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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 3652-1993 

電力用フラットケーブルの施工方法 

Installation methods of power flat conductor cables 

1. 適用範囲 この規格は,使用電圧が交流300V以下の低圧屋内配線分岐回路であって,事務室,展示

場,店舗などの場所におけるカーペットなどの下に布設する電力用フラットケーブルの施工方法について

規定する。 

備考1. 事務室,展示場,店舗などの場所とは,次の場所をいう。 

(1) 事務,応接,会議などに使用する場所 

(2) 展示,研修,教育などに使用する場所 

(3) 店員の常駐している店舗 

2. 次の場所は含まない。 

(1) 住宅 

(2) 旅館,ホテル,宿泊所などの宿泊室 

(3) 幼稚園,小学校,中学校,盲学校,養護学校などの教室 

(4) 病院,診療所などの病室 

3. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法 

JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条 

JIS K 6301 加硫ゴム物理試験方法 

JIS Z 2371 塩水噴霧試験方法 

4. この附属書の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって

参考として併記したものである。 

2. 施設場所 電力用フラットケーブルは,乾燥した場所であって,点検が容易な隠ぺい場所に布設しな

ければならない。ただし,次の場所には布設してはならない。 

(1) 高温な場所 

(2) 可燃性ガス,腐食性ガスなどの存在する場所 

(3) 危険物などの存在する場所 

3. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

C 3652-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 電力用フラットケーブル フラット絶縁導体,下部保護層,上部接地用保護層及び上部保護層で構成

したもの。フラット絶縁導体と下部保護層を一体加工したもの又は上部保護層が上部接地用保護層を

兼ねたものがある。 

参考 ここでいう“フラット絶縁導体”は,電気用品の技術上の基準を定める省令(昭和37年通商産

業省令第85号)に規定する“平形導体合成樹脂絶縁電線”と同一のものであるが,この規格で

は一般に通用している呼称を採用した。 

(2) 電力用フラットケーブル附属品 電力用フラットケーブルに使用する接続部,コンセントボックス,

端子台及び端末絶縁部。 

(3) 電力用フラットケーブルシステム 電力用フラットケーブルと専用の電力用フラットケーブル附属品

を使用し,漏電遮断器,タイルカーペットなどを併用して電気的及び機械的保護を行った低圧屋内配

線分岐回路(以下,システムという。)。 

(4) フラット絶縁導体 銅条を導体とし,各導体が並列になるよう導体の周囲を絶縁体で被覆したもの。

導体中1導体を接地用導体とする。 

(5) 下部保護層 フラット絶縁導体を床面の微小突起及び湿気から保護する絶縁テープ。 

(6) 上部接地用保護層 フラット絶縁導体の上部を覆い,接地した金属の条。 

(7) 上部保護層 フラット絶縁導体の上部を覆い,機械的に保護する金属の条又は板。 

(8) 接続部 電力用フラットケーブルの導体をコネクタで接続し,絶縁シートなどを使用し,電気的及び

機械的保護を行ったもので,直接接続部と分岐接続部がある。 

(9) 端末絶縁部 電力用フラットケーブルの端末でフラット絶縁導体を絶縁シートなどで絶縁処理したも

の。 

(10) コンセントボックス ベース板,側部板,上部板,端子台,コンセントなどから構成されるボックス。 

(11) 電源ボックス,中継ボックス システムの電力用フラットケーブルと他の配線とを接続するボックス。 

(12) タイルカーペット ビニル,アスファルトなどの強固なパッキング層をもつ方形のカーペット。 

4. システムの材料 電力用フラットケーブル並びにその接続部,端末絶縁部及びコンセントボックスは,

附属書に適合していなければならない。 

5. 設計 システムの設計は,次によって行わなければならない。 

(1) システムに電気を供給する分岐回路の電流容量は,30A以下とすること。 

(2) システムと他の配線を接続するときは,接続点の電源側にシステム専用の開閉器及び過電流遮断器を

取り付けること。この場合の過電流遮断器の定格電流は,電力用フラットケーブルに表示された定格

電流以下とすること。 

(3) システム電源側には,漏電遮断器を取り付けること。原則として,漏電遮断器は高速形で,定格感度

電流は30mA以下のものとする。 

(4) 電力用フラットケーブルは,造営材を貫通して布設しないこと。 

また,その布設経路は,容易に点検できる場所を選定すること。 

(5) 電力用フラットケーブルは,防護性及び防炎性をもつタイルカーペットなどの点検できる床仕上材の

下に布設すること。ただし,電源引出しのための立上り部分などで壁面にフラットケーブルを布設す

る場合,床仕上面からの長さが300mmを超える場合には,厚さ1.2mm以上の金属ダクトで,300mm

以下の場合にあっては適切な防護装置で保護すること。 

C 3652-1993  

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備考1. 防護性及び防炎性をもつタイルカーペットは,次によることが望ましい。 

(1) パッキング材は,十分強固なものを使用すること。 

(2) パッキング材の寸法は,幅900mm以下,長さ900mm以下及び厚さ2mm以上とすること。 

(3) 寸法安定性がよく,電力用フラットケーブルの隠ぺい性に優れていること。 

2. 前項のタイルカーペットは,次によって布設することが望ましい。 

(1) 電力用フラットケーブル布設箇所及び周辺部は,床面との滑りがないよう適度な粘着強度

をもたせ,粘着剤などは,電力用フラットケーブルに損傷を与えないものとすること。 

(2) タイルカーペットは,相互にすきまがないように布設すること。 

(6) 電力用フラットケーブルを布設する床は,コンクリートなどの強固な構造体で,かつ,平滑であるこ

と。 

6. 施工 システムの施工は,次によって行わなければならない。 

(1) 床面は,よく清掃し,付着物などを取り除き,平滑にすること。 

(2) 電力用フラットケーブルの布設経路には,防湿及び防じんのための塗料を塗布するか,又は上部保護

層より広幅の粘着テープを布設するなどのシールをすること。ただし,床タイルなどが既に布設され

ている場合又は下部保護層を広幅の粘着テープと兼用できるものは,この限りでない。 

(3) 電力用フラットケーブルの布設経路は,タイルカーペットなどの中央部が望ましい。 

(4) フラット絶縁導体の下部には,下部保護層を布設すること。ただし,フラット絶縁導体と下部保護層

とが一体加工されたものは,この限りでない。 

(5) フラット絶縁導体は,下部保護層の上に突起やうねりなどがないように布設すること。この場合にお

いて,床面への固定は,幅30mm以上の粘着テープを用い,かつ,1.5m以下の間隔で容易にはがれな

いように固定する。 

(6) フラット絶縁導体と下部保護層とを一体加工したものは,床面へ突起,うねりなどがないように布設

すること。この場合において,床面への固定は,幅30mm以上の粘着テープを用い,かつ,1.5m以内

の間隔で容易にはがれないように固定する。 

(7) フラット絶縁導体の接続箇所,方向転換箇所,コンセントボックス,電源ボックス,中継ボックスな

どへのつなぎ込み箇所のフラット絶縁導体は,浮上り防止のため,粘着テープによって固定を密に行

うこと。 

(8) フラット絶縁導体の折返し部分は,布設使用後これを伸ばして再使用してはならない。 

(9) 上部保護層は,フラット絶縁導体又は上部接地用保護層に密着させ,しわ,突起などがないように布

設すること。この場合,床面への固定は,粘着テープ又は上部保護層の両端に設けた粘着層によって

連続的に行うこと。 

(10) フラット絶縁導体の重合せは,原則として行わないこと。ただし,折曲げ箇所,交差部分,接続部及

び電源引出し部周辺は,この限りでない。 

(11) フラットケーブル状の弱電流電線とフラット絶縁導体とを平行して布設する場合はできるだけ離すこ

と。この場合には,離隔距離を100mm以上とすることが望ましい。弱電流電線の端末部が電力用フ

ラットケーブル及び電力用フラットケーブル附属品に部分的に接近する場合は,この限りでない。 

(12) フラットケーブル状の弱電流電線と電力用フラットケーブルとが交差する場合は,金属保護層(接地

された上部保護層を含む。)で分離し,原則として直交させること。金属保護層には,第3種接地工事

を施すこと。 

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(13) フラット絶縁導体の緑/黄又は緑色で表示された接地用導体は,接地線として使用すること。 

(14) フラット絶縁導体の接地用導体は,電源ボックス又は中継ボックスの内部で第3種接地工事を施すこ

と。 

(15) 電源ボックス,コンセントボックス,中継ボックスなどの金属製外箱は,フラット絶縁導体の接地用

導体と電気的に確実に接続すること。 

(16) 上部保護層は,フラット絶縁導体の接地用導体とボックス内又はフラット絶縁導体の中間で,電気的

に確実に接続すること。ただし,上部接地用保護層と上部保護層を各々布設する場合で,上部接地用

保護層とフラット絶縁導体の接地用導体を電気的に確実に接続すれば,上部保護層を接地用導体へ電

気的に接続することは省略できる。 

(17) フラット絶縁導体相互間,上部保護層相互間,フラット絶縁導体と端子台,フラット絶縁導体とコン

セントなどとの接続は,その電力用フラットケーブルに適した専用のコネクタを用いて接続すること。

この場合,圧着機などの専用工具が必要なときは,必ず使用すること。 

(18) 一度圧着使用したコネクタ(1)は,再使用しないこと。 

注(1) コンセントとコネクタが一体となっているもののコネクタを含む。 

(19) フラット絶縁導体の接続部,切断端部及び導体露出部分は,その電力用フラットケーブルに適合した

絶縁処理材料を用いて絶縁すること。ただし,電源ボックス,中継ボックス又はコンセントボックス

内で十分に絶縁されている場合は,この限りでない。 

(20) 絶縁処理材料の組立は,水気,油気,ほこりなどが混入しないように,接続部に密着させ,上下の絶

縁シートのずれがないように行うこと。 

(21) 一度使用した絶縁処理材料は,再使用しないこと。 

(22) 電源ボックス,コンセントボックス,中継ボックスなどのボックスは,壁,床などに強固に固定する

こと。 

(23) フラット絶縁導体と他の配線又はコンセントとの接続は,そのフラット絶縁導体に適合する端子台を

用いて接続すること。ただし,コネクタと絶縁電線が接続加工されているもの,フラット絶縁導体と

コンセントが一体接続加工されているもの及びコンセントとコネクタが一体となっているものを使用

する場合は,端子台を使用しなくてもよい。 

7. 試験 工事完了時には,次の試験を行わなければならない。 

(1) 回路ごとの絶縁抵抗は,500V又は250V絶縁抵抗計によって測定(2)したとき,各相間,対地間とも1MΩ

以上であること。 

注(2) 機器がコンセントに接続されているときは,それを取り外して測定する。 

(2) 回路ごとの導通は,電源部から電圧を印加し,各コンセントでの電圧によって確認を行うこと。 

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附属書 電力用フラットケーブル 

1. 適用範囲 この附属書は,電力用フラットケーブル並びにその接続部,端末絶縁部及びコンセントボ

ックスについて規定する。 

2. 種類,記号,導体数及び定格 種類,記号,導体数及び定格は,附属書表1のとおりとする。 

附属書表1 種類,記号,導体数及び定格 

種類 

記号(1) 

導体数 

定格電流 

定格電圧 

導体最高許容温度 

℃ 

電力用フラットケーブル 

PUFC 



20 
30 

300 

60 

注(1) 記号の意味は,次のとおりである。 

P:電力用 U:アンダーカーペット FC:フラットケーブル 

3. 特性 特性は,5.によって試験を行ったとき,附属書表2のとおりとする。 

附属書表2 特性 

項目 

特性 

試験方法

適用項 

外観 

表面が平滑で傷がなく,線心識別・表示が正しいこと。 

5.1 

構造 

4.及び9.に適合し,製造業者の構造仕様を満足すること。 

5.2 

導体抵抗 
(接地用導体を含
む。) 

20A用 

5.65Ω/km (20℃) 以下であること。 

5.3 

30A用 

3.35Ω/km (20℃) 以下であること。 

耐電圧 

1 500Vに1分間耐えること。 

5.4 

絶縁抵抗 常温 

50MΩkm以上であること。 

5.5 

高温 (60℃)(2) 

0.15MΩkm以上であること。 

耐加熱加湿性 

絶縁体がはく離せず,1 500Vに1分間耐えること。 

5.6 

耐油性 

1 500Vに1分間耐えること。 

5.7 

耐折り畳み加熱性 

1 500Vに1分間耐えること。 

5.8 

耐低温折り畳み性 

1 500Vに1分間耐えること。 

5.9 

耐加熱収縮性 

収縮率3%以下であること。 

5.10 

耐寒性 

試験片が破壊しないこと。 

5.11 

耐加熱変形性 

厚さの減少率50%以下であること。 

5.12 

難燃性 

60秒以内に自然に消えること。 

5.13 

耐傾斜衝撃性 

1 500Vに1分間耐えること。 

5.14 

耐摩耗性 

導体が露出しないこと。 

5.15 

機械的特性 

1 500Vに1分間耐えること。 

5.16 



接続部の浸水絶縁性 

0.3MΩ以上であること。 

5.17 

端子台の加湿絶縁性 

0.3MΩ以上であること。 

コンセントボックスの注液絶縁性 0.3MΩ以上であること。 

耐地絡・短絡特性 

1 500Vに1分間耐えること。 
タイルカーペット底面に燃焼などの異常がないこと。 

5.18 

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項目 

特性 

試験方法

適用項 

温度上昇及びヒートサイクル特性 

定格電流通電の充電部の温度上昇が30℃以下であること。ヒートサ
イクル通電の充電部の温度上昇は25回目で75℃以下で,その後の
温度上昇は25回目の値に8℃を加えた値以下であること。25回目
の接続コネクタの温度上昇値は,ケーブル導体の温度上昇値以下で
あること。 

5.19 

上部接地用保護層特性 電気抵抗 

3.35Ω/km (20℃) 以下であること。 

5.20 

耐食性 

電気抵抗が3.69Ω/km (20℃) 以下であること。 

上部保護層特性(3) 

耐食性 

電気抵抗の増加率が10%以下であること。 

5.20 

注(2) フラット絶縁導体の絶縁体がビニル混合物のものにだけ適用する。 

(3) 上部接地用保護層を兼ねないものにだけ適用する。 

4. 材料,構造及び加工方法 

4.1 

導体 導体は,JIS H 3100に規定するC 1100 RC又はこれと同等以上の導電率をもつ銅条であり,

導体配列の中央又は中央近くの導体1条を接地用導体としなければならない。 

4.2 

フラット絶縁導体 フラット絶縁導体は,各導体が並列になるよう導体の周囲を附属書表3に示す

絶縁材料若しくはこれらの複合材料又はこれらと同等以上の性能をもつ絶縁材料を絶縁体として被覆する

ほか,次の各項を満足しなければならない。 

(1) フラット絶縁導体の寸法は,附属書図1の値に適合すること。 

(2) 絶縁体の内面には,接着剤を用いてもよい。 

(3) 各導体間の絶縁体には,絶縁特性を損なうことなく,線心分離を可能とする不連続で絶縁体を貫通し

た筋,溝,穴などを設けること。 

附属書表3 絶縁材料 

絶縁材料 

引張強さ 

MPa {kgf/mm2} 

伸び 

ビニル混合物   9.8 {1.0} 以上 

100以上 

ポリエステル   147..0 {15.0} 以上 

 60以上 

備考 複合材料とした場合は,引張強さは材

料の断面積配分で比例し,伸びは材料
の最小の値とする。 

附属書図1 フラット絶縁導体の寸法 

4.3 

線心識別 線心識別は,各線心の絶縁体表面に施す色線,色筋などの方法又は色名との組合せによ

って行うほか,次の各項を満足しなければならない。 

(1) 色の種類は,附属書表4のとおりとする。 

(2) 接地線心の色は,緑/黄又は緑とする。 

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附属書表4 色の種類 

線心数 

色の種類 

白・緑/黄・黒 
白・緑/黄・赤 
白・緑/黄・青 

白・緑/黄・黒・赤 

白・緑/黄・黒・赤・青 

備考1. 色の種類は,配列を示した

ものではない。 

2. 緑/黄は,緑でもよい。 

4.4 

下部保護層 下部保護層は,附属書表3に示す絶縁材料若しくはこれらの複合材料又はこれらと同

等以上の性能をもつ絶縁材料のテープで,フラット絶縁導体の全幅以上の幅をもつものでなければならな

い。この場合において,下部保護層は,あらかじめフラット絶縁導体と一体加工してもよい。 

4.5 

上部接地用保護層 上部接地用保護層は,JIS H 3100に規定する銅条,銅合金条又はこれらと同等

以上の電気的性能をもった金属の条を用いて,フラット絶縁導体全幅以上の幅をもち,フラット絶縁導体

全幅を覆い,かつ,接地用導体と電気的に接続しなければならない。 

4.6 

上部保護層 上部保護層は,JIS G 3302に規定するSGHCZ27又はSGCCZ27,JIS G 4305に規定す

るステンレス鋼板,JIS H 3100に規定する銅条若しくは銅合金又はこれらと同等以上の機械的性能をもつ

金属の条若しくは板を用いなければならない。 

また,フラット絶縁導体及び上部接地用保護層より広い幅のものでなければならない。この場合,上部

保護層の電気抵抗及び耐食性が上部接地用保護層の特性に適合するときは,上部接地用保護層を兼ねるこ

とができる。上部接地用保護層を兼ねる場合は,接地用導体と4.5の規定に適合する電気的接続を行うも

のとする。 

4.7 

電力用フラットケーブルの仕上り厚さ 電力用フラットケーブルの仕上り厚さは,組合せ構成後の

合計厚さが1.5mm以下でなければならない。ただし,折曲げ箇所,交差部分,接続部及び端末部は除く。 

5. 試験方法 

5.1 

外観 外観は,JIS C 3005の3.(外観)による。 

5.2 

構造 構造は,4.及び9.の事項について調べるほか,JIS C 3005の5.(構造)に準じてフラット絶縁

導体幅,導体幅,導体中心間隔,導体厚さ,フラット絶縁導体厚さを測定し,また,導体上の被覆厚さを

算出する。 

備考1. 測定箇所は,附属書図2に示す箇所とする。 

2. フラット絶縁導体には,下部保護層を一体加工したものを含む(以下,5.において同じ。)。 

附属書図2 フラット絶縁導体の測定箇所 

5.3 

導体抵抗 導体抵抗は,フラット絶縁導体についてJIS C 3005の6.(導体抵抗)による。 

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5.4 

耐電圧 耐電圧は,フラット絶縁導体についてJIS C 3005の8.(1)(水中)による。 

5.5 

絶縁抵抗 

5.5.1 

常温絶縁抵抗 常温絶縁抵抗は,フラット絶縁導体についてJIS C 3005の9.1(常温絶縁抵抗)に

よる。 

5.5.2 

高温絶縁抵抗 高温絶縁抵抗は,ビニル絶縁のフラット絶縁導体についてJIS C 3005の9.2(高温

絶縁抵抗)による。 

5.6 

加熱加湿 加熱加湿は,フラット絶縁導体から適度な長さの試料を採り,これをJIS C 3005の19.1

(加熱試験機)の加熱試験機で120±3℃120時間加熱した後,更に周囲温度が40±3℃,相対湿度が85%

以上90%以下の状態に2週間放置した後,取り出して絶縁体のはく離の有無を調べ,次いで5.4の耐電圧

試験を行う。 

5.7 

耐油 耐油は,フラット絶縁導体から適度な長さの試料を採り,70±3℃のJIS K 6301の12.3.1(試

験用油)に規定するNo.2油中に4時間浸した後,取り出してから表面に付着した余分の油を軽くふき取っ

て常温に4時間以上放置し,96時間以内に5.4の耐電圧試験を行う。 

5.8 

折り畳み加熱 折り畳み加熱は,フラット絶縁導体から適度な長さの試料を採り,中央部で半分に

折り畳み,これをJIS C 3005の19.1の加熱試験機で90±2℃ 96時間加熱した後,常温で4時間以上放置

し,96時間以内に元の直線状に戻してから,中央部について5.4の耐電圧試験を行う。 

5.9 

低温折り畳み 低温折り畳みは,フラット絶縁導体から適度な長さの試料を採り,−10±1℃ 1時間

冷却した後,取り出して直ちに中央部で半分に折り畳み,更に元の直線状に戻してから,中央部について

5.4の耐電圧試験を行う。 

5.10 加熱収縮 加熱収縮は,JIS C 3005の23.(加熱収縮)による。ただし,試験片は,フラット絶縁導

体から採集する。 

5.l1 耐寒性 耐寒性は,JIS C 3005の24.(耐寒)による。ただし,試験片の厚さは,フラット絶縁導体か

ら採取したもの又は品質が同一な被服前の材料を2.0±0.2mmに成形する。冷却温度は−15±0.5℃とする。 

5.12 加熱変形 加熱変形は,JIS C 3005の25.(加熱変形)による。ただし,試験片の厚さは,フラット

絶縁導体から採取したもの又は品質が同一な被服前の材料を約2mmに成形する。加熱温度は120±3℃,

荷重は9.8N {1kgf} とする。 

5.13 難燃 難燃は,JIS C 3005の28.(難燃)によって行い,JIS C 3005の28.2 (2)(傾斜試験)の傾斜試

験だけとする。ただし,試料は,フラット絶縁導体から採り,傾斜はフラット面に対するものとする。 

5.14 傾斜衝撃 傾斜衝撃は,フラット絶縁導体から適度な長さの試料を採り,これを水平面に対して45

度に傾斜させた堅木板上に取り付け,先端が半径9.5mmの半球状で直径19mm,質量が0.454±0.01kgの

おもりを鉛直方向に取り付けられたガイドパイプに沿い

05

.00

0.46+

の高さから各線心上に落下させた後,5.4

の耐電圧試験を行う。 

5.15 摩耗 摩耗は,JIS C 3005の31.(摩耗)による。ただし,試料は,フラット絶縁導体の線心の一つ

から適度な長さのものを採り,つるすおもりの質量は,1kg,回転数は250回転とする。 

5.16 機械的特性 

5.16.1 試料 適度な長さの電力用フラットケーブルを用いて,これに直線接続部又は分岐接続部を1か所

処理し,コンクリート床又は木床上に布設する。 

5.16.2 試験台車 試験台車は,事務用椅子を想定したもので,外径が50±5mm,幅が20±2mmのナイロ

ン又は合成ゴム製車輪4個を300〜400mmの間隔に配置した台車とし,試験台車の質量は135±2kgとす

る。 

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5.16.3 試験方法 試験方法は,試験台車の車輪(キャスタ)2個が試料の接続部の1か所以上のコネクタ

を完全に通過するようにし,ケーブルの軸方向と各45度となる4方向に平均速度10±6m/分でそれぞれ

100往復通過させた後,JIS C 3005の8.(2)(空中)によって耐電圧試験を行う。ただし,電圧は,導体間

及び接地用導体以外の導体と上部接地用保護層間に加える。 

備考 車輪(キャスタ)が通過する各45度となる4方向とは,附属書図3に示す方向をいう。 

附属書図3 車輪が通過する4方向 

5.17 絶縁特性 

5.17.1 接続部の浸水絶縁性 接続部の浸水絶縁性は,適度な長さのフラット絶縁導体を用いて,これに直

線接続部又は分岐接続部及び端末絶縁部を処理したものを試料とし,接続部及び端末絶縁部を水中に3分

間浸した後,500V絶縁抵抗計を用い導体間及び導体と水の間の絶縁抵抗を測定する。 

5.17.2 端子台の加湿絶縁性 端子台の加湿絶縁性は,コンセントボックス用ベースと端子台を組み立てた

ものを試料とし,これを45±3℃ 4時間加熱し,室温で相対湿度が85%以上90%以下の状態に24時間保

った後,500V絶縁抵抗計を用い充電部と接地非充電金属部間の絶縁抵抗を測定する。 

5.17.3 コンセントボックスの注液絶縁性 コンセントボックスの注液絶縁性は,長さ1mの電力用フラッ

トケーブルをコンセントボックスの1か所に取り付け,更に電力用フラットケーブルの上に必要数のタイ

ルカーペットを布設した状態(以下,実布設状態という。)で回路を形成して試料とし,相間に100V印加

した状態で,ボックスのカバー上から1lの水道水をかけ,遮断器の保護性を確認した後,500V絶縁抵抗

計を用い,各導体間の絶縁抵抗を測定する。ただし,遮断器が動作した場合には液分をふき取った後に測

定する。 

5.18 地絡・短絡特性 

5.18.1 試料 長さ2mでL形の分岐接続部及びコンセントボックスをそれぞれ1か所に取り付け,電力用

フラットケーブルで実布設状態の回路を形成して試料とする。 

なお,コネクタ,接続部,コンセントボックスなどの取付処理は,長さ方向でそれぞれを約500mm離

すこと。 

5.18.2 電力用フラットケーブルの地絡・短絡特性 電力用フラットケーブルの地絡・短絡特性は,地絡特

性についてタイルカーペット上から電圧側導体線心上に,次に短絡特性について地絡箇所を除き,フラッ

ト絶縁導体を実布設状態から露出させ,相間線心導体間上で,それぞれ電力用フラットケーブルの負荷側

端にかすがいなどを打ち込み,漏電遮断器及び過電流遮断器の動作特性を確認し,この場合の地絡電圧,

地絡電流,短絡電流及び遮断時間を測定する。 

また,短絡特性試験後 短絡箇所を除いて,導体間及び接地用導体以外の導体と上部接地用保護層間で,

JIS C 3005の8.(2)によって耐電圧試験を行うとともに,タイルカーペット底面の異常の有無を調べる。 

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C 3652-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

短絡電流値は,400A以上であることが望ましい。 

備考 試験回路は,附属書図4に示すものとする。 

附属書図4 地絡・短絡特性試験回路 

5.18.3 接地層の短絡特性(I2t特性) 接地導体の短絡特性は,両端で接地導体線心と上部保護層を短絡

し,これにリードケーブルをつないで回路を形成し,短絡電流I (A) の2乗積と通電時間t (s) の積I2t値が

附属書表5の値を目標とする条件で通電する。 

附属書表5 I2t特性 

試験ケーブルの定格電流 

(A) 

I2t値 

(A2s) 

短絡電流 

I (A) 

通電時間 

t (s) 

20 

16 000 

400 

0.1 

30 

36 000 

600 

短絡試験後導体間接地用導体以外の導体と上部接地用保護層間でJIS C 3005の8.(2)によって耐電圧試験

を行うとともに,タイルカーペット底面の以上の有無を調べる。 

備考 試験回路は,附属書図5に示すものをいう。 

附属書図5 I2t特性試験回路 

5.19 温度上昇及びヒートサイクル特性 

5.19.1 試料 長さ3m以上で,電源端子部1か所,直線接続部1か所,分岐接続部1か所,コンセントボ

ックス2か所,ケーブル曲がり部1か所をもつ電力用フラットケーブルで実布設状態の回路を形成し試料

とする。 

なお,各部の取付処理は,長さ方向でそれぞれ約500mm離すこと。床は,厚さ約10mmの合板とする。 

5.19.2 試験方法 定格電流を連続通電し温度が一定となった後(180分以下)各部の温度を測定し,次い

で附属書表6に示す条件で500サイクルのヒートサイクルを行い,25回目,125回目,250回目及び500

回目の各部の温度を測定し,温度上昇を求める。 

温度は,導体,接続コネクタ及び端子台の充電部と周囲温度について,熱電対などによって測定する。 

なお,通電時 負荷側に適当な抵抗を取り付けてもよい。 

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C 3652-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書表6 温度上昇及びヒートサイクル試験条件 

定格電流 

試験電流 

通電時間 

(最小)min 

休止時間 

(最小)min 

20 

32 

45 

45 

30 

48 

5.20 上部接地用保護層及び上部保護層特性 

5.20.1 電気抵抗 上部接地用保護層,接地用を兼ねる上部保護層又は接地用を兼ねない上部保護層につい

て,適度な長さの試料を採り,JIS C 3005の6.によって電気抵抗を測定する。 

5.20.2 耐食性 上部接地用保護層若しくは接地用を兼ねる上部保護層について適度な長さのものを用い

て,これに接続部を1か所処理したもの又は接地用を兼ねない上部保護層について適度な長さのものを試

料とし,JIS Z 2371に規定する方法によって,連続8時間噴霧,16時間休止する操作を2回繰り返し,更

に8時間噴霧した後,JIS C 3005の6.の規定によって電気抵抗を測定する。 

6. 検査 

6.1 

形式検査 形式検査は,5.の試験方法によって,次の項目について行い,3.及び4.の規定に適合しな

ければならない。 

なお,形式検査は,導体数が3で,定格電流が20A又は30Aのいずれか一つをもって代表するものとす

る。 

(1) 外観 

(2) 構造 

(3) 導体抵抗 

(4) 耐電圧 

(5) 絶縁抵抗 

(6) 耐加熱加湿性 

(7) 耐油性 

(8) 耐折り畳み加熱性 

(9) 耐低温折り畳み性 

(10) 耐加熱収縮性 

(11) 耐寒性 

(12) 耐加熱変形性 

(13) 難燃性 

(14) 耐傾斜衝撃性 

(15) 耐摩耗性 

(16) 機械的特性 

(17) 絶縁特性 

(18) 耐地絡・短絡特性 

(19) 温度上昇及びヒートサイクル特性 

(20) 上部接地用保護層及び上部保護層特性 

6.2 

受渡検査 受渡検査は,5.の試験方法によって次の項目について行い,3.及び4.の規定に適合しなけ

ればならない。 

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C 3652-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 外観 

(2) 構造 

(3) 耐電圧 

(4) 絶縁抵抗(常温) 

7. 包装 包装は,運搬中 損傷しないように適切な方法で行う。 

8. 製品の呼び方 製品の呼び方は,種類(又は記号),導体数×定格電流及び構成品名(又は附属品名)

による。 

例1. 

電力用フラットケーブル 

3×20A 

フラット絶縁導体 

又はPUFC  

3×20A 

フラット絶縁導体 

例2. 

電力用フラットケーブル 

3×30A 

分岐接続材料 

又はPUFC  

3×30A 

分岐接続材料 

備考 電力用フラットケーブル附属品で導体数×定格電流については,区分を要しない事項は省略す

ることができる。 

9. 表示 

9.1 フラット絶縁導体又は下部保護層を一体加工したフラット絶縁導体の表示 フラット絶縁導体には,

次の事項を容易に消えない方法で表示しなければならない。 

(1) 定格電圧 

(2) 定格電流 

(3) 線心識別 

(4) 下部保護層を一体加工してあるものでは,その旨の表示 

(5) 製造業者名又はその略号 

9.2 

上部保護層の表示 上部保護層の上面に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならな

い。 

(1) 種類 

(2) 敷物に対する注意 

例 900mm角以下でパッキング厚さが2mm以上の防護性及び防炎性のあるタイルカーペットを使用

のこと。 

9.3 電力用フラットケーブル附属品の表示 電力用フラットケーブル附属品には容易に消えない方法で,

電力用フラットケーブル専用の附属品である旨の表示をしなければならない。 

なお,この表示は,包装に行ってもよい。 

9.4 

包装の表示 包装の外面に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。 

(1) 種類又は記号 

(2) 導体数×定格電流 

(3) 電力用フラットケーブル構成品又は電力用フラットケーブル附属品名 

(4) 数量(長さ,個数,組数など) 

(5) 製造業者名又はその略号 

(6) 製造年又はその略号 

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C 3652-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 セット包装など組合せ包装の場合(3)及び(4)については,明細表に記入することによって省略す

ることができる。 

電力用フラットケーブルの施工方法JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

池 田 栄 一 

日昭電気株式会社 

山 下 幸 雄 

株式会社関電工 

太 田 健一郎 

工業技術院標準部 

黒 木 利 知 

資源エネルギー庁公益事業部 

竹 添 輝 男 

建設省大臣官房官庁営繕部 

小 園 文 典 

日本電信電話株式会社 

徳 島 政 男 

財団法人関東電気保安協会 

菅 原 淳 夫 

財団法人日本規格協会 

小 熊 修 蔵 

東京電力株式会社 

七 尾 英 敏 

NE研 

古 本 宏 和 

社団法人日本電気協会 

石 山 壮 爾 

社団法人日本電設工業協会 

鹿 野 元 康 

株式会社日建設計 

千 葉 孝 典 

株式会社竹中工務店 

石 塚 昌 昭 

株式会社関電工 

柴 野   孜 

近畿電気工事株式会社 

飯 村 正 憲 

日本電設工業株式会社 

中 橋 保 雄 

東光電気工事株式会社 

江 本 俊 夫 

社団法人日本電線工業会 

勝 山 吉 久 

古河電気工業株式会社 

田     裕 

藤倉電線株式会社 

柳   淳 太 

住友電気工業株式会社 

河 野 宏 美 

日立電線株式会社 

浅 野 正 義 

松下電工株式会社 

(関係者) 

富 沢 一 行 

財団法人電気用品試験所 

塚 越 邦 弘 

大日日本電線株式会社 

児 玉 喜 直 

昭和電線電纜株式会社