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C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準

原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大

臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 62023:2000,Structuring of technical 

information and documentationを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS C 0454には,次に示す附属書がある。 

附属書A(参考)識別部分,補文書部分及び仕様書部分で構成される主文書の例 

C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 2 

3.1 構造化に関する一般的用語(General terms, related to structuring) ·········································· 2 

3.2 文書化に関連する一般的用語(General terms related to documentation) ······································· 3 

3.3 特定の用語(Specific terms) ······························································································· 3 

4. 一般事項 ························································································································ 4 

4.1 システム,設備及び製品の構造化に関する基本原則 ······························································ 4 

4.2 オブジェクト及びオブジェクトを記述する文書 ···································································· 5 

4.3 文書化構造及び文書構造 ································································································· 6 

5. 主文書及び補文書 ············································································································ 6 

5.1 一般事項 ······················································································································ 6 

5.2 主文書の内容 ················································································································ 7 

5.3 主文書と補文書との間の関係 ··························································································· 7 

5.4 単一レベル及び複数レベル主文書······················································································ 9 

5.5 応用 ··························································································································· 10 

5.6 主文書の分類 ··············································································································· 10 

附属書A(参考)識別部分,補文書部分及び仕様書部分で構成される主文書の例 ····························· 12 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 0454:2005 

(IEC 62023:2000) 

電気及び関連分野−技術情報及び文書の構造化 

Structuring of technical information and documentation 

序文 この規格は,2000年に第1版として発行されたIEC 62023:2000,Structuring of technical information and 

documentationを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

この規格は,次によって,システムの構造化原則と文書の構造化原則とを関連づけることができる。 

− 主文書を用いた製品構造の情報・文書の体系化による,製造業における共通する業務の標準化 

− 技術的オブジェクトの一つの文書群において,補文書と明確に関連づけられる主文書の一般的概念を

確立することによる,JIS C 0451の6.で示す指針の細目化及び形式化 

− 文書の構造化における,JIS C 0452-1の構造化原則によるオブジェクトの概念の適用。幾つかの観点

をもってオブジェクトが系統的な方法でまとめられる点で,これまでの規格の範囲を超えている。 

製品データ管理(PDM)システムにおいては,製品構造上のオブジェクトは,構成管理された情報オブ

ジェクトであり,論理的に主文書に対応している。しかしながら,文書として必要なすべての要求事項を

満足するものの,文書とはみなされないこともある。 

1. 適用範囲 この規格は,各オブジェクトの情報をまとめる主文書の使用を基本とする技術情報及び文

書の構造化のための規則について規定する。 

備考1. 主文書の定義は,3.3.1を参照。 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

IEC 62023:2000,Structuring of technical information and documentation (IDT) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1082-1 電気技術文書−第1部:一般要求事項 

備考 IEC 61082-1:1991 Preparation of documents used in electrotechnology−Part 1: General 

requirementsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS C 0451 電気及び関連分野−プラント,システム及び装置用の技術文書の分類及び指定 

備考 IEC 61355:1997 Classification and designation of documents for plants, systems and equipment

が,この規格と一致している。 

C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 0452-1 電気及び関連分野−工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品−構造化原則及び

参照指定−第1部:基本原則 

備考 IEC 61346-1:1996 Industrial systems, installations and equipment and industrial products−

Structuring principles and reference designations−Part 1: Basic rulesが,この規格と一致している。 

JIS C 0453 電気及び関連分野−部品リスト 

備考 IEC 62027:2000 Preparation of parts listsが,この規格と一致している。 

IEC/TR 61346-4:1998 Industrial systems,installations and equipment and industrial products−Structuring 

principles and reference designation−Part 4: Discussion of concepts 

IEC 61360-4:1997 Standard data element types with associated classification scheme for electric components

−Part 4: IEC reference collection of standard data element types, component classes and terms 

ISO 7200:1984 Technical drawings−Title blocks 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

構造化に関する一般的用語(General terms, related to structuring)  

3.1.1 

オブジェクト(object) 設計,エンジニアリング,製作・建設,運転,保守及び廃棄のプロセスの

中で扱う“エンティティ(entity)”。 

備考1. 物理的若しくは非物理的な“もの(thing)”,又はそれに附属する情報の集まりを,エンティテ

ィ(entity)という言葉で表す。 

2. エンティティ(entity)の目的によって,オブジェクトは,“観点(側面)”と呼ばれる色々な視点

でとらえられることがある。 

[JIS C 0452-1の3.1] 

3.1.2 

システム(system) 相互に関係するオブジェクトの集合 

備考1. システムの例:駆動システム,給水システム,ステレオシステム,コンピュータシステムな

ど。 

2. あるシステムが他のシステムの一部である場合,そのシステムは一つのオブジェクトとみな

してもよい。 

[JIS C 0452-1の3.2] 

3.1.3 

プラント(plant) 特定の場所に存在する様々なシステムの集合体。 

[JIS C 0451の3.9] 

3.1.4 

形式(type) 共通の特徴をもつものの分類。 

3.1.5 

観点(aspect) システム又はシステム内のオブジェクトの情報の選択又は記述の仕方。 

備考 その方法には,次に示すものがある。 

− システム又はオブジェクトが何をするか[機能観点(機能視点)]。 

− システム又はオブジェクトがどのように構成されているか[製品観点(製品視点)]。 

− システム又はオブジェクトがどこに配置されるか[位置観点(位置視点)]。 

[JIS C 0452-1の3.3] 

3.1.6 

構造(structure) あるシステムに含まれるオブジェクト間の構成関係(包含・部分)を有機的に記

述し表現したもの。 

[JIS C 0452-1の3.6] 

C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1.7 

参照指定(reference designation)  一つ又は複数の“観点(aspect)”を通してシステムの中から特定

のオブジェクトを識別する方法。 

[JIS C 0452-1の3.7] 

3.2 

文書化に関連する一般的用語(General terms related to documentation)  

3.2.1 

文書(document) データ媒体上の情報。 

備考1. “文書”は,法律的な意味に制限されるものではない。 

2. 通常,文書は,情報の形式及び表示形式に従って指定される。例えば,全体図,接続表,フ

ァンクションチャートなど。 

3. 情報は,紙上に及びマイクロフィルム上に静的に又は(ビデオ)ディスプレイ装置上に動的

に表示される。 

[JIS C 1082-1の2.1.1.2,修正] 

3.2.2 

文書化(documentation) 与えられた主題に関連する文書の収集。 

 備考 これには,技術,商用,その他の文書を含む。 

[JIS C 1082-1の2.1.1.4,修正] 

3.2.3 

文書種類(document kind)  指定した情報の内容と表示形式とによって定義した文書のタイプ。 

[JIS C 0451の3.5] 

3.2.4 

文書種類(の)分類(document kind class) 表示形式に関係なく,情報が同じような特徴をもつ文

書種類のグループ。 

[JIS C 0451の3.6] 

3.2.5 

文書群(document set) 論理的に関係する一連の文書。 

[JIS C 0451の3.3] 

3.2.6 

文書部分(document part) 文書の一部で,それ自身が役割をもっているもの。 

備考 文書部分の概念は,文書が論理的及び/又は物理的に細部に分割できるという考え方から生ま

れている。理論的部分は,一様な表示形態で情報を示す。そのような部分の例は,識別部分,

仕様書部分,図面部分,改訂部分,管理部分,文書の見出しである。物理的部分の例は,ペー

ジ,項目ブロック,図及び紙以外の媒体を考慮するならば,ディスケット。 

3.3 

特定の用語(Specific terms)  

3.3.1 

主文書(main document)  あるオブジェクトを表現している文書で,そのオブジェクトに関するす

べての情報を参照している又は含んでいる文書。 

3.3.2 

単一レベル主文書(single-level main document) 下位構造レベルだけを明細に示す主文書。 

3.3.3 

複数レベル主文書(multi-level main document) 二つ以上の下位構造レベルを明細に示す主文書。 

3.3.4 

補文書(complementary document) 主文書を補足する文書。参照される文書で,あるオブジェクト

に関する情報の一部を含んでいる文書。 

3.3.5 

部品リスト本体(parts list body) ある組立品(若しくは半組立品)又はシステムを構成するオブジ

ェクト(部品,コンポーネント,ソフトウェア,機器など)を明細に示すリスト品目を含む表。さらに,

必要な場合は,参照文書を含む表。 

[JIS C 0453の3.3.2] 

3.3.6 

文書リスト本体(document list body) 文書を明細に示すリスト品目を含んでいる表。 

3.3.7 

リスト品目(list item) 明細に示す対象となるオブジェクトにふさわしいデータ諸元項目を順序だ

った一連の表又はリストとして提示したもの。 

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C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

[JIS C 0453の3.3.3] 

3.3.8 

部品番号(part number) ある特定の組織における部品の一意の識別子。 

3.3.9 

文書番号(document number) ある特定の組織における文書の一意の識別子。 

4. 一般事項  

4.1 

システム,設備及び製品の構造化に関する基本原則 システム,設備又は製品の効率的な設計,製

造,操作及び保全のため,これらに関する情報は,通常,各部品,すなわち,各オブジェクトに分けられ

る。オブジェクトの確定化及びオブジェクト間の関係の組織化の一連の作業を構造化といい,その結果を

構造という。 

JIS C 0452-1によると,観点によって構造を違ったものとして認識することができる。 

例えば, 

− 機能観点(機能指向)の構造 

− 製品観点(製品指向)の構造 

− 位置観点(位置志向)の構造 

他の構造も,目的によっては同等のものとしてみなしてよい。 

各情報の構造は,図1に示すようにツリー状の階層方式で表現することができる。このような構造にお

いて,ノードは選んだ観点からみたオブジェクトを表している。オブジェクトは,ブランチで示すように,

その構成要素である下位レベルのオブジェクトに分かれる。これらの構成要素は,順次その構成要素のブ

ランチに細分化することができる。 

それぞれの構造には,それぞれに適した役割がある。 

図 1 オブジェクトの一般的な構造化 

− 機能指向の構造は,システムの目的に基づいている。機能指向の構造は,位置及び/又は機能を実

現する製品を考慮せず,機能観点について,システムを構成要素のオブジェクトに細分化したもの

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である。機能指向の構造に基づいた情報を提供する文書は,図及び/又は文字列によって,システ

ムの機能が下位の機能に分割・細分化される方法を記述する。 

なお,下位の機能は,意図した目的を満足するように相互に結合されている。 

− 製品指向の構造は,システムが製品を作り上げる方法に基づいている。製品指向の構造は,機能及

び/又は位置を考慮せず,製品観点について,システムを構成要素のオブジェクトに細分化したも

のである。製品指向の構造に基づいた情報を提供する文書は,図及び/又は文字列によって,製品

を使用できるようにする又は出荷するために,製品を加工・組立・こん(梱)包する単位に分割・

細分化する方法を記述する。 

− 位置指向の構造は,システムの地形的配置及び/又はシステムが配置される環境に基づいている。

位置指向の構造は,製品及び/又は機能を考慮せず,位置観点について,システムを構成要素のオ

ブジェクトに分割細分化したものである。位置指向の構造に基づいた情報を提供する文書は,図及

び/又は文字列によって,システムを構成する製品が物理的にどこにあるかを記述する。 

構造化に関するより詳細な情報は,JIS C 0452-1及びIEC/TR 61346-4を参照。 

4.2 

オブジェクト及びオブジェクトを記述する文書 技術的オブジェクトに関する情報を作成,提示,

保管及び伝達するための方法は,様々である。 

コンピュータは,原理的にその容量に関係なく,容易に情報の集まりを一つのまとまった単位として扱

うことができる。コンピュータシステムの外側では,通常,この情報の集まりは,他のシステムに移した

り他の媒体を通じて表示するために,分離しなければならない。 

従来の手法では,文書の形で著した,情報の限られた部分集合を用いて作業している。その手法は,ま

た,コンピュータに蓄えられた情報についても用いられる。したがって,それは,使用者間及び/又はシ

ステム間で一単位として処理及び交換できる情報の集まりと,一般的に定義されてきた。 

4.3 

文書化構造及び文書構造  

4.3.1 

文書化構造 文書化構造は,プラント,システム,製品などに関する情報を,異なる文書及び/又

は情報システムの間でどのように分割するかを示す。 

オブジェクトの概念を用いた文書化構造は,実際のプラント,システム,機器又は製品の構造を非常に

正確に表している。これは,識別された技術オブジェクトごとに,それに関するすべての情報を与える完

全な文書群を明細に示すという方法で,情報全体を分割することを意味している。示された文書は,その

オブジェクト以外については,取り扱わないほうがよい。 

備考 これは,文書群において,もし全体の文章構成上それがふさわしいならば,文書を他のオブジ

ェクトに関する情報を与えるために使用する(引用によって)ことを禁止するものではない。 

そのような文書群は,情報を有効に再利用するのに必要な種々の構造にあてはまるように,全体として

処理することができる。 

4.3.2 

文書構造 文書構造は,文書に含まれる情報がその文書内でどのように分割されているかを示す。

この構造は,製品を分解することによって得られるものと類似している。すなわち,その内容は,文書部

分と呼ぶ幾つかのオブジェクトに分かれる。 

文書部分の特徴は,文書の中でそれ自身が論理的及び/又は物理的に(すなわち,レイアウトに関して)

機能し,全体として処理することができ,通常,同じような情報表示形態をもっていることである。 

技術文書における論理的文書部分の事例は,識別部分,仕様書部分,改訂部分,管理部分である(図2

参照)。 

物理的文書部分の事例は,ページ,本文,図,及び表である。 

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図 2 技術文書の論理的構造の例 

5. 主文書及び補文書  

5.1 

一般事項 オブジェクトに関して提供される情報は,通常,幾つかの文書に分割される。そのよう

な場合,情報を一緒に管理するために,これらの文書の一つを主文書と呼び,その他のものを補文書と呼

ぶ(図3参照)。 

図 3 単一オブジェクトに対する文書化の構成 

主文書は,完全な技術的オブジェクトを表現しており,次のような特性をもつ。 

− 直接的,又は他の文書を通じて間接的に,すべての補文書を引用する。 

− 補文書の文書番号は,記載された技術的オブジェクトを識別する部品番号と密接な関係(しばしば

部分的に又は全体的に部品番号と同じ)をもつことが望ましい。 

補文書は,主文書を逆引用しないほうがよい。 

備考 補文書が様々な主文書と一緒に用いられる場合,逆引用すると補文書を更新する際に多大な負

担が生じる。したがって,常に,次のいずれかの方法で,すべての情報を参照することができ

る。 

− 主文書の文書番号 

“何を,どのように” 

を示す仕様書部分 

“何が,どのような理由で発

生したか”を示す改訂部分 

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− オブジェクトに対する部品番号 

− 一段上位のレベルで割り付けられた,オブジェクトに対する参照指定 

また,多数の同じようなオブジェクトに対して,同じ補文書を参照・使用することもできる。 

備考1. 補文書への参照は,明確に行われていれば,文書の番号付けなどにおいて体系化し直す必要

はない。 

2. 製品データ管理(PDM)システムにおいて,オブジェクトは,構成管理された情報オブジェ

クトである。そして,主文書と論理的に対応している。しかし,それらは,文書として必要

なすべての要求事項を満足していても,文書とはみなされないこともある。 

参考 PDM又はPDMSは,製品及び関連のデータを電子的に,かつ,多目的に活用して業務の

作業効率をあげるためのデータベース及びその管理システムである。 

5.2 

主文書の内容  

5.2.1 

文書部分 主文書は,次の文書部分の一つ以上を含まねばならない。 

− 識別部分 

− 補文書部分:補文書を明細に示す(又はそのリストに引用している)文書リスト本体 

− 仕様書部分:オブジェクトの構成要素を明細に示す部品リスト本体 

附属書Aは,これらの部分を含む主文書の例を示している。 

5.2.2 

識別部分 識別部分は,オブジェクトの特性を示す記述及び関連する図形を含むことが望ましい。

特性は,IEC 61360-4などの国際規格に規定された関連する諸元項目の定義を用いて,明細に示すことが

望ましい。 

5.2.3 

補文書部分 補文書部分は,文書リスト本体の様式で作成することが望ましい。その中では,文書

にとって必す(須)のメタデータを使用し,リスト品目によって文書を明細に示す。 

文書は,文書番号,及び明確化のために必要なら改訂指標によって,明細に示さなければならない。文

書の発行者が,主文書の発行者と同じでない場合,その法的な所有者に関する情報もまた提供しなければ

ならない。 

補文書部分の内容は,文書種類の分類コード,言語名コード,文書種類の指定及び表題で補足してもよ

い。 

これらの諸元項目は,ISO 7200及びIEC 82045-2(関連規格参照)で詳細に規定されている。 

5.2.4 

仕様書部分 仕様書部分は,JIS C 0453に規定する部品リスト本体の形式で,作成することが望ま

しい。 

下位のオブジェクトを容易に参照できるので,主文書に仕様書部分を含めることが望ましい。 

主文書は,関連する各観点の項目を一つの部品リスト本体に含めることによって,一つのオブジェクト

を多くの観点から明細に示すことができる。この方法を附属書Aに示す。 

5.3 

主文書と補文書との間の関係  

5.3.1 

主文書 5.2に従い,主文書は,一般的に次の文書種類に基づくことになる。 

− 構成品図面 これは,識別部分が大部分である。この文書種類は,特に,購入部品に対し用いられ

る。それは,その特性を列記することによって明細に示される,そして,ときには文章記述又は図

によって補足される。 

− 部品リスト(図4b参照) これは,仕様書部分が大部分である。部品リストに関するより詳しい

情報については,JIS C 0453を参照。 

− 文書のリスト(図4c参照) これは,文書リスト部分が大部分である。リストの範囲は,使用され

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C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

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るオブジェクトに限定される。 

備考 主文書は,補文書を参照しているという要件も満たさなければならないので,上記の種類の文

書がいつも主文書となるとは限らない。 

主文書は,また,関連する技術的オブジェクトに関するすべての情報を含んだ複数の文書部分で構成さ

れた単一文書の形式をとってもよい(図4a参照)。 

全く逆なケースは,文書のリストである。その範囲が実際のオブジェクトに限定され,部品リスト文書

を含む,情報を記載したすべての文書を列記しているものである(図4c参照)。 

5.3.2 

補文書 あるオブジェクトに対する補文書は,通常多数あって異なる文書種類で構成されている。

オブジェクトの種類に応じて必要な文書種類が決まる。 

一つの文書(複数の文書部分で構成された) 

C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

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図4a 

すべての情報は,一つの(複数の文書部分で構成された)文書から入手できる。したがって,それは,主
文書である。 

図4b 

すべての情報は,一連の文書から入手できる。主文書は,構成要素及びすべての補文書を明細に示した部
品リストである。 

図4c 

すべての情報は,一連の文書から入手できる。主文書は,部品リストを含むすべての補文書を明細に示し
た文書のリストである。 

図 4 主文書及び補文書,情報を種々の文書に分割する度合いを示す図 

5.4 

単一レベル及び複数レベル主文書 設計及びエンジニアリングプロセスでは,通常,多数の構造レ

ベルにおいて,複数のオブジェクトがその構成要素となっている。 

多くの場合,特に製造段階のエンジニアリングにおいては,単一レベル主文書,すなわち,一つ下位の

構成レベルだけを明細に示す主文書を用いて,オブジェクトごとに文書化が行われる。 

それ以外の場合,特にプラントのエンジニアリングにおいては,複数レベル主文書を筆頭として,すな

わち,二つ以上下位の構造レベルを明細に示す一つの主文書を用いて,多くのオブジェクトを包含するよ

うに文書化が行われる。この主文書において,下位のオブジェクトを,参照指定だけによって,それを他

から参照する必要性がないならば部品番号又は文書番号によって,示してもよい。 

5.5 

応用 JIS C0452-1に従ったオブジェクトの定義・識別の系統的体系化,及び前項に示したような主

文書を用いた各オブジェクトの情報一体化によって,その範囲に関係なく,プラント又は製品に対して同

じ文書化原則を適用することが可能になる。 

図5は,ツリー状構造上に配置されたオブジェクトに対する文書化構造の原則を,各オブジェクトに関

連のある文書とともに,示したものである。 

この方法は,従来の紙を基礎とした文書化に対してだけでなく,コンピュータ化された従来の文書化及

び正式な製品モデルのデータベース形式による文書化に対しても用いることができる。 

これは,文書管理のための日常業務はもとより,構成管理の要求事項も満たすことができる。 

5.6 

主文書の分類 JIS C 0451による文書種類の分類システムが適用される場合,主文書は,JIS C 0451

のDCC(文書種類分類コード)の表A.2(DCC及び文書種類分類の説明)に従って,クラスAB(すなわ

ち,文書に関するリスト)に分類されることが望ましい。しかし,どの文書種類になろうとも,文書管理

においては主文書としての役割に変わりはない。 

備考 ある一つのオブジェクトに対する文書群において,主文書は,すべての補文書より前に置かれ

ることが望ましい。JIS C 0451による文書分類システムが適用される場合,文書は,通常,文

書分類コードによるアルファベット順に並べられる。したがって,コードABとすれば,主文

書は先頭にくることとなり,カバーシートのすぐ後に配置する。 

background image

10 

C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 通常,各オブジェクトの構成は,図3のとおりである。 

左側の“共通の文書”を指す複数の矢印は,一つの補文書を複数の箇所で用いていることを示す。 
 

図 5 オブジェクト及び文書の文書化構造 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1

0

C

 0

4

5

4

2

0

0

5

 (I

E

C

 6

2

0

2

3

2

0

0

0

background image

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(参考)識別部分,補文書部分及び仕様書部分で構成される主文書の例 

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

識別部分 

コード 

名称 

値 

単位 

(指定どおり) 

部品番号 

9AXA 9999 

(指定どおり) 

形式名称 

PXWH 10 

(指定どおり) 

流量 

1.5 

M3 /s 

(指定どおり) 

圧力 

10 

kPa 

 
補文書部分 

文書種類分類コード 

文書番号 

改訂指標 

言語名コード 

文書種類 

表題 

DA 

9678  45679 

− 

en 

寸法図 

ポンプアセンブリ 

DC 

6CVB 9845 

en+fr  

運転指示書 

ポンピングシステム 

FS 

9AXA 99880 

en 

回路図 

ポンピングシステム 

MA 

9AXA 99881 

en 

接続表 

ポンピングシステム 

 
仕様書部分−1:機能視点による仕様書 

参照指定 

=W1=P1 

参照指定 

部品名;用途 

形式名称 

技術データ 

質量 

部品識別子 

参照文書 

コード 

部品番号 

A1 

P1+J1 

マンマシン・インターフェス
機器 

9AXA 99880/1 

A1=H1 

P1+J1 

信号ランプ;起動 

担当部署 XYZ 
作成   99-05-04 X.X.※※※ 
承認   99-05-04 N.N.※※※ 

部品リスト 
給水システム 

文書指定 
オブジェクト指定  文書種類クラス 
=W1=P1       &AB 

プロジェクト名 
使用者(会社)名 

システム製造会社名 

文書番号 
9AXA 99999 

改訂指標  : D 
言語名コード: ja 

ページ:1 
続き :2 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11

C

 0

4

5

4

2

0

0

5

 (I

E

C

 6

2

0

2

3

2

0

0

0

background image

12 

C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参照指定 

=W1=P1 

参照指定 

部品名;用途 

形式名称 

技術データ 

質量 

部品識別子 

参照文書 

コード 

部品番号 

A1=H1-1 

P1+J1 

ランプホルダ 

OSM2 

SK614 360-LE 

A1=H1-2 

P1+J1 

フィラメントランプ 

BA15d 

5 W,230 V 

UPC 

37654987313 

A1=S1 

P1+J1 

押しボタン;起動 

OKM30 

SK614 311-CF 

A1=S2 

P1+J1 

押しボタン;停止 

OKM30 

SK614 311-CG 

A1=S3 

P1+J1 

スイッチ;手動/自動 

ABG10 

SK661 201-AB 

F1 

S2+G2 

3極ヒューズ 

SF400 

9AXA 99880/2 

F1-1 

S2+G2 

ヒューズカートリッジ 

SL400 

サイズ3,160 A 

SK316 285-3 

F1-2 

S2+G2 

ヒューズカートリッジ 

SL400 

サイズ3,160 A 

SK316 285-3 

F1-3 

S2+G2 

ヒューズカートリッジ 

SL400 

サイズ3,160 A 

SK316 285-3 

F1-4 

S2+G2 

ヒューズソケット 

ST400 

サイズ3,160 A 

SK316 285-3 

M1 

L210+R11 

誘導電動機 

MBK280 

1465r/min,110 kW 
50 Hz,Y/D,400/230 V 

110 

MCOMP 

R331SMA011 

9AXA 99880/3 

P1 

L210+R11 

ポンプ 

67 

PMAN 

685T4389-56 

9AXA 99880/3 

Q1 

S2+G3 

モータスタータ 

9AXA 99880/2 

W1 

ケーブル 

H07RN-F5G10, 
10 mm2 

CCOMP 

C12345-BCD 

 
仕様書部分−2 :位置視点による仕様書 

参照指定 

+ 

参照指定 

― 

部品名 

形式名称 

技術データ 

質量 

(重量) 

部品識別子 

参照文書 

コード 

部品番号 

P1 

コントロールボックス 

ABGX 15 

CCOMP 

XV1573−18 

S2 

スイッチ装置箱 

SGT2 60 

CCOMP 

89GT 402 

備考1. 仕様書部分−2は,部品リスト形式の主文書において,オブジェクトの構成を複数の観点を用いて記述する場合,複数の仕様書部分を表示する例である。 

2. この例は,文書形式又は表題ブロックの要件を規定するものではない。 

プロジェクト名 
使用者(会社)名 

システム製造会社名 

文書番号 
9AXA 99999 

改訂指標  : D 
言語名コード: ja 

ページ:2 
続き :− 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1

2

C

 0

4

5

4

2

0

0

5

 (I

E

C

 6

2

0

2

3

2

0

0

0

13 

C 0454:2005 (IEC 62023:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

関連規格 JIS C0452-2 電気及び関連分野−工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品−構造化原

則及び参照指定−第2部:オブジェクトの分類(クラス)及び分類コード 

備考 IEC 61346-2:2000 Industrial systems, installations and equipment and industrial products: 

structuring principles and reference designations − Part 2: Classification of objects and 

codes for classesが,この規格と一致している。 

IEC 82045-2 Management data (meta data) associated with documents − Part 2: Collection of 

metadata(1) 

注(1) 審議中