面とベストフィット表面との間の距離として定義する面上の高さである。
この試験では,一つの方法,すなわち,三次元干渉計表面解析装置を用いて端面を解析する方法を規定
する。
4
装置
干渉計による三次元表面解析法では,図1に示すように,装置は,フェルールホルダ,微動台及び表面
粗さ又は高さ成分について解析できる三次元干渉計表面解析装置で構成する。
図1−測定系の構成
4.1
フェルールホルダ
フェルールホルダは,垂直方向,水平方向及び斜め研磨フェルールの場合では,傾けた位置にフェルー
ルを固定するためのジグである。各々のガイド穴軸及びガイド穴に対する平均的な垂直角は,理想的な端
面角に相当する。平均的な垂直角は,ガイド穴に挿入するガイドピン又はそれに類似したもので各々のガ
イド穴軸を測定可能な表面角度に置き換えられるものを使用する。
4.2
微動台
微動台は,フェルールホルダを固定し,フェルールホルダを任意の位置に移動できなければならない。
微動台は,フェルール端面を要求精度で測定するために,十分な機械的安定性がなければならない。
4.3
三次元干渉計表面解析装置
三次元干渉計表面解析装置は,フェルール端面上の光ファイバの高さを±50 nmの精度で測定でき,顕
微鏡部,表面測定データ処理部及びモニタで構成する。
顕微鏡部は,干渉顕微鏡,位相シフトアクチュエータ,画像検出器及び画像取込器で構成する。対物レ
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ンズ付き干渉顕微鏡では,フェルール端面を映し出せるようになっている。
表面測定データ処理部は,測定表面の高さ情報を処理し,X軸方向及びY軸方向の曲率半径,端面角度
並びにベストフィットした平面上の表面からの光ファイバの突出し量及び引込み量の測定を行う。平たん
度は,光コネクタ表面が平面とみなせる程度の曲率半径をもつかどうかを決定するために算出する。
モニタは,各々の軸に対する測定結果及び算出した表面プロファイルを表示する。
5
手順
5.1
測定領域
測定領域は,測定対象のフェルール端面上を次に示す領域に分けて定義する。
a) 対象領域 対象領域は,フェルールを接続したときにフェルールの接触面を包含するような長尺(X
軸)方向の長さL及び短尺(Y軸)方向の長さHの長方形の領域とする。対象領域の中には光ファイ
バアレイがあり,その各光ファイバは平均化領域の中心に位置する(図2参照)。コネクタの種類によ
る測定領域を,表1に示す。
図2−フェルール上の測定領域
b) 抜粋領域 抜粋領域には,光ファイバ端面領域及び付随する接着層領域を含み,各々の光ファイバの
中心から直径Eの円状領域とする。
c) フィッティング領域 フィッティング領域は,抜粋領域を除く対象領域とし,フェルール表面形状を
算出するデータセット領域とする。通常,フィッティング領域外のフェルール上の表面測定点は,フ
ィッティング領域内の表面測定点よりも低い位置にある。
d) 平均化領域 平均化領域は,光ファイバの高さを求めるための光ファイバ表面部分であり,直径Fの
円状領域とする。平均化領域は,シングルモード(SM)光ファイバとマルチモード(MM)光ファイ
バとでは異なる。
e) MM光ファイバでのコアのくぼみを評価するときには,二つの平均化領域を使用する。一つ目は直径
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Dcoreをもつコアフィッティング領域とし,二つ目は最大輪帯直径Dmaxと最小輪帯直径Dminとの間の領
域(輪帯状領域という。)を用いる(図3参照)。MM光ファイバのコアくぼみ測定領域を,表2に示
す。
表1−フェルール測定領域
光コネク
タの種類
対象領域
L×H
mm2
上部除去
画素割合
%
次ステップ
上部除去画素割合
%
抜粋領域
(直径E)
mm
平均化領域(直径F)
MM光ファイバ
mm
SM光ファイバ
mm
MT
2.900×0.675
3
20
0.140
0.100
0.50
ミニMT
0.900×0.675
3
20
0.140
0.100
0.50
図3−マルチモード光ファイバのコアくぼみ測定領域
表2−マルチモード光ファイバのコアくぼみ測定領域
単位 μm
コアフィッティング領域
Dcore
最小輪帯直径
Dmin
最大輪帯直径
Dmax
20
70
90
5.2
測定手順
測定手順は,次による。
5.2.1
干渉計に対して十分,かつ,安定に,フェルールをフェルールホルダに取り付ける。
5.2.2
顕微鏡の焦点をサンプルに合わせ,干渉じま(縞)が表面を走査できるようにする。
5.2.3
データセット“A”を対象領域内の画素だけを用いて生成する。
5.2.4
光ファイバ周辺の抜粋領域を取り除いて,データセット“B”を生成する。
5
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5.2.5
データセット“B”を二次曲線近似し,表面“C”を生成する(附属書A参照)。
5.2.6
データセット“B”から表面“C”を引き,データセット“D”を生成する。
5.2.7
データセット“D”内の画素の上部3 %を取り除き,データセット“E”を生成する。これによっ
て,ほかよりも極端に高い点を取り除く。これは,光コネクタが接触している場合に相当する。
5.2.8
データセット“E”内の画素の上部20 %を一体とみなし,データセット“F”を生成する。
5.2.9
データセット“F”で一体とみなした部分を除き,データセット“A”からすべての画素を消去し
てデータセット“G”を生成する。
5.2.10 データセット“G”に平面を当てはめ,データセット“G+平面”を生成する。参照軸としてガイ
ドピン穴の軸平均と当てはめた平面とを用いて,X軸及びY軸方向の表面角度を求める(附属書B参照)。
当てはめた平面データに抜粋領域のデータを重ね合わせる。該当する光ファイバ中心位置の平面からの光
ファイバの高さを求める。光ファイバの配列順序は,附属書Cを参照する。
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5.2.11 データセット“G”を二次曲線近似し,表面“H”を生成する。表面の平たん度を求める。対象領
域に交差する二次曲線部分に平面を描き,二次曲線の頂点部と平面との距離を平たん度とする。また,X
方向及びY方向の曲率半径を求める。
注記 フェルールの端面は,通常,平面である。図示した曲率は,誇張している。
5.2.12 MM光ファイバでのコアくぼみ量を,輪帯状領域の平均高さからコアフィッティング領域Dcoreの
平均高さを引くことによって求める。
6
個別規格に規定する事項
三次元干渉計表面解析法を引用する個別規格では,次の事項を規定しなければならない。
a) X軸方向の端面角度
b) Y軸方向の端面角度
c) 個々の光ファイバの位置精度,すなわち,突出し量(+p)及び引込み量(−p)
d) 全光ファイバ中での光ファイバ高さの最大差異
e) 近接する光ファイバ高さの最大差異
f)
対象領域での平たん度
g) 光ファイバの最大コアくぼみ量
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附属書A
(参考)
二次曲線近似による多心光ファイバコネクタの端面幾何形状の計算方法
多心光ファイバコネクタの理想的な端面は,式(A.1)によって計算する。
C
Y
S
X
S
R
Y
R
X
Z
+
+
+
−
−
=
y
x
y
2
x
2
2
2
················································ (A.1)
ここに,
Z: フェルール表面から垂直方向の位置
X: フェルール長尺方向の位置
Y: フェルール短尺方向の位置
Rx: フェルール長尺方向放物面の曲率半径
Ry: フェルール短尺方向放物面の曲率半径
Sx: フェルール長尺方向の傾き角度
Sy: フェルール短尺方向の傾き角度
C: 二乗項をゼロとした平面の相対的な高さを表す定数
式(A.1)の係数Rx〜Cは,コレスキー分解として知られる行列演算法を用いてベストフィットした理想表
面から導き出す。
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附属書B
(規定)
表面角度規定法
対象領域のX軸についての表面角度規定法を図B.1に,対象領域のY軸についての表面角度規定法を図
B.2に,それぞれ示す。
図B.1−対象領域X軸についての表面角度規定法
図B.2−対象領域Y軸についての表面角度規定法
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附属書C
(規定)
光ファイバ配列順序
光ファイバ配列順序を,図C.1に示す。
f1〜f24:フェルール内での光ファイバ配列順序
図C.1−光ファイバ配列順序
参考文献 IEC 61753-1-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components performance standard−
Part 1-1: General and guidance−Interconnecting devices (connectors)
IEC 61300 (all parts),Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures