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B 8418 : 2000 

1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8418 : 2000 

無圧式温水発生機 

Non pressure type hot water generator 

序文 この規格は,環境負荷低減を目的としたNOxに関する測定方法及び排出基準を盛り込んだ規格を規

定し,低NOx燃焼機器の普及促進並びに使用者の利便などを図るために制定された。 

1. 適用範囲 この規格は,灯油,A重油,都市ガス又は液化石油ガスを燃料とし,定格出力が46.5kW  

{40 000kcal/h} 以上のもので,主として給湯,暖房及び循環加温などに用いる無圧式温水発生機(以下,

温水発生機という。)について規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考として併記したものである。 

2. 引用規格 付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

3. 種類 温水発生機の種類は,使用燃料,回路方式及び加熱方式によって区分し,次による。 

3.1 

使用燃料による区分 使用燃料による区分は,表1のとおりとする。 

表1 使用燃料による区分 

種類 

使用燃料による区分 

灯油 

JIS K 2203に規定する1号 

A重油 

JIS K 2205に規定する1種1号 

ガス 

都市ガス 

液化石油ガス 

JIS K 2240に規定する1種 

3.2 

回路方式による区分 回路方式による区分は,表2のとおりとする。 

表2 回路方式による区分 

種類 

回路方式による区分 

缶水式 

温水発生機本体内に熱媒水(缶水)を貯蔵し,缶水の取
出口の往き,還り口が1個のもの。 

1回路式 

熱交換器の取出口の往き,還り口が各1個のもの。 

2回路式 

熱交換器の取出口の往き,還り口が各2個のもの。 

3回路式以上 熱交換器の取出口の往き,還り口が各3個以上のもの。 

3.3 

加熱方式による区分 加熱方式による区分は,表3のとおりとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 加熱方式による区分 

種類 

加熱方式による区分 

間接加熱式 

温水発生機本体に取り付けた熱交換器に,熱媒水循環ポ
ンプで熱媒水(缶水)を循環させ,温水を取り出す方式
のもの。 

温水発生機本体に直接熱交換器を挿入し,温水を取り出
す方式のもの。 

直接加熱式 

温水発生機本体の熱媒水(缶水)を直接取り出す方式の
もの。 

その他の方式 間接加熱式及び直接加熱式を組み合わせて熱交換器を加

温し,温水を取り出す方式のもの。 

4. 性能 

4.1 

使用性能 温水発生機の使用性能は,次による。 

a) 点火が容易で,各部の作動が円滑,確実で,使用上有害な欠点がないこと。 

b) 熱媒水の温度が異常に上昇したとき,自動的に燃焼を停止すること。 

c) 操作が容易で,その際危険を生じるおそれがないこと。 

d) 消火の操作は速やかに,確実に行えるものであること。 

e) 燃焼量の調節可能な温水発生機にあっては,各燃焼量において火炎が異常に大きくなったり,著しい

煙を生じたり又はその他の異常燃焼を起こさないものであること。 

f) 

使用中停電した場合には,燃料の供給を遮断し,かつ,再通電した場合に正常な動作が行われるもの

であること。 

4.2 

品質性能 温水発生機の品質性能は,8.によって試験したとき,表4の基準に適合しなければならな

い。 

表4 品質性能 

項目 

性能 

適用試験箇条 




能 

つまみなど手をかける
部分の表面温度(1) 

測定温度と室温との差が,金属及び陶磁器では
25℃以下,プラスチックでは35度以下 

8.2 a) 

手の触れるおそれのあ
る部分の表面温度(2) 

150℃以下 

8.2 b) 

温水発生機本体下面の
温度 

90℃以下 

8.2 c) 

電動機,電磁弁及び電磁
ポンプの巻線温度 

A種絶縁のもの 100℃以下 
E種絶縁のもの 115℃以下 
B種絶縁のもの 120℃以下 
F種絶縁のもの 140℃以下 
H種絶縁のもの 165℃以下 

8.2 d) 

燃焼状態 

燃焼中,火炎が大きくなったり,逆火したり,
目に見える煙など燃焼ガスの漏れが生じたり,
破損などの異常がないこと。 

8.3 

煙濃度(油だきに限る。) スモークスケール3以下 

8.4 

燃焼排ガス中の一酸化
炭素濃度 

300ppm以下 

8.5 

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項目 

性能 

適用試験箇条 




能 

燃焼排ガス中の窒素酸
化物濃度(3) 

灯油を用いるもの 130ppm以下 
A重油を用いるもの 170ppm以下 
ガスを用いるもの 115ppm以下 
液化石油ガスを用いるもの 150ppm以下 

8.6 

空気比 

1.6以下 

8.7 

熱出力(4) 

表示定格出力に対して±10% 

8.8 

熱効率 

85%以上 

8.9 

燃料消費量 

表示定格燃料消費量に対して±10%以内 

8.10 

過熱防止装置作動試験 

沸騰する以前に支障なく作動して自動復帰しな
いこと。 

8.11 

温度調節(調節温度を表示し
たものに限る。) 

温度調節器の設定値に対して±10%以内 

8.12 

消費電力 

定格消費電力に対し,±10%以内 

8.13 

騒音 

定格出力kW {kcal/h} 

8.14 

116 {100 000} 未満のもの 

75dB以下 

116 {100 000} を超え 
233 {200 000} 未満のもの 

85dB以下 

233 {200 000} を超え 
291 {250 000} 未満のもの 

90dB以下 

291 {250 000} を超えるもの 

100dB以下 

耐停電性 

正常な動作が行われること。 

8.15 

絶縁抵抗 

1MΩ以上 

8.16 

耐電圧 

1分間耐えること。 

8.17 

燃料漏れ 

漏れがないこと。 

8.18 

缶体気密 

漏れがないこと。 

8.19 

熱交換器 

漏れがないこと。 

8.20 

注(1) つまみなど手をかける部分とは,使用中燃焼状態を調節するために手を触れると

ころをいう。ただし,ジグ又は調節用工具を用いる場合は,この限りでない。 

(2) 手の触れるおそれのある部分とは,温水発生機本体外面で,排気筒又は煙突取付

口周辺及びバーナ取付口以外の部分をいう。 

(3) 燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度とは,排ガス中の酸素濃度0%換算した値をいう。 
(4) 熱出力とは,加熱源である熱媒水が,バーナの燃焼熱により加熱されることによ

って得られる出力のことをいう。また,定格出力とは,連続して出し得る1時間
当たりの最大熱出力kW {kcal/h} をいう。 

5. 構造 

5.1 

一般構造 温水発生機の構造は,次による。 

なお,温水発生機の構造の例を付図1に示す。 

a) 温水発生機の各部は,運搬,搬入,据付け,運転などに際して,十分な強度と安定性をもった構造と

すること。 

b) 鋼製の温水発生機にあっては煙管式又は水管式構造で,鋳鉄製の温水発生機にあっては鋳鉄製セクシ

ョンをニップル,ボルト,ナットによって組み合わせた全面水冷壁形構造とし,本体内に組み込まれ

た燃焼室で燃料を燃焼し発生した高温の燃焼熱によって,熱媒水(缶水)を沸点以下の温度に加熱し,

缶水を取り出すものであること。 

なお,熱媒水(缶水)側は大気に開放した構造とし,運転時には缶体内の圧力が大気圧を超えない

ものであること。また,鋳鉄製の温水発生機にあっては,燃焼ガスが燃焼室外部に漏れないよう,各

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

セクション間を密閉すること。 

c) 本体に組み込む熱交換器は,熱媒水(缶水)によって間接加熱して温水を取り出すもので,その構造

は多管式,コイル式又はプレート式などとし,十分な熱交換能力をもつとともに,必要に応じ取替え

掃除が行えるものであること。 

d) 熱媒水(缶水)循環ポンプは,熱媒水(缶水)を強制的に循環させるもので,循環ポンプを使用する

構造のものにあっては温水発生機本体に設け,その構造はJIS B 8313に準じるものとし,取替・点検

が行えるものであること。 

e) 本体の外面にはケーシングを取り付け,本体との間には不燃材料による断熱処理を施し,十分な保温

性能をもつ構造とすること。 

f) 

バーナは,正しい位置に取付けができ,バーナ内部の点検,清掃が容易に行える構造とすること。 

なお,油バーナにあっては,燃焼量及び形式によってJIS B 8404又はJIS B 8405,若しくはJIS B 8406

に該当する場合は,当該JISに適合するものとする。 

g) のぞき窓又は耐久性のある表示灯(例えば,ネオンランプ)などによって,燃焼していることを確認

できる構造とすること。 

h) 本体は,床又は壁などに堅固に取り付けられる構造とすること。 

i) 

温水発生機の各部は,燃料漏れがないこと。 

5.2 

内部配線 温水発生機本体の内部配線は,次による。 

a) 被覆をもつ電線を固定する場合は,被覆を損傷しないようにすること。 

b) 電線の取付け部は,電線を確実に取り付けることができる構造であること。 

c) 2以上の電線を一つの取付け部に締め付ける場合は,それぞれの電線の間にナット又は座金を用いて

あること。ただし,圧着端子その他の器具によって確実に取り付けができるものにあっては,この限

りでない。 

5.3 

電源電線等(5) 電源電線及び機器の外部に露出する電線(6)を取り付けるものは,次による。 

注(5) 電源電線等とは,電源電線(口出し線を含む。),機器間を接続する電線及び機能上やむを得ず

機器の外部に露出する電線をいう。 

なお,電源電線等は,固定して使用するもの又は取り付けた状態で外部に露出しないものを

除く。 

(6) 外部に露出する電線とは,機器間を接続する電線及び機能上やむを得ず機器の外部に露出する

電線をいう。 

a) 電源電線等の許容電流は,その電源電線に接続する負荷の最大使用電流以上であること。 

b) 電源電線は,JIS C 3301,JIS C 3306,JIS C 3312又はJIS C 3327に規定するもの若しくはこれらと同

等以上のものを用い,その断面積は0.75mm2以上であること。 

c) 電源電線等の貫通孔は,電源電線等を損傷するおそれのないように保護ブッシングを設けるか,その

他適当な保護措置を施すこと。ただし,貫通部が金属以外のものであって,その部分が滑らかであり,

かつ,電源電線等を損傷するおそれのないものにあっては,この限りでない。 

d) 通常の使用中に温度が100℃を超える部分に触れるおそれのある電源電線等は,十分な耐熱性をもつ

電線を使用すること。 

e) 電源電線の取付け端子のねじは,電源電線以外のものの取り付けに兼用しないこと。ただし,電源電

線を取り付け又は取り外ずした場合において,電源電線以外のものが脱落するおそれのないものにあ

っては,この限りでない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4 

接地用端子及び接地線 接地用端子及び接地線を付けるものは,次による。 

a) 本体の見やすい箇所に接地用端子を設け,接地用であることを表示すること。 

b) 接地用端子は,呼び径4mm(押し締めねじ形のものにあっては,3.5mm)以上で,接地線を容易に,

かつ,確実に取り付けることができること。 

c) 接地線は,次による。 

1) 直径が1.6mmの軟銅線又はこれと同等以上の強さ及び太さをもつ容易に腐食しにくい金属線。 

2) 断面積が1.25mm2以上の単心コード又は単心キャブタイヤケーブル。 

3) 断面積が0.75mm2以上の2心コードであって,その2本の導体を両端でより合わせ,かつ,ろう付

け又は圧着したもの。 

4) 断面積が0.75mm2以上の多心コード(より合わせコードを除く。)又は多心キャブタイヤケーブル

の線心の1。 

5.5 

安全装置及び制御装置 温水発生機には,次の安全装置及び制御装置を設けるものとし,その構造

は次による。 

a) 燃焼安全制御装置は,火炎検出器,制御器などからなり,着火,停止及び燃焼の安全制御を行うもの

で,安全装置が作動したときは,手動によって復帰するものであること。 

b) 低水位燃焼遮断装置は,熱媒水(缶水)が不足したとき空だきを防止するもので,低水位燃焼遮断装

置が作動したときは,燃焼を自動的に停止させるものであること。その構造は,フロート式,電極式

又は圧力式などとする。 

c) 過熱防止装置は,異常温度上昇における缶体又は熱媒水(缶水)の過熱を防止するもので,過熱防止

装置が作動したときは,燃焼を自動的に停止させるものであること。 

d) 熱媒水(缶水)温度制御装置は,本体内部の熱媒水(缶水)を所定の温度に制御するものであること。 

e) 水位制御器は,本体内部の熱媒水(缶水)の水位を制御するものであること。その構造は,フロート,

電極式又は圧力式などとする。 

f) 

地震又はこれに相当する衝撃を受けたときは,自動的に消火する対震自動消火装置を取り付けること。

ただし,ガスを用いるもので,燃料供給設備に感震遮断装置が設けられているものにあっては,この

限りでない。 

備考 対震自動消火装置は,JIS S 3021の4.2(一般品質性能)の振動に規定する品質性能を満足する

こと。 

g) 安全装置及び制御装置は,点検容易な位置に堅固に取り付けること。 

h) 運転制御盤は,運転操作及び安全監視に必要な機器を組み込んだものとする。 

5.6 

附属品 温水発生機には,運転及び保守に必要な附属品として,次の計器類を附属するものとする。 

a) 水位計は,本体内部の熱媒水(缶水)の水位を確認するものであること。 

b) 熱媒水(缶水)温度計は,本体内部の熱媒水(缶水)温度を表示するものであること。その構造は,

バイメタル式,電子式又は圧力式などとする。 

6. 外観 温水発生機の塗装,めっきなどの仕上げは良好で,使用上有害な欠点,きず,むら,さびなど

の醜い欠点があってはならない。 

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7. 材料 温水発生機に使用される主要部の材料は,鋼製の温水発生機にあっては付表2鋳鉄製の温水発

生機にあっては付表3に示すもの又はこれらと同等以上の品質のものでなければならない。ただし,使用

上,性能,安全性及び耐久性などに支障のない部分にあっては,この限りでない。 

8. 試験方法 

8.1 

試験の一般条件 試験の一般条件は,次による。 

a) 電源電圧は,定格電圧の±10%とする。 

b) 電源の周波数は,50Hz又は60Hzとする。 

c) 試験室内は,温度の測定に影響するような空気の流れが少なく,温度は常温とする。 

d) 排ガス採集位置及び排ガス温度測定位置は,排ガス出口部の近傍で排ガスの流れが比較的一様に整流

された位置とする。 

e) 使用燃料の性状は,JIS K 2203,JIS K 2205,都市ガス又はJIS K 2240の規定に適合するものとする。 

8.2 

温度試験 温度試験は,定格燃焼量で運転を行い,熱的平衡状態が得られた後,次の方法によって,

それぞれの温度を測定し,最高温度を求める。 

a) つまみなど手をかける部分の表面温度の測定は,つまみなど手をかける部分に熱電対測温接点を十分

に接触させて行い,そのときの室温との差を求め,その最大値を表面温度とする。 

b) 手の触れるおそれのある部分の表面温度の測定は,手の触れるおそれのある部分に熱電対測温接点を

十分に接触させて行い,その最大値を表面温度とする。 

c) 温水発生機本体下面の温度測定は,温水発生機本体下面に熱電対測温接点を十分に接触させて行い,

その最大値を表面温度とする。 

d) 電動機,電磁弁及び電磁ポンプの巻線温度の測定は,電動機,電磁弁及び電磁ポンプの外表面に熱電

対測温接点を十分に接触させて行い,その最大値をとる。ただし,抵抗法によって測定してもよい。 

8.3 

燃焼状態試験 燃焼状態試験は,燃焼試験中に,次の事項を確認する。 

a) 目に見える煙など燃焼ガスの漏れ 

b) 接合箇所,その他構造上の変化 

8.4 

煙濃度試験 煙濃度の測定は,スモークテスタを用いて測定し,スモークスケールで表す。 

8.5 

燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度試験 燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度の測定は,定格燃焼量で運転

を行い,JIS K 0098又はこれと同等以上のものを用いて測定し,ppmで表す。 

8.6 

燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度試験 燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度の測定は,定格燃焼量で運転

を行い,JIS B 7982による化学発光法又は赤外線吸収法,若しくはこれらと同等以上のものを用いて測定

し,次の式によって算出した濃度(排ガス中の酸素濃度0%換算)で表す。 

s

s

C

O

C

=2121

ここに, 

C: 窒素酸化物の換算濃度 (ppm) 

Os: 実測された乾き排ガス中の酸素濃度 (%) 

Cs: 実測された排ガス中の窒素酸化物濃度 (ppm) 

なお,排ガス試料採取時には,次の事項に注意しなければならない。 

a) 試料ガス採取管は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されないような材質(例えば,ステンレス管,

セラミック管,石英管など)のものを用いる。 

b) 試料ガス採取管はできるだけ短くし,水分が凝縮することを防ぐためには,試料ガス採取管及び試料

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ガス採取管からろ過材までの間を加熱できる構造とする。 

c) 試料ガス中にばいじんなどが混入することを防ぐため,試料ガス採取管の途中に適当なろ過材を入れ

ること。 

なお,ろ過材は排ガス中の成分と化学反応を起こさないような材質(例えば,シリカ繊維)を用い,

二酸化窒素と反応するようなセルロース製のろ紙,アルカリ分を含むガラス繊維などは用いてはなら

ない。 

8.7 

空気比試験 空気比試験は,定格燃焼量で運転を行い,JIS B 7983又はこれらと同等以上のものを

用い,乾き排ガス中の酸素濃度を測定し,次の式によって算出する。 

s

O

m

=2121

ここに, 

m: 空気比 

Os: 乾き排ガス中の酸素濃度 (%) 

8.8 

熱出力試験 熱出力試験は,次のa)又はb)のいずれかによる。 

a) 熱損失法による熱出力試験 熱損失法による熱出力試験は,定格燃焼量で運転を行い,熱的平衡状態

が得られるまで連続燃焼させ,次の式によって熱出力を求める。 

(

)

[

]

600

3

q

L

Qs

Q

+

=

{Q=Qs− (L+q)} 

ここに, 

Q: 熱出力 (kW {kcal/h}) 

Qs: 熱入力 (kJ/h {kcal/h}) 

L: 排ガス損失 (kJ/h {kcal/h}) 

q: 缶体放熱損失 (kJ/h {kcal/h} ) q=Qs× (0.0075) 

Qs=G1・Hl 

ここに, G1: 燃料消費量 (kg/h, m3N/h {kg/h, Nm3/h}) 
 

Hl: 燃料の低発熱量 (kJ/kg, kJ/m3N {kcal/kg, kcal/Nm3}) 

L=G1・G2・Cg (tg−t0)  

ここに, G2: 排ガス量 (m3N/kg, m3N/m3N {Nm3/kg, Nm3/Nm3}) 
 

Cg: 排ガスの平均比熱 (1.38kJ/m3N・K {0.33kcal/Nm3・℃}) 

tg: 排ガス温度 (℃) 

t0: 燃焼用空気温度 (℃) 

1) 液体燃料の場合 

(

)

[

]

(

)

Kg

m

m

H

m

G

N

l

/

1

36

.1

91

.3

000

10

1

68

.2

93

.2

3

2

+

=

(

)

[

]

(

)

Kg

Nm

m

H

m

G

l

/

1

36

.1

91

.3

000

10

1

38

.

12

75

.

15

3

2

+

=

s

O

m

=2121

ここに, 

m: 空気比 

Os: 乾き排ガス中の酸素濃度 (%) 

2) 気体燃料(炭化水素)の場合 

(

)

[

]

N

N

3

2

3

/m

m

000

10

1

68

.2

93

.2

l

H

m

G

+

=

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(

)

[

]

+

=

3

3

2

/Nm

Nm

000

10

1

20

.

11

25

.

12

l

H

m

G

s

O

m

=2121

ここに, 

m: 空気比 

Os: 乾き排ガス中の酸素濃度 (%) 

b) 入出熱法による熱出力試験 入出熱法による熱出力試験は,特に指定がない限り,次に示す条件によ

るものとする。 

出口温度は60℃以上(給湯の場合は,出入口温度差が50±5℃となるように流量を調節する。暖房

の場合は,出入口温度差が20±5℃となるように流量を調節する。)とし,出口温度が安定してから測

定を行い,次の式によって算出する。 

(

)

600

3

1

2th

th

C

G

Q

p

h

=

{Q=Gh・Cp (th2−th1)} 

ここに, 

Q: 熱出力 (kW {kcal/h}) 

Gh: 流量 (kg/h {kg/h}) 

Cp: 水の平均比熱 (kJ/kg・K {kcal/kg・℃}) 

 Cp=4.19kJ/kg・K {1.0kcal/kg・℃}  

th2: 出口平衡温度 (℃) 

th1: 入口温度 (℃) 

8.9 

熱効率 熱効率は,8.8熱出力試験の結果より,次の式によって算出する。 

100

=

s

Q

Q

η

ここに, 

η: 熱効率 (%) 

Q: 熱出力 

Qs: 熱入力 

8.10 燃料消費量試験 燃料消費量試験は,定格燃焼量で運転を行い,3回以上測定し,その平均値を算出

する。 

8.11 過熱防止装置作動試験 過熱防止装置作動試験は,給湯出口又は暖房出口弁を閉止して,定格燃焼

量で運転を行い,異常過熱を生じさせたとき,沸騰する以前に過熱防止装置が確実に作動するかどうかを

調べる。 

8.12 温度調節試験 温度調節試験は,温度調節器を最高目盛に設定して定格燃焼量で運転を行い,温度

調節器の回路が開となったときの缶体出口湯温を測定し,温度調節器との差を求める。 

8.13 消費電力試験 消費電力試験は,定格燃焼量で連続運転を行い,消費電力がほぼ一定となったとき

の値を測定する。 

8.14 騒音試験 騒音試験は,定格燃焼量で運転を行い,排気音の影響を受けない状態で,バーナハウジ

ング前面(ケーシングがある場合には,その前面とする。)より1m(床面からの高さは約1mとする。)離

れた位置で,JIS C 1502のA特性を用いて測定する。 

8.15 耐停電性試験 耐停電性試験は,定格燃焼量で運転をした後通電を止め,再通電した場合に正常な

動作が行われるかどうかを調べる。 

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B 8418 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.16 絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,500V絶縁抵抗計を用い,充電部と非充電金属部との間の絶縁抵抗

を測定する。ただし,対地電圧が30V以下で電源側から絶縁されている回路については,この試験は行わ

ない。 

なお,半導体,電解コンデンサ,電子管などの電子機器を含む回路をもつものは,その回路を取り外し

て行う。 

8.17 耐電圧試験 耐電圧試験は,絶縁抵抗試験を行った後,周波数50Hz又は60Hzの正弦波に近い表5

に示す試験電圧を充電部と非充電金属部との間に加え,これに1分間耐えるかどうかを調べる。ただし,

対地電圧が30V以下で電源側から絶縁されている回路については,この試験は行わない。 

なお,半導体,電解コンデンサ,電子管などの電子機器を含む回路をもつものは,その回路を取り外し

て行う。 

表5 試験電圧 

単位V 

定格電圧 

試験電圧 

30を超え150以下のもの 

1 000 

150を超えるもの 

1 500 

8.18 燃料漏れ試験 燃料漏れ試験は,通常の運転状態で,燃料系統のすべての部分について油漏れ又は

油のにじみがあるかどうかを調べる。 

なお,ガスだきにあっては,ガス漏れがあるかどうかを調べる。 

8.19 缶体水漏れ試験 缶体水漏れ試験は,満水状態とし,10分間放置して,水漏れがあるかどうかを調

べる。 

なお,鋳鉄製の温水発生機にあっては,次による。 

a) 組合せ試験 組合せ試験は,空気又は不活性ガスによる気密試験とし,漏れがあるかどうかを調べる。 

b) 各セクション試験 各セクション試験は,水圧試験値0.6MPa {6kgf/cm2} を加えた圧力を10分間放置

し,漏れがあるかどうかを調べる。 

8.20 熱交換器の水圧試験 熱交換器の水圧試験は,最高使用圧力に0.1MPa {1kgf/cm2} を加えた圧力を

10分間放置し,漏れがあるかどうかを調べる。 

9. 表示 

9.1 

銘板表示 温水発生機には,見やすい箇所に次の事項を表示した銘板を取り付けなければならない。 

a) 形式の呼び 

b) 使用燃料 

c) 燃料消費量(L/h, m3N/h又はkg/h) 

d) 定格出力 (kW) 

e) 最高使用圧力 (MPa) 

f) 

伝熱面積 (m2) 

g) 定格電圧 (V) 及び定格周波数 (Hz) 

h) 製造者名 

i) 

製造年月 

j) 

製造番号又はその略号 

k) ガスの種類(ガスだきに限る。) 

10 

B 8418 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

l) 

ガスの高発熱量(kJ/m3N又はkJ/kg)(ガスだきに限る。) 

m) ガスの供給圧力 (kPa) (ガスだきに限る。) 

9.2 

取扱表示 温水発生機には,見やすい箇所に脱落及び容易に消えない方法で,次の事項を表示しな

ければならない。 

なお,安全装置及び制御装置を本体に取り付けないで,附属品として出荷する場合は,それぞれの取付

位置及び取付方法を明示し,電気回路の接続端子の記号を表示すること。 

a) 使用燃料についての注意 

b) 運転及び停止の方法 

c) 異常時の取扱い 

d) 日常の点検,手入れについての注意 

e) その他必要と思われる事項 

9.3 

取扱説明書 温水発生機には,次の事項を記載した説明書を添付しなければならない。 

a) 名称 

b) 形式の呼び 

c) 構造図及び各部の名称 

d) 使用方法(特に温度調節範囲及び最大流量を明示すること。) 

e) 安全装置についての注意 

f) 

日常の点検,手入れの要領と注意 

g) 故障,異常の際の見分け方と処置方法 

h) 仕様(特に熱交換器の定格時における温度条件,流量,圧力損失及び消費電力を明示すること。) 

i) 

配線図 

j) 

故障,修理のときの連絡先 

k) その他特に注意を必要とする事項 

付表1 引用規格 

JIS A 9504 人造鉱物繊維保温材 

JIS B 7982 排ガス中の窒素酸化物自動計測器 

JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器 

JIS B 8313 小形うず巻ポンプ 

JIS B 8404 ガンタイプ油バーナ 

JIS B 8405 低圧空気式油バーナ 

JIS B 8406 回転式油バーナ 

JIS C 1502 普通騒音計 

JIS C 3301 ゴムコード 

JIS C 3306 ビニルコード 

JIS C 3307 600Vビニル絶縁電線 (IV)  

JIS C 3312 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル 

JIS C 3317 600V二種ビニル絶縁電線 (HIV)  

JIS C 3323 600Vけい素ゴム絶縁電線 

JIS C 3327 600Vゴムキャブタイヤケーブル 

11 

B 8418 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 3405 自動車−高圧電線 

JIS C 4034-1 回転電気機械−第1部:定格及び特性 

JIS C 8305 鋼製電線管 

JIS C 8309 金属製可とう電線管 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3103 ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3312 塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3448 一般配管用ステンレス鋼管 

JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管 

JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管 

JIS G 3456 高温配管用炭素鋼鋼管 

JIS G 3459 配管用ステンレス鋼管 

JIS G 3461 ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管 

JIS G 3462 ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管 

JIS G 3463 ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

JIS G 4303 ステンレス鋼棒 

JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 5121 ステンレス鋼鋳鋼品 

JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品 

JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品 

JIS G 5705 可鍛鋳鉄品 

JIS H 3300 銅及び銅合金継目無管 

JIS H 4630 配管用チタン管 

JIS H 4631 熱交換器用チタン管 

JIS H 5120 銅及び銅合金鋳物 

JIS K 0098 排ガス中の一酸化炭素分析方法 

JIS K 2203 灯油 

JIS K 2205 重油 

JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス) 

JIS R 2304 粘土質耐火れんが 

JIS S 3021 油だき温水ボイラ 

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12 

B 8418 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表2 鋼製温水発生機の材料 

構成部品名称 

材料名 

構成部品名称 

材料名 

本体及び燃焼
室 

JIS G 3101 
JIS G 3103 
JIS G 3131 
JIS G 3141 
JIS G 3452 
JIS G 3454 
JIS G 3456 
JIS G 3461 
JIS G 3462 
JIS G 3463 
JIS G 4051 
JIS G 4304 
JIS G 4305 

電気材料 

JIS C 3323 
JIS C 3327 
JIS C 3405 
JIS C 8305 
JIS C 8309 

熱交換器 

JIS G 3101 
JIS G 3452 
JIS G 3454 
JIS G 3456 
JIS G 3459 
JIS G 3461 
JIS G 3462 
JIS G 3463 
JIS G 4303 
JIS G 4305 
JIS G 5121 
JIS G 5501 
JIS H 3300 
JIS H 4630 
JIS H 4631 
JIS H 5120 

ケーシング 

JIS G 3101 
JIS G 3131 
JIS G 3141 
JIS G 3302 
JIS G 3312 
JIS G 3313 

ベース 

JIS G 3101 
JIS G 3131 
JIS G 3141 
JIS G 4051 

熱媒水配管 

JIS G 3452 
JIS G 5705 

保温材 

JIS A 9504 

燃料配管 

JIS G 3448 
JIS G 3452 
JIS G 3454 
JIS H 3300 

耐火材料 

JIS R 2304 

電気絶縁材料 

JIS C 4034-1 

電気材料 

JIS C 3301 
JIS C 3306 
JIS C 3307 
JIS C 3312 
JIS C 3317 

バーナ 

JIS B 8404 
JIS B 8405 
JIS B 8406 

備考 本体及び燃焼室の板厚は,2.0mm以上とする。 

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13 

B 8418 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表3 鋳鉄製温水発生機の材料 

構成部品名称 

材料名 

構成部品名称 

材料名 

本体及び燃焼
室 

JIS G 5501 
JIS G 5502 

熱交換器 

JIS G 3101 
JIS G 3452 
JIS G 3459 
JIS G 3461 
JIS G 3463 
JIS G 4305 
JIS G 5121 
JIS G 5501 
JIS H 3300 
JIS H 4630 
JIS H 4631 
JIS H 5120 

ケーシング 

JIS G 3101 
JIS G 3131 
JIS G 3141 
JIS G 3302 
JIS G 3312 
JIS G 3313 

ベース 

JIS G 3101 
JIS G 3131 
JIS G 5501 

保温材 

JIS A 9504 

耐火材料 

JIS R 2304 

熱媒水配管 

JIS G 3452 
JIS G 3459 
JIS G 5501 
JIS G 5705 

電気絶縁材料 

JIS C 4034-1 

電気材料 

JIS C 3301 
JIS C 3306 
JIS C 3307 
JIS C 3312 
JIS C 3317 
JIS C 3323 
JIS C 3327 
JIS C 3405 
JIS C 8305 
JIS C 8309 

燃料配管 

JIS G 3448 
JIS G 3452 
JIS G 3454 
JIS H 3300 

バーナ 

JIS B 8404 
JIS B 8405 
JIS B 8406 

備考 本体及び燃焼室の板厚は,5.0mm以上とする。 

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14 

B 8418 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

名称 

番号 

名称 

温水発生機本体 

12 

出湯口 

燃焼室 

13 

ケーシング 

煙管 

14 

保温材 

大気開放管 

15 

バーナ 

熱媒水補給管 

16 

のぞき窓 

オーバーフロー 

17 

低水位燃焼遮断装置 

熱媒水排水口 

18 

過熱防止装置 

煙道接続口 

19 

熱媒水温度制御装置 

熱交換器 

20 

水位制御器 

10 

熱媒水循環ポンプ 

21 

水位計 

11 

給水口 

22 

熱媒水温度計 

付図1 無圧式温水発生機の構造の例