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B 8650:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本産業

機械工業会(JSIM)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS B 8650:1997は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

B 8650:2006  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 用語の分類 ····················································································································· 1 

3. 用語及び定義 ·················································································································· 1 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8650:2006 

プラスチック加工機械−用語 

Plastics moulding machinery-Vocabulary 

1. 適用範囲 この規格は,プラスチックを成形加工するプラスチック加工機械のうち,押出成形機(1),

射出成形機(2),ブロー成形機(3)について,主としてカタログ・仕様書などに用いる用語及びその定義につ

いて規定する。ただし,押出成形機については,成形品によって成形機部分の構成が多様となるため,押

出機本体及びそれに接続されるダイに限定して規定する。 

注(1) 加熱した成形材料をダイから押し出して成形する機械。 

(2) 加熱した成形材料を金型に射出して成形する機械。 

(3) 押出成形又は射出成形で筒状又は管状の成形材料を作り,これに気体を吹き込み膨張成形する

機械。 

2. 用語の分類 用語の分類は,次による。 

a) 押出成形機 

b) 射出成形機 

c) ブロー成形機 

3. 用語及び定義 用語及び定義は,次による。 

なお,参考のために対応英語を示す。 

備考 用語欄で,用語の下の( )書はその読み方を示す。 

background image

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 押出成形機   

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

101 

押出機 

バレル内において,回転するスクリューに
よって成形材料を移動させながら可塑
化・混練し,定量で押し出すプラスチック
加工機械。一般に押出機にはスクリューが
1本である単軸押出機とスクリューが2本
ある二軸押出機とがある。 

備考 可塑化とは,加熱及び機械的作

用によって可塑性プラスチック
スを軟化すること。 

extruder 

102 

二軸押出機 

スクリューが2本の押出機。2本のスクリ
ューの回転方向は,同方向のものと異方向
のものとがある。スクリューの形状は,か
み合い形,非かみ合い形及び不完全かみ合
い形がある。 

twin screw extruder 

103 

コンパウンディング 

ポリマーに各種添加材料を混合・分散させ
て,ペレット状,か(顆)粒状,粉体状な
どの成形材料にすること。 

compounding 

104 

混合 

対象原料の凝集物の破砕作用を積極的に
求めない作用で,材料相互の位置の交換を
行うことにより,均一に,かつ,微細に入
り組んだ状態を作り出す操作。この操作形
態は,分配(distribution)とも呼ばれる。 

blending 

105 

混練 

材料相互の位置の交換(混合)を行うだけ
でなく,凝集物の引離しを目的とした破砕
作用を積極的に求める操作。この操作形態
は,分散(dispersion)とも呼ばれる。 

mixing 

106 

比エネルギー 

原料に対し押出機で行った仕事を単位押
出質量当たりで表した値。電動機効率及び
機械効率を加味した押出機電動機消費電
力量を押出質量で除して求める。混練・混
合の目安として用いられる。 

kWh/kg 

ESP , 
specific energy consumption 

107 

押出圧力 

成形材料を押し出すときの,スクリュー先
端部の圧力。 

MPa 

extrusion pressure 

108 

押出質量 

単位時間に押出機から押し出される成形
材料の質量。 

kg/h 

throughput rate 

109 

温度制御ゾーン 

バレル,ヘッド及びダイの温度制御領域。 

temperature control zone 

110 

バレル 

成形材料を入れ,加熱,冷却するための筒
状のハウジング。 

備考1. 回転するスクリューを内蔵す

る。 

2. 外部から加熱又は冷却できる

構造になっている。 

3. シリンダともいう。 

barrel , 
cylinder 

111 

バレル加熱方式 

バレルを電気,油などによって加熱する方
式。 

barrel heating system 

112 

バレル冷却方式 

バレルを空気,油,水などの冷媒によって
冷却する方式。 

barrel cooling system 

113 

バレルヒータ電力 

バレル部のヒータ電力。 

kW 

heating capacity of barrel 

background image

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

114 

脱揮 

原料中に含まれるガス及びモノマー,空気
及び水分を取り除く操作。 

degassing , 

devolatizing 

115 

ベント口 

脱揮のためにバレルに設けられた開口部。 

vent 

116 

ホッパ体積 

ホッパの全体積。 

hopper capacity 

117 

フィーダ 

押出機のスクリューに,成形材料を連続的
に一定量供給する装置。 

feeder 

118 

スクリュー 

押出機のバレル内で回転することによっ
て,成形材料を移送,溶融,混練,脱揮な
どをする溝をもつ軸。 

screw 

119 

スクリュー有効長さ 

スクリューの溝の軸方向長さ。 

mm 

effective length of screw 

120 

スクリュー直径 

スクリューの呼び外径寸法。 

mm 

screw diameter 

121 

スクリューL/D 
 (─えるばいでぃー) 

スクリューの有効長さ(L)とスクリュー直
径(D)との比。 

screw L/D ratio 

122 

スクリュー圧縮比 

スクリューにおける供給部の1リードねじ
溝の構成する空間体積(V2)と計量部の1リ
ードねじ溝の構成する空間体積(V1)との比
(V2/V1)。 

screw compression ratio 

123 

スクリュー回転速度 

スクリューの毎分回転数。 

min−1 

screw speed 

124 

スクリュートルク 

スクリューを回転させるトルク。 

N・m 

screw torque 

125 

スクリュー回転方向 

スクリューがスクリュー機能を発揮する
ための回転方向。 

備考1. 回転方向は,ねじのねじれ方

向によって決まる。 

2. 二軸押出機の場合は,同方向

のものと,異方向のものとが
ある。 

screw rotating direction 

126 

スクリュー中心高さ 

床面からスクリュー軸中心までの高さ。 

mm 

screw center height 

127 

スクリュー冷却方式 

スクリュー表面を,スクリュー内部から空
気,油,水などの冷媒を送って冷却する方
式。 

screw cooling system 

128 

スクリュー駆動方式 

スクリュー回転の駆動方式。 

備考 電動機と減速機との直結駆動,

電動機と減速機とのベルト駆
動,油圧モータ直結駆動,油圧
モータと減速機との直結駆動な
どの方式がある。 

screw driving system 

129 

スクリュー駆動電動機 

スクリューを駆動するための電動機。 

備考 定格容量及び形式で示す。 

screw driving motor 

130 

ヘッド 

バレルの先端に位置する部分。 

備考 そのヘッドは,ダイの一部であ

ってもよい。 

head 

131 

スクリーンパック 

溶融材料をろ過するために押出機の先端
に設ける金網。 

screen pack 

132 

ブレーカプレート 

押出機において,スクリーンパックを支え
る穴あき板。 

breaker plate 

133 

アダプタ 

ヘッドとダイとをつなぐ部分。 

adapter 

background image

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

134 

ダイ 

連続的に一定形状に成形するために押出
機の出口に取り付ける金属製の型。 

die 

135 

ダイヒータ電力 

ダイ部のヒータ電力。 

kW 

heating capacity of die 

136 

ランド 

ダイ内部の成形材料の流れに平行な面。 

land 

137 

造粒 

溶融樹脂(ポリマー)を粒状の成形材料(ペ
レット)にカット成形すること。 

備考 水中カット,ホットカット,ス

トランドカットなどの方式があ
る。 

pelletizing 

138 

水中カット 

カッターブレードをダイの前面に接して
回転させ,押し出されるストランドを水中
で切断すること。 

underwater cut 

139 

ホットカット 

カッターブレードをダイの前面に接して
回転させ,押し出されるストランドを空中
で切断すること。 

hot cut 

140 

ストランドカット 

ダイから溶融樹脂を細いひも(紐)状に押
し出し,水槽へ引き込み冷却し,その後切
断すること。 

strand cut 

b) 射出成形機  

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

201 

射出成形機 

成形材料の供給,加熱可塑化,金型への射
出,冷却固化,型開き,成形品突出し,型
閉じの一連の作動を行うプラスチック加
工機械。 

備考 大別して,型締装置,射出装置,

駆動装置及び制御装置からな
る。 

  

injection molding machine 

202 

射出装置 

成形材料を可塑化し,射出する装置。 

備考1. 可塑化 成形材料を軟化さ

せ,流動しやすくすること。 

2. 射出 可塑化させた成形材料

をあらかじめ閉じられた金型
に設定した速度・圧力で流し
込むこと。 

  

injection unit 

203 

射出方式 

射出装置の方式をいう。射出装置の方式に
は,インラインスクリュー式,スクリュー
プリプラ式などがある。 

備考1. インラインスクリュー式 ス

クリューで成形材料 を可塑
化させるとともにスクリュー
を前進させて射出もする方
式。 

2. スクリュープリプラ方式 可

塑化専用スクリューで成形材
料を可塑化させ,これをプラ
ンジャ前部へ送り込んだ後プ
ランジャを前進させて射出す
る方式。 

  

injection system 

background image

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

204 

射出ストローク 

成形材料を射出するときのスクリュー又
はプランジャの移動距離。 

mm 

injection stroke 

205 

射出圧力 

成形材料を射出するときのスクリュー又
はプランジャの先端圧力。 

MPa 

injection pressure 

206 

保圧 

金型に成形材料を射出充てん(填)後,成
形品の収縮を補うためのスクリュー又は
プランジャの先端圧力。 

MPa 

holding pressure 

207 

射出速度 

スクリュー又はプランジャの前進速度。 

mm/s 

injection speed 

208 

理論射出体積 

スクリュー又はプランジャの先端断面積
とそのストロークとの積。 

cm3 

calculated injection volume 

209 

射出率 

単位時間当たりの理論射出体積。 

備考 スクリュー又はプランジャの断

面積と射出速度との積。 

cm3/s 

injection rate 

210 

射出質量 

1ショットで射出される成形材料の質量。 

injection weight 

211 

可塑化能力 

単位時間内に可塑化できる成形材料の質
量。 

kg/h 

plasticizing capacity 

212 

加熱シリンダ 

成形材料を入れ,加熱するための筒状のハ
ウジング。 

備考1. 回転するスクリューを内蔵す

る。 

2. 外部からバンドヒータなどで

加熱できる構造になってい
る。 

3. バレル,加熱筒ともいう。 

  

barrel , 

heating cylinder 

213 

ヒータ電力 

加熱シリンダ及びノズル部の合計ヒータ
電力。 

kW 

heating capacity 

214 

温度制御ゾーン 

加熱シリンダ及びノズルなどの温度制御
領域。 

  

temperature control zone 

215 

ホッパ体積 

ホッパの全体積 

hopper capacity 

216 

フィーダ 

射出成形機のスクリューに成形材料を連
続的に一定量供給する装置。 

  

feeder 

217 

スクリュー 

射出成形機の加熱シリンダ内で回転する
ことによって,成形材料を移送,溶融,混
練するら(螺)旋状の溝をもつ軸。 

備考 一般的には供給部,圧縮部,計

量部の3ゾーンから成ってい
る。 

  

screw 

218 

スクリューヘッド 

スクリューの先端に取り付けて,主に成形
材料の逆流を防止する部品。逆流防止タイ
プ,ストレートタイプなど種々の形式があ
る。 

  

screw head 

219 

スクリュー有効長さ 

スクリューの溝の軸方向長さ。 

mm 

effective length of screw 

220 

スクリュー直径 

スクリューの呼び外径寸法。 

mm 

screw diameter 

221 

スクリューL/D 
(─えるばいでぃー) 

スクリュー有効長さ(L)とスクリュー直径
(D)との比。 

  

screw L/D ratio 

background image

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

222 

スクリュー圧縮比 

スクリューにおける供給部の1リードねじ
溝の構成する空間体積(V2)と計量部の1リ
ードねじ溝の構成する空間体積(V1)との比
(V2/V1)。 

  

screw compression ratio 

223 

スクリュー回転速度 

スクリューの毎分回転数。 

min-1 

screw speed 

224 

スクリュートルク 

スクリューを回転させるトルク。 

N・m 

screw torque 

225 

背圧 

成形材料を可塑化するときのスクリュー
又はプランジャの先端圧力。 

MPa 

back pressure 

226 

プランジャ 

成形材料を金型に射出する棒状ピストン。 

  

plunger 

227 

ノズル 

加熱シリンダの先端に取り付ける口金で,
可塑化した成形材料を金型に導く通路を
形成する。 

  

nozzle 

228 

ノズル寸法 

ノズル先端部の寸法。 

備考 一般的には,球面半径(r)及び口

径(d)で示す。 

mm 

nozzle dimension 

229 

ノズルタッチ力 

ノズルを金型のスプルーブッシュ面に押
し付ける力。 

kN 

nozzle touch force 

230 

ノズル突出寸法 

固定盤の金型取付面から突き出るノズル
の寸法。 

mm 

nozzle projection 

231 

型締装置 

金型を開閉させ,型締力を加える装置。 

  

mould clamping unit 

232 

型締方式 

型締装置の方式をいう。型締装置の方式に
は直圧式,トグル式,複合式などがある。 

備考1. 直圧式  油圧シリンダ,電動

機などの動力源で発生する力
を型締力とする方式。 

2. トグル式 油圧シリンダ,電

動機などの動力源で発生する
力をトグル機構で拡大して型
締力とする方式。 

3. 複合式  型締力の発生と型開

閉動作を別々のアクチュエー
タ (油圧シリンダ,電動機な
ど)によって作動させ,その動
作を切り替えるための装置を
備えている方式。                

  

mould clamping system 

233 

安全扉 

射出成形機の金型開閉機構部に設けられ
る扉状の安全装置。この扉が開かれている
間は,型閉じが行われないよう,電気的,
機械的,油圧的などで型締装置に連動して
いる。 

  

safety door , 

safety gate 

234 

型締力 

充てん時の成形材料の圧力に抵抗して,金
型を閉じておくために金型に加える力。 

kN 

mould clamping force 

235 

型開力 

成形品を金型から離型させるために金型
を開く力。 

kN 

mould opening force 

236 

型開閉ストローク 

成形品を取り出すために金型を開く可動
盤の移動距離。 

mm 

mould opening stroke 

237 

型閉速度 

型閉時の可動盤の移動速度 

mm/s 

mould closing speed 

238 

型開速度 

型開時の可動盤の移動速度 

mm/s 

mould opening speed 

background image

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

239 

タイバー 

型締力を受ける部材。 

  

tie bar , 

tie rod 

240 

タイバー間隔 

射出成形機のタイバー間の内のり。 

備考 水平及び垂直それぞれの寸法で

示す。 

mm 

distance between tie bars 

241 

金型 

成形材料を一定の形状に成形するための
金属製の型。 

  

mould  

242 

固定盤 

金型の固定側を取り付ける取付盤 

  

fixed plate 

243 

可動盤 

金型の可動側を取り付ける取付盤 

  

moving plate 

244 

金型取付盤寸法 

固定盤又は可動盤の金型取付面の外側寸
法。 

mm 

plate size 

245 

最大金型厚さ 

射出成形機に取付けできる金型の最大厚
さ。 

mm 

max. mould height 

246 

最小金型厚さ 

射出成形機に取付けできる金型の最小厚
さ。 

mm 

min. mould height ; 

closed daylight 

247 

デーライト 

射出成形機の可動盤を最大に開いたとき
の可動盤と固定盤との距離。 

mm 

daylight 

248 

ロケートリング径 

固定盤又は可動盤に設けた金型ロケート
リングに対応する穴の径。             

mm 

locate ring diameter 

249 

エジェクタ 

金型から成形品を取り出すために突き出
す作動装置。 

  

ejector 

250 

エジェクタストローク 

エジェクタの移動距離 

mm 

ejector stroke 

251 

エジェクタ力 

成形品を突き出すための力 

kN 

ejector force 

252 

ドライサイクルタイム 

成形材料を供給せずに射出成形機を基本
的な動作で空運転した場合の,1サイクル
に要する最小作動時間。 

dry cycle time 

background image

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) ブロー成形機  

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

301 

ブロー成形機 
 

押出機,射出装置などによって溶融・形成
されたパリソン又はプリフォームを金型
内に挟み込み,その内側に気体を吹き込
み,その圧力で金型の内面にパリソン又は
プリフォームの外面を押しつけて中空体
を成形するプラスチック加工機械。    

備考 ブロー成形機は,次のように大

別される。       

a)  押出ブロー成形機(ダイレクト

ブロー) 押出機及びヘッドに
よって金型内にパリソンが供給
され,ブロー成形される。     

b) 射出ブロー成形機(インジェク

ションブロー) 

  射出装置及びブロー機構によっ

て構成される1台の成形機で,
プリフォームを成形し,更に直
接ブロー成形するシステム。
(プリフォームを離型し,延伸
機能を付加した射出ストレッチ
ブロー成形機もある。) 

c)  2段ブロー成形機 

加熱装置をもつ金型に,プリフ
ォームを供給・再加熱して,中
空体の製品をブロー成形するも
ので,押出機及び射出装置をも
っていない。        

blow moulding machine 
 
 
 
 
 
a) extrusion blow moulding 

machine 

 
 
 
 
b) injection blow moulding 

machine 

(injection stretch blow  
moulding machine )  
 
 
 
 
 
c) two-stage blow moulding 

machine 

302 

押出機 

シリンダ内において,回転するスクリュー
によって成形材料を移動させながら,可塑
化・混練した成形材料を安定して押し出す
機械装置。 

extruder 

303 

射出装置 
 

成形材料を可塑化し射出する装置。 

備考1. 可塑化 成形材料を軟化さ

せ,流動しやすくすること。 

2. 射出 可塑化させた成形材料

をあらかじめ閉じられた金型
に速度・圧力をかけて流し込
むこと。 

injection unit 

304 

ヘッド 
 

押出機から押し出される成形材料を,パリ
ソンに形成する部位。連続的にパリソンを
形成する連続ヘッドと,間欠的にパリソン
を形成するアキュムレータヘッドに大別
される。取付が可能なダイの最大口径でそ
の大きさを表す。 

head 

305 

パリソン 
 

筒状又は管状の形状で溶融状態の成形材
料。押出ブローでは,これを直接金型に挟
み込んで成形する。 

parison 

background image

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

306 

プリフォーム 
 

あらかじめ,有底の筒状に成形された予備
成形品。射出ブロー成形機では,次工程で
ブロー成形される。2段ブロー成形機では,
プリフォームを再加熱してブロー成形さ
れる。 

preform 

307 

押出質量 
 

単位時間に押出機から押し出される成形
材料の質量。 

kg/h 

throughput rate 

308 

可塑化能力 
 

単位時間内に可塑化できる成形材料の質
量。 

kg/h 

plasticizing capacity 

309 

シリンダ 
 

成形材料を入れ,加熱,冷却するための筒
状のハウジング。 

備考1. 回転するスクリューを内蔵す

る。 

2. 外部から加熱,冷却できる構

造になっている。 

3. バレルともいう。 

cylinder, 

barrel 

310 

シリンダ加熱方式 
 

シリンダを電気などによって加熱する方
式。 

cylinder heating system 

311 

シリンダ冷却方式 
 

シリンダを空気,水などの冷媒によって冷
却する方式。 

cylinder cooling system 

312 

シリンダヒータ電力 

シリンダ部のヒータ電力。 

kW 

heating capacity of cylinder 

313 

温度制御ゾーン 

シリンダ,ヘッドなどの温度制御領域。 

temperature control zone 

314 

スクリュー 
 

ブロー成形機のシリンダ内で回転するこ
とによって,成形材料を移送,溶融,混練
などをする溝をもつ軸。 

screw 

315 

スクリュー有効長さ 

スクリューの溝の軸方向長さ。 

mm 

effective length of screw 

316 

スクリュー直径 

スクリューの呼び外径寸法。 

mm 

screw diameter 

317 

スクリューL/D  
 (─えるばいでぃー) 

スクリューの有効長さ(L)とスクリュー直
径(D)との比。 

screw L/D ratio 

318 

スクリュー圧縮比 
 

スクリューにおける供給部の1リードねじ
溝の構成する空間体積(V2)と計量部の1リ
ードねじ溝の構成する空間体積(V1)との比
(V2/V1)。 

screw compression ratio 

319 

スクリュー回転速度 

スクリューの毎分回転数。 

min−1 

screw speed 

320 

スクリュートルク 

スクリューを回転させるトルク。 

N・m 

screw torque 

321 

スクリュー冷却方式 
 

スクリュー表面を,スクリュー軸内部から
空気,油,水などの冷媒を送って冷却する
方式。 

screw cooling system 

322 

スクリュー駆動方式 
 

スクリュー回転の駆動方式。 

備考 電動機と減速機との直結伝動,

電動機と減速機とのベルト伝
動,油圧モータ直結伝動,油圧
モータと減速機との直結伝動な
どの方式がある。  

screw driving system 

323 

ブレーカプレート 

押出機において,スクリーンパックを支え
る穴あき板。 

breaker plate 

background image

10 

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

324 

スクリーンパック 

溶融材料をろ過するために押出機の先端
に設ける金網。 

screen pack 

325 

押出圧力 

成形材料を押し出すときの,スクリュー先
端部の圧力。 

MPa 

extrusion pressure 

326 

アダプタ 

押出機とヘッドをつなぐ部分。 

adapter 

327 

連続ヘッド 
 

パリソンを連続的に形成させる部位。押出
機から押し出される成形材料を通過させ
ることで,円筒状のパリソンを形成する。
各種の流路形状による方式がある。また,
複数のパリソンを形成できる多頭ヘッド
や複数の成形材料による多層パリソンを
形成する多層ヘッド等がある。 

備考 クロスヘッドともいう。 

continuous head ;                         

crosshead 

328 

多層ヘッド 
 

複数の成形材料による多層構成のパリソ
ンを形成するヘッド。成形材料の種類と層
数により,“〇種〇層”と表現する。 

multi-layer head 

329 

頭数 
 

1本のパリソンで成形するものを,単頭ヘ
ッドと称し,2本以上のパリソンで同時に
成形する多頭ヘッドでは,そのパリソンの
数に相当する。 

number of head 

330 

ヘッドピッチ 

多頭ヘッドにおける各パリソン間の中心
距離。 

mm 

head center distance 

331 

ダイ・コア 
 

ヘッド先端(パリソン吐出部)に取り付け
られ,パリソンの外径及び肉厚を規制する
部品。ダイは外側にあって,その出口径が
パリソンの外径に影響を与える。コアは内
側にあって,パリソンの肉厚及び内径に影
響を与える。 

die and core 

332 

ダイギャップ 
 

ダイの内径とコアの外径によって生じる,
パリソン吐出し部のすきま。パリソンの肉
厚を規制する。通常コアを上下させること
でこのすきまを変化させることができる。 

die gap 

333 

パリソンコントロール 

ダイとコアとのすきまを変化させて行う
パリソン流れ方向の肉厚制御。 

parison control 

334 

アキュムレータヘッド 
 

間欠的にパリソンを形成するヘッド。 
必要量の成形材料を貯蔵計量し,これを油
圧力などによって短時間に吐き出し,パリ
ソンを形成する。計量中は,パリソンが出
てこないため,連続ヘッドと異なり成形中
に金型が移動する必要がない。 

備考 大形のパリソンや溶融強度の弱

い樹脂に対応できる。 

accumulator head 

335 

貯蔵容量 

アキュムレータヘッドが貯蔵できる成形
材料の量及び最大体積で表示される。 

accumulated capacity 

336 

射出質量 
 

a) アキュムレータヘッドが1ショットで

吐き出せる成形材料の質量。 

b) 射出ブロー成形機では,1ショットで

射出される成形材料の質量。 

kg 

injection weight 

injection weight 

background image

11 

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

337 

射出圧力 
 

a) アキュムレータヘッドでパリソンを吐

き出す(射出する)ための油圧源圧力。 

b) 射出ブロー成形機では,成形材料を射

出するときのスクリューの先端圧力。 

MPa 

 
 

MPa 

hydraulic pressure 

injection pressure 
 

338 

射出率 
 

a) アキュムレータヘッドから射出される

単位時間当たりの成形材料の質量。 

b) 射出ブロー成形機では,単位時間当た

りの理論射出体積。 

g/s   

(kg/s) 

cm3/s 

injection rate 

  

injection rate 
 

339 

プリピンチ 

パリソンの下部をつまんで袋状にする装
置。 

備考 プリクランプともいう。 

pre-pinch, 
pre-clamp 

340 

吹込圧力 

成形時の吹込エアの圧力。 

MPa 

blowing pressure 

341 

吹込ノズル 
 

成形時の吹込エアをパリソン内に導くた
めの穴あきの棒状部品。 

備考 ブローピンともいう。 

blowing nozzle, 
blow pin 
 

342 

カッティングスリーブ 
 

吹込ノズルに取り付けられ,ボトル口部の
端面を成形するとともに金型側カウンタ
プレートに当てることで口部のばりを切
るための部品。 

cutting sleeve 
 

343 

吹込針 
 

金型内に設置され,パリソンを突き破って
吹込エアを吹き込む針。 

blowing needle 
 

344 

型締装置 

金型を開閉させ,型締力を加える装置。 

mould clamping unit 

345 

金型 
 

成形材料を一定の形状に成形するための
金属製の型。 
a) 押出ブロー成形機では,開いた状態か

らパリソンを挟み込んで成形する。 

b) 射出ブロー成形機では,プリフォ

ームを成形する金型とブロー金型

の2種類がある。 

mould 
 

346 

カウンタプレート 
 

ボトル用金型の口部を成形し,カッティン
グスリーブを当てることで口部のばりを
切るための部品。 

counter plate 
 

347 

型締力 
 

吹込圧力又は充てん時の圧力に抵抗して
金型を閉じておくために金型に加える力。 

kN 

mould clamping force 
 

348 

金型取付盤 

金型を取り付ける取付盤。 

備考 プラテンともいう。 

plate,platen 

349 

金型取付盤寸法 

金型取付面の高さと幅の寸法。 

mm 

plate size, 
platen size 

350 

デーライト 

成形機の金型取付盤を最大に開いたとき
の金型取付盤間の距離。 

mm 

daylight 

351 

型開閉ストローク 

成形品を取り出すために金型を開く金型
取付盤の移動距離。 

mm 

mould opening stroke 

352 

型閉速度 

型閉時の金型取付盤の移動速度 

mould closing speed 

353 

型開速度 

型開時の金型取付盤の移動速度 

mould opening speed 

354 

最小金型厚さ 

成形機に取付けできる金型の最小厚さ。 

mm 

min. mould thickness 

background image

12 

B 8650:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

単位 

対応英語(参考) 

355 

最大金型高さ 

成形機に取付けできる金型の最大高さ。 

mm 

max. mould height 

356 

最大金型幅 

成形機に取付けできる金型の最大幅。 

mm 

max. mould width 

357 

最大金型質量 

成形機に取付けできる金型の最大質量。 

kg 

max. mould weight 

358 

金型移動ストローク 
 

a) 連続ヘッドでは,金型がパリソンをつ

かむ位置と成形する位置との移動距
離。 

b) アキュムレータヘッドでは,金型交換

等メンテナンス用の金型移動距離。 

mm 

mould traveling distance 

359 

安全扉 
 

成形機の金型開閉機構部に設けられる扉
状の安全装置。 
この扉が開かれている間は,型閉じが行わ
れないよう,電気的,機械的,油圧的など
で型締装置に連動している。 

safety door 

360 

ドライサイクルタイム 
 

成形材料を供給せずに成形機を空運転し
た場合の,1サイクルに要する最小作動時
間。 

dry cycle time