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B 9927 : 1999  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 9927 : 1999 

クリーンルーム用エアフィルタ− 

性能試験方法 

Cleanroom−Air filters−Test methods 

序文 この規格では,クリーンルームの外気取入口に設置される中性能フィルタ及び高性能フィルタ[JIS 

B 9908(換気用エアフィルタユニット)に規定する形式2及び形式1]のものを含めた試験方法として,

クリーンルーム及びクリーンルーム機器を対象に試験方法として規定するものである。 

1. 適用範囲 この規格は,クリーンルーム及びクリーンルーム機器に用いる粒子捕集用のエアフィルタ

の性能試験方法について規定する。 

備考1. クリーンルーム用機器とは,クリーンルームの付帯設備であって,例えば,エアシャワー室,

移動式クリーンブース,クリーンベンチ,パスボックスなどの送風機及びフィルタを具備し

た機器をいう。 

2. クリーンルーム用エアフィルタに使用するろ材の性能試験方法については,附属書(規定)

に規定する。 

関連規格 JIS B 9908 換気用エアフィルタユニット 

JIS K 0901 気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状,寸法並びに性能試験方法 

JIS K 3801 除菌用HEPAフィルタのエアロゾル捕集性能試験方法 

JIS T 8202 一般用風速計 

JIS Z 4812 放射性エアロゾル用高性能エアフィルタ 

JIS Z 8813 浮遊粉じん濃度測定方法通則 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS B 8330 送風機の試験及び検査方法 

JIS B 9920 クリーンルーム中における浮遊微粒子の濃度測定方法及びクリーンルームの空気清浄度

の評価方法 

JIS B 9921 光散乱式自動粒子計数器 

JIS B 9928 コンタミネーションコントロールに使用するエアロゾル発生方法 

JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語 

JIS P 8113 紙及び板紙−引張特性の試験方法 

JIS P 8118 紙及び板紙−厚さと密度の試験方法 

JIS P 8124 紙及び板紙−坪量測定方法 

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JIS P 8128 紙及び板紙の灰分試験方法 

JIS Z 8103 計測用語 

JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語 

JIS Z 8761 フロート形面積流量計による流量測定方法 

JIS Z 8762 絞り機構による流量測定方法 

JIS Z 8901 試験用粉体及び試験用粒子 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001,JIS Z 8103及びJIS Z 8122によるほか,次に

よる。 

a) 定格流量 基準となる一定の条件下でろ過できる処理流量。 

b) ラスキンノズル 加圧噴霧形のDOP (dioctyl phthalate) の微粒子を含むエアロゾル発生用の加圧噴霧

形ノズル(付図1参照)。 

c) 漸拡大管 ダクトの形状又は断面積が異なる場合の連結管における緩やかな傾斜をもつ広がり管。 

4. 試験項目 エアフィルタの試験項目は,次による。 

a) 粒子捕集率試験 

b) 圧力損失試験 

c) 走査漏れ試験 

5. 試験方法 

5.1 

粒子捕集率試験 

5.1.1 

試験用粒子 試験用粒子は,次による。 

a) 試験用粒子の材質は,JIS Z 8901に規定するDOP又はこれと同等のものとする。 

b) 試験用粒子の粒径分布は,次のとおりとする。 

CMD:0.21〜0.32μm 

σg:1.43〜1.83 

測定器:0.1μm又は0.12μm以上を測定できる光散乱式自動粒子計数器。 

5.1.2 

試験に用いる装置及び機器 試験に用いる装置並びに機器は,次による。 

a) 試験装置は,付図2に例示するような構造で,各部は次による。 

1) ダクト部は,正圧でなければならない。 

2) 清浄用フィルタには,99.97%以上 (0.3μm) の捕集率をもつものを使用しなければならない。 

3) ベルマウス,漸拡大管及び整流格子は,いずれも空気の流れを滑らかにし,試験用粒子を均一に混

合・拡散する目的で使用するので,次の5.4)の規定が満足されていれば,これらの一部又は全体を

必要としない。 

4) 上流側試験用粒子採取管は,採取管取付位置のダクト中央の1点から採取する単孔採取管又は2点

以上から採取する多孔採取管を使用する。 

5) 上流側試験用粒子採取管は,試験用粒子が均一に混合されている位置に取り付けなければならない。 

試験用粒子の混合状態は,試験装置の流量範囲の上限及び下限で,次の手順によって確認しなけ

ればならない。 

5.1) 上流側試験用粒子採取管取付位置のダクト断面を,9分割以上のほぼ同面積に分割する。 

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5.2) 各分割区分の中心で試験用粒子濃度を測定する。 

5.3) 各分割区分の濃度の算術平均値を算出する。 

5.4) 全測定点の試験用粒子濃度は,平均値の±10%であることを確認する。 

6) 下流側試験用粒子採取管は,採取管取付位置のダクト中央の1点から採取する単孔採取管,又は2

点以上から採取する多孔採取管を使用する。 

7) 下流側試験用粒子採取管は,試験用粒子濃度が均一に混合されている位置に取り付けなければなら

ない。 

試験用粒子の混合状態は,ユニット中央付近に模擬的なピンホールを作り,試験装置の流量範囲

の上限及び下限で試験用粒子の混合状態を上記の5)と同様な操作及び確認を行わなければならない。

さらに,ダクト壁近くに模擬的な漏れを作って同様の操作及び確認を行わなければならない。 

8) ユニット固定部の流路寸法Bは,ユニットの通風部分(枠の板厚を差し引いた寸法)の寸法と等し

いものとするが,次の条件が満たされるときにはこれと異なってもよい。 

8.1) ユニットの前面で試験用粒子濃度は均一でなければならない。 

8.2) 装置圧力損失が見られる場合には,ユニットを取り付けていないときの圧力損失(装置圧損)を

測定しておき,ユニットを取り付けたときの圧力損失から装置圧力損失を差し引いて正しい圧力

損失を求める。 

9) 流量の測定は,JIS B 8330による。 

10) 上流側及び下流側の配管は,同一材料とし,できるだけ短くしなければならない。さらに,曲管部

を少なくし,配管の幾何的形状もできるだけ等しくしなければならない。 

b) ラスキンノズルを用いた発生器で,5.1.1b)の粒径分布をもつ試験用粒子が供給できなければならない。 

また,試験用粒子濃度は,5)が達成できる安定さをもたなければならない。 

c) JIS B 9921に規定する光散乱式自動粒子計数器のうち,0.15〜0.3μmを含む粒子径区分をもつものを用

いる。 

d) 希釈装置を用いる場合には,計数損失が少ない希釈装置を用いなければならない。 

5.1.3 

試験条件 試験による空気の温度及び湿度は,次による。 

温度 25±10℃ 

湿度 (55±15) % 

5.1.4 

操作 試験の操作は,次による。 

a) フィルタユニットを試験装置のユニット固定部に漏れがないように保持する。 

b) 送風機を作動させ,流量が定格流量になるように調整する。 

c) 清浄空気を供給し,下流側の粒子濃度が規定された粒子捕集率を有効に測定するのに必要な十分小さ

なバックグラウンド値を示すことを確認する。 

d) 上流側の試験用粒子濃度は,光散乱式自動粒子計数器の同時計測誤差が5%を超えることなく,かつ,

下流側の計数値がバックグラウンド値に比べ十分大きくなるような範囲で行い,上流側の試験用粒子

濃度が安定したのを確認した後,上流側及び下流側の試験用粒子濃度を交互又は同時に測定する。交

互に測定する場合には上流側濃度の変動に留意し,同時に測定する場合には各々の光散乱式自動粒子

計数器の各粒径区分ごとに相関係数を求めて,差がある場合には補正しなければならない。 

フィルタユニットの捕集率は,0.3μm又は0.15μmの試験用粒子によって評価し,次の式によって算

出する。 

background image

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(%)

100

1

1

=

C

C

η

ここに, 

η: 粒子捕集率 (%)  

(対象粒子が0.3μmの場合) 

C1: 0.3μmが粒径区分の中央に位置するチャンネルにおけるフィル

タユニット上流側(ろ過前)の計数値(個/l)。 

C2: 0.3μmが粒径区分の中央に位置するチャンネルにおけるフィル

タユニット下流側(ろ過後)の計数値(個/l)。 

(対象粒子が0.15μmの場合) 

C1: 0.15μmが粒径区分の中央に位置するチャンネルにおけるフィ

ルタユニット上流側(ろ過前)の計数値(個/l)。 

C2: 0.15μmが粒径区分の中央に位置するチャンネルにおけるフィ

ルタユニット下流側(ろ過後)の計数値(個/l)。 

なお,対象粒径(0.3μm又は0.15μm)が粒径区分の境界となっている光散乱式自動粒子計数器を使

用する場合には,その前後のチャンネルにおける粒子透過率 (C2/C1) の幾何平均値から粒子捕集率を

算出する。 

e) 上流側濃度が光散乱式自動粒子計数器のもつ最大濃度範囲を超える場合には,粒子濃度希釈装置を用

いてもよい。その場合,希釈率は次による。 

一定濃度の粒子を含む試料空気を通じ,希釈前及び希釈後の粒子濃度を光散乱式自動粒子計数器で

測定し,その希釈率を求め,設定希釈倍率の±20%以内であることを確認する。d)のC1の算出に使用

する希釈倍率は,測定によって求めた値を使用しなければならない。 

f) 

下流側計数値の合計が100個以下の場合には,表1に従って計数値の95%上側信頼限界を求めd)の

C2とし,捕集率の下限(最低値)とする。 

表1 計数値の信頼限界 

計数値 

95%上側信頼限界 

3.0 

4.7 

6.3 

7.8 

9.2 

10.5 

11.8 

13.2 

14.4 

15.7 

10 

17.0 

15 

23.1 

20 

29.1 

30 

40.7 

40 

52.1 

50 

63.3 

100 

118.1 

5.2 

圧力損失試験 

5.2.1 

試験に用いる装置及び機器 試験に用いる装置及び機器は,次による。 

a) 試験装置は,5.1.2a)による。 

b) 流量測定部は,5.1.2a)9)による。 

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c) 差圧計は,整数部分の第1位の圧力値が正確に読み取れなければならない。 

5.2.2 

試験条件 試験における空気の温湿度は,5.1.3による。 

5.2.3 

操作 操作は,次によって行う。 

a) フィルタユニットを試験装置のユニット固定部に漏れがないように保持する。 

b) 送風機を作動させ,所定の流量に調整する。 

c) 静圧測定孔に接続された差圧計によって,フィルタユニットの上流側と下流側との静圧差を測定し圧

力損失とする。 

d) 圧力損失は,定格風量において測定する。 

e) 試験フィルタを取り付ける前に,すでに装置自身のもつ圧力損失がある場合には,これを差し引いた

値を圧力損失とする。 

5.3 

走査漏れ試験 

5.3.1 

試験用粒子 試験用粒子は,次による。 

a) 試験用粒子の材質は,5.1.1a)による。 

b) 試験用粒子の粒径分布は,5.1.1b)による。 

5.3.2 

試験に用いる装置及び機器 試験に用いる装置及び機器は,次による。 

a) 試験装置は,付図3に例示するような構造で,各部は,次による。 

1) ダクト部は,均一な試験用粒子濃度及び風速分布が得られる構造でなければならない。 

2) 清浄用フィルタは,5.1.2a)2)による。 

3) 試験フィルタ取付部は,試験フィルタのろ材及びろ材と外枠との接着部からの漏れの有無が試験で

きる構造でなければならない。 

4) 上流側濃度測定位置は,5.1.2a)5)による。 

5) 下流側ダクト部は,周囲の汚染空気を巻き込まない十分な長さをもたなければならない。 

b) 粒子発生器は,5.1.2b)による。 

c) 光散乱式自動粒子計数器は,5.1.2c)による。 

d) 風速測定器は,フィルタの試験風速に対し,±20%の精度で測定できなければならない。ただし,風

速は全風量を測定し,その値をフィルタ正面面積で除すことによって求めてもよい。 

e) 希釈装置は,5.1.2d)による。 

5.3.3 

試験条件 試験における空気の温度及び湿度は,5.1.3による。 

5.3.4 

操作 試験の操作は,次による。 

a) フィルタを試験装置へ装着する。装置と試験フィルタとの間には漏れがないように確実に漏れ止めを

行う。 

b) フィルタの面風速を定格風速に調整する。 

c) 光散乱式自動粒子計数器の検出口をフィルタ下流の清浄空気中に置き,測定系が自浄されて,測定器

の読みが安定してから操作を開始する。 

d) サンプリングプローブの入口部は正方形とし,その寸法は,試験用粒子濃度測定器のサンプリング空

気量に合わせ,プローブ入口部でのサンプリングが等速吸引となるように決定する。 

e) サンプリングプローブの走査は,フィルタ下流側表面から30mm以内に保持し,走査速度は50mm/s

以下とする。ただし,プローブ一辺の長さが25mmに満たないものは,次の式に示すVs以下とする。 

Vs=2L 

ここに, Vs: 走査速度 (mm/s)  

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L: 正方形プローブ一辺の長さ (mm)  

走査は,プローブの入口部がフィルタ外枠合わせ部及びろ材と枠との接合部を含むフィルタ全域に

わたって移動させる。 

f) 

評価方法は,光散乱式自動粒子計数器の測定を,2秒以下の間隔で連続して行う。 

漏れの評価は,次の式による。 

L

L

PL

N

NL

V

×

×

×

×

=

10

10

100

60

PL=(100−ηo)×K 

ここに, 

NL: 判定時間当たりの漏れ判定基準粒子数(個/Tjs) 

 NLは5以上となるようにNv及びTjを設定しなければならな

い。 

Nv: 1分間当たりの上流側計数値(個/min) 

 上下流で異なる吸引量の計数器を用いる場合は,下流側と同

一の計数器を用いたと仮定して換算する。 

PL: フィルタの許容透過率,基準値 (%)  

Tj: 漏れ判定時間(2秒以下) 

ηo: フィルタ粒子捕集率の呼び値又は保証値 (%)  

K: 許容倍率,受渡当事者間の協議で決める値。通常は,1, 2, 10, 

100及び1 000のいずれかの値を選ぶ。 

漏れ判定基準前後の粒子数が観察された場合には,プローブをその箇所に固定し再度測定を行う。

10秒以上測定した算術平均値がNLを超えていれば,許容値以上の漏れがあると判定する。 

6. 記録 試験報告書は,次の事項を記載する。 

a) フィルタの名称(又は種類) 

b) フィルタの形状及び寸法 

c) 製造番号又はロット番号 

d) 製造業者名又はその略号 

e) 定格流量 

f) 

試験結果 

1) 捕集率の測定値 

2) 圧力損失の測定値 

3) 走査漏れ試験の許容倍率 (K) 及び合否,並びに面風速。 

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付図1 ラスキンノズル 

付図2 フィルタユニットの試験装置の例 

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付図3 走査漏れ試験装置の例 

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附属書(規定) クリーンルーム用エアフィルタろ材性能試験方法 

1. 適用範囲 この規格は,クリーンルーム及びクリーンルーム機器に用いる粒子捕集用のエアフィルタ

のろ材の性能試験方法について規定する。 

2. 試験項目 ろ材の試験項目は,次のa)〜c)とし,d)及びe)は受渡当事者間の協定による。また,サン

プリング点数は取り決めによる。 

a) 圧力損失試験 

b) 粒子捕集率試験 

c) 引張強さ試験 

d) はっ水性試験 

e) 物理性能試験 

1) 厚さ 

2) 単位面積当たりの質量(又は坪量) 

3) 灰分 

3. 性能試験方法 

3.1 

試験条件 本体の5.1.3と同じとする。 

3.2 

圧力損失試験 

a) 試験用ろ材 試験に用いるろ材の大きさは,有効面積が10cm2以上であればよいが,100cm2が最も望

ましい。 

b) 圧力損失測定位置 圧力損失測定装置の構成例を附属書図1に示す。 

附属書図1 圧力損失測定装置の構成例 

c) 圧力損失測定器具 圧力損失測定器具は,次による。 

1) ダクト:円形で風速の分布ができる限り平たんとなる構造のもの。 

2) 差圧計:1Paを読み取れるもの。 

3) ホルダ:3.2a)で規定するろ材の試料を装着できるもので,ろ材の保護のため支持網を設けたもの。 

4) 流量計:JIS Z 8761又はJIS Z 8762に規定される性能をもつもの。 

5) 吸引ポンプ:5.3cm/s以上のろ過速度(1)が得られるもの。 

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6) 配管:各部の接続箇所から空気の漏れないもの。 

注(1) ろ過速度は,次の式で求める。 

A

Q

V=

ここに, V: ろ過速度 (cm/s)  
 

Q: ろ過空気の流量 (cm3/s)  

A: ろ材の有効ろ過面積 (cm2)  

d) 圧力損失の測定方法 圧力損失測定装置を用いて,5.3cm/s又は5.3cm/sの整数倍のろ過速度によって

ろ材を通して空気を吸引し,ろ材の上流側と下流側との静圧の差を差圧計で測定し,次の式によって

圧力損失を計算する。 

⊿P=P1−P2 

ここに, ⊿P: 圧力損失 (Pa)  
 

P1: ろ材上流側の静圧 (Pa)  

P2: ろ材下流側の静圧 (Pa)  

e) 圧力損失の求め方 原ろ材の幅方向に対し,3個以上のろ材サンプルについて,それぞれの圧力損失

を測定し,その平均値を圧力損失とする。 

f) 

試験結果の表示 e)の方法によって求めた値を,有効数字3けたとして表示する。 

3.3 

粒子捕集率試験 

a) 試験用ろ材 試験に用いるろ材は,3.3f)3)に規定するホルダに装着できるものを用いる。 

b) 試験用粒子 試験に用いられる粒子は,本体5.1.1に規定されるもの,又は粒子径分布のより狭いもの

とする。ただし,要求がある場合は,JIS B 9928に規定するものを用いてもよい。その場合,用いた

試験粒子を記載する。 

c) 試験風速 試験風速は,5.3cm/sとする。ただし,要求がある場合は,任意の風速を加えてもよい。 

d) 試験用粒子の濃度 試験用粒子の濃度は,なるべく変動しないようにする。 

e) 粒子捕集率測定装置 粒子捕集率測定位置の構成例を附属書図2に示す。 

附属書図2 粒子捕集率測定装置の構成例 

f) 

粒子捕集率測定器具類 粒子捕集率測定器具類は,次による。 

1) 試験用粒子発生器:3.3b)に規定する粒子を発生させることのできるもの。 

2) 粒子計数器:本体5.1.2 c)に規定するもの(2)。 

3) ホルダー:直径40mm以上のものを装着でき,ろ材の保護のため支持網を設けたもの。 

4) 流量計:3.2c)4)に規定するもの。 

5) 吸引ポンプ:3.2c)5)に規定するもの。 

6) 清浄用フィルタ:本体5.1.2a)2)に規定するもの。 

11 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7) 配管:3.2c)6)に規定するもの。 

注(2) 本体5.1.2c)に規定されている粒子計数器より粒径範囲の広いものを用いることができる。その

場合,試験粒子の濃度は,計測器に応じて変更することができる。 

なお,本体5.1.2c)に規定する測定器以外のものを用いて測定した場合には,測定方法につい

て明示しなければならない。 

g) 粒子捕集率の測定方法 粒子捕集率測定装置を用い,試験用粒子発生器によって3.3b)に規定される粒

子を発生させ,清浄な空気によって所定の濃度に希釈調整したものを,5.3cm/sのろ過速度でろ材を通

るように,吸引ポンプで調節し吸引する。それぞれ3.3f)2)に規定する粒子計数器で計測し,次の式に

よって透過率及び粒子捕集率を計算する。 

100

1

=C

C

P

 ············································································ (1)  

E=100−P ················································································ (2)  

ここに, 

P: 透過率 (%)  

E: 粒子捕集率 (%)  

C1: 対象粒子である0.15μm及び0.3μmが粒子径区分の間に位置す

るチャンネルにおけるフィルタ上流側(ろ過前)の計数値 

C2: 対象粒子である0.15μm及び0.3μmが粒子径区分の間に位置す

るチャンネルにおけるフィルタ下流側(ろ過後)の計数値 

備考 C2の計数値が100個以下の場合,本体5.1.4f)に規定する方法によって,C2の値を求める。これ

に加えて,受渡当事者間の協定によって他の粒子径区分のPを計算することもできる。 

h) 捕集率の求め方 3個以上の同じ試験用ろ材について,g)の方法によってそれぞれ透過率及び粒子捕

集率を測定し,その平均値を透過率及び粒子捕集率とする。 

i) 

試験結果の表示 h)の方法によって求めた透過率を,有効数字2けたとし,対象粒子径と合わせて表

示する。 

備考 本体5.1.2c)に規定する粒子計数器以外の計数器を用いた場合には,測定方式及び対象とした粒

子径を合わせて表示する。 

j) 

その他 

1) ダクト内の圧力が陽圧か陰圧かは限定しない。 

2) 温度・湿度は,本体5.1.3に規定する試験条件とする。 

3) エレクトレットろ材については,特に試験項目を設けない。 

3.4 

引張強さ試験 引張強さ試験は,次によって行う。 

a) 引張強さの測定方法 JIS P 8113の規定に準じ,測定する。ただし,試験片は,原ろ材の幅方向に,

中央と間隔を最大にする3個以上とし,幅は原則として15, 25及び50mmとする。 

スパン長は原則として180mmとし,空速型引張強さ試験器を使用する場合の変形速度は20±

5mm/min又は25±5mm/minとする。 

b) 引張強さの求め方 原ろ材の縦方向及び横方向について,それぞれ3個以上の試験片を採り,a)の方

法によって引張強さを測定し,その平均値をもって引張強さとする。 

c) 試験結果の表示 b)の方法によって求めた縦方向及び横方向の値を,単位はkN/m,有効数字3けたと

し,試験片の幅と合わせて表示する。 

3.5 

はっ水性試験 

a) はっ水性測定装置 はっ水性測定装置の構成例を,附属書図3に示す。 

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12 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図3 はっ水性測定装置の構成例 

b) はっ水性測定器具類 はっ水性測定器具類は,次による。 

1) ホルダ:有効ろ過面積20cm2以上あり,片面がオープンフェイス設計となっているもの。 

2) マノメータ:水高100cmまでの圧力を測定可能で,0点は試料面と同一となるように調整する。 

3) リザーバ,配管:各部の接続箇所から水の漏れがないもの。 

4) 調節弁:一定圧力にすることができるもの。 

c) はっ水性測定方法 はっ水性測定装置を用いて,ホルダにろ材をセットし,ろ材に対し徐々に水圧を

かけていく。このときの水圧の上昇速度は,約0.3kPa/sとする。 

ろ材を水が通過したときの水圧 (kPa) の値をマノメータによって測定する。 

d) はっ水性の求め方 原ろ材の幅方向に,中央と間隔を最大にする3個以上の試験用ろ材についてc)の

方法によってそれぞれはっ水性を測定し,その最小値をもってはっ水性値とする。単位は,kPaとす

る。 

3.6 

物理性能試験 

3.6.1 

厚さ 厚さの測定は,次によって行う。 

a) 厚さの測定方法 JIS P 8118の規定に準じて測定する。 

b) 厚さの求め方 原則として原ろ材の幅方向に,中央と間隔を最大にする3個以上の試験片を用意し,

大きさは100cm2とし,それぞれ2か所の厚さをa)の方法によって測定し,その平均値をもって厚さ

の値とする。 

c) 試験結果の表示 b)の方法によって求めた値(単位mm)を小数点以下2けたとして表示する。 

3.6.2 

単位面積当たりの質量 単位面積当たりの質量(又は坪量)の測定は,次によって行う。 

a) 単位面積当たりの質量の測定方法 JIS P 8124の規定によって測定する。 

b) 単位面積当たりの質量の求め方 原則として,原ろ材の幅方向に,中央と間隔を最大にする3個以上

の試験片を用意し,大きさが100cm2以上の試験片についてa)の方法によって測定し,その平均値を

もって単位面積当たりの質量(又は坪量)の値とする。 

c) 試験結果の表示 b)の方法によって求めたg/m2単位で求めた値を有効数字3けたとして表示する。 

3.6.3 

灰分 灰分の測定は,次によって行う。 

a) 灰分の測定方法 JIS P 8128の規定に準じて測定する。 

13 

B 9927 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 灰分の求め方 原則として,原ろ材の幅方向に,中央と間隔を最大にする3個以上の試験片を用意し,

灰分の値をa)の方法によって測定し,その平均値をもって灰分の値とする。 

c) 試験結果の表示 b)の方法によって百分率で求めた値を有効数字3けたとして表示する。 

4. 試験結果の報告 報告書には,次の事項を記載する。 

a) 名称 

b) 形状,寸法及び材質 

c) 製造番号又はロット番号 

d) 製造業者名又はその略号 

e) 試験結果 

1) 圧力損失の測定値 

2) 粒子捕集率の測定値 

3) 引張強さ試験の測定値 

4) はっ水性試験の測定値 

5) 厚さの測定値 

6) 単位体積当たりの質量(又は坪量)の測定値 

7) 灰分の測定値 

JIS B 9927 クリーンルーム用エアフィルタ性能試験方法 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 横 地   明 

東海大学 

藤 井 修 二 

東京工業大学 

中 嶋   誠 

通商産業省機械情報産業局 

本 間   清 

工業技術院標準部 

黒 木 勝 也 

財団法人日本規格協会技術部 

(幹事) 

○ 鈴 木 道 夫 

日立プラント建設株式会社 

(幹事) 

○ 鈴 木 国 夫 

株式会社テクノ菱和 

呂   俊 民 

株式会社竹中工務店 

川 又   亨 

日本エアーテック株式会社 

澤 田 朋 之 

富士電機株式会社 

鈴 木 良 延 

清水建設株式会社 

○ 長 塚 孝二郎 

株式会社忍足研究所 

○ 猿 山 政 雄 

近藤工業株式会社 

○ 高 橋 和 宏 

日本無線株式会社 

○ 武 田 隼 人 

進和テック株式会社 

○ 大 塚 一 彦 

ニッタ株式会社 

濱 中 隆 夫 

日本ドナルドソン株式会社 

○ 杉 田 直 記 

ミドリ安全株式会社 

○ 田 口 光 裕 

東洋濾紙株式会社 

○ 戸 田 紀 一 

ライドールインターナショナルインコーポレイテッド 

○ 渡 辺 正 克 

北越製紙株式会社 

○ 田 丸 眞 司 

ダイキン工業株式会社 

○ 大 垣   豊 

日本バイリーン株式会社 

○ 藤 井 伸 明 

住友スリーエム株式会社 

○ 三 上 壯 介 

社団法人日本空気清浄協会 

○ 大 竹 信 義 

社団法人日本空気清浄協会 

備考 ○印は、分科会を兼任