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C 6122-5-1 : 2001 (IEC 61290-5-1 : 2000) 

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会 (OITDA) /財

団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61290-5-1 : 2000, Optical fibre 

amplifiers−Basic specfication−Part 5-1 : Test methods for reflectance parameters−Optical spectrum analyzerを基

礎として用いた。 

また,令和2年6月22日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準

化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実

用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS C 6122-5-1には,次に示す附属書がある。 

附属書A(参考) 略語一覧 

附属書B(参考) 参考文献 

JIS C 6122の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 6122-1 光ファイバ増幅器−測定方法−第1部:利得パラメータ測定方法 

JIS C 6122-2 光ファイバ増幅器−測定方法−第2部:パワーパラメータ測定方法 

JIS C 6122-3 光ファイバ増幅器−測定方法−第3部:雑音指数パラメータ測定方法 

JIS C 6122-5-1 光ファイバ増幅器−測定方法−第5-1部:光反射率パラメータ測定方法−光スペクト

ラムアナライザを用いた測定方法 

JIS C 6122-6 光ファイバ増幅器−測定方法−第6部:漏れ励起光パラメータ測定方法 

JIS C 6122-7 光ファイバ増幅器−測定方法−第7部:波長帯域外挿入損失測定方法 

日本産業規格          JIS 

C 6122-5-1 : 2001 

(IEC 61290-5-1 : 2000) 

光ファイバ増幅器− 

測定方法− 

第5-1部:光反射率パラメータ測定方法− 

光スペクトラムアナライザを用いた測定方法 

Optical fiber amplifiers−Test methods− 

Part 5-1 : Test methods for reflectance parameters− 

Optical spectrum analyzer test method 

序文 この規格は,2000年に第1版として発行されたIEC 61290-5-1,Optical fibre amplifiers−Basic 

specification−Part 5-1 : Test methods for reflectance parameters−Optical spectrum analyzerを翻訳し,技術的内

容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本産業規格である。 

この分野には新技術が多く,しかも日々進展中であるため,この規格には今後修正,更新が必要である。 

この規格中で使用される略語は,最初に使用される箇所で説明するとともに略語一覧を附属書Aに掲載す

る。 

1. 適用範囲及び目的 この規格は,現在商用化されている希土類が添加されたアクティブ光ファイバを

使用した光ファイバ増幅器 (OFA) に適用する。 

この規格の目的は,JIS C 6121の3.に定義される光ファイバ増幅器の次のパラメータについて,正確,

かつ,信頼性のある測定を行うために必要な一定の条件を確立することにある。 

a) 最大入力端光反射率 

b) 最小入力端光反射率 

c) 出力端光反射率 

備考1. (*) を付けたすべての数値は,暫定値とする。 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

IEC 61290-5-1 : 2000 Optical fibre amplifiers−Basic specification−Part 5-1 : Test methods for 

reflectance parameters−Optical spectrum analyzer (IDT)  

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

C 6122-5-1 : 2001 (IEC 61290-5-1 : 2000) 

備考 参考文献を,附属書B(参考)に示す。 

JIS C 6121 光ファイバ増幅器通則 

備考 IEC 61291-1 : 1998 Optical fibre amplifiers, Part 1 : Generic Specificationが,この規格と一致し

ている。  

3. 装置 測定系の構成を図1に示す。必要な測定機器とその所要性能は,次のとおりである。 

次の受動部品の偏波依存損失変動は,0.2dB (*) 以内とする。 

a) 光源 光源は,波長固定又は波長可変とする。この光源は,適切な詳細仕様書で規定された波長と,

−50〜−60dBの反射率の測定にも十分な光パワーを発生するものとする。サイドモード抑圧比は,30 

dB (*) 以上とする。アイソレーション40dB以上のアイソレータを光源パッケージ内に内蔵するか,

出力側に接続する。狭帯域幅のASE(自然放出光)の高精度な測定を行うために,直線偏波でなけれ

ばならない。 

備考 DFBレーザ又は外部共振器形レーザは,適用可能な光源である。 

b) 光カプラ 3dBの2×2光カプラが必要である。この光カプラは,3.5dB (*) 以下の挿入損失と,60dB

以上のディレクティビティがあるものとする。入力コネクタは,−60dB (*) 以下の反射率とする。出

力コネクタは,光ファイバ増幅器の入力端子のコネクタと同じタイプのものとする。出力側の未使用

端子は,−60dB (*) 以下の反射率とする。この光カプラの偏波依存損失は0.5dB (*) 以下とする。 

c) 光パワーメータ 光パワーメータは,校正の目的で使用される。±0.2dB以内の測定確度で,光ファ

イバ増幅器の動作波長帯域内で,0.1dB (*) 以下の偏波依存性であるものとする。ダイナミックレンジ

は,測定対象の反射率の範囲を超えるものとする。 

d) 光スペクトラムアナライザ スペクトルパワー測定の直線性と確度は,光ファイバ増幅器の動作波長

帯域内で,それぞれ±1.5dB,±1dB以内とする。スペクトルパワー測定の偏波依存性は,±0.1dB (*) 

以内とする。スペクトル分解能は,0.1nm以内とする。ダイナミックレンジは,測定対象の反射率の

範囲を超えるものが必要である。 

e) 光アイソレータ 光アイソレータのアイソレーションは,60dB (*) 以上とする。入力端の反射率は,

−60dB (*) 以下とする。 

f) 

可変光減衰器 光減衰器の減衰範囲と確度は,それぞれ40dB (*) 以上,±0.1dB (*) 以内とする。反

射率は,各端子とも−50dB (*) 以下とする。挿入損失の偏波依存性は,±0.1dB (*) 以内とする。 

g) 光ファイバコード 使用する光ファイバコードのモードフィールド径は,光ファイバ増幅器の入出力

端子の光ファイバのモードフィールド径にできるだけ一致させることが望ましい。反射率は,両端と

も−40dB (*) 以下で,長さは2m未満とする。光ファイバ増幅器に直接接続する場合は,接続する光

ファイバ増幅器の端子と同じ特性をもつものとする。 

h) 光コネクタ 光コネクタの接続損失再現性は,±0.2dB以内とする。反射率は,−60dB (*) 以下とす

る。 

i) 

終端 終端の反射率は,−60dB以下とする。 

j) 

偏波制御器 この装置は,信号光のいかなる偏波状態も他の偏波状態に変えることができるものとす

る。偏波制御器は,全光ファイバ形のものか,90°以上回転可能な1/4波長板と,180°以上回転可能

な1/2波長板で構成してもよい。この装置の挿入損失変動は,0.1dB (*) 以下,反射率は,両端子とも

−50dB (*) 以下とする。 

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C 6122-5-1 : 2001 (IEC 61290-5-1 : 2000) 

図1 光スペクトラムアナライザによる入力端光反射率測定系の構成例 

4. 試料 光ファイバ増幅器は,公称動作条件で動作させなければならない。測定の間,入力光の偏波状

態を一定に維持するよう注意しなければならない。 

備考 光ファイバ増幅器の固有利得のため,光ファイバ増幅器の各端子の反射率の測定値は利得に依

存し,また,その結果として信号パワー及び励起パワーに依存して変化する可能性がある。 

5. 手順 

5.1 

最大及び最小入力端光反射率 この方法は,事前に挿入損失を測定した光カプラと光アイソレータ

を用いて光ファイバ増幅器入力端光反射率を決定する。入力端光反射率を正しく決めるために,信号波長

における逆方向ASEパワーPASEの寄与を識別し,適切に差し引かなければならない。測定手順は,次によ

る。 

図2 光カプラと光アイソレータの挿入損失の測定系 

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C 6122-5-1 : 2001 (IEC 61290-5-1 : 2000) 

図3 光ファイバ増幅器入力パワー測定系 

5.1.1 

校正 

5.1.1.1 

光パワーメータを用いる光カプラ,光アイソレータ及び光コネクタの挿入損失の測定 光カプラ

の端子3と端子2間の挿入損失,及び光アイソレータの挿入損失を評価するために,図2a)に示すように,

該当する詳細仕様書で指定した測定波長に信号光源を設定し,光パワーメータを用いて信号光パワーP3を

測定する。 

図2b)に示すように,光カプラの端子3に光源を,また,端子2に光アイソレータを接続し,光カプラ

の端子1と端子4は終端して,光パワーメータを用いて光アイソレータ出力で光パワーP3'を測定する。 

5.1.1.2 

光スペクトラムアナライザを用いる入力端光反射率の測定 逆方向に反射される最大光パワー

Pcalを測定することによって試験系を校正する。図1と同様の系を用いるが,光ファイバ増幅器は使用せ

ず,光カプラの端子3を終端する。また,最大反射パワーを見つけるために偏波制御器を用いる。 

5.1.1.3 

光ファイバ増幅器入力パワーの決定 図3a)に示すように,校正のために光パワーメータを用い

て光ファイバ増幅器入力パワーを測定し,該当する詳細仕様書において指定した光ファイバ増幅器の入力

光パワーPinを与えるために途中にある可変光減衰器を設定する。光スペクトラムアナライザを校正するた

めに,図3b)に示すように光スペクトラムアナライザを用いて光ファイバ増幅器入力パワーPinを測定す

る。 

5.1.2 

反射率測定 図1に示すように光ファイバ増幅器を挿入し,偏波制御器を調整して,信号波長にお

ける光ファイバ増幅器の反射パワーの最大と最小,PmaxとPminをそれぞれ測定する。また,PmaxとPminに

相当する偏波制御器の設定において,図1に示すようにアイソレータ出力に光スペクトラムアナライザを

用いて,それに相当する逆方向ASEパワーの最大と最小,PASEmaxPASEminを記録する。 

備考1. PASE測定に関して異なった技術が適用可能である。一つの方法は,光スペクトラムアナライ

ザの画面上において信号波長のASEレベルを評価するために内挿手順を使用する。もう一つ

の方法は,増幅された信号光スペクトルによる影響なくASEレベルを評価するために,光フ

C 6122-5-1 : 2001 (IEC 61290-5-1 : 2000) 

ァイバ増幅器出力の信号光成分を除去するために検光子を用いる。後者の場合,入力信号光

は30dB (*) 以上の消光比をもつ直線偏波とするのがよい。もし,偏光子法で十分に信号光パ

ワーを排除することができなければ,偏光子法に加えて内挿法を併用してもよい。 

2. 測定は,信号光源の後ろに置かれた可変光減衰器を調整することによって異なった入力パワ

ーにおいて繰り返すことができる。 

5.2 

出力端光反射率 現在IECで検討中である。 

6. 計算 

6.1 

最大及び最小入力端光反射率 光ファイバ増幅器の入力端光反射率は,次のように計算する。 

a) 光カプラと光アイソレータの挿入損失Aは,次式によって求める。 

A=P3'/P3(線形表示) 

b) 光ファイバ増幅器からの最大と最小の反射信号光パワーPRmaxとPRminは,次式によって求める。 

PRmax= (Pmax−PASEmax−Pcal) /A(線形表示) 

PRmin= (Pmin−PASEmin−Pcal) /A(線形表示) 

c) 最大と最小の入力光ファイバ増幅器反射率,RmaxとRminを,次式によって計算する。 

PRmax=10 log (PRmax/Pin) (デシベル表示) 

PRmin=10 log (PRmin/Pin) (デシベル表示) 

備考1. 測定した反射率は,入出力コネクタの反射率も含む。 

2. 測定した反射率は,光ファイバ増幅器の利得に強く依存する。 

3. 測定の不確定性は,±1dB (*) より良いと期待される。 

6.2 

出力端光反射率 現在IECで検討中である。 

7. 試験結果 

7.1 

最大及び最小の入力端光反射率 次の項目について報告しなければならない。 

a) 測定系の構成 

b) 光源の線幅(半値全幅) 

c) 励起光パワー(該当する場合だけ) 

d) 環境(周囲)温度(該当する場合だけ) 

e) 入力信号光パワー Pin 

f) 

光スペクトラムアナライザの分解能帯域幅 

g) 測定波長 

h) 最大及び最小入力端光反射率 

7.2 

出力端光反射率 現在IECで検討中である。 

C 6122-5-1 : 2001 (IEC 61290-5-1 : 2000) 

附属書A(参考) 略語一覧 

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

ASE  (amplified spontaneous emission)  増幅された自然放出光 

DFB  [distributed feed-back (laser diode)]  分布幅還形(半導体レーザ) 

OFA  (optical fiber amplifier)  光ファイバ増幅器 

C 6122-5-1 : 2001 (IEC 61290-5-1 : 2000) 

附属書B(参考) 参考文献 

IEC 61931 : 1998 Fibre optic terminology 

光ファイバ増幅器標準化委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

内 山 健太郎 

日本電信電話株式会社NTT未来ねっと研究所 

(委員) 

相 沢 卓 也 

株式会社フジクラ光電子技術研究所 

岩 藤 泰 典 

株式会社日立製作所通信システム事業本部 

岡 村 治 男 

日本電気株式会社光ネットワーク事業本部 

奥 野 秀 樹 

日本電気株式会社トランスポート事業部 

小野田 義 人 

富士通株式会社光モジュール開発統括部 

佐々木   亮 

沖電気工業株式会社ネットワークシステムカンパニー 

園 部 洋 治 

アンリツ株式会社計測器事業部 

西 村 正 幸 

住友電気工業株式会社横浜研究所 

根 岸 英 彦 

松下通信工業株式会社コミューケーションシステム事業部 

八 田   勲 

経済産業省産業技術環境局基準認証ユニット標準課 

水 本 哲 弥 

東京工業大学大学院理工学研究科 

森 田 逸 郎 

株式会社KDD研究所(平成12年8月から) 

枝 川   登 

株式会社KDD研究所(平成12年7月まで) 

柳 川 久 治 

古河電気工業株式会社ファイテル製品事業部 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会技術部 

吉 田   実 

三菱電線工業株式会社光・電子事業部 

増 田 岳 夫 

財団法人光産業技術振興協会標準化室 

(事務局) 

平 野 隆 之 

財団法人光産業技術振興協会開発部