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C 3660-507:2019 (IEC 60811-507:2012) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験方法························································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 装置 ···························································································································· 2 

4.3 試料及び試験片の準備 ···································································································· 2 

4.4 手順 ···························································································································· 2 

4.5 結果の表し方 ················································································································ 3 

5 試験報告書 ······················································································································ 3 

附属書A(参考)推奨する要求性能 ························································································· 4 

C 3660-507:2019 (IEC 60811-507:2012) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電線工業会(JCMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,JIS 

C 3660-2-1:2003は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 3660の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 3660-100 第100部:一般事項 

JIS C 3660-201 第201部:一般試験−絶縁体厚さの測定 

JIS C 3660-202 第202部:一般試験−非金属シース厚さの測定 

JIS C 3660-203 第203部:一般試験−仕上寸法の測定 

JIS C 3660-301 第301部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃における誘電率の測定 

JIS C 3660-302 第302部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃及び100 ℃における直流抵抗率の測

定 

JIS C 3660-401 第401部:各種試験−加熱老化試験方法−エアオーブンによる加熱老化 

JIS C 3660-402 第402部:各種試験−耐水性試験 

JIS C 3660-403 第403部:各種試験−架橋コンパウンドのオゾン試験 

JIS C 3660-404 第404部:各種試験−シースの耐油試験 

JIS C 3660-405 第405部:各種試験−PVC絶縁体及びPVCシース材料の熱安定性試験 

JIS C 3660-406 第406部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの耐環境応力亀

裂性試験 

JIS C 3660-407 第407部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの質量増加率 

JIS C 3660-408 第408部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの長期安定性試

験 

JIS C 3660-409 第409部:各種試験−熱可塑性絶縁体及びシース材料の加熱減量試験 

JIS C 3660-410 第410部:各種試験−銅導体を被覆するポリオレフィン絶縁材料の銅触媒による酸化

劣化試験 

JIS C 3660-411 第411部:各種試験−充塡コンパウンドの低温ぜい化 

JIS C 3660-412 第412部:各種試験−加熱老化試験方法−加圧空気による加熱老化 

JIS C 3660-501 第501部:機械試験−絶縁体及びシース用コンパウンドの機械的特性試験 

JIS C 3660-502 第502部:機械試験−絶縁体の収縮試験 

JIS C 3660-503 第503部:機械試験−シースの収縮試験 

JIS C 3660-504 第504部:機械試験−絶縁体及びシースの低温曲げ試験 

JIS C 3660-505 第505部:機械試験−絶縁体及びシースの低温伸び試験 

C 3660-507:2019 (IEC 60811-507:2012) 

(3) 

JIS C 3660-506 第506部:機械試験−絶縁体及びシースの低温衝撃試験 

JIS C 3660-507 第507部:機械試験−架橋した材料のホットセット試験 

JIS C 3660-508 第508部:機械試験−絶縁体及びシースの加熱変形試験 

JIS C 3660-509 第509部:機械試験−絶縁体及びシースの巻付加熱試験 

JIS C 3660-510 第510部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の巻付試験 

JIS C 3660-511 第511部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドのメルトフロー

インデックスの測定 

JIS C 3660-512 第512部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の引張強さ及び破断時の伸び試験 

JIS C 3660-513 第513部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−前

処理後の巻付試験 

JIS C 3660-601 第601部:物理試験−充塡コンパウンドの滴下点の測定 

JIS C 3660-602 第602部:物理試験−充塡コンパウンドの油分離 

JIS C 3660-603 第603部:物理試験−充塡コンパウンドの全酸価の測定 

JIS C 3660-604 第604部:物理試験−充塡コンパウンド中の腐食成分試験 

JIS C 3660-605 第605部:物理試験−ポリエチレンコンパウンド中のカーボンブラック及び無機充塡

剤の含有量測定 

JIS C 3660-606 第606部:物理試験−密度測定法 

JIS C 3660-607 第607部:物理試験−ポリエチレン及びポリプロピレン中のカーボンブラック分散測

定方法 

  

日本産業規格          JIS 

C 3660-507:2019 

(IEC 60811-507:2012) 

電気・光ファイバケーブルー 

非金属材料の試験方法−第507部:機械試験− 

架橋した材料のホットセット試験 

Electric and optical fibre cables- 

Test methods for non-metallic materials-Part 507: Mechanical tests- 

Hot set test for cross-linked materials 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたIEC 60811-507を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,電線,光ケーブル及びそれらからなるケーブルの,絶縁体及びシース材料に用いる架橋コ

ンパウンドに適用するホットセット試験の手順について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60811-507:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic materials−Part 

507: Mechanical tests−Hot set test for cross-linked materials(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 3660-100 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第100部:一般事項 

注記 対応国際規格:IEC 60811-100:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for 

non-metallic materials−Part 100: General 

JIS C 3660-201 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第201部:一般試験−絶縁体厚

さの測定 

注記 対応国際規格:IEC 60811-201,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic 

materials−Part 201: General tests−Measurement of insulation thickness 

JIS C 3660-202 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第202部:一般試験−非金属シ

ース厚さの測定 

C 3660-507:2019 (IEC 60811-507:2012) 

  

注記 対応国際規格:IEC 60811-202,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic 

materials−Part 202: General tests−Measurement of thickness of non-metallic sheath 

JIS C 3660-501 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第501部:機械試験−絶縁体及

びシース用コンパウンドの機械的特性試験 

注記 対応国際規格:IEC 60811-501,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic 

materials−Part 501: Mechanical tests−Tests for determining the mechanical properties of insulating 

and sheathing compounds 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 3660-100の箇条3による。 

試験方法 

4.1 

一般 

この規格は,JIS C 3660-100と併せて用いる。 

この規格は,架橋コンパウンドに適用するホットセット試験の方法について規定する。 

全ての試験は,絶縁体及びシース用コンパウンドの押出し後又は架橋後,16時間以上経過後に行う。 

4.2 

装置 

装置は,次による。 

a) 規定された許容範囲に温度を維持できるオーブン。 

b) オーブン内に,各試験片をつり下げるため,上部グリップ及びおもりを取り付けできる下部グリップ

を備え付ける。 

管状試験片の試験は,両端を密封しないようにグリップを取り付ける。この方法として,試験片の

内径より少し小さい径の短い金属ピンを少なくとも片側に差し込むとよい。 

注記 [対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,細別b)の最後の段落に移した。] 

4.3 

試料及び試験片の準備 

必要な長さの試料を,ケーブル若しくはコード,ケーブルより取り外したシース,又は線心より採取す

る。採取する位置はJIS C 3660-501による老化処理無しの引張試験用試料に隣接した位置から採取する。 

ダンベル状又は管状の試験片は,JIS C 3660-501によって準備する。 

シース及び各線心の絶縁体の2個の試験片は,JIS C 3660-201及びJIS C 3660-202の試験方法に規定す

るように断面積を測定した後,試験に用いる。ダンベル状試験片は,突起又は半導電層を取り除いたシー

ス及び絶縁体の内部から採取する。 

絶縁体の厚さは,0.8 mm以上2.0 mm以下とする。初期試料から0.8 mmの厚さが採取できない場合は,

0.8 mm未満でもよいが,最大限の厚さを用いる。 

大きいダンベルは20 mm,小さいダンベルは10 mmの標線を各試験片の中央に付ける。 

適用ケーブル規格における厚さの規定が0.8 mm未満の場合は,0.8 mm未満が許容される。 

4.4 

手順 

試験条件は,関連ケーブル規格の規定による。 

注記1 関連ケーブル規格に規定がない場合は,附属書Aの試験温度及び要求性能の推奨値を参考と

する。 

試験片をオーブン内につり下げ,関連ケーブル規格に規定する力が試験片に加わるようにおもりを下部

C 3660-507:2019 (IEC 60811-507:2012) 

グリップに取り付ける。この作業はできるかぎり速やかに行い,オーブンの扉が開いている時間を最小限

にする。 

オーブンの温度が回復した後,試験片を10分以上オーブン内に保持した後,標線間の距離を測定し,伸

び率を計算する。オーブンにのぞき窓がなく,測定するのに扉を開く場合は,扉を開けてから30秒以内で

測定しなければならない。 

疑義が生じた場合には,試験は窓付きオーブンで行い,扉を開けることなく測定する。 

おもりを試験片から取り除き(下部グリップのところで試験片と切り離す),オーブン内に試験片を残す。

試験片は,5分以上,規定温度に回復するまでオーブン内に保持する。その後,試験片をオーブンから取

り出し,室温まで徐々に冷却した後,標線間の距離を再び測定する。 

注記2 熱くなったグリップ,おもり及び試験片を手で持つことにより生じる物理的危険性を避ける

ための適切な予防措置が必要になる場合がある。 

4.5 

結果の表し方 

おもりを取り付け,規定温度で10分後に測定した伸びの中央値が,関連ケーブル規格の規格値を超えな

いことを確認する。 

オーブンから取り出し冷却された試験片の標線間の距離の中央値が,関連ケーブル規格に規定されたオ

ーブンに挿入される前の値以下であることを確認する。 

2個の試料のうち1個の試料が試験に不合格となった場合,さらに2個の試料で試験を行い,2個とも試

験に合格となった場合は,その試料は試験に合格したとみなす。 

試験報告書 

試験報告書は,JIS C 3660-100に従って作成する。 

C 3660-507:2019 (IEC 60811-507:2012) 

  

附属書A 

(参考) 

推奨する要求性能 

絶縁電線又はケーブルの要求性能は,できるだけ個々のケーブル規格の規定による。 

特に要求のない場合,次の値をこの規格で試験するケーブルに採用することが推奨される。 

− 試験温度:200±3 ℃ 

− 張力:20±0.5 N/cm2 

− 負荷時の最大伸び:175 % 

− 最大永久伸び:15 %