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C 6870-1-24:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 H1:短絡試験(OPGW及びOPAC用) ··············································································· 2 

4.1 目的 ···························································································································· 2 

4.2 サンプル ······················································································································ 2 

4.3 装置 ···························································································································· 3 

4.4 手順 ···························································································································· 3 

4.5 要求事項 ······················································································································ 4 

4.6 規定する詳細事項 ·········································································································· 4 

5 H2:電力線に沿った光架空ケーブルの直流アーク試験(OPGW及びOPAC) ····························· 5 

5.1 目的 ···························································································································· 5 

5.2 一般 ···························································································································· 5 

5.3 サンプル ······················································································································ 5 

5.4 装置 ···························································································································· 5 

5.5 手順 ···························································································································· 6 

5.6 要求事項 ······················································································································ 6 

5.7 規定する詳細事項 ·········································································································· 6 

6 H3:ケーブルの金属エレメントの電気導通試験 ····································································· 7 

6.1 目的 ···························································································································· 7 

6.2 サンプル ······················································································································ 7 

6.3 装置 ···························································································································· 7 

6.4 手順 ···························································································································· 7 

6.5 要求事項 ······················································································································ 7 

6.6 規定する詳細事項 ·········································································································· 7 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8 

C 6870-1-24:2019  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,

JIS C 6851:2018は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 6870の規格群(光ファイバケーブル)には,第1部に光ファイバケーブル特性試験方法に関して

次に示す部編成があり,第2部に屋内ケーブルに関する通則及び細則が,並びに第3部に屋外ケーブルに

関する通則及び細則がある。 

JIS C 6870-1-2 第1-2部:総則及び定義 

JIS C 6870-1-21 第1-21部:機械特性試験方法 

JIS C 6870-1-22 第1-22部:環境特性試験方法 

JIS C 6870-1-23 第1-23部:ケーブルエレメント特性試験方法 

JIS C 6870-1-24 第1-24部:電気特性試験方法 

日本工業規格          JIS 

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光ファイバケーブル− 

第1-24部:光ファイバケーブル特性試験方法− 

電気特性試験方法 

Optical fiber cables-Part 1-24: Basic optical fiber cable test procedures- 

Electric test methods 

序文 

この規格は,2014年に第1版として発行されたIEC 60794-1-24を基とし,日本国内における試験環境に

整合させるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,電気通信装置及び同様の技術を採用した機器とともに使用する光ファイバケーブル,及び

光ファイバと電気用導線とを複合したケーブルの電気特性試験方法について規定する。 

この規格は,光ファイバケーブルの電気特性に関する統一的な要求を確立することを目的とする。この

規格を通して“光ファイバケーブル”と表記している語句は,光ファイバユニットなどと解釈してもよい。 

注記1 一般的な要求及び定義並びに光ファイバケーブル特性試験方法の文書対応表は,JIS C 

6870-1-2で規定している。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60794-1-24:2014,Optical fibre cables−Part 1-24: Generic specification−Basic optical cable 

test procedures−Electrical test methods(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 6820 光ファイバ通則 

JIS C 6870-1-2 光ファイバケーブル−第1-2部:光ファイバケーブル特性試験方法−総則及び定義 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 6820及びJIS C 6870-1-2による。 

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H1:短絡試験(OPGW及びOPAC用) 

4.1 

目的 

この短絡試験は,典型的な短絡時のOPGW(光ファイバ複合架空地線)の動作,又は支持線上へ短絡電

流通電時のOPAC(添架光ファイバケーブル)の動作を評価することを目的とする。 

4.2 

サンプル 

4.2.1 

OPGW試験 

4.2.1.1 

2サンプル試験法 

2サンプル試験法の典型的な構成を図1に示す。 

ケーブル長が最低10 mの2サンプルの各端末を,適切な附属品で処理する。サンプルAは,光ユニッ

ト温度を計測するため,1個以上の熱電対を光ユニット内部穴に挿入する。サンプルBは,OPGWの温度

を計測するため,1個以上の熱電対をOPGWに付着する。光ファイバの伝送損失は,サンプルBの被測定

光ファイバ両端に光源とパワーメータとを接続して測定する。光ファイバの試験長は,最低100 mとする

(サンプルが100 mより短いときは,光ファイバを接続して使用する。)。 

4.2.1.2 

1サンプル試験法 

ケーブル長が最低10 mのサンプルの各端末を,適切な附属品で処理する。光ユニット温度を計測する

ため,1個以上の熱電対を光ユニット表面上のOPGWのより(撚)線部を通して挿入する。OPGWの温度

を計測するため,1個以上の熱電対をOPGWに付着する。被測定光ファイバ両端に光源とパワーメータと

を接続して測定する。光ファイバの試験長は,最低100 mとする(サンプルが100 mより短いときは,光

ファイバを接続して使用する。)。 

4.2.2 

OPAC試験 

OPAC試験の典型的な構成を図2に示す。 

ケーブル長が最低10 mのOPAC試験サンプルは,適切な附属品でつり線と一体化する。1個以上の熱電

対を試験実施中の温度を記録するため,つり線に付着する。さらに,OPACの被測定光ファイバ両端に光

源とパワーメータとを接続して伝送損失の変動を測定する。光ファイバの試験長は,最低100 mとする(サ

ンプルが100 mより短いときは,光ファイバを接続して使用する。)。 

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4.3 

装置 

 1: 熱電対(OPGW測定,光ユニット部測定) 

2: 熱電対記録装置 
3: 光源 
4: パワーメータ 

5: 記録計 
6: 光ファイバ折返し部 
A,B: 試験サンプル 

図1−OPGW短絡試験構成 

 1: 熱電対(つり線温度測定) 

2: 熱電対記録装置 
3: 光源 
4: パワーメータ 

5: 記録計 
6: 光ファイバ折返し部 
A: OPAC 
B: つり線 

図2−OPAC短絡試験構成 

4.4 

手順 

4.4.1 

OPGW試験 

一般的な試験条件は,次のとおりである。 

a) 印加張力 

: 定格引張強度の15 %±5 % 

b) サンプル長 

: 最低10 m 

c) 試験光ファイバ長: 最低100 m 

d) 初期サンプル温度: 受渡当事者間の合意による。 

e) 短絡電流時間 

: 受渡当事者間の合意による。 

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f) 

短絡電流強度 

: 受渡当事者間の合意による。 

g) パルス回数 

: 最低3回 

h) 波形 

: 3サイクル後,対称波形である。 

初期サンプル温度は,受渡当事者間の合意による。電流パルスを,初期温度の5 ℃以内に冷却するパル

ス間隔をもってメタリックケーブルに印加する。被測定光ファイバの光伝送損失を,各電流パルス印加前

の少なくとも2分間及びパルス印加後の少なくとも5分間連続的に記録する。OPGW及び光ユニットの温

度を記録する。 

4.4.2 

OPAC試験 

一般的な試験条件は,次のとおりである。 

a) 印加張力 

: 受渡当事者間の合意による。 

b) サンプル長 

: 最低10 m 

c) 試験光ファイバ長: 最低100 m 

d) 初期サンプル温度: 受渡当事者間の合意による。 

e) つり線最高温度 : 個別仕様書を参照する。 

f) 

短絡電流時間 

: 購入者仕様書を参照する。 

g) パルス回数 

: 最低3回 

h) 波形 

: 3サイクル後,対称波形である。 

初期サンプル温度は,受渡当事者間の合意による。電流パルスを,初期温度の5 ℃以内に冷却するパル

ス間隔をもってつり線に印加する。被測定光ファイバの光伝送損失を各電流パルス印加前の少なくとも2

分間及びパルス印加後の少なくとも5分間連続的に記録する。つり線温度を記録する。 

4.4.3 

OPGW及びOPACの共通手順 

OPGW及びOPACは,短絡電流試験の後は解体する。それぞれのケーブルの構成物は分離して,過度の

摩耗,変色,変形又は故障の兆候がないかを検査する。ケーブルの終端装置の近傍,及び試験サンプルの

中間部に注意するのがよい。 

4.5 

要求事項 

試験の合格基準は,個別仕様書に明記される。完成状態において,OPGWのいかなる部品もその到達す

る最高温度は,製造業者が規定した許容温度範囲以内とする。OPACが添架されるつり線は,試験中にお

いて購入者の規定した最高温度より低い温度を満足するのが望ましい。過度の摩耗,変色,変形又は故障

が,電流パルス印加後の調査によって観測されてはならない。 

4.6 

規定する詳細事項 

4.6.1 

OPGWの試験 

試験項目は,次のとおりである。 

a) 使用する手順(1サンプル試験法,2サンプル試験法) 

b) 初期サンプル温度 

c) 短絡電流強度 

d) 短絡電流時間 

e) パルス回数 

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4.6.2 

OPACの試験 

試験項目は,次のとおりである。 

a) つり線印加張力 

b) 初期サンプル温度 

c) つり線によって到達する最高温度 

d) 短絡電流時間 

e) パルス回数 

H2:電力線に沿った光架空ケーブルの直流アーク試験(OPGW及びOPAC) 

5.1 

目的 

この試験は,OPGW又はOPACへの雷撃による衝撃を評価することを目的とする。 

5.2 

一般 

直流アーク試験は,異なる構造のOPGW間の比較だけに適用する。OPACの場合,ケーブルは,実布設

を可能な限り忠実に模擬するようにつり線に沿って布設される。また,直流アーク試験は,シースが重大

な損傷を受けないことを確認するために実施する。 

5.3 

サンプル 

この試験は,OPGWサンプル又は適切なつり線に装着したOPACサンプルの中間位置において実施する。

サンプルは,引留めクランプ間を最低1 m長とする。 

5.4 

装置 

直流アーク試験に使用する典型的な試験構成を図3に示す。銅又は鉄ロッドで形成する電極を,メタリ

ックケーブルの上部に配置する。電極とメタリックケーブルとは,金属ヒューズによって接続する。メタ

リックケーブルサンプルに印加する張力は,常時許容張力の15〜25 %とする。受渡当事者間の合意があれ

ば,その他の張力を印加する。OPACの試験においては,金属ヒューズを,OPACとつり線とを束ねるバ

インド線が接する位置へ可能な限り近接して接合する。 

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1: 熱電対 
2: 絶縁部 
3: 引留めクランプ 
4: 対称アース接続部 
5: タングステン銅製の平たんな電極 

6: 点火用ヒューズ 
7: 張力計 
8: 電極とケーブル表面との間のギャップ=6 cm  
A: 試験サンプル(OPAC及びつり線を含む。) 

図3−直流アーク試験構成 

5.5 

手順 

サンプルに,溶損又は溶断の原因となる直流アークを印加する。 

表1−試験パラメータ 

クラス 0 

クラス 1 

クラス 2 

クラス 3 

電流 

100 

200 

300 

400 

印加時間 

0.5 

0.5 

0.5 

0.5 

通過電荷量 

50 

100 

150 

200 

試験パラメータは,構造特性に依存した表1のクラス0〜クラス3の範囲,又は受渡当事者間の合意に

よって選択する。ケーブルの初期温度は,23 ℃±5 ℃とする。試験は,異なる試料を用いて同一条件で5

回繰り返す。 

5.6 

要求事項 

この試験の実施に当たり,次の基準を考慮する。 

a) 残留又は動作中の光伝送損失は,規格値を超えてはならない(OPGW/OPAC)。 

b) OPGWにおいて,いずれかの地線が破断した場合,OPGWの残留強度は,残存した非破断地線数で計

算する。計算した残留強度が,初期引張強度の75 %以下である場合,不合格とする。 

5.7 

規定する詳細事項 

試験条件は,クラス0,クラス1,クラス2又はクラス3とする。 

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H3:ケーブルの金属エレメントの電気導通試験 

6.1 

目的 

電気導通試験は,ケーブルの金属エレメントが,ケーブルを通して電気的に導通しているか確かめるも

のである。電気的な導通性は,場所及びシステムによって接続及び接地する場合に重要であり,“良好”の

規定で表現されてもよい。この試験は,一般的に導通試験であり,抵抗又は電気伝導率の条件はない。金

属エレメントは,個々に,又は全体的な集合体として試験してもよいが,特に規定がない場合は,集合体

として測定する。 

注記 個別仕様書によってテンションメンバのようなエレメントが,ケーブルの長手方向にわたって

不連続であってもよい。これは特別な場合であり,個別仕様書によって示される。 

6.2 

サンプル 

試験サンプルは,測定されるケーブル全体である。この試験によってケーブルが破壊されなかった場合

は,試験後のケーブルは,出荷してもよい。 

6.3 

装置 

装置は,電気的な導通性が保証できればどのようなものでもよい。一般的な例として,次のものが挙げ

られる。 

− オームメータ 

− 簡易的なテスタ 

6.4 

手順 

特に規定がない場合は,次の方法で実行する。 

a) 規定のとおり個々又は集合体で金属エレメントに試験装置を接続するため,ケーブルの両端を確実に

解体する。このことは,非常に短い長さでシース又は他の被覆を除去することが求められる場合があ

る。 

b) ケーブルの両端を試験装置に接続し,適切に試験回路を完成する。 

導通の有無を記録する。又は規定があれば,ケーブルエレメントの抵抗値を記録する。 

6.5 

要求事項 

金属エレメントは,導通していなければならない。規定のとおり集合体又は個々のエレメントに要求事

項が適用される。規定があれば,抵抗値は最大値より小さくなければならない。 

6.6 

規定する詳細事項 

個別仕様書には,次の事項を規定する。 

a) 個々又は集合体として測定された金属エレメント 

b) 測定された抵抗値及び許容される最大の抵抗値 

c) 適用される他の特別な基準 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 6870-1-24:2019 光ファイバケーブル−第1-24部:光ファイバケーブル特性
試験方法−電気特性試験方法 

IEC 60794-1-24:2014,Optical fibre cables−Part 1-24: Generic specification−Basic 
optical cable test procedures−Electrical test methods  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び定義 

− 

− 

追加 

用語及び定義を追加した。 

利用者の理解を助けるため。IEC
規格見直し時に提案を行う。 

4 H1:短絡試験(OPGW
及びOPAC用) 

JISと同じ。 

一致 

5 H2:電力線に沿った
光架空ケーブルの直流
アーク試験(OPGW及
びOPAC) 

JISと同じ。 

一致 

6 H3:ケーブルの金属
エレメントの電気導通
試験 

JISと同じ。 

一致 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60794-1-24:2014,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

C

 6

8

7

0

-1

-2

4

2

0

1

9