B 8399
:2002 (ISO 10946:1999)
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本フルードパワー工業会(JFPA)
/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10946:1999,Hydraulic fluid power
−Gas−loaded accumulators with separator−Selection of preferred hydraulic ports を基礎として用いた。
B 8399
:2002 (ISO 10946:1999)
(2)
目 次
ページ
1.
適用範囲
1
2.
引用規格
1
3.
定義
2
4.
寸法
2
5.
規格適合表示
3
解説
5
日本工業規格 JIS
B
8399
:2002
(ISO 10946
:1999
)
油圧−
セパレータ付き気体式アキュムレータ−
優先される給排油口の選択
Hydraulic fluid power
−Gas-loaded accumulators with separator−
Selection of preferred hydraulic ports
序文 この規格は,1999 年に第 1 版として発行された ISO 10946,Hydraulic fluid power−Gas−loaded
accumulators with separator
−Selection of preferred hydraulic ports を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を
変更することなく作成した日本工業規格である。
油圧システムにおいて,力は閉じられた回路中の圧力のかかった液体を通じて伝達され制御される。
気体式アキュムレータは,気体の圧縮性原理を利用して,エネルギーを蓄え,かつ,戻すことのできる
機器である。
作動油は,給排油口を通り,アキュムレータに出入りする。
1.
適用範囲 この規格は,油圧システムに使用するセパレータ付き気体式アキュムレータの給排油口の
ねじ種類とサイズを規定する。さらに,そのうち優先して使用すべきねじの種類について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO / IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)
,MOD
(修正している)
,NEQ(同等でない)とする。
ISO 10946
:1999,Hydraulic fluid power−Gas−loaded accumulators with separator−Selection of
preferred hydraulic ports
(IDT)
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは記載の年の版だけがこの規格の規定を構成す
るものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新
版(追補を含む。
)を適用する。
JIS B 0142
油圧及び空気圧用語
備考 ISO 5598:1985,Fluid power systems and components−Vocabulary からの引用事項は,この規格
の該当事項と同等である。
JIS B 2355-1
油圧・空気圧用及び一般用途用金属製管継手−O リングシールによるメートルねじポー
ト及び継手端部−第 1 部:O リングシールポート
備考 ISO 6149-1:1993,Connections for fluid power and general use−Ports and stud ends with ISO 261
2
B 8399
:2002 (ISO 10946:1999)
threads and O
−ring sealing−Part 1:Ports with O−ring seal in truncated housing が,この規格と一致
している。
JIS B 8397
油圧−セパレータ付き気体式アキュムレータ−圧力と容積の範囲並びに特性
備考 ISO 5596:1999,Hydraulic fluid power−Gas−loaded accumulators with separator−Ranges of
pressures and volumes and characteristic quantities
が,この規格と一致している。
ISO 1179-1
:- (
1
)
Connections for general use and fluid power−Ports and stud ends with ISO 228−1 threads
with elastomeric or metal
−to−metal sealing−Part 1:threaded ports
ISO 6162-1
:- (
2
)
Hydraulic fluid power−Flange connectors with split or one−piece flange clamps and metric
or inch screws
−Part 1:Flange connectors for use at pressures of 3,5 MPa(35 bar)to 35MPa(350 bar)
,
DN 13 to DN 127.
ISO 6162-2
:- (
2
)
Hydraulic fluid power−Flange connectors with split or one−piece flange clamps and metric
or inch screws
−Part 2:Flange connectors for use at pressures of 35 MPa(350 bar)to 40 MPa(400 bar)
,
DN 13 to DN 51.
ISO 6164-1
:- (
3
)
Hydraulic fluid power−One−piece square−flange connections−Part 1:Four−screw square
−flange connections,25 MPa(250 bar)series,DN 10 to DN 63
ISO 6164-2
:- (
3
)
Hydraulic fluid power−One−piece square−flange connections−Part 2:Four−screw square
−flange connections,40 MPa(400 bar)series,DN 10 to DN 80
ISO 6164-3
:- (
3
)
Hydraulic fluid power−One−piece square−flange connections−Part 3:Four−screw square
−flange connections,50 MPa(500 bar)series,DN 12 to DN 50
注(
1
)
発行予定(ISO 1179:1981 の改版)
(
2
)
発行予定(ISO 6162:1994 の改版)
(
3
)
発行予定(ISO 6164:1994 の改版)
3.
定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0142 によるほか次による。
a
)
ブラダ形アキュムレータ(bladder type accumulator) 通常,容器の一端で保持された柔軟な袋又は
ブラダにより,液体とガスが分離された気体式アキュムレータ。
b
)
ダイヤフラム形アキュムレータ(diaphragm type accumulator) 通常,柔軟なメンブランの径の一番
大きい箇所で容器に保持され,それによって液体とガスが分離された気体式アキュムレータ。
c
)
ピストン形アキュムレータ(piston type accumulator) スライドする強固なピストンによって液体と
ガスが分離された,気体式アキュムレータ。
4.
寸法
4.1
一般的条件 ねじポートには,JIS B 2355-1 に記載されたものを優先しなければならない。フランジ
ポートには,ISO 6162-1,ISO 6162-2,ISO 6164-1,ISO 6164-2 及び ISO 6164-3 に記載されたものを優先
しなければならない。ISO 1179-1 に記載されたねじポートは選択可能なものであり,現存の用途に使用し
てもよい。
4.2
ねじ接続 ねじ接続を,付図 1 に示す。付図 1 では給排油口を矢印で示す。
4.3
ダイヤフラム形アキュムレータに使用される給排油口の条件 ダイヤフラム形アキュムレータに用
いる給排油口は,
付表 1 に示したものから選ばなければならない。
3
B 8399
:2002 (ISO 10946:1999)
4.4
プラダ又はピストン形アキュムレータに使用される給排油口の条件 ブラダ又はピストン形アキュ
ムレータに使用する給排油口は
付表 2 に示したものから選ばなければならない。
5.
規格適合表示 この規格に従っている場合には,試験報告書,カタログ,及び販売資料に,次の表示
を使用する。 セパレータ付き気体式アキュムレータの給排油口は,JIS B 8399
:油圧−セパレータ付き気
体式アキュムレータ−優先される給排油口の選択に適合する。
付図 1 可能なねじ接続
又は
又は
4
B 8399
:2002 (ISO 10946:1999)
付表 1 ダイヤフラム形アキュムレータ用給排油口の寸法
JIS B 2355-1
に従った
優先すべきねじポート
M14
×1.5
M18
×1.5
M22
×1.5
M27
×2
ISO 1179-1
に従った,
現存用途用に選択してよい
ねじポート
G 1/4
G 3/8
G 1/2
G 3/4
0.4
以下
0.4
を超え 1.6 以下
呼び容積
l
1.6
を超え 6.3 以下
備考 あみかけの範囲は,優先すべき給排油口のサイズを示す。
付表 2 ブラダ又はピストン形アキュムレータ用給排油口の寸法
JIS B 2355-1
に従った,
優先すべきねじポート
M14
×1.5
M18
×1.5
M22
×1.5
M27
×2
M33
×
2
M42
×2 M48×2 M60×2
ISO 1179-1
に従った,現存用途用
に選択してよいねじポート
G 1/4
G 3/8
G 1/2
G 3/4
G 1
G 1 1/4
G 1 1/2
G 2 (
2
)
ISO 6162
又は
ISO 6164
,DN に
従った,フランジポート (
1
)
−
−
− 13 19 25
32
38
0.4
以下
0.4
を超え 1 以下
1
を超え 10 以下
呼び容積
l
10
を超える
備考 あみかけの範囲は,優先すべき給排油口のサイズを示す。
注(
1
)
フランジポートのシリーズはアキュムレータの許容圧力 (p
4
)
,すなわちアキュムレータが設計され及び/又は
試験で確認された最高許容圧力(ISO 5596 参照)に従って,選択する。
(
2
) ISO 1179-1
は,油圧用には,このサイズを記載していない。
5
B 8399
:2002 (ISO 10946:1999)
日本工業標準調査会標準部会 産業機械技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
岡 村 弘 之
東京理科大学理工学部
(委 員)
朝 田 泰 英
財団法人電力中央研究所
伊 藤 正 人
厚生労働基準局安全衛生部
大 地 昭 生
日本内燃機関連合会
大 湯 孝 明
社団法人日本農業機械工業会
重 久 吉 弘
財団法人エンジニアリング振興協会
鈴 木 通 友
社団法人全国木工機械工業会
筒 井 康 賢
独立行政法人産業技術総合研究所
橋 元 和 夫
国土交通省総合政策局
平 野 正 明
社団法人日本機械工業連合会
藤 咲 浩 二
社団法人日本産業機械工業会
松 山 新一郎
株式会社豊田自動織機
吉 田 岳 志
農林水産省生産局
渡 邉 和 夫
社団法人日本建設機械化協会