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B 9917-5:2008  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

3.1 一般用語 ······················································································································ 1 

3.2 占有状態 ······················································································································ 3 

4 必要事項 ························································································································· 3 

4.1 運転管理システム ·········································································································· 3 

4.2 クリーンルーム用衣服 ···································································································· 3 

4.3 要員 ···························································································································· 4 

4.4 据置形機器 ··················································································································· 5 

4.5 資材及び可搬形機器 ······································································································· 5 

4.6 クリーンルームの清掃 ···································································································· 5 

附属書A(参考)運転管理システム ························································································· 7 

附属書B(参考)クリーンルーム用衣服 ··················································································· 13 

附属書C(参考)要員 ·········································································································· 18 

附属書D(参考)据置形機器 ································································································· 22 

附属書E(参考)資材及び可搬形機器······················································································ 26 

附属書F(参考)クリーンルームの清掃 ··················································································· 33 

参考文献 ···························································································································· 42 

附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································ 45 

B 9917-5:2008  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本空気清浄協会(JACA)及び財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 9917-5:2008 

クリーンルーム運転における管理及び清浄化 

Maintenance and cleaning in cleanroom operations 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 14644-5を基に作成した日本工業規格であるが,技

術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,クリーンルーム運転における管理及び清浄化に関連する基本的要求事項について規定する。 

なお,この規格の適用範囲外である汚染制御に直接には関連のない安全基準については,国・各自治体

の基準を参照しなければならない。この規格は,個別の産業に特化したものではなく,すべてのクラスの

クリーンルームを対象にしている。個別の産業に特定の要求事項は,この規格には規定していないため,

それぞれの独自の関連規格などを準用することが必要である。 

注記1 粒子のモニタリングについてはISO 14644-2及び参考文献[44],並びに微生物のモニタリング

については参考文献[39]及び参考文献[40]を参照している。また,産業独自の関連基準として

は,GMP,GLP,HACCP,バイオハザード関連規格などがある。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 14644-5:2004,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 5: Operations (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを

示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語 

ISO 14644-2:2000,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 2: Specifications for testing and 

monitoring to prove continued compliance with ISO 14644-1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8122によるほか,次による。 

3.1 

一般用語 

B 9917-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1.1  

一方向流 (unidirectional airflow) 

クリーンゾーン全断面において均一な流速でほぼ平行な流線をもつ制御された気流。 

注記 このような気流は結果としてクリーンゾーンから粒子を気流方向に移動し,排出させる。 

3.1.2  

バイオクリーンルーム (biocleanroom) 

微生物汚染が問題となる製品又はプロセスに利用するクリーンルーム。 

注記 JIS Z 8122によるバイオロジカルクリーンルームと同じ。 

3.1.3  

更衣室 (changing room) 

クリーンルーム使用者がクリーンルーム用衣服の更衣をする室。 

3.1.4  

隔離装置 (separative device) 

ある空間の内外を適切なレベルに分離する装置。構造的及び力学的手法を利用している。 

例 クリーンブース,クリーンベンチ,封じ込め装置(キャビネット),グローブボックス,アイソレ

ーター,ミニエンバイロメント。 

3.1.5  

クロスオーバベンチ (cross-over bench) 

クリーンルーム用衣服の更衣に使用し,床汚染の持込みを防止するために設けたベンチ。 

注記 バリアベンチ・ステップオーバベンチともいう。 

3.1.6  

粒子 (particle) 

明確な物理的境界をもつ物質の微小片。 

注記 クラス分けについては,参考文献[42]参照。 

3.1.7  

繊維 (fibre) 

アスペクト比が10以上の粒子。JIS Z 8122における繊維状粒子。 

3.1.8  

要員 (personnel) 

何らかの目的でクリーンルームに入室する者。 

3.1.9  

オペレータ (operator) 

クリーンルームにおいて労働する者,又は生産に従事する者若しくは製造を実行する者。 

3.1.10  

消毒 (disinfection) 

対象物又は表面における微生物の除去,死滅,無害化。 

感染がおこらないように行う病原微生物の不活性化,除去。 

3.1.11  

滅菌 (sterilization) 

微生物の生活力を奪い,生存している微生物を殺滅。 

B 9917-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.2 

占有状態 

3.2.1  

施工完了時 (as-built) 

施設がすべての設備の据付けを完了して機能できる状態にあるが,生産機器,材料,及び作業者のいず

れも存在してない状態。 

3.2.2  

製造装置設置時 (at-rest) 

施設が機器の据付けを完了し,顧客及び供給業者が協定した形式で操業できる状態にあるが,作業者が

存在していない状態。 

3.2.3  

通常運転時 (operational) 

施設が指定の形式で機能しており,指定の数の作業者が存在していて,協定された形式で作業している

状態。 

必要事項 

4.1 

運転管理システム 

運転管理システムは,次による。 

a) 一連の通常運転時の手順を確立し,文書化しなければならない。それによって,クリーンルームは,

品質管理上,製品及び製造工程のために設計された状態とする体制を作る。 

b) クリーンルームにおいて,製造工程の汚染リスクの生じる領域を決定し,その場所に適したリスクフ

ァクタを設定しなければならない。これらリスクをモニタリングする方法を定め,仕様範囲を外れた

場合に処置をとることが可能となる。 

c) クリーンルーム要員に対する一連の教育手順を制定しなければならない。また,この教育手順が遵守

されていることを確認する方法を,規定しなければならない。 

d) 要員の任務に適切なすべての教育訓練を受けていることを証明するために,文書化システムを管理し

なければならない。 

e) クリーンルームの運転管理システムの操作,維持,修理及び監視の方法について,一連の手順を文書

化しなければならない(参考文献[41]参照)。 

f) 

クリーンルームの変更,増設,拡大などのすべての行為を計画する場合,すべての関係者を含めて検

討しなければならない。重要な変更については,ISO 14644-2に従ってクリーンルームなどの再検証

の必要がある。 

g) 文書化においては,クリーンルーム要員の安全性を優先した方法をとらなければならない。コンタミ

ネーションコントロールに影響を与える場合でも,安全性を優先しなければならない。 

注記1 この規格では,詳細を含まないが,クリーンルームの運転状態を定期的にモニタリングする

ことが重要である。モニタリング項目としては,運転状態,要員数,環境条件として気流,

風速,風量,空気圧,温度,湿度,清浄度,リーク(漏れ),有害ガス,微生物などがあり,

各々について測定頻度及び測定場所を含むモニタリング計画を作成,実行,記録し,評価を

通じてリスク管理することが重要である(A.2参照)。 

注記2 運転管理システムに関する参考となる手引を,附属書Aに示す。 

4.2 

クリーンルーム用衣服 

B 9917-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

クリーンルーム用衣服は,次による。 

a) クリーンルーム用衣服は,要員及び衣服による汚染物から環境及び製品を守るために用いる。この封

じ込め効果を最大限にするために,使用する繊維,衣服形状及び衣服による要員を覆う範囲を確定し

なければならない。 

b) クリーンルーム用衣服は,耐久性があり,破損が少なく,発じんの少ない繊維及び材料で作る必要が

ある。 

c) クリーンルーム入室時にクリーンルーム用衣服を新しいものに取り替える頻度は,製品及び製造工程

の清浄度によって決定されなければならない。 

d) 再使用可能なクリーンルーム用衣服は,汚染を除去するため,一定間隔で清浄化工程を行わなければ

ならない。 

e) 清浄化工程に必要となる衣服のクリーニング,操作(必要な場合は,滅菌又は消毒)及び包装を規定

しておかなければならない。 

f) 

クリーンルーム用衣服は,汚染を最小限とするため規定された方法で搬送し,保管しなければならな

い。 

g) クリーンルーム用衣服(清浄包装されたもの又は汚れたもの)を,洗濯,修繕又は交換の目的以外で,

保管場所及びクリーンルームから持ち出してはならない。 

h) クリーンルーム用衣服は,汚染の拡散を回避又は最小限にするように更衣しなければならない。 

i) 

衣服を再使用する場合は,汚染を最小限にする方法で,持出し(クリーニングのための一時保管を含

む。)及び保管をしなければならない。 

j) 

クリーンルーム用衣服は,定期的な間隔で点検を行い,汚染制御特性が許容範囲内にあることを確認

しなければならない。 

k) クリーンルーム用衣服を着衣した要員の快適性について,配慮しなければならない。 

l) 

特殊な用途に使用する衣服では,その用途に応じた物性(例えば,化学,物理又は微生物的特性)に

ついて配慮しなければならない。 

m) 緊急避難時又は避難後においては,クリーンルーム用衣服の特別な問題について配慮しなければなら

ない。 

注記 クリーンルーム用衣服に関する参考となる手引を,附属書Bに示す。 

4.3 

要員 

要員は,次による。 

a) クリーンルームに関係しない者は,許可されない限り,クリーンルーム内に入室してはならない。ま

た,許可されていない物品を持ち込んではならない。 

b) 要員は,クリーンルーム環境で正しく労働することができるように,衛生関連問題について教育訓練

を受けなければならない。 

c) 要員に対して,汚染の原因となる装飾品,化粧品,その他の物品について,取扱いに関する規定を定

めなければならない。 

d) 要員は,汚染の発生を最小限にし,製品表面に移動,沈着しないような動作について,教育訓練を受

けなければならない。 

e) 要員は,ハザード(危険領域)から保護されなければならない。健康及び安全に関して労働に伴うす

べてのリスクについて,安全教育訓練を受けなければならない。 

注記 要員に関する参考となる手引を,附属書Cに示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.4 

据置形機器 

据置形機器は,次による。 

a) 移動設置を伴うすべての機器は,クリーンルーム環境に移動する前に,十分に清浄化及び汚染除去を

行わなければならない。 

b) 制御環境への機器の搬入関連の手順を,すべての機器に対して必要な清浄化及び汚染除去を保証する

ため,規定しなければならない。 

c) 機器の設置は,クリーンルーム環境への影響を最小限とするように計画し,実施しなければならない。 

d) 機器のメンテナンス,修理,校正の手順は,クリーンルームの汚染を制御し,最小限にする方法で実

施しなければならない。 

e) メンテナンス及び修理に関する手順は,汚染を制御するように規定し,文書化しておかなければなら

ない。 

f) 

予防保全のスケジュールは,構成部品が汚染源とならないうちに,定期的に更新設置する時期を決め

ておかなければならない。 

注記 据置形機器に関する参考となる手引を,附属書Dに示す。 

4.5 

資材及び可搬形機器 

資材及び可搬形機器は,次による。 

a) すべての資材及び可搬形機器は,クリーンルーム清浄度のレベルに適合させ,製品及び製造工程を汚

してはならない。 

b) クリーンルームに持込むすべての資材及び可搬形機器が汚染されていないことを保証するために,関

連する手順を確立しなければならない。 

c) クリーンルームに保管する材料の量を最小限とするための保管手順を,確立しなければならない。必

要に応じて,在庫期間を考慮しなければならない。 

d) クリーンルームにおける資材の保管は,決められた手順に従い,必要ならば清浄保管又は隔離しなけ

ればならない。資材及び可搬形機器の保管並びに使用に伴って発生する汚染リスクを,考慮しなけれ

ばならない。 

e) すべての使用済み資材及び廃棄物については,規定された手順で,収集し,識別し,除去しなければ

ならない。廃棄物は,定期的に,製品又は製造工程の清浄度を低下させない方法で除去しなければな

らない。有害物の廃棄手順は,地域などで定められた基準に適合していなければならない。 

注記 資材及び可搬形機器に関する参考となる手引を,附属書Eに示す。 

4.6 

クリーンルームの清掃 

クリーンルームの清掃は,次による。 

a) クリーンルーム表面を許容清浄度レベルに維持するために,清掃の方法及び手順を規定し,日常的に

実施しなければならない。 

b) 清浄化を実施する責任者を選任し,その責任者は業務遂行のための所定の訓練を受けなければならな

い。 

c) 所定の清浄度レベルが維持されていることを保証するために,清掃のスケジュールを規定し,十分な

頻度で実施しなければならない。 

d) クリーンルームが所定のレベルにあることを保証するため,適切な汚染検査を定期的に実施しなけれ

ばならない。 

e) 清掃の手順を規定するために,清掃手順による製品及び製造工程への影響についての評価を実施しな

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ければならない。清掃手順には,清掃開始前に仕掛品の移動又は覆う準備作業をすることが望ましい。 

f) 

特殊な清掃手順及び手法は,不可避の事故又はシステム故障によって汚染が発生し,クリーンルーム,

製品,製造工程又は要員にリスクを与える場合に対して,規定しなければならない。 

注記 クリーンルームの清掃に関する参考となる手引を,附属書Fに示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

運転管理システム 

A.1 概要 

マネジメント(施設管理)については,GCP(Good Cleanroom Practice)を支援するような施設・設備を運

転・管理するシステムに,クリーンルーム要員の注意を向けさせるように,管理者がリーダシップを発揮

することが不可欠である。管理体制は,すべての部門にそれぞれの責任を認識させるために規定し,公開

しなければならない。GCPは,生産する製品の品質及びクリーンルーム内の製造工程に重要な影響を及ぼ

す。この附属書は,これらのシステムを明確にマネジメントするときに支援するものである。 

注記 GCPとは,クリーンルームにおける製造管理及び品質管理に関する規則であり,優れた品質の

製品を製造するために必要な建物,設備,製造管理及び品質管理の全般にわたって,製造に当

たる者が守らなければならない要件である。 

A.2 汚染リスクの評価 

A.2.1 リスクの評価方法 

リスクの評価は,クリーンルーム内の製造工程及び製品に悪影響を及ぼす汚染制御要因を決定するため

に行われる。 

汚染制御要因を決定及び管理するために用いる方法の例を,次に示す。 

a) HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:危害分析重要管理点)参考文献[1] 

b) FMEA(Failure Mode Effects Analysis:故障モード影響解析)参考文献[2][3]  

c) FTA(Fault Tree Analysis:故障の木解析)参考文献[4]  

A.2.2 運転リスクの決定 

A.2.2.1 一般 

運転時のクリーンルームで重要な要素の制御が不適切である場合は,クリーンルームの清浄度及び製品

の品質にリスクを与える。これらの重要な要素及び関連するリスクのリストを,A.2.2.2〜A.2.2.6に示す。

不適合状況を是正するために,それぞれの組織はこれらのリスクアセスメントを実施して計画を作成する

ことが望ましい。このアセスメントにおいては,次を考慮することが本質的に重要である。 

a) リスクファクタとしての汚染濃度 

b) 製品へのリスクの影響度 

c) リスクから製品を保護する方法の重要性(参考文献[5]) 

ISO 14644-2,参考文献[44]及び参考文献[41]では,空気調和機能,圧力・温度・湿度・換気不良,フィ

ルタ不良など,クリーンルーム支援パラメータに関する情報を扱っている。 

A.2.2.2 クリーンルーム用衣服 

クリーンルームの運転及び清浄度に影響を及ぼす可能性のあるリスクファクタを,次に示す。 

a) 人体からの発じん防止(カバーオール,フロック,帽子,手袋,靴,マスクなど) 

b) 材料の特性(織り方,繊維のタイプ,無菌性,帯電防止性,加工特性など) 

c) 設計及び縫製(特別な縫製要求事項) 

d) 快適性 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) 使用法(洗濯可能又は使い捨て) 

f) 

クリーンルーム用衣服の下に着用する個人衣服の選択 

g) 洗濯までの期間又は着衣の回数 

h) 洗濯方法の選択 

i) 

更新,包装,保管及び配布 

A.2.2.3 要員 

クリーンルームの運転及び清浄度に影響を及ぼす可能性のあるリスクファクタを,次に示す。 

a) 要員の選定 

b) 教育・訓練 

c) 安全(緊急時の手順も含む。) 

d) 個人の衣服,衛生状態及び行動(クリーンルームへ入室する前の行動を含む。) 

e) 慢性又は急性の病状 

f) 

特に汚染物の発生量の多い要員 

g) 入室許可されている者 

h) 来訪者に対する特別の手順 

i) 

最大入室者数 

j) 

入退室手順 

k) クリーンルーム内での要員の動作及び活動 

A.2.2.4 据置形機器 

クリーンルームの運転及び清浄度に影響を及ぼす可能性のあるリスクファクタを,次に示す。 

a) 搬出入手順 

b) 据付け 

c) 清掃方法 

d) 汚染の発生 

e) 熱,水分及び静電気の発生 

f) 

保守及び修理 

g) 製造材料及びユーティリティ配送システムの清浄度 

h) 潜在的機器故障 

A.2.2.5 資材及び可搬形機器 

クリーンルームの運転及び清浄度に影響を及ぼす可能性のあるリスクファクタを,次に示す。 

a) 適合性及び選定 

b) 搬出入及び移動手順 

c) クリーンルーム内での保管要素 

d) 使用時のクリーンルームへの汚染要素 

e) 静電気の発生 

f) 

配送システムで配給する薬液及びガスの純度 

g) 廃棄物の処理 

h) 包装 

A.2.2.6 クリーンルームの清掃 

クリーンルームの運転及び清浄度に影響を及ぼす可能性のあるリスクファクタを,次に示す。 

B 9917-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 日常の環境汚染ファクタ(気流,浮遊粒子,アウトガス,危険ガス,微生物,振動,帯電,分子汚染

など) 

b) 人,材料の動線 

c) サービス,メンテナンス,修理 

d) 清掃手法 

e) 緊急停止及び計画停止 

f) 

施設の拡張及び改修 

g) 清掃結果をモニタリングする頻度 

A.3 モニタリング及び是正措置 

日常のモニタリングの方法は,要員,清掃及び他の運転システムを含む必要がある。モニタリングは,

現状又は不適切な状況が発生するときに早急な方法で検知するよう十分な頻度で広範囲に行う必要がある。

モニタリングには,警報レベル及び措置レベルを規定し,警報レベルを超えた場合に原因を調査し,措置

レベルを超えた場合に是正措置を含む迅速な対応をすることが望ましい。調査及び是正措置については,

不適合状態の潜在的結果としての製品の品質への影響についても考慮することが望ましい。微粒子のモニ

タリングの情報についてはISO 14644-2及び参考文献[44]に,微生物のモニタリングの情報については参考

文献[39]及び参考文献[40]に規定されている。 

A.4 教育・訓練 

A.4.1 範囲 

クリーンルーム内でのオペレータの活動は,清浄環境に深くかかわっている。適切な訓練を受けていな

い者がクリーンルームに入室,設備を使用,保守することは,クリーンルームに悪影響を及ぼすことにな

る。したがって,管理者はすべての要員に,その要員の責任について,及びその責任によって清浄環境に

どの程度影響を及ぼすかについて,訓練するプログラムを広く実施しなければならない。理解及び了解が

完全に得られたことを確認のうえ,訓練プログラムを認証する。訓練プログラムは,次のグループの要員

ごとに適切な教育・訓練の状況を示すことが望ましい。 

a) オペレータ(operators) 

b) 技能者(technicians) 

c) エンジニア及び科学者(engineers and scientists) 

d) 品質保証要員(quality assurance personnel) 

e) 監督者及び管理者(supervisors and managers) 

f) 

施設要員(facilities personnel) 

g) 請負者(contractors) 

h) 現場サービス要員(field service personnel) 

i) 

訪問者(visitors) 

A.4.2 訓練内容 

訓練コースには,次の項目を含む。 

a) クリーンルームの概要(設計,気流,フィルタ) 

b) クリーンルームの規格 

c) 汚染源 

10 

B 9917-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 個人の健康状態 

e) 清掃 

f) 

クリーンルーム用衣服の更衣手順 

g) 保守手順 

h) クリーンルームの試験方法及びモニタリング方法 

i) 

クリーンルーム内での規律及び行動 

j) 

製造工程,応用されている原理・技術の説明及びその汚染要因 

k) 安全及び緊急時の対応 

A.4.3 クリーンルーム要員のモニタリング及び是正措置 

クリーンルームの訓練プログラムは,A.2.2に示したクリーンルームのリスクファクタを最小限にする要

求事項及び行動について説明している。クリーンルームの訓練の全要素を実践する要員の能力は,クリー

ンルームの連続的・効果的な運転に不可欠である。正しく訓練をされていたとしても,完全に理解してい

ない場合,クリーンルームで不適切な行動をとる場合がある。このため,各人がクリーンルームの規律を

正しく守ることを確実にするためにA.4.1に示した要員の行動をモニタリングすることが望ましい。クリ

ーンルーム要員の行動をモニタリングするシステムを検討することが望ましい。モニタリングプログラム

は,クリーンルーム要員に与えられた権限の程度によって規定又は規定外とすることができる。内部の監

査役は,文書化された手順に基づき各人のクリーンルーム内での行動をモニタリングすることができる。

報告書は通常不十分な行動を列挙して定期的に管理者に提出し,是正措置を決定するために使用すること

が可能となる(参考文献[6])。 

クリーンルームでの適切な作業手順に,各人が前向きに従うような効果的なプログラムとすることが望

ましい。 

A.4.4 訓練の文書化 

クリーンルームの操作及び管理に従事する各人の訓練の過程及びレベルについて文書化し,簡潔で分か

りやすいシステムを用いることが望ましい。管理チームが仕事の内容,仕事及び責任の分担体制を設定す

ることが望ましい。文書化のシステムは管理者が容易にアクセスでき,定期的に再確認することが望まし

い。基本となる文書には各コースの内容,要員を同定する情報,訓練の実施及び確認の日付,将来の再教

育のスケジュールを記載することが望ましい。 

A.5 クリーンルーム支援のためのサービス 

A.5.1 一般 

管理責任者は,クリーンルーム支援のためのサービスが設計どおりに確実に機能していることを毎日確

認しなければならない。このサービスには,清浄化システム,空調システム,圧縮空気,プロセスガス,

純水及び生産排水他のユーティリティシステム,クリーンルームの運転に必要なその他のシステムを含ん

でいる。いかなる運転システムでも,その欠陥がクリーンルームの清浄度及び運転に重大な影響を及ぼす

場合がある。クリーンルームに供給及び維持するシステムの操作手順書及び操作記録を常時活用できるよ

うにしておくことが望ましい。システムセットアップに関する項目をA.5.1〜A.5.6に示す。A.5.2〜A.5.6

の関連事項として,参考文献[41]を参照。 

A.5.2 クリーンルーム施設の記録 

この記録には,クリーンルーム施設図,クリーンルームの清浄度(設計仕様に対する検収試験結果を含

む。)及び推奨予備品リストを含むことが望ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.5.3 運転・保守説明書 

運転・保守説明書には,システム稼動方法及び部屋の清浄度への影響に関する説明を含むことが望まし

い。クリーンルーム施設内の機械設備及び電気設備には,一式の運転・保守説明書が必要である。運転・

保守説明書には,通常の運転・保守に加えて,立ち上げ前の全重要機器のチェック及び点検の手順につい

て記載することが望ましい。また,緊急停止の手順及び突発的な停止時の再立ち上げ手順についても文書

化することが望ましい。 

運転・保守説明書の項目リストを,次に示す。 

なお,要員に関する事項については,附属書Cを参照。 

a) 施設の管理及び記録 

b) 空調設備 

c) 衛生設備 

d) ユーティリティ設備(電気・純水・薬品・ガス・その他) 

e) 安全設備 

f) 

搬入物・搬出物 

g) クリーンルーム用衣服 

h) 点検手順・修理手順及び記録 

i) 

予備品の整備手順及び記録 

j) 

施設の清掃手順及び記録 

A.5.4 性能モニタリング 

施設の性能モニタリングは,良好な運転を行っていることを示すために不可欠である。仕様で決められ

たクリーンルームの清浄度クラスに応じて,性能試験及び試験の頻度を規定する計画書及び手順書が必要

である。また,想定外の状態になった場合の対応についても記載することが望ましい。 

性能モニタリング項目を,次に示す。 

a) 気流 

b) 風速 

c) 風量 

d) 室圧 

e) 室温及び相対湿度 

f) 

空気の清浄度 

g) 表面汚染の状態 

h) 化学物質・微生物・その他 

A.5.5 保守手順書 

予定外の停止は生産に悪影響を及ぼすと同時に,クリーンルームの汚染の原因となる。予期しない機器

故障によるクリーンルームの汚染を最小限にとどめるために,運転時の性能確認及び予防保全を行うこと

が望ましい。修理手順書・保全手順書には汚染を抑制,最小限とする予防措置を記載することが望ましい。

整備した機器を再度使用する前に,清浄であること,仕様を満足していることを確認するため,種々の試

験が必要な場合がある。 

A.5.6 保守記録 

効果的な保守を行っていることを示すために,保守を行ったすべての記録を文書化することが必要であ

る。診断,部品交換の内容,実施日,回数及び各人が行った保守について,文書化することが望ましい。

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

予防保全の計画は,必要に応じて更新することが望ましい。定期的に記録を分析することによって,メン

テナンス方法の改善及び予防保全スケジュールの最適化に役立つ場合がある。 

A.6 クリーンルームの機能向上・改修 

据置形機器の増設,平面計画の変更などを含む機能向上,改修はクリーンルーム清浄度に影響を及ぼす

場合がある。管理責任者は,変更が計画的で管理された状況で手順どおりに行われていること,クリーン

ルーム施設の再検証はISO 14644-2及び参考文献[41]に従っていることを確認する。すべての変更内容及び

改修内容記録は,再検証の後に文書化する。変更によって影響を受ける各部署の責任者には,進ちょく(捗)

状況を報告することが望ましい。関連する責任者を,次に示す。 

a) 施設エンジニア 

b) 生産技術エンジニア 

c) 装置エンジニア 

d) 汚染制御エンジニア 

e) 製造エンジニア 

f) 

品質保証エンジニア 

g) 製造管理者 

h) 請負者 

A.7 安全 

クリーンルーム施設の通常運転では危険物,毒物,又は感染性物質を取扱うことが多い。これらの物質

に直接暴露されないように要員を守らなければならない。管理責任者は要員の安全及び健康のために適切

な対策を実施し,モニタリングすることが望ましい。プログラムには,次の項目を含むことが望ましい。 

a) 安全データシート(危険な材料を記載) 

b) 避難計画及び避難手順 

c) 事故報告システム 

d) 要員へのフィードバックシステム 

e) 危険な状況及び危険物の適切なモニタリングシステム 

f) 

訓練を受けた要員による緊急時の速やかな対応 

g) 安全に関する問題の改善・是正を支援する文書 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

クリーンルーム用衣服 

B.1 

クリーンルーム用衣服の機能  

人間は,人体及び着用する通常の衣服から多数の粒子を飛散させている。その数は人によって,又はそ

のときによって大きく変化するが,毎分数百万個(その内,数百個の微生物を伴う)にも及ぶ。クリーン

ルーム用衣服の第一の機能は,これらの汚染から製品及び製造工程を保護することである。したがって,

クリーンルーム用衣服は,人体から発生した汚染物をろ過する機能をもつ織地(おりじ)で作ることが望

ましい。さらに,クリーンルーム用衣服は,体全体をおおい,人体からの発じんがろ過されずにクリーン

ルームに飛散することがないように設計をする必要がある。クリーンルーム用衣服の効果は,クリーンル

ーム用アンダーウェアとの併用によって,より有効なものとなる。 

汚染のほとんどは人体及び一般の衣類から起こるが,更にクリーンルーム用衣服の織地の表面からも発

生する。クリーンルーム用衣服のための織地は,それ自体が汚染を増加させないことが望ましい。 

人間は,口からくしゃみ,せき(咳),会話などによって,不活性な粒子及び微生物を伴う粒子を発生す

る。また,素手で接触するとクリーンルームの表面を汚染する。クリーンルームの用途及び清浄度クラス

によっては,これらの汚染を最小限にするフェースマスク,ヘッドギア及びグローブの着用が必要となる。

クリーンルーム用衣服類には,清浄度及び製造工程の要求によるが,通常はフード,キャップ,ヘッドギ

ア,つなぎ服,オーバーブーツ,手袋,グローブ,フェースマスク,ゴーグル,安全めがねなどを組み合

わせる。 

B.2 

クリーンルーム用衣服の一般的な選定 

クリーンルーム用衣服の最良の設計は,完全に人間を包み,手首,首及び足首でよい密閉性をもつもの

である。クリーンルーム用衣服の選択は,クリーンルームの清浄度クラスに依存するが,より高い清浄度

を要求するクリーンルームでは一体形のつなぎ服,オーバブーツ,フード(衣服の襟の下にフードの端部

をたくし込む形式のもの)の組合せが一般的である(参考文献[8])。クリーンルーム用衣服への技術的な

要求がより高いほど,快適性は犠牲になる傾向がある。したがって,クリーンルーム用衣服はクリーンル

ームの清浄度に見合った選択をする必要がある。清浄度及び製造工程の要求が低ければ,体全体を覆うよ

うな衣服である必要はない(参考文献[7][8][9][10])。ミニエンバイロメント技術又はアイソレータのよう

な特定の隔離装置を取り入れたクリーンルームでは,クリーンルーム用衣服への要求は簡素にすることが

ある。 

クリーンルームの中で使用する衣服は大まかに,使い捨て(又は使用回数に制限のある)形又は再使用

形の二つに分類できる。通常,使い捨て形は不織布で作られ,1回又は数回使用すると処分する。再使用

形の衣服は通常,繊維発じんのない長繊維(ポリエステル,ポリアミドなど)を緊密に織り込んだ織地で

加工されている。綿のように簡単に糸くずになって汚染を拡散させるような天然繊維は,クリーンルーム

の中で通常は使用されない。非常に特殊な場合には,使い捨て又は繰返し使用可能なメンブレン膜を利用

したものも用いられる。 

B.3 

織地の特性 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.3.1 バリア特性 

クリーンルーム用衣服に使用する織地は,人体起因の汚染がクリーンルームに飛散することを防ぐこと

ができるものであることが望ましい。織地はフィルタ機能があり,繊維密度が詰まっているほど効果的で

ある。不織布及び織地の表面に被覆したバリア形の織地は,汚染に対するバリア性能も保有している。織

地の有効性は,通気性,粒子ろ過性及びポアサイズの測定で評価することができる(参考文献

[8][10][11][12])。通気性が少ないと,人間の動きに伴い衣服内圧の上昇を招く。これによって,クリーン

ルーム用衣服内の空気がろ過されずに外部に放出されるポンピングアクションで,汚染を引き起こす。 

B.3.2 耐久性 

クリーンルーム用衣服は,ほつれ及び毛羽立ちが起きにくい丈夫な素材であることが望ましい。織地か

らの粒子発生が最小限となることが望ましい。これらに関する性能試験の情報は,クリーンルーム用衣服

の選定に当たって有用である(参考文献[7][10][13][14])。 

B.3.3 静電気特性 

ある種のクリーンルーム(マイクロエレクトロニクス,又は可燃性若しくは爆発性の化学薬品を扱う部

屋)では,衣服の表面に帯電した静電気が製品にダメージを与える場合,又はオペレータを危険にさらす

場合がある。除電性の糸を織り込んだ織地は静電気を逃がすのに有用である。織地のもつ除電性能は,織

地の表面抵抗及び放電性能を測定することで間接的に測定できる(参考文献[10][15][16])。より有効な試験

では,織地に既知の電圧レベルの静電気を帯電させ,特定の時間が経過した後に,最初の電圧からどれだ

け減少したかを測定し,除電性能を評価する。除電性能の評価法は,参考文献[43]参照。 

B.3.4 その他の特性 

織地の効果は,長期間の使用,洗浄,乾燥,滅菌工程などで経時変化による劣化を起こす。これらの経

時変化は定期的に調査することが望ましい。その他の考慮すべき特性には,製造工程,クリーンルームで

使用する化学薬品,衣服の洗浄,滅菌などに使用する化学薬品に対する耐性がある。 

注記 B.3.1〜B.3.4に関する試験は,クリーンルーム用衣服の機能が有効な状態にあることを確認す

るのに有用である。 

B.4 

クリーンルーム用衣服の設計及び製造  

B.4.1 衣服の製造 

クリーンルーム用衣服は,クリーンルームへの汚染の持込みを最小限にするように製造することが望ま

しい。縫製する前の織地の裁断は,後に粒子を発生させる切り口が残る。これらの切り口の処理方法とし

て,次のものが望ましい。織地の裁断は,ほつれ及び糸くずが生じないよう熱又はレーザによる溶断を行

う。さらに,裁断部が衣服表面(及び内側)に露出しないように二重に折り込んで密に縫い上げる。その

ときに使用する糸は,織地と同等の化学合成の長繊維を用いる。ジッパ,マジックテープ,靴底部,その

他の構成材についてはさび(錆),磨耗,洗浄の繰返し,滅菌などに耐えられる高い耐久性が要求される(参

考文献[8])。 

B.4.2 一般的な設計 

衣類のデザインを選択する場合は,クリーンルームのタイプを考慮することが望ましい(参考文献

[8][9][10])。クリーンルーム用衣服は,快適さ及び密着性を得られるよう様々なサイズを選定できることが

望ましい。汚染を保持しやすいポケット,プリーツ,ダーツ,ホック,その他ペン差しなど不要な突起物

は使用しないことが望ましい。 

そで(袖)口にはゴムを封入したもの及びゴム編みの織地を使用したものがあるが,いずれも汚染物質

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を保持・放出しにくいもの,静電気が帯電しにくいものが望ましい。クリーンルーム用衣服の密閉部(襟,

そでなど)は快適性を保持しながら,しっかりとしたものが望ましい。考慮すべき他の設計要素は,次の

とおりである。 

a) ジッパの材質(例えば,プラスチックでカバーされたジッパ),タイプ及び位置 

b) アジャスタ及び留め具の配置並びにその有効性 

c) そで構造(一般そで又はラグランそで) 

d) そで口の密閉部(伸縮性のあるゴム編み又はスナップ止め) 

e) 襟の構造 

f) 

靴又はブーツとの取り合い(様々な靴又はブーツに対し,クリーンルーム衣服がこれをカバーできる

デザインが望ましい。) 

g) フードの形状(顔面の露出具合,スナップ止め又はプルオーバ) 

h) フードの装着感の調整法 

i) 

靴ひものタイプ及び配置 

B.4.3 人体発じん試験チャンバ(ボディ・ボックス) 

この試験方法は織地の効果,衣服のデザイン及び構成の組合せを検証するのに用いることができる。被

験者は対象衣服を着用し,一定風速の清浄空気で換気されたボックス内に入り,決められた繰返しの運動

を行う。それらによって飛散した粒子又はバクテリアの数を測定する。仕様の異なる衣服の相対評価が可

能である(参考文献[8])。 

B.5 

熱快適性 

クリーンルーム用衣服の素材を選定するときは,可能な限りクリーンルームで働く者の快適性を考慮し

なければならない(参考文献[17])。この選定には,選定対象の織地の空気及び湿気の透過性の資料が有効

である(参考文献[8][18][19])。選定対象となる衣服を入手し,実際にクリーンルームで使用することも単

純であるが有効な検証方法である。衣服を着用した被験者からの意見は,衣類を選定するときの重要な情

報となり得る。 

クリーンルーム用衣服に必要な快適性は,人的パラメータ及び環境パラメータ(クリーンルーム内の空

気温度,気流速度,乱流の状況,平均放射温度及び湿度)を用いて理論的に評価できる。理論的に快適性

を評価するための方法及び関連する表を,参考文献[20]に示す。 

B.6 

クリーンルーム用衣服の清浄化及び交換頻度 

クリーンルーム用衣服は,使用することで汚染する。それを再使用する場合には,適宜,クリーニング

することが望ましい(参考文献[8][21])。クリーンルーム用衣服に施す最終処理及びこん(梱)包作業は,

それらを使用するクリーンルームと同等のクリーンルーム環境下で行うことが望ましい。衣服は,同様に

バクテリアによっても汚染される場合がある。クリーンルームにおいて,バクテリアが重要な考慮事項で

ある場合には,クリーンルーム用衣服のクリーニングサイクルの中に,必要に応じて次の工程を組み込む

ことが望ましい。 

a) 消毒 

b) 熱湯処理 

c) 滅菌 

クリーニング手順には,汚染の種類及びレベルに適した洗濯時に抜取検査を含めることが望ましい。衣

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

服の交換頻度は,クリーンルームでの使用状況に応じて異なってくる。使用環境が汚染に敏感な場合には,

衣服の交換頻度を高め,頻繁にクリーニングすることが望ましいが,クリーニング頻度を高めるとクリー

ンルーム衣服の傷みが早くなる(参考文献[8])。 

B.7 

手袋 

クリーンルーム用手袋は,ほとんどのクリーンルームで必要とされる。それらは,取り扱う製品及びク

リティカル表面に最も接近するおそれのある指先及び手をカバーする。手袋を使用する場合,特性が最適

となるように考慮し,同時に交換する頻度,又は再使用形の場合には洗浄(必要な場合に滅菌)する頻度

を考慮することが望ましい。 

クリーンルーム用手袋の特性は,それらを使用するクリーンルームに応じて,表面汚染,アウトガス,

無菌性,触感,強度,快適性,着用性,包装方法などについて考慮する。これらに関する性能試験の情報

は,クリーンルーム用手袋の選定に当たって有用である(参考文献[22])。 

クリーンルーム用手袋は,ラテックス,ビニール,ポリウレタン,ニトリルゴムなどの素材からなる。

素材の選定には,手袋に必要となる特性及び用途並びにコストを考慮することが望ましい。アンダーグロ

ーブ(インナ手袋)は,発じん性の少ないものが望ましく,作業者によっては快適性の問題,又は接触に

よる皮膚炎の原因となる手袋の内表面に接触しないための利用が必要な場合もある。 

クリーンルーム用手袋の外側表面の清浄度は非常に重要である。手袋の外側表面の汚染を最小限とする

保管方法,開包方法及び着用方法を検討することが望ましい。 

B.8 

フェースマスク及びその他のヘッドギア 

フェースマスク及び排気機能付ヘッドギアは,だ(唾)液,口,鼻及び顔,またヘッドギアの場合には,

頭部からの汚染の発生を防ぐ。マスクは,クリーンルームの中で一般に使用する静的なバリア機能をもつ。

マスクには,ひも,ゴムなどで固定する単体形のマスク,フード着脱形,フード一体形などがある。単体

形のマスクには,洗濯可能な材質でできた再使用形及び使い捨て形がある。口からの汚染物放出に対して

適切な素材及び形状が選定のときに重要である。さらに,実際の使用者の装着感も考慮することが望まし

い。 

ヘッドギアは,口及び頭部からの汚染を防止する機能を備え有用である。フード及び透明な顔面シール

ドをもったヘッドギアには,頭部を覆い,汚染がクリーンルームへ漏れないようフィルタ付排気装置を備

えたものがある。 

眼鏡及びゴーグルは,はがれた皮膚及びまつ毛の落下を保護する機能をもち,それらがクリティカル表

面に落ちないようにする。眼鏡及びゴーグルは,クリーンルームに適合する材質で作られ,安全基準に適

合していることが望ましい。 

B.9 

クリーンルーム用衣服の保管 

B.9.1 クリーンルーム用衣服を再使用する場合は,衣服の清浄度を維持する適切な技法を使用し,保管又

はつる(吊)しておくことが望ましい。保管時には,個々の衣服が接触しないよう物理的に分離すること

が必要である。クロスコンタミネーションの防止のために,クリーニング又は使い捨て可能な収納袋に入

れて保管する場合もある。保管方法の例を,次に示す。 

a) 高性能フィルタで清浄空気を供給する機能を備えた衣服ラック 

b) ハンガーを利用できる固定形及び可搬形のラック 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 更衣室又は更衣領域の壁若しくはフレームに取り付けたロック式及びロック式以外のフック(ロッカ

の中又は部屋の中に設置)。 

d) 一時保管用の容器又は箱 

B.9.2 クリーンルーム内で作業する要員が使用するクリーンルーム衣服を一時保管するために必要なス

ペースは,要員の人数及び更衣頻度によって異なる。 

B.9.3 こん包したクリーンルーム用衣服のすべてを収納するのに十分な面積を,保管のために確保してお

くことが望ましい。保管にはロッカを利用できるが,これらのロッカが汚染の原因とならないように,清

掃スケジュールに基づき管理することが望ましい。 

B.9.4 洗浄された衣服は運搬,保管又は配布の間に汚染されないように,清浄で発じんの少ない袋に包装

することが望ましい。滅菌された衣服の保管期限は,明示することが望ましい。保管は更衣室に隣接する

環境中,又は更衣室内の汚染制御された環境中で行うことが望ましい。これによって,保管中のこん包は

汚染制御され,保管した衣服を取り出すときにクリーンルーム用衣服が汚染されてしまうようなリスクを

低減することができる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

要員 

C.0 クリーンルーム要員の責務 

クリーンルーム要員とは,クリーンルームを所定の清浄度レベルに保持し,所定の生産が可能になるよ

うに管理するための責任のある専門家及びクリーンルーム内で働く作業員のことで,A.4.1に示す品質保証

要員,監督者及び管理者は,クリーンルームの専門家とすることが望ましい。クリーンルームの専門家は,

クリーンルームを良好な状態に保持し,重要項目については正確な記録を取る必要がある。 

注記 重要項目には,製品に関する知識,このクリーンルームの管理全般,クリーンルームへの入退

出の管理,作業員に対する教育・訓練,クリーンルームの運転・管理及びクリーンルーム施設

の管理・記録がある。 

C.1 教育訓練 

クリーンルームに入室し,作業する者は,教育訓練を受けた要員だけである。すべての要員に対し,導

入教育を受講させ,更に定期的な再訓練を受けさせることが望ましい(A.4参照)。 

C.2 要員の入室 

人は,汚染を発生する。したがって,不可欠な要員だけがクリーンルームに入室することが望ましい。

クリーンルーム内の許容人数を管理する場合は,これを文書にし,実施することが望ましい。来訪者及び

メンテナンス関係者の入室は,許可を得て,かつ,監督下において行うことができる。その場合,適切な

水準の教育訓練を受けることが望ましい。 

C.3 衣服及び個人の持ち物 

クリーンルームに入室する場合は,クリーンルーム用衣服を着用することが望ましい。清浄度を更に上

げるためには,クリーンルーム用衣服の下に着用するインナウェアも重要な要素となる。クリーンルーム

用衣服の下に着用する衣服の種類によっては,浮遊粒子及び繊維の飛散に影響を与える。クリーンルーム

用衣服の下に着用する羊毛,綿などの天然繊維製の個人の室内用衣類は,汚染の発生を招くため,専用の

クリーンルーム用インナウェアを支給することも考慮に入れることが望ましい。このインナウェアを支給

する場合は,身体による汚染を有効に取り除くために密に織ったポリエステルのような合成繊維(長繊維)

で製作されたものが望ましい。個人の持ち物は,クリーンルーム内に持ち込まないことが望ましい。指輪,

時計,鎖などの貴金属は,クリーンルーム用手袋を破損するおそれがあるほか,フェースマスク,フード,

衣服のそでなどが外側にぶら下がり,汚染の原因となるおそれがある。化粧品,パウダ化粧品,ヘアスプ

レ,マニキュアなど,その他の類似品はクリーンルームでは望ましくない。これらが製品及び製造工程に

及ぼす危険性について評価を行う必要がある。化粧品はクリーンルーム用衣服,クリーンルーム及び製造

中の製品を汚染する粒子を発生するので禁止する場合がある。 

その他,作業員の個人的持ち物である次のものは,通常クリーンルームには持ち込まないことが望まし

い。 

− タバコ,マッチ,ライタ類 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 飲食物,チューインガム類 

− 財布,かぎ(鍵)など 

− ちり紙,ハンカチ類 

− 手帳,その他の個人的持ち物 

C.4 衛生 

要員は,常に良好な衛生状態を保たなければならない。通常から皮膚及び髪を清潔にし,必要に応じて

入室前の手洗い,洗顔及びシャワーを行い,清浄化する。場合によっては,クリーンルームで使用許可さ

れたスキンオイル,スキンローションを使用してもよい。 

出勤した要員は,クリーンルーム内での汚染の危険性のある過度の肌荒れ,かゆみ,せき,くしゃみ,

その他汚染を増大し得る問題について報告することが望ましい。 

注意すべき症状,事項は,次のものである。 

a) 重度の肌荒れ,皮膚炎,日焼け,頭皮の荒れなどの症状 

b) 風邪,インフルエンザ,慢性のせき 

c) くしゃみ,かゆみ,体をかくなどを引き起こすアレルギー症状 

d) バイオクリーンルームにおいては要員の保有している大量の微生物群 

製造工程又は製造中の製品に対して汚染の可能性のある要員は,その状況によってクリーンルーム外の

作業への変更が必要となる場合がある。クリーンルームによっては,要員は入室前のある一定時間,喫煙

を慎むことが必要となる。 

C.5 クリーンルーム用衣服の更衣手順 

要員は,クリーンルームの入室前にクリーンルーム用衣服に着替える。着用の手順は,汚染が更衣区域

から広がらないように,衣服の着用及び脱衣のときに,クリーンルーム用衣服表面の汚染を最小限にする

ことが望ましい。更衣区域の形状及びクリーンルーム清浄度に応じて,着替えの手順を選択する。詳細に

ついては,参考文献[5][6][23]による。 

通常,頭部から足に向かった手順を取る。基本となる手順は,次によるが,その他にも多様な手順があ

る。 

a) 靴からの汚染の除去(更衣領域に入室前に,靴のクリーナ,クリーンルーム用マットを利用,又は一

般靴を脱ぐ。)。 

b) 不要な一般着を脱ぐ。 

c) 必要に応じて,身に付けた貴金属を外す。 

d) 必要に応じて,化粧を落とし,保湿クリームを塗る。 

e) 該当する場合は,ヘアキャップを着用する。 

f) 

該当する場合は,手を洗い,保湿クリームを塗る。 

g) 該当する場合は,クリーンルーム専用のインナウェアを着用する。 

h) 靴カバー及びクリーンルーム専用の靴下を着用する。 

i) 

所定のクリーンルーム用衣服を選択する。 

j) 

必要に応じて,クリーンルーム用衣服の着用のための手袋を着用する。 

k) 顔及び頭をカバーするものを着用する。 

l) 

カバーオール又はフロックを着用する。 

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m) 靴カバー又は特別なクリーンルーム用靴を着用する。場合によっては,クロスオーバベンチを用いる。 

n) 全身用の鏡を使って,身に付けているものがすべて正しく着用されているか確認する。 

o) クリーンルーム用衣服の着用に使う手袋は,この時点で取り外してもよいし,そのまま着けていても

よい。その後,作業用手袋をはめる。 

p) クリーンルームに入る。 

注記 上記項目は,通常使用する典型的な一つの手順を示したものであり,特定タイプのクリーン

ルームにおける汚染制御の必要性に適合するためには,様々な手順がある。 

クリーンルーム退室時のクリーンルーム用衣服の脱衣方法は,入室の度に新しい衣服を使用するか,再

使用するかによって異なる。再使用するクリーンルーム用衣服の脱衣方法は,参考文献[17]に記載されて

いる。衣服を再使用する場合は,所定の保管方法によって使用することができる(参考文献[5][6][17])。ク

リーンルーム用衣服は,クリーニングのために洗濯室へ移す場合を除き,制御環境から持ち出さないこと

が望ましい。 

C.6 規律及び行動 

要員は,その行動によって発じん源となり,気流に乱れを生じさせることから,クリーンルーム内では,

製品の汚染の可能性を最小限にするように行動することが望ましい。最低限の規律として,次の項目を考

慮することが望ましい(参考文献[6])。 

a) ドアの開閉はゆっくり行い,開放状態にしない。 

b) 入退出及び搬出入領域(エアロックなど)に立ち入るとき,最初のドアを締めて空気を置換するか,

一定時間経過後の安定した後に次のドアを開ける。 

c) 要員は,清浄空気吹出口及び製品又は製造工程の間に位置しないことが望ましい。要員から飛散した

汚染物が製品に落下又は製品の方向に飛ぶ可能性がある。基本的に正しい空気の流れは,吹出口から

順次,製品,要員,全体のクリーンルーム区域,次に空気循環又は排気となる。 

d) 製品の移動及び取扱いには十分な注意を払うことが望ましい。可能ならば製品には触れないほうがよ

い。 

e) 汚染が移る可能性があるので,要員は自分の体に密着させて材料を支えてはいけない。 

f) 

要員は,作業中に製品の近くでの会話を慎む。 

g) 要員はいかなる物でも,製品の上部及び風上を通って移動させてはならない。 

h) 鼻をかむのは,クリーンルームの外で行う。その後,手袋を替える。 

i) 

要員は,クリーンルームの中では,皮膚のいかなる部分も接触,引っかき,ふくなどしてはならない。

そうした場合には,更衣領域で新しい手袋に交換する必要がある。 

j) 

手袋及びクリーンルーム用衣服は,汚染されやすい。汚染をクリティカル領域に転移させないために

も,汚染されやすい手袋及び衣服の表面には触れるべきではない。触れた場合には,更衣領域で汚染

されたものを交換する必要がある。 

k) クリーンルーム用ワイパは,規定どおりに使用し,廃棄する。 

l) 

すべての要員は,慎重,かつ,規則正しく行動しなければならない。クリーンルーム用衣服は,常に

正常な着衣状態を維持する。極端に活発な行動は,気流に乱れを生じる場合があるため避けるべきで

ある。これは,汚染の発生及び気流乱れの発生の両者に影響を及ぼす。 

m) 部屋は整理整とん(頓)を保つ。 

n) クリーンルーム内に貯蔵又は置いたままの製品は汚染しないように保護し,識別可能な密閉キャビネ

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ット(整理棚),容器又は一方向流形に気流制御されたキャビネットに保管する。 

o) 廃棄物は容易に識別可能な容器に入れておき,必要時だけ収集する。 

p) その他の項目として,不要な動作を行わない,歩行作業は静かに行う,工具,器具,筆記用具などは

乱暴に扱わない,使用しないときにはふた(蓋)のあるキャビネット中などに保管することなどがあ

げられる。 

C.7 安全 

a) 要員はクリーンルーム内で発生する又は使用する微生物,放射能及び化学薬品のような危険物から保

護するために,法的に要求される予防措置を施さなければならない。この措置としては,封じ込めキ

ャビネット,カップボード又は隔離用具の提供によって可能になる。予防方法に関しては,参考文献

[41]及び参考文献[45]に記載されている。アイ・スプラッシュ・シールド(目の保護用具),手袋,エ

プロンのような適切な保護用具が必要となることがある。各自治体によっては,クリーンルームにお

ける要員の安全を保護するための追加措置が推奨又は要求されることがある。 

b) 緊急事態が発生する可能性もあり,要員が緊急事態に対応できるように訓練を受けていると,被害の

影響を最小限にすることができる。要員全員が非常事態発生時に冷静に対応できるような訓練を受け

る必要がある。避難が必要な場合は,非常事態が解除されたときのためにクリーンルームの再稼動の

ための処置を施す必要がある。緊急時に新しいクリーンルーム用衣服の支給ができるよう,対処する

ことが望ましい。 

C.8 要員のイニシアティブ(自発性) 

適切なモニタリング(監視)及び改善措置計画に対する原則は,A.7による。要員は自らがクリーンル

ームにおける生産に顕著な影響を及ぼすことを理解することが必要である。個人的な指導によって要員一

人一人の有効性が増す。また,全要員に,クリーンルーム内で発見された欠陥を管理責任者に報告する権

限を与えることによって,改善及び修復を必要とされる見落しがちな汚染源の発見の手助けとなる。これ

によって,問題が製品又は製造工程にリスクを及ぼすほど深刻になる前に報告がなければ,見過ごされて

しまうような汚染源を是正することが可能となる。 

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附属書D 
(参考) 

据置形機器 

D.1 一般 

この附属書は,いったんクリーンルームに設置後固定し,移動が困難な大きな機器について記載する。

据置形機器は,通常,クリーンルームを必要とする製品又は製造工程周りに設置,覆い又は囲んでいる。

それらは,大形装置と同様,自動製造装置・機械製造装置,隔離装置,排気装置などがある。通常,据付

けがいったん完了したこの機器を移動,置き換えるには多大な労力が必要である。 

可能であれば,クリーンルームで使用する機器は清浄状態において製造し,こん包手順は目的のクリー

ンルームで要求される事項を満足することが望ましい。 

D.2 清浄搬入工程 

D.2.1 計画 

クリーンルームへの機器の搬入工程によって,汚染を増加させないことが望ましい。“施工完了時”及び

“製造装置設置時”におけるクリーンルームへの機器搬入は,正しく開こんし,清浄化することが望まし

い。これを行わない場合は,後で過大な清浄化が必要となる。しかし,“通常運転時”のクリーンルームに

機器を搬入する前には,特別の配慮が必要である。クリーンルームの汚染リスクだけでなく,製造工程に

おける製品に影響を与えるおそれがある。このことは追加の清掃を必要とし,クリーンルームをISO 

14644-2に基づき再検証が必要となる可能性がある。問題を避けるために適切な計画を策定することが望

ましい。手順はD.2.2,D.2.3及び参考文献[6]に記載されている。 

D.2.2 クリーンルーム外でこん包したものの点検及び開こん 

すべての機器は輸送中の損傷について点検することが望ましい。その疑いがあるもの又は損傷を受けた

ものは,適切に措置するまでの間,クリーンルームの外に隔離して保存することが望ましい。出荷時の木

枠及び包装は,可能な限りクリーンルーム近くの一般環境のもとで開こんすることが望ましい。すべての

ボール紙及び粒子を大量に放出する材料は,クリーンルーム環境内に搬入する前に取り除くことが望まし

い。二重包装されていない場合は,クリーンルーム領域への搬入前に,その表面を事前に清浄化すること

が望ましい。この清浄化は,装置搬入に使用する特別な搬出入領域(エアロックなど)で行う。その機器

が特別な据付措置を必要とするほど大きい場合には,仮設の壁を使用して,その領域を周囲のクリーンル

ーム又はその他の管理環境から隔離することが望ましい。 

D.2.3 クリーンルームでこん包したものの開こん 

機器を開こんするときは,汚染がクリーンルームに入らないような手順を取ることが望ましい。清浄化

搬出入室又はこの目的に適合したクリーンルームに隣接する仮設室を使用して,クリーンルームに搬入す

る前に,外装のフィルム包装の取り外し及び表面の清掃を行うことができる。 

開こんする手順の例を,次に示す。 

a) 外側の保護カバーは,上表面からはじめ,側面にかけて真空掃除機をかけることが望ましい。また,

圧縮空気による清浄化を行う場合もある。 

b) その外側の保護カバーは適切な洗剤を使ってふ(拭)くことが望ましい。 

c) 包装フィルムの外側層は上面をI(アイ)形に切り裂き,上面から下面端まではがすことが望ましい。

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次に包装フィルムの下面端を持ち上げ,外側面が内側にくるように巻き込み,開こんすることが望ま

しい。 

d) b)及びc)の開こんの手順は,それぞれのフィルム層に対して行うことが望ましい。すべての機器の外

表面は十分に清浄化することが望ましい。 

e) すべての要員は,クリーンルームから搬出入室に入る前に適切なクリーンルーム用衣服を着用するこ

とが望ましい。 

f) 

すべての搬入時に使用する機器は,D.3の方法に従って清浄化することが望ましい。 

g) 搬出入室は,機器の搬入のためにクリーンルームのドアを開ける前に,清浄化することが望ましい。 

D.3 機器の搬入 

大きな機器は安全に搬入できるサイズに(可能であれば)分解し,要員及びこのクリーンルームへのリ

スクを最小限にすることが望ましい。これら大きな機器が,クリーンルーム表面及び他の設備に触れると,

物理的な損傷及び汚染が起こる可能性がある。 

大きな機器の持ち上げ,けん(牽)引又は位置を決めるのに使用する特別の機械(又は装置)は,クリ

ーンルーム内に入れる前に完全に清浄化することが望ましい。この機械(又は装置)はクリーンルーム用

に設計されておらず,又は保全もされていない場合が多いため,クリーンルームに搬入するのにふさわし

くない表面及び素材の欠損,はく離について徹底的に検査することが望ましい。これらの機械は,多くの

場合に,機械をクリーンルーム対応のプラスチックフィルム及びテープで包む方法又はシールをするよう

な方法で受入れることができる。柔らかいゴムの車輪をクリーンルーム用のテープで覆うことで,床にゴ

ムの跡及びプラスチックの粒子が発生するのを防ぐことができる。 

D.4 据付手順 

機器を設置する方法は,クリーンルームの設計及び使用方法に依存する。理想的には,クリーンルーム

は設置されている間,閉鎖し,クリーンルームに新しい機器の搬入のために使用する十分広いドア及び事

前に設計されたアクセスパネルを利用することが望ましい。設置されている間,隣接のクリーンルーム領

域の汚染を避けるために,予防のための測定を行うことが望ましい。これによってクリーンルームの清浄

度を確保するために必要なその後の清浄化及び検査を単純化できる可能性がある。 

クリーンルームでの作業が設置期間中に継続する場合又は構造部分の工事が必要な場合には,運転中ク

リーンルームの他の部分は,作業領域から効果的に分離する。機器を囲う場合には,仮設の壁又は間仕切

りで行う。設置するために,機器周りの領域を残しておくことが望ましい。 

a) 設置用に囲った領域に行くには,可能ならば,サービス通路又は他の非クリティカル領域から入るこ

とが望ましい。それができない場合には,建設で発生する汚染の影響が最小限になるような手段を取

ることが望ましい。この設置領域の室圧を中立又は負圧にし,空気流れを外向きにしないことで,据

付作業領域の外へ漏出する汚染の可能性を減らすことが望ましい。 

b) 完全に密閉された設置領域には,内部から圧力をかけないことが望ましい。漏出が起こった場合,隣

接するクリーンルームを汚染する可能性がある。設置領域内へのクリーンエアーの供給は,周囲のク

リーンルームに圧力がかかるのを防ぐために停止することが望ましい。設置領域に入るために近くの

クリーンルームを通らなければならない場合は,粘着マットを置き,靴からの汚染を取り除くことが

望ましい。いったん,中に入る場合,使い捨ての靴カバー又はカバーオールを付けて,クリーンルー

ム用衣服が汚染するのを防ぐことがある。これらの使い捨て品は,設置領域を離れる前に脱衣するこ

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とが望ましい。 

c) 隣接するクリーンルーム領域に漏えい(洩)する汚染を検出し,保証するために,設置領域の周りの

領域を監視する方法及び頻度を設定することが望ましい。 

d) 電気,水,ガス,真空,圧縮空気,排水(排気)管などのすべての施設サービスは,設置後に接続す

る。この作業で発生する粒子及び破片に注意を払うことが望ましい。これは隣接するクリーンルーム

に不注意に漏れることを防ぎ,できる限り完全に管理し封じ込め,また隔離壁を取り除く前に効果的

に清浄化できるようにするためである。 

e) 全設置領域を清浄化するために,正規の清掃方法(附属書F参照)を適用することが望ましい。すべ

ての表面は真空清掃,ふき清掃,モップ清掃をすることが望ましい。これはすべての壁,固定機器,

可搬機器,床を含む。 

f) 

機器のパネルの後ろ及び機器の下の領域を清掃するために,特別な注意を払うことが望ましい。 

g) 機器の内部調整及び予備運転試験が可能となった後,最終承認のための試験には,完全なクリーンル

ームの状態を必要とする場合がある。 

h) その後,隔離壁は注意して取り外し,フィルタを通した空気源は,停止していた場合には運転を再開

することが可能になる。このために,クリーンルームの正規操業の中断を最小限にするよう,スケジ

ュールを組むことが望ましい。粒子計測又は検査が必要な場合もある。 

i) 

機器の内部及び重要なプロセスチャンバは,清掃して正常なクリーンルーム条件での使用準備をする

ことが望ましい。 

j) 

製品に接触又は製品を取り扱うすべての適切な内部チャンバ及びすべての表面は,目的の清浄度レベ

ルに達するようにふくことが望ましい。粒子が発生すると,機器の下方及び床に移動しやすいので,

清掃手順は,機器の上から下に作業することが望ましい。 

k) 機器の外部表面は,上から下に清掃する。 

l) 

必要であれば,表面粒子の検査は,製品又は工程における要求事項にとってクリティカル領域を対象

に行うことが望ましい。 

D.5 メンテナンス及び修理 

時間とともに機器は消耗し,メンテナンスを行わないと汚れ又は汚染を発生する。機器が汚染源となら

ないことを保証するためには予防保全を実行することが望ましい。機器のメンテナンス及び修理はクリー

ンルームを汚染しないように行うことが望ましい(参考文献[24][25])。そのような修理を確実にするため

に,外表面の清浄化を行うことが望ましい。内表面の汚染物除去も,製造工程で要求される場合には,必

要となることがある。機器は稼動の確認だけではなく,工程の必要性に従って内外表面の汚染物除去の手

段をとることが望ましい。 

据置形機器から発生する汚染を制御するためには,次の手段が利用可能である。 

a) 修理する機器は,可能であれば常時汚染発生の可能性を減らすために,修理前に設置場所から移動さ

せることが望ましい。 

b) 必要な場合は,据置形機器の大きな修理又はメンテナンスを行う前に,周囲のクリーンルーム作業か

ら適切に隔離するか,又は生産中のすべての製品を適切な場所に確実に移動させることが望ましい。 

c) 修理する機器に近接するクリーンルーム領域は,汚染が効果的に制御されていることを保証するため

に,確実にモニタすることが望ましい。 

d) 隔離された場所で作業するメンテナンス要員は,製造又は工程にかかわる要員とは接触させないこと

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が望ましい。 

e) クリーンルーム内の機器の修理及びメンテナンス要員は,すべてその領域用に決めた適切な手順に従

うことが望ましい。この手順にはクリーンルームで承認された適切な衣服の着用方法,修理完了後の

その領域及び機器の清掃方法が含まれる。 

f) 

技能者が機器の下部で修理を行う必要がある場合には,特に状況を確認し,薬品・酸・微生物汚染に

よる影響を作業前に効果的に無害化することが望ましい。 

g) クリーンルーム用衣服は,潤滑油又はプロセス薬品に過度に接触して汚染されないように,保護する

手段を講じることが望ましい。鋭角部に接触して,ほころ(綻)び及び裂け目が発生しないようにも

注意することが望ましい。 

h) メンテナンス又は修理作業に使用するすべての工具,箱,カート類はクリーンルーム環境に搬入する

前に十分に清掃することが望ましい。さ(錆)びた又は腐食した工具は認められない。バイオクリー

ンルームでは,滅菌又は消毒が必要となる場合がある。 

i) 

技能者は,製品及び製造装置に影響する場所の近くには,工具,予備品,損傷部品及び清掃用具を置

かないことが望ましい。 

j) 

汚染が蓄積しないように,修理の進行に合わせて清掃に注意を払うことが望ましい。 

k) 手袋は,損傷して素手が清浄表面に触れないように,定期的に交換することが望ましい。 

l) 

クリーンルーム用手袋以外の手袋(例えば,耐酸,耐熱,耐切創)が必要なときは,クリーンルーム

にも共用できるものにする,又はクリーンルーム用手袋でカバーすることが望ましい。 

m) せん(穿)孔・切断作業中は,真空掃除機を使用することが望ましい。メンテナンス及び建設作業に

はせん孔・切断が必要なことがある。せん孔・切断する工具又は領域に,特別な覆いを使用する場合

がある。 

n) 床,壁,機器の側面などに穴をあけた後のすき(隙)間には,外部からの汚染がクリーンルームに入

らないよう,後で十分にシールすることが望ましい。シールの方法には,コーキング材・接着剤,特

殊な座板を使用する場合がある。メンテナンスが終了したときには,修理又はメンテナンスした機器

の表面清浄度の確認が必要となる場合がある。 

D.6 機器の搬出 

クリーンルームから据置形機器を搬出する場合には,日常清掃していない内部及び他の手の届かない表

面から汚染が飛散することが多い。特に,搬出前に機器を分解しなければならない場合に発生しやすい。

隣接したクリーンルームの汚染を避けるために,搬出前及び搬出中にこの機器を隔離,清掃及びこん包す

るような方法を取ることが望ましい。 

汚染が有害な性質である場合は,法的な検討が必要となる場合がある。 

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附属書E 

(参考) 

資材及び可搬形機器 

E.1 

一般 

クリーンルームへの搬出入が容易に行える物品は,選定,取扱い及び保管を適切に行わなければ,クリ

ーンルーム清浄度を悪化させる場合がある。この物品には,消耗品,使い捨て備品,装置及び清掃用具,

工具並びに可搬形機器が含まれる。バイオクリーンルームの場合は,再使用の資材及び可搬形機器につい

て滅菌又は消毒の適応を考慮することが望ましい。 

E.2 

選定基準 

E.2.1 特性 

汚染からクリーンルームを保護するためには,資材として次の特性が望ましい。 

a) 表面及び可動部はできる限り汚染の発生が少ない。 

b) クリーンルームワイパのようなものは例外であるが,破損しにくく,浸透性がなく,清浄な表面であ

る。 

c) 発生する汚染が最小限となる特性である。 

d) クリーンルームに適切なこん包である。 

e) クリーンルーム環境での適合性を評価されたものである。 

E.2.2 その他の評価項目 

次に示すその他の評価項目は,クリーンルーム内での目的及び用途に合わせて決定することが望ましい。 

a) 不適切な化学汚染がないもの(例えば,酸,アルカリ,有機物) 

b) 容認できる帯電防止特性のもの 

c) 低アウトガス性のもの 

d) 微生物の発生がないもの 

e) バイオクリーンルームでは,滅菌又は消毒手順と適合しているもの 

E.3 

予備試験 

予備試験及び監査は,受渡当事者間の協定した方法で行うのが望ましい。供給者が行った試験手順は,

クリーンルームへの持込み及び使用が十分なものとみなしてよい場合もある。しかし,クリーンルームに

搬入又は使用する前に,物品によっては追加試験が必要になる場合もある。受入れ検査項目及びサンプリ

ング方法は,すべて文書化することが望ましい。 

受入れ承認前の使用を避けるために,安全な保管場所が必要な場合がある。厳格な隔離手段が,生物学

的に敏感な物品の取扱いに必要な場合がある。試験装置及び方法はすべて文書化することが望ましい。不

適合資材の最終承認又は不許可について,合格基準及び承認された要員を決定していることが望ましい。 

供給者と問題点の打合せ手順を決めておくことが望ましい。供給者は,品質改善計画に対する対応及び

今まで以上に不適合資材の出荷を避けることが望まれる。供給者は,クリーンルームで使用する承認資材

又は供給品に重大な変更があった場合には事前に使用者に注意を促すことが望ましい。評価の方法及び技

術は,定期的に見直すことが望ましい。受入れ検査によっては,供給者が品質記録のデータを提示するこ

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とによって免除される場合がある。 

E.4 

搬出入手順 

E.4.1 開こん及び搬入手順 

資材をクリーンルームに搬入することによって,クリーンルーム内の汚染要因にならないことが望まし

い。資材及び供給品のクリーンルームへの搬入時は,附属書Dの手順と同様に行う。 

クリーンルーム清浄度に適合し,使用する資材及び可搬形機器だけ,クリーンルーム内に搬入すること

が望ましい。汚染発生があるこん包材(例えば,木,段ボール,紙,他の材質)は,清浄化された制御環

境又はクリーンルームに搬入する前にすべて取り除くことが望ましい。内側のプラスチック包装材はこの

時に取り除くべきではない。すべての内側のこん包は,開こん用の清浄化された環境又は特定の場所に搬

入し,適度に水分を含んだクリーンルーム用ワイパで全体の汚れを取り除くことが望ましい。E.5で説明

するとおり,包装されていないすべての可搬形機器は搬入前に注意深い清掃が必要になる。クリーンルー

ムに隣接する指定された搬入場所で最終清しき清掃をすることが望ましい。クリーンルーム用衣服の汚染

を避けるために,更衣室を開こん作業に使用することは避けることが望ましい。クリーンルームのクロス

コンタミネーションを避けるため,清浄作業台及びワイパは清掃場所に用意することが望ましい。二重こ

ん包の外側の包装は,このときに取り除き,適切な廃棄物容器に捨てる。最終こん包は,物品又は物を使

用する直前に取り除くことが望ましい。 

車輪付きの可搬機器は,クリーンルームに搬入前に徹底的に清掃することが望ましい。清掃においてク

リーンルームの床に直接汚染を多量に運ぶ車輪の表面を見落とすことは望ましくない。粘着マット又は粘

着床の上を搬入前に通過させることで,クリーンルーム内での汚染発生の防止に役立つ可能性がある。 

クリーンルーム用衣服を正しく着用したクリーンルーム要員は,クリーンルーム側から搬入場所に入り,

クリーンルーム内に物品を搬入することが望ましい。クリーンカートなどは,クリーンルームに多くの物

品又は大形の物品を搬入するために使用する。 

E.4.2 配管を通しての資材受入れ 

化学物質,圧縮ガス,水などの資材は,通常,配管を通してクリーンルームへ供給する。そのような資

材は,決められた仕様・手順に従って施設内に搬入し,使用する。 

E.4.3 資材及び可搬形機器の搬出手順 

E.4.3.1 個人使用物品及び小形機器 

要員によって使用された多くの物品は,要員がクリーンルームを退室するときに定期的に片付ける。こ

れらの物品とは,ノート,ペン,工具及び小形可搬機器が含まれる。これらの物品は,承認されたプラス

チックバッグ又はこれと同等のものの使用によって,汚染物の発生を抑制することが望ましい。このこと

は,その後のクリーンルームへの再入室を容易にする。 

E.4.3.2 廃棄物 

ある種の廃棄物及び可搬形機器は,汚染を人及び衣服へ移動させる高いリスクがある。そのような資材

を移動する前に汚染物を完全に封じ込め,要員又は製造作業の継続が許可される前にその場所を十分に清

浄化して整理する手順をとることが望ましい。そのような対象物品はこん包した後に要員用の更衣室では

なく,資材用搬出入場所を通してクリーンルームから搬出することが望ましい。 

E.5 

資材及び可搬形機器の種類 

E.5.1 一般 

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クリーンルーム内使用を指定された物品は,要求される清浄度レベルに適合することが望ましい。クリ

ーンルーム内での使用方法によって考慮事項が異なるため,クリーンルームの汚染を制御し,使用中のプ

ロセスを保護するために考慮事項を選択することが望ましい。クリーンルーム内で使用する典型的な物品

について,E.5.2〜E.5.18に示す。 

E.5.2 クリーンルーム用衣服 

この項目については,附属書Bを参照。 

E.5.3 清掃で使用される溶液及び仕上剤 

クリーニング溶液は,クリーンルーム表面からの汚染除去のために使用する。粒子によっては,クリー

ニング溶液で脱離し,ワイパを用いてふき取る。清掃後,仕上剤は,クリーンルーム表面の保護又は特性

の維持のために使用する。これらの溶液及び仕上剤は,クリーンルームの粒子の要求事項に適合するよう

に清浄なものであることが望ましい。原溶液のろ過を考慮することが望ましい。クリーニング溶液及び仕

上剤の種類を,次に示す。 

a) 清浄ろ過水,蒸留水及び脱イオン水は,多くの適切な特性をもっているが,そのような水はある種類

の表面を腐食させ,界面活性剤又は消毒剤の添加なしでは効果的な清掃が得られない場合がある。 

b) 界面活性剤及び合成洗剤は最も経済的な価格で,無毒性,不燃性であり,清掃効果が高い。また,非

イオン界面活性剤は最も反応が少なく金属イオンを含まないために,一般的なクリーンルームの清掃

に好ましい。 

c) 有機溶剤は,硬い表面上の汚染を除去するためにも使用できる。有機フィルムは,有機溶剤又は合成

洗剤を付けて取り除くことが最もよい方法である(合成洗剤は,フィルムの裏側に残留する傾向があ

る。)。 

d) 消毒剤は,微生物を除去するために使用する。注意としては製造工程を汚染させない又は人及び装置

に有害でない適切な材質を選定することが望ましい。 

e) 合成シーラは高耐久性をもつため,クリーンルームの床に使用する。帯電防止床は特別な注意が必要

であり,シーラは表面をきずつける又は導電性を失わないことが望ましい。すべてのシール作業は,

クリーンルームでの製造が停止又は総点検中だけ行うことが望ましい。 

E.5.4 ワイパ 

ワイパは,クリーンルーム内の表面から汚染を除去するために使用する。残念ながらクリーンルームの

どのような目的にも適合する完全なワイパはない。吸収性をもつが発じんするワイパもあるが,発じんし

ないが吸収性のないワイパもある。ワイパ選定の情報は,参考文献[10][27][28]に記載されている。使用す

るときの必要条件を考慮し,適切な評価を行うことが望ましい。クリーンルームでの使用に当たってワイ

パを選定するときは,次の項目を考慮することが望ましい。 

a) ワイパ素材 

b) 溶液又は溶剤の適合性 

c) 溶液の吸水率 

d) 発じん性(乾式及び湿式の両方) 

e) 分子汚染の可能性 

f) 

必要に応じて,滅菌との適合性 

g) こん包 

E.5.5 真空掃除機 

クリーンルームに適合した真空掃除機の選定及び使用については,有効な汚染制御プログラムの手法と

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して重要である。 

a) 可搬形真空掃除機は,ステンレス鋼又はプラスチックで構成する。排気は,周囲環境に放出する前に,

HEPA又はULPAフィルタを通して行うものとする。湿った材料及び液体を扱うことができる真空掃

除機は,クリーンルームにおいても利用可能である。 

b) ビルトイン式真空掃除システムは,大形の真空ポンプを採用しており,通常,クリーンルーム外のサ

ービス領域に設置し,クリーンルームの対象領域の壁面取出口にプラスチック配管で接続されている。 

c) ホース,ハンドル及び工具は用途にあったものとし,クリーンルーム適合材料で作られることが望ま

しい。 

d) 真空掃除工程で使用しているすべての機器は,定期検査及びメンテナンスが行える配置とすることが

望ましい。真空掃除システムのHEPA又はULPAフィルタは,クリーンルームの粒子汚染が発生しな

いことを保証するため,通常時の基準に基づいて試験及び/又は交換することが望ましい。 

E.5.6 モップ 

モップは,クリーンルーム内(更衣室,他の清浄化された場所も含む。)では標準的な商業用グレード又

は工業用グレードのものを使用すべきではない。モップの選定には,発じん性のないもの,必要に応じて

滅菌の影響について,注意することが望ましい。フロアモップは,ポリエステル繊維又は細孔のある親水

性(合成)の材料で作られたものが望ましい。ブロック又はスポンジヘッドは細孔のある親水性(合成)

の材料で作られたものが望ましい。柄(取付ジグ)はステンレス鋼,アルミニウム合金,ポリプロピレン

でコーティングしたガラス繊維,又は発じんのないプラスチックとし,クリーンルーム用モップ使用に適

合性のあるものが望ましい。表面が少しべたつくロールモップ(ペイントローラのようなもの)は,水分

を与えず壁表面から汚染を除去するときに用いてもよい。これらのものには,再使用可能製品及び使い捨

て製品がある。 

合成モップ又は柄を購入するときには,目的とする清掃用途であることを確認することが望ましい。ポ

リ酢酸ビニル製モップ(又はこれと同等品)は,水性洗剤を使用する場合には認められる。しかし,高濃

度イソプロピルアルコールを含むクリーニング剤を使用したときには,モップは早期に劣化する。柄又は

モップに使用するある材料は蒸気滅菌には適合しないことがある。ポリエステルは,高圧蒸気滅菌に対し

ポリ酢酸ビニル製より高い耐久性をもつ。 

E.5.7 ばけつ及び絞り機 

湿式クリーニングでは,クリーンルームに適合したばけつ又は絞り機付容器が必要である。ばけつ及び

容器は,プラスチック又はステンレス鋼で作られたものが望ましい。ステンレス製のばけつは,繰返し高

圧蒸気滅菌処理が可能である。モップ作業で使用する絞り機は,モップの形状及び材質の適合性のあるも

のが望ましい。 

E.5.8 床用ブラシ,研磨装置及びワックス装置 

一般に市販されている床用ブラシ又は研磨装置は,製造工程の環境を汚染するため,クリーンルーム稼

動中に決して使用してはならない。クリーンルームの床をブラシ洗浄するために設計された特別な装置は

入手可能である。これらの装置は特別な囲いで覆われており,汚染の再発生防止のためのHEPA又はULPA

フィルタ付の真空掃除機を内蔵したものである。それらはモータチャンバにHEPA又はULPAフィルタ付

の排気ケーシングも備えている。クリーンルーム及び床に適合するためその装置の使用に先立って,注意

深く評価することが望ましい。ワックス及びその他の永久でないシーラは,人・物の移動によってはく離

発じんし,汚染の原因となるため,床に塗るべきではなく,そのような仕上げ材を塗布及び研磨する装置

も,決して望ましくない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

特殊タイプの床に関しては,参考文献[41]を参照する。 

E.5.9 脚立 

脚立は,ステンレス,陽極酸化アルミニウム又は強化グラスファイバ製が望ましく,クリーンルーム制

御領域内に放置しない方がよい。脚立は,クリーンルーム内へ持ち込む前に完全に清掃することが望まし

い(必要に応じて消毒又は滅菌する。)。 

E.5.10 ほうき又はブラシ 

ほうき,ブラシ又はこれらと同等の用具は,大粒子発生の原因となる場合があるために稼動中のクリー

ンルーム内で使用しない方がよい。剛毛自体は非常に大きな繊維であり,汚染となる。 

E.5.11 廃棄用容器及びリサイクル用容器 

使用した材料,副産物及び他のクリーンルーム内で発生した廃棄物は,速やかに取り除くことが望まし

い。廃棄物の収集,封じ込め,保管の方法を排出するまでの間クリーンルームをこれらの汚染源から保護

するために,廃棄用容器及びリサイクル用容器を準備することが望ましい。排出の手順は,F.4.11による。 

次の基準は,これらの物品を収集するための容器を選定するときに考慮することが望ましい。 

a) 廃棄物の特性,廃棄又はリサイクル 

b) 安全基準 

c) 環境有害性 

d) 内張り材料及びその取付け方 

e) 設置可能スペース 

f) 

収集頻度に基づいた必要サイズ 

g) 容器の材質 

h) クリーンルームとの適合性 

E.5.12 クリーンルームマット及び粘着性床材 

クリーンルームマット及び粘着性床材は,クリーンルーム入室時に足からの発生汚染の制御を手助けす

るバリアとして利用することが多い。マットのサイズ(特に長さ)及び位置は,足からの発生汚染を除去

する効果に左右する重要な要素となる。入手可能な主なマット又は粘着性床材は,次による。 

a) 使い捨てタイプ 接着剤が複数層であり,粘着性面が上面のプラスチックフィルム。汚れた場合,層

をは(剥)がして廃棄する。 

b) 再生タイプ 自然な粘着面をもつ弾力性のある重合マット。汚れた場合には清掃する。 

E.5.13 クリーンコンテナ及びこん包 

クリーンコンテナはクリーンルームから繊細な物品及び製品を移動又は隔離するために,製造工程又は

使用待機の間に使用する場合がある。表面清浄度及び隔離特性は,中の物品の使用目的と一致することが

望ましい。E.4の搬入手順に従うことが望ましい。使用時に発生する汚染を避けるために,頻繁な清掃が

必要となる場合がある。特別な清掃及び清浄度の確認は,再使用する前に必要となる場合がある。 

クリーンルームで製作した最終製品の保護又はパッケージに使用する材料は,清浄化し,クリーンルー

ムに適合することが望ましい。使用する材料の選定は,粒子発生,微生物汚染,静電気特性,アウトガス

性及び他の問題に基づくことが望ましい。クリーンルーム内で使用するテープは,はがしたときに残る接

着剤が最小限となることが望ましい。 

E.5.14 工具,工具箱及びメンテナンス用品 

工具は,利用するクリーンルームの清浄度,製品,据置形機器及び製造工程に適合することが望ましい。

それらは清浄を保ち,どのような汚染もないことが望ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

工具,修理道具又は診断装置が入った箱及びケースは,見落としがちな汚染源である。これらは,汚染

の発生若しくは移動に対して防止又は保護することに適したステンレス若しくは合成素材とし,多孔質フ

ォーム,ビニルで包んだ木材,圧縮木材などの汚染を発生する仕切りの使用は避けることが望ましい。箱

類は清浄度を保証するために,定期的に工具及び器具を取り除き,完全に清掃することが望ましい。工具

及び器具は,工具箱を入れ替えるときに清掃することが望ましい。工具箱及びケースは可能な限りクリー

ンルーム専用とする。万一クリーンルームから持ち出す場合には,それらをクリーンルーム外では決して

開けてはならない。クリーンルーム内に戻す前に外側の清掃を完全に行うことが必要になる。 

メンテナンス及び他の供給品をクリーンルームに搬出入するために,日常的に使用するカート及び手押

し車は,再入室する前に完全に清掃することが望ましい。 

注記 上記物品をバイオクリーンルームで使用するときには,初期及び定期的滅菌又は消毒が必要と

なる場合がある。 

E.5.15 安全用品 

クリーンルームで使用するケミカル手袋,エプロン,顔面・腕保護具,防毒マスク・呼吸具,化学物質

吸収パッド,消火器などの安全用品及び機器は,要求される安全基準及び対象とするクリーンルームの適

合性に基づいて選択することが望ましい。 

E.5.16 文書類 

クリーンルーム内の文書類は,文書類からの汚染の発生を防止することが望ましい。文書化の方法は,

クリーンルームの使用方法及び清浄度に大きく依存する。 

紙及び紙製品は,クリーンルームを汚染する。すべての文書については,粒子発生の少ないクリーンル

ームに適合したもの又はプラスチックフィルムで熱溶着したものを使用するのが望ましい。そのような用

品の選定の情報としては,参考文献[28]を参照。ラベル,ログシート,機器修理マニュアル,レポート,

ノートなどの使用は,最小限にすることが望ましい。ラベルは,表面からはがすときに残留物を最小限と

することが望ましい。 

筆記用具は,クリーンルーム,製品又は製造工程への汚染源となることがある。鉛筆,消しゴム,フェ

ルトペン及びノック式ペンは,避けるべきである。ペンは,耐久性があり,適合したインクを用いたノッ

ク式ではないボールペンスタイルのものが望ましい。 

E.5.17 電子文書 

工程作業に利用するコンピュータは,作業記録帳,作業記録表,工程文書などの多くの汚染源を削減す

る。コンピュータ及び周辺機器の導入並びに使用は,クリーンルームの清浄度及び所定の場所に適合する

ことが望ましい。 

コンピュータは,内部冷却ファンを装備しているものが多い。その排気が,クリーンルーム及びコンピ

ュータ周辺のクリティカル表面にどのような影響を及ぼすか考慮することが望ましい。要求される清浄度

によっては,排気を環気口に直接ダクト接続する方法又は小形フィルタユニットに通す方法が必要となる

場合がある。 

キーボードはボタンの周りに引っ込んだ部分をもち,それらが粒子を捕そく(捉),放出する。フレキシ

ブルで一体のフィルム又はキーボードをカバーするものを使用することによって,清掃を容易にし,汚染

を減少させる。 

クリーンルームに適合したプリンタを使用する場合には,適切に封じ込めること,すなわち,上記と同

様に隔離し,排気をとることが望ましい。プリンタのメンテナンスは,プリンタ運転によって発生した汚

染残留物が拡散することを避けるように注意深く行うことが望ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

E.5.18 その他の物品 

製品製造工程で直接使用するものを含む多くの物品は,クリーンルーム内へ持ち込まれる。クリーンル

ームへの適用及び清浄度に対して,汚染の可能性が最小限となるものを使用することが望ましい。それら

は上記の製品及び製造工程に適合した方法で制限し,持ち込むことが望ましい。 

E.6 

保管 

物品は,待機中の不適切な保管によって,汚染などで使用できなくなる場合がある。適切な保管及び制

御された保管方法は,物品の有効性を保つために重要である。それらは劣化及び汚染から保護した環境に

保管することが望ましい。適切な保管が行われていない場合には,クリーンルーム内で未使用物品が蓄積

するために,汚染のリスクを増大する。 

清浄度クラス及び廃棄物によっては,規定の限度に達するまでクリーンルーム内に保管する。その限度

は,法的制約又はクリーンルームごとに設定したリサイクルプログラムによって規定される場合が多い。

特別な容器の使用が要求される場合もある。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書F 

(参考) 

クリーンルームの清掃 

F.1 

概要 

クリーンルームは,可能な限り汚染を避けるように設計されている。設備,維持作業,製造工程,要員

の存在及び活動並びにその他すべての要素は,汚染がクリーンルーム内表面に発生し,拡散する原因とな

る。したがって,すべての表面は,汚染が製品及び製造工程にリスクとならないような十分な頻度で清掃

することが望ましい。清掃の手順は,設備に要求されているクリーンルームの稼動状況を妨げない方法で,

全体の完全な清掃が実施されるように規定することが望ましい。可能であれば,製造作業中は清掃を避け

ることが望ましい。不可能な場合には,リスクを最小限とするために,特別な清掃手順を工夫する必要が

ある。クリーンルームの効果的な清掃に役立つ情報は,参考文献[29][31][32]を参照。 

注記 製造工程によって副生成物として汚染を発生させることがある。汚染を制御するためには,清

掃よりも,それらの製造工程内で汚染を発生させないようにすることが望ましい。 

F.2 

表面の分類 

F.2.1 

一般 

領域及び表面の清浄度は,クリーンルーム内の製品及び製造工程にどのように影響するかに基づいて分

類し,規定することが望ましい。分類を効果的に行うことは,そのクリーンルームにふさわしい清掃計画

の立案に役立つ。 

F.2.2 

クリティカル表面 

クリティカルと分類される表面は,製造・生産地点及びその周辺,製品又は製造工程に直接汚染の影響

がある場所であり,これらの表面は,最高の清浄度に保つことが望ましい。一方向流形のキャビネット,

クリーンベンチ,ワークステーションなどの隔離装置を,通常これらの表面の清浄度制御に使用する。 

F.2.3 

一般クリーンルーム表面 

生産地点ではなく,一方向流で局所制御していないクリーンルーム内のすべての表面は“一般”とされ

る。それらは,クリティカル表面に汚染が移動するのを避けるため,定期的に清掃することが望ましい。 

F.2.4 

更衣室及びエアロック室の表面 

更衣室及びエアロック室は,活動のレベルが高いことから,最も汚染される領域となる。汚染のレベル

を最小限にし,その汚染がクリーンルームに移動するのを避けるため,頻繁な清掃が必要となる。 

F.3 

基本的清掃 

F.3.1 

一般 

クリーンルームの清浄度を維持するには,綿密な一連の作業が必要である。清掃レベルを規定して,そ

れらのレベルを達成するための基本的清掃方法を定めることが望ましい。クリーンルーム内のすべての表

面に適用できる方法は,参考文献[10][29][30][31][32]に示されている。 

F.3.2 

基本的清掃の分類 

清掃業務は,現在の状態及び清掃が終了した表面の望ましい清浄度によって,3種類のカテゴリに分け

ることができる。これらは“粗清掃”,“普通清掃”及び“精密清掃”である。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) “粗清掃”は,粒径50 μmを超える粗大粒子汚染の除去を扱う。このサイズの汚染は,通常,床上に

あり,更衣領域及びエアロック室に運ばれてくるものに見られる。生産の作業又は製造工程で発生す

る,壊れ・こぼれた物質も最終的には,表面及び床に存在する汚染の要因の一つである。建設及び装

置の補修が粗大粒子汚染の原因となることが多い。 

b) “普通清掃”は,粒径10 μm〜50 μmの,より小さい粒子汚染の除去を扱う。一般的なクリーンルー

ム表面に適用される普通清掃は,通常,壁及びベンチ,清浄出入口の清掃を含んでいる。この大きさ

の汚染は,粗清掃後にも残留する。普通清掃は,より高いレベルの清浄度を提供するものである。 

c) “精密清掃”は,粒径10 μm未満の残留している粒子汚染を除去するときに必要になる。この清掃は,

製品の保管又は製造場所及びその近くのクリティカル表面において実施される。 

F.3.3 

真空清掃 

真空清掃は,一般領域及びクリティカル領域の清掃における重要な第一段階として粗清掃及び普通清掃

において使われる。この清掃は,水ふき清掃・モップ清掃の前提となるもので,モップ清掃の代わりとな

るものではない。また,粗大粒子,ガラスの破片などを除去するのに効果的である。床及びオペレータの

身長付近での気流の乱れを最小限とするために,真空清掃は,慎重に単一方向の動作で実施することが望

ましい。 

真空清掃では,HEPA/ULPA真空掃除機又はセントラルバキュームシステムを用いる。液体も吸い込む

ことができるシステムであれば,モップ清掃の途中及び後に発生した過剰な水及び浮遊粒子の除去に役立

つ。真空清掃は,モップ清掃が完了した後の乾燥過程の短縮にも効果的である。 

注記 集じん部にたまったほこりは,定期的に清掃することが望ましい。 

F.3.4 

湿式清掃 

表面に液体を接触させ,ワイピング及び真空によって除去する湿式清掃は,すべての清掃段階で利用す

る。湿式清掃の方法は,次による。 

a) “スクラブ清掃”は,汚れ又は重度の汚染を除去するために機械及び手を使って行う粗清掃の一つの

方法である。スクラブ清掃で使用される機器又は用具から発生する汚染の制御に注意を払うことが望

ましい。スクラブ清掃の後,モップ清掃又はぬ(濡)れ面の真空清掃を行う。 

b) “モップ清掃”は,粗清掃・普通清掃における汚染除去の効果的方法である。モップ清掃は,湿式真

空清掃の後,こぼれた液体の残留物を除去するためにも使うことができる。湿式ワイパは,局所領域

で使用する。モップは,床,その他広い領域で使用する。モップ用ばけつは,フィルタろ過脱イオン

水又は蒸留水を利用し,汚染を避けるため頻繁に交換することが望ましい。表面が重要になればなる

ほど,水の交換の頻度を高めることが望ましい。粗清掃においては,ばけつの水の変色を指標として

水を捨て,ばけつを洗浄し,水を満たす。“普通清掃”及び“精密清掃”における所定の使用条件では,

水の変色がないことが望ましい。そのため,これらの領域における清掃手順として,水交換前に清浄

化できる対象表面を指定することが望ましい。2個以上のばけつを使えば,すすぎ水の交換頻度を低

減できる場合がある。必要に応じて,非イオン合成洗剤又は界面活性剤を利用する場合がある。モッ

プは水の残留を避けるため,十分に絞ることが望ましい。モップをきつく絞って使えば,多少の湿っ

た表面となり,速く乾くことになる。床表面の完全な清掃を保証するためには,清掃面が若干重複す

るよう清掃していく方法が望ましい。頻繁にすすぎを行い,モップの表面を代えることは,前に清掃

した床の領域の再汚染を避けるのに役立つ。モップ取付部の再汚染を避けるために,モップ取付部を

頻繁にすすぐ必要がある。壁及び床から中間サイズの汚染を除去するためには,特殊なモップを使用

することがある。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

F.3.5 

清しき(拭)清掃 

清しき清掃は,クリーニング溶液を付けたワイパで表面を一定手順でふき取る清掃方法である。清しき

清掃の技術は,ほとんどの清掃で使用する。清しき清掃は一般及びクリティカル表面において,普通清掃

及び精密清掃の清浄度を実現することとなる。選定したワイパは,適切な洗浄溶液で湿らせることが望ま

しい。溶液は除去すべき汚染の性質によって決まる。清しき清掃は,気流の上流側から常に同一方向に,

若干清掃面が重なるよう動作して行い,最もクリティカル領域から重要度の少ない領域へと行うことが望

ましい。清しき清掃を進めるにつれて,ワイパは未使用表面を使用するように折りたたむことが望ましい。

また,他の表面に汚染が移動するのを防ぐため,必要に応じて頻繁にワイパを交換することが望ましい。 

注記 クリーニング溶液に用いる洗剤は,低残留性の中性洗剤を水で希釈して,よくかくはん(撹拌)

したものを薄膜フィルタでろ過したものが望ましい。クリーニング溶液によって清しき清掃を

行った後は,純水による清しきを行うことが望ましい。 

F.4 

特定表面の清掃 

F.4.1 

清掃すべき表面の特定 

クリーンルーム内のすべての表面は汚染される可能性があり,規定した頻度で清掃することが望ましい。

クリーンルームにおける生産及び製造工程に対する重要度に従って,すべての表面を識別することが重要

である。清掃方法は,要求される清浄度レベルが得られるよう清掃方法を開発し,清浄度レベルを保証す

るために,清掃方法の規定を作成し,文書化することになる。 

F.4.2 

床・床下 

ガラス及び製品の破片などの大きい廃棄物は,最初に真空掃除機によって除去する。取れない汚れのあ

る領域は,そのときに特定し,スクラブ清掃手順にあらかじめ場所を明示しておくことが望ましい。床は

あらかじめ決めた手順に従って,湿式又は清しき清掃を行うことが望ましい。水又はクリーニング溶液は,

清掃の間に,溶解又は浮遊状態の汚染物質の広がることを最小限にするため,十分な頻度で交換すること

が望ましい。広い床については,決まった方法で清掃作業ができるように,管理しやすい範囲に分割する

ことが望ましい。清掃はクリティカル領域から始め,一般領域に進むことが望ましいが,クリーンルーム

によっては,異なった順序で行う場合がある。より高度な清浄度レベルが必要な場合,モップ清掃の手順

の繰返しが,よりきれいな表面となる。 

清掃作業中には,不注意による危険を防止するため,その場所を遮断し,う(迂)回させる場合がある。

清しきモップ清掃又はモップ清掃後の湿式真空清掃は,乾燥過程の時間短縮となる。 

頑固な汚染,床染みを除去する場合には,水噴霧/スクラブ装置による清掃の後に湿式真空清掃を行う

ことがある。それらはE.5.8に記載してあり,それらを使用する前及び後に徹底的な清掃がされることが

望ましい。 

F.4.3 

壁・ドア・吸込口・窓・垂直の表面 

一方向流クリーンルームにおいて製品が露出して置かれている場所によっては,風上の表面を通常運転

時には清掃しないことが望ましい。風上の表面は,製造装置の停止時又は製品が領域から運び出された後,

又は覆いをした後に清掃することが望ましい。汚染は,ふき取り方法又は特別な目的・役割のモップの使

用によって除去する。清掃方法は,清浄度に適した状態に基づく又は清浄化する仕様に基づいて決定する

ことが望ましい。非一方向流クリーンルームでは,表面の清掃は通常の運転状態において行わないことが

望ましい。 

F.4.4 

天井・吹出口・照明器具 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

作業領域の風上側又は近くにある天井その他の固定器具は,通常運転時には清掃しないことが望ましく,

製造装置の停止時に行うことが望ましい。吹出口又は天井格子はふき取り清掃によって注意深く行うこと

が望ましい。吹出口の中には,取り外し洗浄したり,又は交換したりするものもある。照明器具は,電球

の交換時には完全にふくことが望ましい。 

F.4.5 

テーブル・その他のクリティカル水平表面 

テーブル・その他のクリティカル水平表面は,上記のような適切なふき取り方法によって清掃すること

が望ましい。汚染除去の補助として容認された洗浄液を使用する場合もある。清しきワイパを,汚染の除

去に利用する場合があるが,一方向の動きでクリティカル領域からそれ以外の領域に向かって作業を行う。 

F.4.6 

いす・家具・脚立 

これらの表面は上から下にふく。必要に応じて,クッション,骨組及び車輪も清掃範囲に含む。 

F.4.7 

据置形機器 

据置形機器の表面は,クリーンルーム及び製品がさらされるリスクに従って清掃することが望ましい。

据置形機器には供給配管,電線及び接続部が多いことに注意すべきである。清掃作業中に配管又は電線を

破損,又は切断することのないよう,特に注意する。 

据置形機器は,製品又は製造工程の清浄度にクリティカル表面を含むことが多い。これらの表面は,そ

れぞれの表面の種類に応じた適切な清掃プログラムを確立するため,分類することが望ましい。効果的な

清掃を保証するために,次に示す表面の注意深い評価を行うことが望ましい。 

a) 据置形機器の外部表面は,クリーンルーム環境と共通である。これらの表面は,壁,平面,垂直表面

について適切と判断した手順によって清掃することが望ましい。 

b) 内部表面には,内部にある機器の表面及び据置形機器の内壁表面がある。内壁は重要な製品又は製造

工程領域を囲んでいることが多い。これらの表面の清掃は,製品又はプロセス材料を機器から除去し

た後に行う場合が多い。これら表面は,また,製品及び製造工程で生成した残留物で汚染される場合

があるために,清掃の前には安全に対する特別な考慮が必要となる。据置形機器の内部にある機器は,

製造業者の仕様及びD.5の記載に従って,定期的にメンテナンスし,清掃することが望ましい。 

c) 据置形機器のクリティカル表面は,清浄環境に内包又は囲まれた,製品又は製造工程に一番近い部分

にあり,製品又は製造工程が存在する場合には清掃してはならない。清掃の手順及びスケジュールは

製品及び製造工程の清浄度の要求に従って作成し,文書化し,実施することが望ましい。 

F.4.8 

カート・運搬車 

カート及び運搬車は,真空清掃若しくは清しき清掃又は両者を行うが,適切な通行領域又は非クリティ

カル領域においては許可されたクリーニング溶液を用いて上部から下部に行うことが望ましい。クリーン

ルーム床に沈着した汚染粒子が車輪の転がり面に付着していないことを確認するために,特別な注意を払

うことが望ましい。粘着マット上にカート又は運搬車を通すことは,このような汚染粒子を車輪から除去

するのに有効な場合がある。 

F.4.9 

ハザードとなるプロセス表面 

通常のクリーンルーム清掃手順を始める前に,ハザードとなるものを無害化する手順を定めることが望

ましい。対象表面にF.3.1〜F.3.5に記載した適切な清掃手法を用いることが望ましい。 

F.4.10 クロスオーバベンチ・供給品及びクリーンルーム用衣服供給キャビネット・ロッカ・その他の収納

容器 

真空掃除後のふき取り清掃は,露出表面の汚染を除去することに有効である。内部を清掃するために,

収納容器は定期的に空にすることが望ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

F.4.11 廃棄物容器 

廃棄物容器は,容器の表面を保護し,廃棄を容易にするため,プラスチック(ビニル)袋を装着しても

よい。廃棄物は,一杯になる前に除去することが望ましい。プラスチックの袋及びライナは,クリティカ

ル領域の近くで,容器から取り出してはならない。すべての容器は,そのまま一般の領域に移動し,取り

出すことが望ましい。これらの手順は,必要時又はシフトの終了時に行う。これらの容器は,再び設置す

る前に空にし,必要によって清掃し,袋を装着する。 

F.4.12 クリーンルームマット及び粘着性床材 

クリーンルームマット及び粘着性床材は,通常,勤務時間中に定期的に清掃又は維持管理することが望

ましい。 

それらは,製品の取扱説明書に基づき,必要な頻度で取り替えることが望ましい。再生使用するマット

は,頻繁に清掃することが望ましい。水ぶきの後,ゴム製のスクィージで,汚染及び水を端まで移動させ,

ふき取る。スクィージヘッドのついた湿式真空掃除機はこのためにも利用することができる。 

交換可能な粘着表面のマットは,薄膜を四隅からゆっくりはがし中央部に向かって巻き取ることによっ

て,清浄面を出す。 

F.5 

表面処理 

F.5.1 

一般 

クリーンルームの用途によっては,特別な場合に表面処理剤及び仕上剤をクリーンルーム表面に適用す

る場合がある。これらの処理剤は,クリーンルーム内で生産する製品を守る場合もあるが,慎重に考慮す

る必要がある。清掃後の表面処理剤及び仕上剤の使用は,可能であれば避けることが望ましい。これらの

処置剤は時間とともに劣化し,クリーンルームの清浄度を落とす場合がある。さらに,これらの処理剤は,

適切に使用し,維持管理されなければ,製造工程及び製品の汚染リスクをも引き起こす場合がある。これ

らの処理剤が使用される表面は,クリーンルームを汚していないことを保証するために,定期的に検査又

は試験を行うことが望ましい。そうすることで,状況を改善する対応策を取ることが可能となる。 

F.5.2 

帯電防止処理 

静電気による帯電を最小限に抑えるために,帯電防止剤を表面に適用することがある。帯電防止剤での

表面の処理は,注意深く行うことが望ましい。不適切な使用は,不均一な帯電防止性能を引き起こし,残

留物が汚染源となる。被覆は効果を得るために十分な厚さで,はげ落ち及び汚染が生じることを避けるた

めに十分な薄さにすることが望ましい。帯電防止表面の特性改質には,単にクリーンルームへの供給空気

の湿度を変えることによって達成される場合が多い。 

F.5.3 

消毒 

清掃プログラムの完全な実施は,微生物の制御に有効である。しかし,ある産業及び法的規制によって

は通常の清掃手順に加えて,消毒の手順を決める必要がある。消毒の効果及び消毒の方法は,クリーンル

ームごとに定めることが望ましい。一般的には,消毒の効果は,消毒剤の種類,濃度,消毒剤の温度及び

表面との接触時間に関係がある。一部の消毒剤(例えば,ステンレス表面での塩素系消毒剤)は,適切に

除去できない場合にクリーンルーム表面を劣化させることがあり,また,製品に付着すると有害となるも

のもある。さらに,消毒剤については製品に直接触れるときだけでなく,残留物が表面上に残ったときに

も毒性をもつことがある。したがって,表面を洗浄することで,それらの残留物の除去を適切に行うのが

よい。消毒剤が適切に使用されない場合は,そこにいる要員にとって有害となる場合がある。 

38 

B 9917-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

F.6 

クリーニング要員 

清掃を行う要員には,決められた訓練プログラムを提供する必要がある。清掃プログラムの各工程には,

特定の要員を指名することが望ましい。クリーンルームの清掃を専門の清掃要員に割り当てることは,極

めて普通のことである。適切な訓練を受けたオペレータが,作業表面の清掃に指名されることが多い。 

F.7 

清掃プログラム 

F.7.1 

清掃プログラムの作成 

清掃プログラムを作成するときは,様々な種類のクリーンルーム表面の分類及びそれらの表面が汚染さ

れる速度について理解することが望ましい。清掃スケジュールは,クリーンルームに要求される清浄度を

維持するために十分な頻度で清掃を実施するように規定することが望ましい。表面汚染の試験及び評価は,

スケジュールを作成するときの手助けとなる。クリーンルーム内の製造工程及び製品要求事項は,どの清

掃作業を毎日,週一度,又はその他の頻度で実施する必要があるのかを定めることが望ましい(参考文献

[29])。 

清掃プログラムを作成する場合には,次の手順に従うことが望ましい。 

a) すべての表面を“クリティカル”,“一般”,“その他”の表面に分類する。 

b) 要求される清浄度を実現するために最適な清掃及び表面処理方法を決定する。 

c) 分類した各表面に要求される清浄度の維持に必要な清掃頻度を決定する。 

d) 通常作業の時間帯にどの清掃作業を行うかを決定する。 

e) 清掃スケジュールを作成する。 

f) 

清掃スケジュールのどの部分をオペレータが行い,どの部分を清掃スタッフが行うかを決める。 

g) 決定した方法に対して,適切な材料,機械,クリーニング溶液,表面処理剤を選定する。 

h) 清掃プログラムにおいて期待されるレベルまで,すべての要員の訓練を行う。 

i) 

必要とする清掃道具のための十分な保管施設を設ける。 

j) 

清掃結果のモニタ方法及び結果の差異に対する対処方法を決定する。 

k) すべての書類及びスケジュールを整理し,閲覧及び管理ができるようにする。 

F.7.2 

清掃プログラムのスケジュール 

多くの清掃作業は定期的な計画に基づき,定常的に行われることが望ましい。その他の清掃作業は,別

に日程を組んで実施する。一部の清掃作業は汚染の発生を抑えるために行わなければならず,通常の計画

には従わない。次の項目で述べる頻度は,指針として示したものであり,クリーンルームでの必要度に応

じたリスク評価及び清掃の評価に基づいて調整することが望ましい。 

F.7.3 

日常清掃 

日常清掃は,クリティカル表面に運ばれる汚染のリスクを減少させるため,十分な頻度で実施するすべ

ての作業を含んでいる。クリーンルームの通常清掃に伴う作業は,リスク評価に基づいて1日当たり数回,

1日1回又は数日に1回の頻度で実施する場合がある。更衣室,搬入領域,ホールなどの共通領域におけ

る廃棄物の除去,真空掃除機,床の水ぶき,表面のふき取り作業などの多くの作業は,操業時間内に行う

ことが許されることがある。クリーンルームの各室は,製品又は製造工程の重要度に従い,特別な清掃プ

ログラムを書類によって規定し,実施することが必要となる場合がある。 

更衣領域及び移動領域は,少なくとも1日に1回は清掃することが望ましい。これらの領域は要員の活

動が活発なため,汚染が高レベルで蓄積する。したがって,清浄度のレベルを制御し,汚染が移動する機

会を避けるため,クリーンルーム生産領域ほど頻繁な清掃が必要となる。このことは一般的なクリーンル

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ーム領域内の清浄度のレベルを高めることにつながる。F.3.3及びF.3.5に示した真空清掃・清しき清掃の

手順を実施することが望ましい。クリーンルームマット及び粘着性床材の清掃はF.4.12に記載したように

行わなければならないが,汚染がクリーンルーム内に移動しないように,より多くの頻度で実施すること

が望ましい。 

F.7.4 

定期清掃 

日常清掃で行われない表面も,定期的に清掃することが望ましい。清掃中に製品を完全な状態に保つた

めに,特別な注意が必要である。 

多くの表面は,週単位での清掃が望ましい。清掃時には製品はカバーを掛けるか,清掃場所から移動す

る必要がある。 

リスクがほとんどない表面は,より少ない頻度での清掃でよい場合がある。これらは月単位かそれ以上

の間隔で清掃する場合がある。清掃スケジュールには少ない頻度での清掃も反映させることが望ましい。 

クリーンルーム施設全体を最上部から足下に向かって徹底的に清掃する完全清掃もスケジュールに基づ

いて準備することが望ましい。完全清掃には,保管領域,サービス領域,配管及び備品類を含む。完全清

掃は,非稼動時,すなわち週末,休日又は他の計画的な非稼動時に行われることが多い。連続稼動してい

るクリーンルームにおいては,休止することがまれであるために,完全清掃ができる機会が限られる。し

たがって,この作業を達成するために,この期間に集中的な清掃活動を行うことが望ましい。 

F.7.5 

建設中及び建設後又は維持管理に伴う清掃 

クリーンルーム建設中の効果的な清掃は,後のクリーンルームの運転状態に影響する可能性のある汚染

源を抑制し,取り除くために不可欠である。附属書Dに維持管理行動の指針を示す。F.9における10段階

の清掃スケジュールは,計画,実施及び文書化の実施に役立つ。 

F.7.6 

緊急事態のときの清掃 

大量の汚染物が発生する場合に対して,仕掛品,製造工程及びクリーンルーム環境が低下しないように,

手順を確立しておくことが望ましい。起こる可能性のある危険な状況を元に戻し,制御するために,特別

な道具及び材料が利用できるように準備していることが望ましい。清浄度が許容レベルに達するまで,リ

スクと思われる領域に対して,清掃作業を続けることが望ましい。特別清掃が必要となる事態には,次の

ようなものがある。 

a) 環境的事項(例えば,設備の故障,液体の流出,主要機器の故障,製品の破損,生物学的な危険など) 

b) 通常,清掃手順の失敗によって,結果として汚染が許容レベルを超える場合 

c) 施設において受入れられない汚染がモニタリングされた場合 

F.8 

清掃効果のモニタリング及び試験 

F.8.1 

粒子汚染 

クリーンルーム機器,装置又は表面について,清掃後の清浄度を試験及びモニタリングする必要がある。

管理責任者は,適切な清浄度の確認方法を選定する責任がある。清浄度の許容レベルは,クリーンルーム

における製品又は製造工程へ影響する要素若しくは特性に応じて決定することが望ましい。管理責任者は

実施する試験の限界値を規定することが望ましい。限界値は,可能な限り,使用した試験方法による実際

の計測値から決定することが望ましい。定期的な表面の清浄度のチェックは,規定されたレベルが維持さ

れていることを保証するため,規定し,実行することが望ましい(参考文献[24][31][34])。 

目視検査方法を,表面の清浄度の判定に使用する場合がある。目視検査で清浄(目視−清浄)である表

面は,拡大鏡なしに見える汚染物がないことを示している。目視検査には,補助として高強度白色光又は

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

紫外光源を斜めから照射する場合がある。ワイパ清浄表面(ワイパ清浄)は,表面を清浄なワイパでふき

取ることによって確認することができる。この検査方法は,清掃が更に必要な場合には,ワイパ表面に付

着した汚染物質を目視で確認することが可能である。着色ワイパなどは,ある種の汚染を検査する場合に

有効である。考えられるその他の方法は,次のとおりである。 

a) テープ転写法(参考文献[33]) 

b) 表面粒子検査法(参考文献[30]) 

注記 クリティカル表面の表面清浄度を計測するその他の方法は,参考文献[10][30][31][34][35][36]を

参照。 

F.8.2 

微生物汚染 

クリーンルームにおける微生物汚染を測定する方法には,多くの方法がある。それらの方法は,参考文

献[26][32]に示されている。次に示す方法は,一般的な方法である。 

a) スタンプ法(コンタクトプレート法)(平滑面) 

b) ふき取り法(平滑ではない表面) 

F.9 

建設段階における清掃プログラム 

使用者の要求仕様に基づき,次の10段階プログラム(参考文献[41]の附属書E)を使用して,建設作業

の様々な段階で必要となる清掃手順を効果的にスケジュール化し,割り当て,文書化することができる。 

表F.1−清掃プログラムの各ステップ 

段階 

目的 

責任者 

方法 

基準 

第1段階 
壁設置などの準備作業
時の清掃 

後の建設時では手
の届きにくい場所
に不必要な粉じん
の集中を避ける。 

請負業者 
施工業者がクリー
ンルーム清掃の経
験に乏しい場合に
は,専門の清掃業者
に清掃活動を実施
させることが望ま
しい。 

完成時に真空掃除
機による清掃。 

目視−清浄 

第2段階 
ユーティリティ工事の
間の清掃 

電気,ガス,水道の
取付けによる局所
的な汚染を除去す
る。 

設置エンジニア 

真空掃除機 
完成時の湿式ワイ
パによる配管・固定
設備のふき取り清
掃。真空掃除機及び
/又は他の清掃道
具が必要となる。 

目視−清浄 

第3段階 
初期建設の清掃 

建設及び設備の設
置完了後,天井・
壁・床(フィルタ取
付枠)などから,目
に見えるすべての
汚染を清掃する。 

清掃業者 

真空掃除機 
湿式ワイパによる
配管・固定設備のふ
き取り清掃。保護用
の床シーラントは,
一般には粒子発生
の原因となるので,
必要な場合はこの
時点で行う。 

目視−清浄 

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表F.1−清掃プログラムの各ステップ(続き) 

段階 

目的 

責任者 

方法 

基準 

第4段階 
空調ダクトの取付けの
準備 

ダクト部材から,設
置前に真空掃除機
及びワイパを使っ
てすべての粉じん
を清掃する。その
間,クリーンルーム
は正圧にすること
が望ましい。 

設置エンジニア,清
掃業者 

真空掃除機 
湿式ワイパによる
ふき取り清掃。 

ワイパ清浄 

第5段階 
フィルタ設置以前の清
掃 

天井・壁・床から,
沈着・付着した粉じ
んを除去する。 

清掃業者 

湿式ワイパによる
ふき清掃。 

ワイパ清浄 

第6段階 
(HEPA/ULPA)フィルタ
設置時の清掃 

設置作業に伴う汚
染の可能性を排除
する。 

クリーンルーム
HVACフィルタエ
ンジニア/技能者 

全面の表面の端ま
で清掃する。 

ワイパ清浄 

第7段階 
空調装置の調整 

浮遊粒子の空気中
からの除去及びフ
ィルタを含めて加
圧設備を達成する。 

クリーンルーム
HVACフィルタエ
ンジニア/技能者 

空調空気のフラッ
シング作業。 
 

ワイパ清浄 

第8段階 
清浄度達成のための予
備空調時 

すべての表面から,
沈着・付着した粒子
を除去する(天井・
壁・装置・床)。 

専門清掃要員によ
る清掃(特に規則,
手順及び規律につ
いて特別に訓練さ
れた要員)。 

湿式ワイパによる
ふき清掃。 

ワイパ清浄 

第9段階 
施設検収時 

指示された設計・仕
様であることを証
明し,顧客の承認を
得る。 

設置エンジニア・認
定のエンジニア 

浮遊及び表面の粒
子,気流速度,温度,
湿度の測定。 

ワイパ清浄 
結果が決められた
仕様を満足する。 

第10段階 
日常及び定期的清掃 

設計清浄度クラス
の仕様を長期間保
つように,クリーン
ルームを維持する。
バイオクリーンル
ームでは,微生物の
清掃及び試験が始
められる。 

クリーンルームの
管理者・清掃業者 

F.1〜F.8で述べたす
べての方法。 

製品の製造工程及
び顧客の指定され
た要求に応えるた
めの,クリーンルー
ムの実情に応じた
クリーニングプロ
グラム。 
重要な運転指標を
日常的に試験する。 

注記1 第4〜10段階について,フィルタ,ダクトなどのすべての高性能及び超清浄部品は,プラスチック又は

ホイルカバーによって両側を保護して現場に搬入することが望ましい。 

注記2 第6〜10段階について,すべての作業において事前に決めたクリーンルーム用衣服を着用することが望

ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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[18] ISO 11092:1993, Textiles−Physiological effects−Measurement of thermal and water-vapour resistance under 

steady-state conditions (sweating guarded-hotplate test) 

[19] BS 7209:1990, Water vapour permeable apparel fabrics. London: British Standards Institution 

[20] ISO 7730:1994, Moderate thermal environments−Determination of the PMV and PPD indices and 

specification of the conditions for thermal comfort 

[21] AS 2013.2:1989, Cleanroom garments: Processing and use. North Sidney: Standards Association of Australia 

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[24] IEST-RP-CC026.1:1995, Cleanroom operations. Rolling Meadows, Illinois: Institute of Environmental Sciences 

and Technology. 

[25] JIS B 9926:1991, クリーンルーム−使用する機器の運動機構からの発じん量測定方法 

[26] IEST-RP-CC023.1:1993, Microorganisms in cleanrooms. Rolling Meadows, Illinois: Institute of Environmental 

Sciences and Technology 

[27] IEST-RP-CC004.2:1992, Evaluating wiping materials used in cleanrooms and other controlled environments. 

Rolling Meadows, Illinois: Institute of Environmental Sciences and Technology. 

[28] IEST-RP-CC020.2:1996, Substrates and forms for documentation in cleanrooms. Rolling Meadows, Illinois: 

Institute of Environmental Sciences and Technology. 

[29] JACA Number 27:1992, クリーンルームにおける清浄化指針. 東京: 日本空気清浄協会 

[30] IEST-RP-CC018.3:2002, Cleanroom housekeeping−Operating and monitoring procedures. Rolling Meadows, 

Illinois: Institute of Environmental Sciences and Technology. 

[31] VCCN-RL-4:1996, Surface cleanliness: Recommended practices for microbiological and particle surface 

cleanliness, and cleaning in cleanrooms. Amersfoort: Dutch Society of Contamination Control (Dutch language 

only). 

[32] JACA Number 32:1996, バイオロジカルクリーンルームにおける清浄化指針,東京:日本空気清浄協会 

[33] ASTM E 1216-87:1987, Practice for sampling for surface particulate contamination by tape lift. West  

Conshohocken, Pennsylvania: American Society for Testing and Materials 

[34] JACA Number 22:1988, 表面付着粒子測定方法に関する指針,東京:日本空気清浄協会 

[35] JACA Number 30:1993, 表面清浄技術体系調査専門委員会報告,東京:日本空気清浄協会 

[36] IEST-STD-CC1246D:2002, Product Cleanliness Levels and Contamination Control Program. Rolling Meadows, 

Illinois: Institute of Environmental Sciences and Technology. 

[37] VDI 2083 part 6:1996, Cleanroom technology−Personnel at the clean work place. Berlin: Beuth Verlag GmbH. 

[38] JACA Number 14C:1992, クリーンルーム運転管理指針. 東京: 日本空気清浄協会 

[39] JIS B 9918-1 クリーンルーム及び関連制御環境−微生物汚染制御−第1部:一般原則及び基本的な方

法 

注記 対応国際規格:ISO 14698-1:2003, Cleanrooms and associated controlled environments− 

Biocontamination control−Part 1: General principles and methods (IDT) 

[40] JIS B 9918-2 クリーンルーム及び関連制御環境−微生物汚染制御−第2部:微生物汚染データの評価 

注記 対応国際規格:ISO 14698-2:2003, Cleanrooms and associated controlled environments− 

Biocontamination control−Part 2: Evaluation and interpretation of biocontamination data (IDT) 

[41] JIS B 9919 クリーンルームの設計・施工及びスタートアップ 

注記 対応国際規格:ISO 14644-4:2001, Cleanrooms and associated controlled environments−Part 4: 

Design, construction and start-up (MOD) 

[42] JIS B 9920 クリーンルームの空気清浄度の評価方法 

注記 対応国際規格:ISO 14644-1:1999, Cleanrooms and associated controlled environments−Part 1: 

Classification of air cleanliness (MOD) 

[43] JIS T 8118 静電気帯電防止作業服 

44 

B 9917-5:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

[44] ISO 14644-3:2005 Cleanrooms and associated controlled environments−Part 3: Test methods 

[45] ISO 14644-7:2004 Cleanrooms and associated controlled environments−Part 7: Separative devices (clean air 

hoods, gloveboxes, isolators and mini-environments) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS B 9917-5 : 2008 クリーンルーム運転における管理及び清浄化 

ISO 14644-5:2004,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 5: 
Operations 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号及
び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1適用範囲 

追加 

注記の追加 

実質的差異はなし。 

2引用規格 

3用語及び
定義 

追加 

滅菌の定義を追加 

実質的差異はなし。 

4.1運転管
理システム 

4.1 

Operational Systems 

削除 
追加 

モニタリング参照の削除 
モニタリング具体的項目追
加 

実質的差異はなし。 

4.2 クリー
ンルーム用
衣服 

4.2 

Cleanroom Clothing 

追加 

説明の追加 

実質的差異はなし。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14644-5:2004,MOD 

 
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除 ·············· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加 ·············· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD·············· 国際規格を修正している。 

4

5

B

 9

9

1

7

-5

2

0

0

8

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