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C 3660-601:2019 (IEC 60811-601:2012) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験方法························································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 方法A(標準試験) ······································································································· 2 

4.3 方法B·························································································································· 3 

5 試験報告書 ······················································································································ 4 

C 3660-601:2019 (IEC 60811-601:2012) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電線工業会(JCMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,JIS 

C 3660-5-1:2011は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 3660の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 3660-100 第100部:一般事項 

JIS C 3660-201 第201部:一般試験−絶縁体厚さの測定 

JIS C 3660-202 第202部:一般試験−非金属シース厚さの測定 

JIS C 3660-203 第203部:一般試験−仕上寸法の測定 

JIS C 3660-301 第301部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃における誘電率の測定 

JIS C 3660-302 第302部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃及び100 ℃における直流抵抗率の測

定 

JIS C 3660-401 第401部:各種試験−加熱老化試験方法−エアオーブンによる加熱老化 

JIS C 3660-402 第402部:各種試験−耐水性試験 

JIS C 3660-403 第403部:各種試験−架橋コンパウンドのオゾン試験 

JIS C 3660-404 第404部:各種試験−シースの耐油試験 

JIS C 3660-405 第405部:各種試験−PVC絶縁体及びPVCシース材料の熱安定性試験 

JIS C 3660-406 第406部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの耐環境応力亀

裂性試験 

JIS C 3660-407 第407部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの質量増加率 

JIS C 3660-408 第408部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの長期安定性試

験 

JIS C 3660-409 第409部:各種試験−熱可塑性絶縁体及びシース材料の加熱減量試験 

JIS C 3660-410 第410部:各種試験−銅導体を被覆するポリオレフィン絶縁材料の銅触媒による酸化

劣化試験 

JIS C 3660-411 第411部:各種試験−充塡コンパウンドの低温ぜい化 

JIS C 3660-412 第412部:各種試験−加熱老化試験方法−加圧空気による加熱老化 

JIS C 3660-501 第501部:機械試験−絶縁体及びシース用コンパウンドの機械的特性試験 

JIS C 3660-502 第502部:機械試験−絶縁体の収縮試験 

JIS C 3660-503 第503部:機械試験−シースの収縮試験 

JIS C 3660-504 第504部:機械試験−絶縁体及びシースの低温曲げ試験 

JIS C 3660-505 第505部:機械試験−絶縁体及びシースの低温伸び試験 

C 3660-601:2019 (IEC 60811-601:2012) 

(3) 

JIS C 3660-506 第506部:機械試験−絶縁体及びシースの低温衝撃試験 

JIS C 3660-507 第507部:機械試験−架橋した材料のホットセット試験 

JIS C 3660-508 第508部:機械試験−絶縁体及びシースの加熱変形試験 

JIS C 3660-509 第509部:機械試験−絶縁体及びシースの巻付加熱試験 

JIS C 3660-510 第510部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の巻付試験 

JIS C 3660-511 第511部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドのメルトフロー

インデックスの測定 

JIS C 3660-512 第512部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の引張強さ及び破断時の伸び試験 

JIS C 3660-513 第513部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−前

処理後の巻付試験 

JIS C 3660-601 第601部:物理試験−充塡コンパウンドの滴下点の測定 

JIS C 3660-602 第602部:物理試験−充塡コンパウンドの油分離 

JIS C 3660-603 第603部:物理試験−充塡コンパウンドの全酸価の測定 

JIS C 3660-604 第604部:物理試験−充塡コンパウンド中の腐食成分試験 

JIS C 3660-605 第605部:物理試験−ポリエチレンコンパウンド中のカーボンブラック及び無機充塡

剤の含有量測定 

JIS C 3660-606 第606部:物理試験−密度測定法 

JIS C 3660-607 第607部:物理試験−ポリエチレン及びポリプロピレン中のカーボンブラック分散測

定方法 

日本産業規格          JIS 

C 3660-601:2019 

(IEC 60811-601:2012) 

電気・光ファイバケーブル− 

非金属材料の試験方法−第601部:物理試験− 

充塡コンパウンドの滴下点の測定 

Electric and optical fibre cables-Test methods for non-metallic materials- 

Part 601: Physical tests-Measurement of the drop point of filling 

compounds 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたIEC 60811-601を基に,技術的内容を変更することなく

作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,電線,光ファイバ及びそれらからなるケーブルに用いる充塡コンパウンドの滴下点の測定

手順について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60811-601:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic materials−Part 

601: Physical tests−Measurement of the drop point of filling compounds(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 3660-100 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第100部:一般事項 

注記 対応国際規格:IEC 60811-100:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for 

non-metallic materials−Part 100: General 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 3660-100の箇条3による。 

C 3660-601:2019 (IEC 60811-601:2012) 

試験方法 

4.1 

一般 

この規格は,JIS C 3660-100と併せて用いる。 

特に規定がない限り,試験は,室温で行う。 

滴下点試験は,充塡コンパウンドが完全に液状化しない又は過度の油を分離しない,最高温度の指標と

して用いる。 

試験結果に疑義がある場合,方法Aを標準方法として用いる。 

4.2 

方法A(標準試験) 

4.2.1 

装置 

装置は,次による。 

a) 方法Aに用いるカップは,クロムめっきした黄銅で,その寸法は,図1による。 

b) 耐熱ガラス(ほうけい酸ガラス)試験管は,カップを支持する三つのくぼみをもち,その寸法は,図

2による。 

c) 温度計は,−5〜+300 ℃の範囲(浸没線76 mm)で1 ℃の目盛線のものを用いる。球の長さは,10

〜15 mmで,球の直径は,5〜6 mmとする。 

d) オイルバスは,400 mLのビーカ及び適切な油,オイルバスを支えるリングスタンド,温度計用のクラ

ンプ,図2の二つのコルク,直径1.2〜1.6 mmで長さ150 mmの長さの磨いた金属棒,並びにオイル

バスを暖め,かくはんする適切な手段によって構成する。 

4.2.2 

試験手順 

充塡コンパウンドをできるだけこねないように注意し,カップの大きい方の口から充塡コンパウンドで

満たす。余分なコンパウンドは切り捨てる。金属棒が,カップの大きい方の口から上に約25 mm突き出る

まで金属棒を静かに押し付け,その間,カップの小さい方の口を底に向けて,垂直に保持し,棒を,カッ

プ上部の縁及びカップ下部の同じ側の縁と同時に接触するように押し付ける。カップを回転しながら,棒

がカップの下端にくるまで,カップを下方に動かす。この間,この接触を維持する。このら線状の動きに

よって,コンパウンドが金属棒に付着して,カップの内側に逆円すい(錐)形の再現可能な形状のコンパ

ウンドを残す。 

図2に示すように,温度計をコルクの中に通し,装置を試験できるように組み立てたときに,温度計の

球部の先端がカップの底から3 mm上に位置するように上部コルク位置を調整する。2本目の温度計は,

オイルバスに取り付け,試験管の中の温度計と球とがほぼ同じ高さになるようにする。 

カップ及び温度計を,試験管に入れ,オイルバスの液面が試験管の上端から6 mm以内になるように試

験管をつるす。温度計上の76 mmの浸没線が上部コルクの下端部と一致するように,試験管の中で温度計

を保持する上部コルクの位置を調整する。組み立てた試験管を,この浸没線の位置までオイルバスに沈め

ることが望ましい。 

オイルバスをかくはんし,4〜7 K/minの割合で,コンパウンドの予想滴下温度よりも約17 ℃低い温度

まで,加熱する。この温度に達したら加熱を弱め,オイルバスが更に2.5 K上昇する間に,試験管とオイ

ルバス内との温度差が2 ℃以内に近づくようにする。 

次に,試験管内の温度とオイルバス内との温度差が,1〜2 ℃になるように加熱を続ける。この状態は,

オイルバスを1〜1.5 K/minの割合で加熱するときに得られる。温度が高くなるにつれ,物質がカップの開

口部を通して徐々に突き出てくる。最初に滴下したときに,二つの温度計の温度を読む。 

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4.2.3 

結果の表し方 

充塡コンパウンドの滴下点を,二つの温度計の平均値として記録する。 

4.3 

方法B 

4.3.1 

装置 

装置は,次による。 

a) 方法Bに使用するカップは,クロムめっきした黄銅であって,その寸法は図3による。カップは,試

験するコンパウンドの影響を受けない別の金属で作ってもよい。カップの上面及びカップの下面開口

部の底面は,カップの軸と直角で,互いに平行で滑らかにする。カップの径が広い部分の下部は,ほ

ぼ半球状であって,直径7 mmの鋼球をカップに入れたときに,鋼球の頂点は,カップの下面開口部

の底から12.2±0.15 mmの高さとなる。カップの下面開口部の底の端は,丸み又は面取りを付けない

ほうがよい。 

b) 図4に,金属スリーブの寸法及び温度計の取付け状態を示す。図5に,金属ケース及びカップ固定具

の寸法並びに金属ケースにカップを取り付けた状態を示す。金属ケースに金属スリーブをねじ止めし

たとき,温度計の球部の底が金属ケースの縁から下に8.0±0.1 mmの位置になるように,かつ,温度

計の中心軸がケース及びスリーブの軸と同一線上になるように,金属スリーブを温度計に固定する。

温度計は,温度計の範囲に合うように接合剤でスリーブに固定する。 

c) 温度計の特性は,目盛範囲20〜120 ℃(1 ℃目盛),浸没線100 mm,球部の径3.55〜3.65 mm及び球

部の長さ6 mm以下とする 

d) 試験管は,ほうけい酸ガラスであって,内径25±1 mm,長さ110±2 mmとする。 

e) ビーカは,試験管を垂直にその2/3の長さを液体熱媒体の中に浸せきすることができ,そのときの試

験管の底が,ビーカの底から約25 mm上にくるよう十分な大きさのものを用いる。 

f) 

かくはん機は,ビーカに入れた液体熱媒体の温度を均一にできるものを用いる。 

g) 試験管,液体熱媒体用温度計及び熱源ビーカを保持するためのスタンド。 

h) ガスバーナは,4.3.2に規定する速度でビーカに入れた液体熱媒体を加熱できなければならない。 

液体熱媒体は,80 ℃未満の滴下点の試料の場合には水を用い,80 ℃を超える試料の場合には,グリセ

リン又はホワイトオイルを用いるのがよい。 

注記 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,この細分箇条の後の段落に移した。) 

4.3.2 

試験手順 

コンパウンドを溶融しない状態で,へらなどを用いてカップに詰める。余分なコンパウンドは,取り除

く。気泡が入らないよう注意する。ただし,コンパウンドを溶かさない。 

カップを金属ケースの下側から,止まるまで押し込む。カップの底から出てきたコンパウンドは,取り

除く。金属ケース側面の開口部を塞がないように注意する。カップを装着した温度計を,孔のあいたコル

クに通して取り付け,カップの底が試験管の底から25±1 mmの位置になるように調整する。試験管を,

液体熱媒体が入ったビーカの中にその2/3の長さを浸せきして,試験管の底から約25 mmとなる位置でス

タンドによって垂直に固定する。また,ビーカには,かくはん機及び熱媒体の温度測定用の温度計を入れ

る(図6参照)。 

ビーカを,ガスバーナによって液体熱媒体の温度が試料滴下点よりも20 ℃低い温度になるまで熱媒体

をかくはんしながら加熱する。その後,1 K/minの温度上昇速度で加熱する。カップから最初に滴下する

又はコンパウンドの連続した流れが試験管の底に達したときの温度を記録する。 

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4.3.3 

結果の表し方 

1 ℃の単位まで記録した温度計の温度を,充塡コンパウンドの滴下点とする。 

試験報告書 

試験報告書は,JIS C 3660-100に従って作成する。 

単位 mm 

図1−カップ(方法A) 

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単位 mm 

図2−組み立てた試験管(方法A) 

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単位 mm 

図3−カップ(方法B) 

単位 mm 

図4−温度計及びスリーブ 

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単位 mm 

a) 金属ケース 

b) 組み立てた状態 

c) カップ固定具 

図5−ケース 

単位 mm 

図6−組み立てた装置(方法B)