日本工業規格
JIS
B
8261
-1995
液化石油ガス用ゴムホースアセンブリ
Hose assemblies for liquefied petroleum gas
1.
適用範囲 この規格は,液化石油ガス(以下,LP ガスという。)に使用するゴムホースアセンブリ(以
下,ホースアセンブリという。
)について規定する。
備考1. この規格の引用規格は,付表1に示す。
2.
この規格の中で { } を付けて示してある数値及び単位は,従来単位によるものであって,
参考として示したものである。
2.
種類及び記号
2.1
ホースアセンブリの種類及び呼び記号 ホースアセンブリの種類及び呼び記号は,最高使用圧力,
使用温度範囲,使用する LP ガス用ゴムホース(以下,ホースという。
)
,使用する継手,及び使用する附
属金具によって
表 1 のように区分する。
なお,ホースは,JIS K 6347 による。
表 1 ホースアセンブリの種類
種類
呼
び
記
号
最高
使用圧力
MPa
{kgf/cm
2
}
使 用 温 度 範
囲
℃
ホ ー ス の 種
類
使 用 す る 継
手の記号
(
表 2 によ
る)
使 用 す る 附
属 金 具 の 記
号
(
表 3 によ
る)
備考
(主要用途)
一般設備用高圧ホース
アセンブリ
H 2.12
{21.6}
−25〜+40
H O
1
, D, G, M,
T
K, Y, C
1
, C
2
一般家庭用などの LP ガス
容器から調整器までの高圧
配管部に使用するもの
自動車用高圧ホースア
センブリ
A
−30〜+60
A O
2
, M, T
−
自動車の充てん口から LP
ガス容器又は LP ガス容器
から調整器までの高圧配管
部に使用するもの
一般用 P
−25〜+40
P M,
T, F
− LP ガスプラント内の高圧ガ
ス設備及びタンク自動車,
スタンド,その他工業用の
高圧配管部に使用するもの
プラント用
高圧ホース
アセンブリ
導通用 PE
P
で導線入り
のもの
種類 P と同様に用いるもの
で静電気除去を必要とする
もの
低圧ホースアセンブリ HL 0.20
{2.0}
HL
MU,
T
J
一般家庭用などの調整器か
ら屋外の低圧配管部までに
使用するもの
2
B 8261-1995
2.2
継手 継手は,形状によって表 2 の 8 種類とする。
表 2 継手の種類
継手の形状
付図 継手の記号
備考
O
リングシール
(溝球状)
1
O
1
継手シート面の球状溝で O リングを用いるもの
O
リングシール
(溝角状)
2
O
2
継手シート面の角状溝で O リングを用いるもの
スパナ締め充てん口
おねじ付き継手
金属シール
3 D
継手シール部が金属のもの
ハンドル締め充てん口おねじ付き継手
4 G
継手シート面に角リングを用いるもの
メートルおねじ継手
5 M
メートルおねじのもの
管用テーパおねじ継手
6 T
管用テーパおねじのもの
メートルめねじユニオン継手
7 MU
シート面にパッキンを用いるもの
フランジ継手
8 F
フランジ付きのもの
2.3
附属金具 附属金具は,接続用アダプタ(以下,アダプタという。)と逆止め弁付調整器取付金具(以
下,取付金具という。
)とし,形状によって
表 3 の 5 種類とする。
表 3 附属金具の種類
附属金具の形状
付図
附属金具
の記号
備考
充てん口めねじ付きアダプタ
9
K
一方充てん口めねじ W22.5 山 14 左付き
他方 R
1
/
4
めねじ付き
充てん口めねじ付き三方アダプタ
10
Y
一方充てん口めねじ W22.5 山 14 左付き
他二方は R
1
/
4
めねじ付き
ア
ダ
プ
タ
おすおすアダプタ
11
J
一方 R
1
/
2
おねじ付き
他方 M18×1.5 おねじ付き
又は M24×1.5 おねじ付き
片側用
12
C
1
差圧によりガスの流れを切り替えるバルブをもち
片側にホースアセンブリを取り付けるもの
取
付
金
具
両側用
13
C
2
片側用と同じもので,両側にホースアセンブリを
取り付けるもの
3
B 8261-1995
3.
性能
3.1
ホースアセンブリの性能 ホースアセンブリの性能は,10.1〜10.8 によって試験し,表 4.1〜表 4.4
の規定に適合しなければならない。
表 4.1 種類 H
項目
性能
主な試験条件
適用項目
気密
漏れ,その他の異常がないこと。 2.12MPa
{21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.1
保証耐圧力 漏れ,その他の異常がないこと。 3.6MPa
{36.7kgf/cm
2
} 1
分間
10.2
耐圧性
破壊圧力
継手の離脱,ホースの破裂などの異常が
ないこと。
9.0MPa {92kgf/cm
2
}
以上
加圧速さ毎分 49MPa {500kgf/cm
2
}
以下
10.3
低温曲げ
折れ,ひび割れ,その他の異常がないこ
と。
−25℃,5 時間
表 9 の最小曲げ半径で 180°曲げる。
耐低温性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
低温曲げ試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.4
オゾン劣化 き裂の発生,その他の異常がないこと。 0.50 体積 ppm,40℃,96 時間
表 9 の最小曲げ半径で曲げる。
耐候性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
オゾン劣化試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.5
引張り
継手及び附属金具の離脱,ホースの破断
などの異常がないこと。
981N {100kgf} 5
分間
引張強さ
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
引張試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.6
取付金具をもつもの
1.5kg
の鋼球を 1m から落下させる。
衝撃
継手及び附属金具の破損などの異常が
ないこと。
取付金具をもたないもの
2m
から落下させる。
耐衝撃性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
衝撃試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.7
表 4.2 種類 A
項目
性能
主な試験条件
適用項目
気密
漏れ,その他の異常がないこと。 2.12MPa
{21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.1
保証耐圧力 漏れ,その他の異常がないこと。 3.6MPa
{36.7kgf/cm
2
} 1
分間
10.2
耐圧性
破壊圧力
継手の離脱,ホースの破裂などの異常が
ないこと。
9.0MPa {92kgf/cm
2
}
以上
加圧速さ毎分 49MPa {500kgf/cm
2
}
以下
10.3
低温曲げ
折れ,ひび割れ,その他の異常がないこ
と。
−30℃,5 時間
表 9 の最小曲げ半径で 180°曲げる。
耐低温性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
低温曲げ試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.4
オゾン劣化 き裂の発生,その他の異常がないこと。 0.50 体積 ppm,40℃,96 時間
表 9 の最小曲げ半径で曲げる。
耐候性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
オゾン劣化試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.5
引張り
継手の離脱,ホースの破断などの異常が
ないこと。
981N {100kgf} 5
分間
引張強さ
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
引張試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.6
耐振性
振動
漏れ,その他の異常がないこと。
振幅 2〜4mm,2 000 回/分
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 4
時間
10.8
4
B 8261-1995
表 4.3 種類 P 及び PE
項目
性能
主な試験条件
適用項目
気密
漏れ,その他の異常がないこと。 2.12MPa
{21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.1
保証耐圧力 漏れ,その他の異常がないこと。 3.6MPa
{36.7kgf/cm
2
} 1
分間
10.2
耐圧性
破壊圧力
継手の離脱,ホースの破裂などの異常が
ないこと。
9.0MPa {92kgf/cm
2
}
以上
加圧速さ毎分 49MPa {500kgf/cm
2
}
以下
10.3
低温曲げ
折れ,ひび割れ,その他の異常がないこ
と。
−25℃,5 時間
呼び19 以下
表 9 の最小曲げ半径で180°曲げ
呼び25〜50
表 9 の最小曲げ半径で90°曲げ
耐低温性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
低温曲げ試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.4
オゾン劣化 き裂の発生,その他の異常がないこと。 呼び 12 以下だけ,0.50 体積 ppm,40℃,
96
時間
表 9 の最小曲げ半径で曲げる。
耐候性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
オゾン劣化試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.5
引張り
継手の離脱,ホースの破断などの異常が
ないこと。
呼び 12 以下だけ,
981N {100kgf} 5
分間
引張強さ
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
引張試験後
2.12MPa {21.6kgf/cm
2
} 1
分間
10.6
導通性
導通
導通すること。 4.5V で点灯
10.9
備考1. 種類 PE のホースアセンブリの引張試験は,受渡当事者間の協定による。
2.
導通試験は,種類 PE のホースアセンブリについてだけ行う。
表 4.4 種類 HL
項目
性能
主な試験条件
適用項目
気密
漏れ,その他の異常がないこと。 0.3MPa
{3.0kgf/cm
2
} 1
分間
10.1
耐圧性
保証耐圧力 漏れ,その他の異常がないこと。 0.8MPa
{8.2kgf/cm
2
} 1
分間
10.2
低温曲げ
折れ,ひび割れ,その他の異常がないこ
と。
−25℃,5 時間
表 9 の最小曲げ半径で 180°曲げる。
耐低温性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
低温曲げ試験後
0.3MPa {3.0kgf/cm
2
} 1
分間
10.4
オゾン劣化 き裂の発生,その他の異常がないこと。 0.50 体積 ppm,40℃,96 時間
表 9 の最小曲げ半径で曲げる。
耐候性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
オゾン劣化試験後
0.3MPa {3.0kgf/cm
2
} 1
分間
10.5
引張り
継手及び附属金具の離脱,ホースの破断
などの異常がないこと。
981N {100kgf} 5
分間
引張強さ
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
引張試験後
0.3MPa {3.0kgf/cm
2
} 1
分間
10.6
衝撃
継手及び附属金具の破損などの異常がな
いこと。
1.5kg
の鋼球を 1m から落下させる。
耐衝撃性
気密
漏れ,その他の異常がないこと。
衝撃試験後
0.3MPa {3.0kgf/cm
2
} 1
分間
10.7
5
B 8261-1995
3.2
取付金具の弁体及びホースを除くゴム部品などの性能 取付金具の弁体及びホースを除くゴム部品,
ガスケットなど(以下,ゴム部品などという。
)の性能は,10.10
〜10.13 によって試験し,表 5 の規定に適
合しなければならない。
表 5 弁体及びゴム部品など
項目
性能
主な試験条件
適用項目
弁体の作動性
弁体の作動
漏れがなく作動すること。 100〜70kPa {1〜0.7kgf/cm
2
}
の差圧
10.10
弁体の耐久性
弁体の耐久
漏れがないこと。 100〜70kPa {1〜0.7kgf/cm
2
}
ガスの繰返し加圧,360 回
10.11
弁体の耐寒性
弁体の耐寒
漏れがなく作動すること。
−25℃,30 分間
1.53MPa {15.6kgf/cm
2
}
加圧
10.12
ゴム部品など
の耐 LP ガス性
ゴム部品など
の耐 LP ガス
ぜい化,膨潤,軟化などの異常
がないこと。
LP
ガス混合液,24 時間
−20℃及び 40℃
10.13
4.
構造 ホースアセンブリの構造は,ホースに継手を取り付けて一体にしたもの,又はホースに継手及
び附属金具を取り付けて一体にしたもので構成する。
また,ホースアセンブリは各部からの漏れ,継手及び附属金具の離脱などの欠点がなく,LP ガスの装置,
回路の配管用として,十分な機能を有するものとする。
なお,種類 PE のホースアセンブリは,導線を挿入したホースを用い,継手と導通したものとする。
5.
寸法
5.1
ホースアセンブリの呼び及びねじ,フランジの呼び ホースアセンブリの呼びは,ホースの呼びに
より,ねじ,及びフランジの呼びは
表 6 による。
表 6 ホースアセンブリの呼び及びねじ,フランジの呼び
種類
ホースアセンブリ
の呼び
充てん口ねじ
管用テーパねじの
呼び
メートルねじの呼び
フランジの呼び
5
H
6
(M14
×1.5)
6
(M14
×1.5)
9
R
1
/
4
(M18
×1.5)
A
12
W22.5
山14左
R
1
/
2
(M22
×1.5)
6
R
1
/
4
M14
×1.5
9
R
3
/
8
M18
×1.5
12
R
1
/
2
M22
×1.5
15
15
19
R
3
/
4
M27
×2
20
25
R1
M33
×2
25
38
R1
1
/
2
M50
×2
40
50
R2
M60
×2
50
75
R3
M90
×2
80
P, PE
100 R4
M115
×2 100
10
M18
×1.5
HL
12
R
1
/
2
M24
×1.5
適用項目
−
5.5
5.6
5.7
5.8
備考 ( ) 内のメートルねじの呼びは,推奨寸法とする。
6
B 8261-1995
5.2
ホースアセンブリの長さの許容差 ホースアセンブリの長さの許容差は,表 7 による。ただし,ホ
ースアセンブリの長さとは,一方の継手又は附属金具の先端から,他方の継手又は附属金具の先端までの
長さとする。
表 7 ホースアセンブリの長さの許容差
単位 mm
ホースアセンブリの長さ
許容差
+20
1
200
未満
−10
+30
1 200
以上
2 000
未満
−15
+50
2 000
以上
3 000
未満
−30
+2 (%)
3 000
以上
−1 (%)
5.3
継手の寸法 継手の寸法は,付図 1〜8 による。
5.4
附属金具の寸法 附属金具の寸法は,付図 9〜13 による。
5.5
充てん口ねじの寸法及び寸法許容差 充てん口ねじの寸法及び寸法許容差は,JIS B 8246 の附属書
に規定するガス充てん口ねじによる。
5.6
管用テーパねじの寸法及び寸法許容差 管用テーパねじの寸法及び寸法許容差は,JIS B 0203 によ
る。
5.7
メートルねじの寸法及び寸法許容差 メートルねじの寸法は,JIS B 0207 により,寸法許容差は,
JIS B 0211
のおねじは 6g,めねじは 6H とする。
5.8
フランジの寸法及び寸法許容差 フランジの寸法は,JIS B 2220 の呼び圧力 20K により,寸法許容
差は,JIS B 2203 による。
5.9
継手の内径 継手の内径は,表 8 による。
表 8 継手の内径
種類
ホースアセンブリ
の呼び
内径(最小)
mm
5
2.5
6
3.5
9
6.0
12
8.5
15
11.0
19
14.0
25
19.0
38
30.0
50
41.0
75
63.0
H, A, P, PE
100 85.0
10
7.5
HL
12
10.0
6.
最小曲げ半径 ホースアセンブリの最小曲げ半径は,表 9 による。ただし,最小曲げ半径は,ホース
の内側で測定する。
7
B 8261-1995
表 9 最小曲げ半径
ホースアセンブリの呼び
最小曲げ半径
mm
5
90
6
110
9
140
10
140
12
170
15
210
19
240
25
350
38
450
50
650
75
950
100
1 200
7.
材料
7.1
継手の材料 継手の材料は,表 10 に示すもの,又は使用上これらと同等の品質をもつものとする。
表 10 継手の材料
継手の記号
部品名
材料
六角ナット
O
1
, O
2
, D
ニップル
JIS H 3250
の C3604BD
手締めハンドル及びそのねじ
部
JIS H 3250
の C3604BD
手締めハンドルのハンドル部
JIS H 5301
の ZDC2,又は
JIS H 5302
の ADC12
G
ニップル
JIS H 3250
の C3604BD
M M
ねじ付きニップル
T R
ねじ付きニップル
ユニオンナット
MU
ニップル
JIS H 3250
の C3604BD,
JIS G 3101
の SS400,又は
JIS G 4804
の SUM22
フランジ
JIS B 2220
の呼び圧力 20K による
F
ニツプル
JIS B 3454
の STPG370 又は
JIS G 3101
の SS400
共通
外筒
JIS G 3454
の STPG370,
JIS G 3101
の SS400 又は
JIS G 3141
の SPCD
7.2
附属金具の材料 附属金具の材料は,表 11 に示すもの,又は使用上これらと同等以上の品質をもつ
ものとする。
8
B 8261-1995
表 11 附属金具の材料
附属金具の記号
部品名
材料
K
−
Y
−
J
−
JIS H 3250
の C3604BD
JIS G 3101
の SS400,又は
JIS G 4804
の SUM22
本体
JIS H 3250
の C3771BD
ニップル
C
1
六角ナット
JIS H 3250
の C3604BD
C
2
本体
JIS H 3250
の C3771BD
7.3
ゴム部品などの材料 ゴム部品などの材料は,表 12 による。
表 12 ゴム部品などの材料
部品名
材料
O
リング
角リング
弁
合成ゴム
ガスケット
石綿ジョイントシート又は合成ゴム
8.
外観 ホースアセンブリの外観は,次による。
(1)
ホースには,きず,き裂,気泡その他使用上有害な欠点があってはならない。
(2)
継手及び附属金具の当たり面は,きずなどがあってはならない。
(3)
フランジの連結面には,溶接による有害な泡,巣などの欠点があってはならない。
(4)
外筒には,材料きず,締め割れなどの有害な欠点があってはならない。
(5) O
リング,角リング,バルブ,ガスケットなどのシール部品の仕上げは,良好で,きず,き裂その他
有害な欠点があってはならない。
9.
表面処理 腐食のおそれがある継手及び附属金具には,めっき,塗装又はその他適当なさび止め処理
を施さなければならない。
めっきを施す場合は,
原則として JIS H 8610 による 1 種 B2 級
(Ep−Fe/Zn 5/CM 1 又は Ep−Fe/Zn [2-C 1])
以上とする。
10.
試験方法
10.1
気密試験 気密試験は,ホースアセンブリに,空気又は不活性ガスで,表 13 に規定する気密試験圧
力を加え,1 分間が経過した後,漏れその他の異常の有無を調べる。
なお,この試験中試料の一端は自由にする。
表 13 気密試験圧力
種類
気密試験圧力
MPa {kgf/cm
2
}
H, A, P, PE
2.12 {21.6}
HL 0.3
{3.0}
10.2
保証耐圧力試験 保証耐圧力試験は,10.1 の試験に合格した試料に,水又は油で表 14 に規定する試
験圧力を加え,1 分間が経過した後,漏れその他の異常の有無を調べる。
なお,この試験中試料の一端は自由にする。
9
B 8261-1995
表 14 試験圧力
種類
試験圧力
MPa {kgf/cm
2
}
H, A, P, PE
3.6 {36.7}
HL 0.8
{8.2}
10.3
破壊圧力試験 破壊圧力試験は,次による。
(1)
種類 H,A,P 及び PE のホースアセンブリについて行う。
試料は,10.2 の試験に合格したものとする。
(2)
試料の長さは,ホースの自由長さ(
1
)300mm
以上とする。
注(
1
)
ホースの自由長さとは,ホースアセンブリのホースの露出部の長さで,継手及び附属金具を含
まない。
(3)
試験は,試料に水又は油で毎分 49MPa {500kgf/cm
2
}
以下の速さで,9.0MPa {92kgf/cm
2
}
の破壊試験圧
力を加え,継手の離脱,ホースの破裂などの異常の有無を調べる。
なお,この試験中試料は,水平に取付け一端は自由にする。
10.4
低温曲げ試験 低温曲げ試験は,ホースアセンブリの呼び 50 以下についてだけ行い,次による。
(1)
試料の長さは,ホースアセンブリの呼び 19 以下は式(1),呼び 25〜50 は式(2)によって算出したホース
の自由長さ以上とする。
a
D
R
l
2
2
+
⎟
⎠
⎞
⎜
⎝
⎛
+
=
π
(1)
a
D
R
l
2
2
2
+
⎟
⎠
⎞
⎜
⎝
⎛
+
=
π
(2)
ここに,
l
: ホースの自由長さ (mm)
R
:
表 9 の最小曲げ半径 (mm)
D
: ホースの外径 (mm)
a
: ホースの補助長さ(
2
)
(mm)
,
表 15 による。
注(
2
)
ホースの補助長さとは,曲げ試験に必要な継手取付部側ホ
ース端部からの余裕長さ(
図1,図2の a)をいう。
表 15 ホースの補助長さ
ホ ー ス ア セ ン ブ
リの呼び
a
mm
ホ ー ス ア セ ン ブ
リの呼び
a
mm
5 50 15 80
6 50 19 90
9 60 25 105
10 60 38 140
12 70 50 160
(2)
試験は,
表 16 に規定する温度の低温槽に,5 時間放置した後,ホースアセンブリの呼び 19 以下の試
料は
図 1,呼び 25〜50 の試料は図 2 に示す方法によって,表 9 の最小曲げ半径となるように,8〜12
秒間で,両側にそれぞれ 1 回曲げ,折れ,ひび割れなどの異常の有無を調べる。
なお,試料を低温槽から取り出して行う場合は,取り出してから試験完了までの時間を 12 秒以内と
する。
10
B 8261-1995
表 16 低温曲げ試験温度
種類
試験温度
℃
H, P, PE, HL
−25
5
0
−
A
−30
5
0
−
図 1
図 2
(3)
(2)
の試験の後,試料を常温にもどし,10.1 の試験を行う。
10.5
オゾン劣化試験 オゾン劣化試験は,ホースアセンブリの呼び 12 以下についてだけ行うものとし,
次による。
(1)
試料の長さは,10.4(1)の式(1)によって算出したホースの自由長さ以上とする。
(2)
試験は,JIS K 6301 の 16.3 に規定された試験装置によって行う。
オゾン濃度 0.50±0.05 体積 ppm,温度 40±2℃に保持された試験槽で,試料を
表 9 に規定する最小
曲げ半径に曲げて 96 時間暴露した後,ホースの外面層のき裂その他の異常の有無を調べる。
(3)
(2)
の試験の後,10.1 の試験を行う。
10.6
引張試験 引張試験は,ホースアセンブリの呼び 12 以下についてだけ行い,次による。
(1)
試料の長さは,ホースの自由長さ 300mm 以上とする。
(2)
試験は,試料の継手又は附属金具の一端を固定し,他端に 981N {100kgf} の力を加え,5 分間経過し
た後,継手又は附属金具の離脱,破損,ホースの破断などの異常の有無を調べる。
(3)
(2)
の試験の後,10.1 の試験を行う。
10.7
衝撃試験 衝撃試験は,次による。
(1)
種類 H 及び HL のホースアセンブリについて行う。
(2)
種類 H で附属金具 C
1
を用いるもの,及び種類 HL のホースアセンブリは,試料の附属金具の先端を固
定し,その附属金具の他端に質量 1.5kg の鋼球を 1m の高さから落下させて衝撃を加え,継手及び附
属金具の破損,使用上有害な変形などの異常の有無を調べる。
(3)
種類 H で附属金具 C
2
を用いるホースアセンブリは,試料の継手の外筒を固定し,質量 1.5kg の鋼球を
1m
の高さから取付金具の中央部に落下させて衝撃を加え,継手及び附属金具の破損,使用上有害な
変形などの異常の有無を調べる。
(4)
種類 H で取付金具を用いないホースアセンブリは,試料を 2m の高さから継手又はアダプタを下にし
てコンクリート床面に落下させて衝撃を加え,継手及びアダプタの破損,使用上有害な変形などの異
11
B 8261-1995
常の有無を調べる。
(5)
(2)
,(3)又は(4)の試験の後,各々の試料に 10.1 の試験を行う。
10.8
振動試験 振動試験は,次による。
(1)
種類 A のホースアセンブリについてだけ行う。
(2)
試料の長さは,600
0
15
+
mm
とする。
(3)
試料は,
図 3 に示す方法で試験装置に取り付けた試料に,空気又は不活性ガスで 2.12MPa {21.6kgf/cm
2
}
の内圧を加え,全振幅 2〜4mm,振動速さ毎分 2 000 回で上下振動を 4 時間続けた後,漏れ,その他
の異常の有無を調べる。
図 3
10.9
導通試験 導通試験は,次による。
(1)
種類 PE のホースアセンブリについてだけ行う。
(2)
試験は,試料の両端の継手に 4.5V の乾電池と,4.0V,0.3A の電球を接続し,電球の点灯の有無によ
り導通を調べる。
10.10
弁体の作動試験 弁体の作動試験は,取付金具の調整器に取り付ける側の出口に盲栓をして,一端
に空気又は不活性ガスで 100kPa {1kgf/cm
2
}
の圧力を加え,その圧力を徐々に 70kPa {0.7kgf/cm
2
}
まで下げ
たとき,逆止め弁からの漏れの有無を調べる。他端も同様とする。
10.11
弁体の耐久試験 弁体の耐久試験は,取付金具の試料に 70kPa {0.7kgf/cm
2
}
以上 100kPa {1kgf/cm
2
}
以下の圧力の空気又は不活性ガスを 2〜3 秒間送入し,その送入を止める操作を両端から交互に加える。こ
れを 360 回繰り返した後,さらに 10.10 の試験を行い,逆止め弁からの漏れの有無を調べる。
10.12
弁体の耐寒試験 弁体の耐寒試験は,取付金具を,−25
5
0
−
℃の低温槽に,30 分間放置した後,空気
又は不活性ガスで 1.53MPa {15.6kgf/cm
2
}
の圧力を加え,1 分間経過した後,逆止め弁に漏れ,その他の異
常がなく正常に作動することを調べる。
なお,試料を低温槽から取り出して気密圧力を加える場合は,取り出してから試験完了までの時間を 10
分間以内とする。
10.13
ゴム部品などの耐 LP ガス試験 ゴム部品などの耐 LP ガス試験は,ゴム部品などを次の組成の LP
ガスの混合液の中に−20
5
0
−
℃,及び 40
0
5
+
℃で 24 時間,それぞれ浸せきした後,直ちにデシケータ中に入
れ,約 40 分間室温で放置し,30 分間以内に試料のぜい化,膨潤,軟化などの異常の有無を調べる。
12
B 8261-1995
混合液の標準質量割合: プロパン 70%
プロピレン 25%
ブタジエン
5%
11.
検査 検査は,外観については,全数,その他の項目及び数量については,受渡当事者間の協定によ
る。
12.
製品の呼び方 ホースアセンブリの呼び方は,規格番号又は規格名称,種類の呼び記号,ホースアセ
ンブリの呼び,ホースアセンブリの長さ及び継手又は附属金具による。
例
備考 継手又は附属金具の記号は,両端共に継手の場合は,継手の記号で表し,継手に附属金具が取り付けてあ
る場合は,附属金具の記号で表す。
13.
表示
13.1
製品の表示 ホースアセンブリの継手,取付金具,及び表示用の金属リングには刻印又は,その他
容易に消えない方法で次の事項を表示する。
(1)
種類又はその呼び記号
(2)
製造年月又はその略号
(3)
製造業者名又はその略号
(4)
取付金具には C の記号
13.2
包装の表示 包装には,次の事項を表示する。
(1)
規格名称
(2)
種類又はその呼び記号
(3)
製造年月又はその略号
(4)
製造業者名又はその略号
13
B 8261-1995
付表 1 引用規格
JIS B 0203
管用テーパねじ
JIS B 0207
メートル細目ねじ
JIS B 0211
メートル細目ねじの許容限界寸法及び公差
JIS B 2203
管フランジの寸法許容差
JIS B 2220
鋼製溶接式フランジ
JIS B 2401
O リング
JIS B 8246
高圧ガス容器用弁
JIS G 3101
一般構造用圧延鋼材
JIS G 3141
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 3454
圧力配管用炭素鋼鋼管
JIS G 4804
硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材
JIS H 3250
銅及び銅合金棒
JIS H 5301
亜鉛合金ダイカスト
JIS H 5302
アルミニウム合金ダイカスト
JIS H 8610
電気亜鉛めっき
JIS K 6301
加硫ゴム物理試験方法
JIS K 6347
液化石油ガス用ゴムホース(LPG ホース)
14
B 8261-1995
付図 1 スパナ締め充てん口おねじ付き継手 O
1
(H 用)
備考1. ニップルと六角ナットとのすきまは,0.5以下とする。
2. O
リングの形状・寸法は,JIS B 2401 の P10A による。
3. (
) 内寸法は当分の間使用してもよい。
15
B 8261-1995
付図 2 スパナ締め充てん口おねじ付き継手 O
2
(A 用)
備考1. 六角ナットの形状・寸法は,付図1による。
2. O
リングの形状・寸法は,JIS B 2401 の P10 による。
16
B 8261-1995
付図 3 スパナ締め充てん口おねじ付き継手 D(H 用)
備考 六角ナットの形状・寸法は,付図 1 による。
17
B 8261-1995
付図 4 ハンドル締め充てん口おねじ付き継手 G(H 用)
備考1. 手締めハンドルとニップルとのすきまは,0.5以下とする。
2.
手締めハンドルのハンドルの形状は,一例であって,形状の詳細を規制するものでは
ない。
18
B 8261-1995
付図 5 メートルおねじ継手 M
単位 mm
記号−呼び
M
ねじの呼び
a
(最小)
b
(最小)
c
(最小)
B
17
25
.
0
0
−
M-6
M14
×1.5
11 13 7
19
35
.
0
0
−
19
M-9
M18
×1.5
12 15 9
22
35
.
0
0
−
24
M-12
M22
×1.5
14 17 10
27
35
.
0
0
−
32
M-19
M27
×2
16 19 12
36
4
.
0
0
−
36
M-25
M33
×2
17 21 13
41
4
.
0
0
−
55
M-38
M50
×2
19 23 15
60
0.45
0
−
65
M-50
M60
×2
21 25 20
70
0.45
0
−
100
M-75
M90
×2
26 31 25
105
55
.
0
0
−
120
55
.
0
0
−
M-100
M115
×2
30 35 28
130
65
.
0
0
−
備考 M ねじの逃げ溝は,なくてもよい。
19
B 8261-1995
付図 6 管用テーパおねじ継手 T
単位 mm
記号−呼び
R
ねじの呼び
a
(最小)
b
(最小)
c
(最小)
B
17
25
.
0
0
−
T-6
1
/
4
9.71
12
7
19
35
.
0
0
−
19
T-9
3
/
8
10.05 15
9
22
35
.
0
0
−
22
24
T-12
1
/
2
13.16 18 10
27
35
.
0
0
−
32
T-19
3
/
4
14.53 19 12
36
4
.
0
0
−
36
T-25 1
16.79
21
13
41
4
.
0
0
−
50
4
.
0
0
−
T-38 1
1
/
2
19.10 23 15
55
0.45
0
−
65
T-50 2
23.38
28
20
70
0.45
0
−
100
T-75 3
29.84
35
25
105
55
.
0
0
−
120
55
.
0
0
−
T-100 4
35.80
41
28
130
65
.
0
0
−
20
B 8261-1995
付図 7 メートルめねじユニオン継手 MU(HL 用)
備考 ユニオンナットの M ねじは,逃げ溝をつけてもよい。
21
B 8261-1995
付図 8 フランジ継手 F(P. PE 用)
22
B 8261-1995
付図 9 充てん口めねじ付きアダプタ K(H 用)
付図 10 充てん口めねじ付き三方アダプタ Y(H 用)
備考 この図の形状は,一例であって,形状の詳細を規制するものではない。
23
B 8261-1995
付図 11 おすおすアダプタ J(HL 用)
記号−呼び
M
ねじの呼び
a
(最小)
b
(最小)
d
1
d
2
B
J-10
M18
×1.5
9
12
7.5
10.5
22
24
35
.
0
0
−
J-12 M24
×1.5 11
14
12.0 14.5
27
35
.
0
0
−
備考 M ねじの逃げ溝は,つけてもよい。
付図 12 取付金具片側用 C
1
(H 用)
備考1. 六角ナット,ニップル,O リングの形状・寸法は,付図1による。
2.
この図の形状,本体内部の構造は,一例であって形状,構造の詳細を規制するものではない。
付図 13 取付金具両側用 C
2
(H 用)
24
B 8261-1995
備考 この図の形状,本体内部の構造は,一例であって形状,構造の詳細を規制するものではない。
25
B 8261-1995
一般機械部会 LPG ホースアセンブリ専門委員会 構成表(昭和 55 年 1 月 1 日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
堀 内 忠 夫
高圧ガス保安協会
村 田 輝 史
通商産業省機械情報産業局
柴 田 幹 夫
通商産業省立地公害局
香 田 昭
資源エネルギー庁公益事業部
仲井真 弘 多
工業技術院標準部
丹 野 博 實
財団法人化学品検査協会
鈴 木 健 一
財団法人日本エルピーガス機器検査協会
田 口 孝 一
エービーシーカップリング工業株式会社
松 木 嘉 徳
ブリジストンインペリアル株式会社横浜工場
小 川 弘 恭
横浜エイロクイップ株式会社
丸 茂 和 雄
株式会社桂精機製作所
今 里 伀
株式会社十川ゴム製造所技術部
永 田 吉 彦
東北ゴム株式会社
築 地 成一郎
矢崎計器株式会社ガス機器開発部
藤 森 俊 彦
丸善エンジニアリング株式会社千葉営業所
井 上 昌 彦
トヨタ自動車工業株式会社ボデー設計部
山 下 純 男
日産自動車株式会社設計管理部
金 子 良 雄
日本 LP ガス連合会
吉 川 市太郎
日本オートガス株式会社
上 田 正 英
日本ホース金具工業会
(事務局)
横 溝 眞一郎
工業技術院標準部機械規格課
岡 部 康 恒
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
稲 橋 一 行
工業技術院標準部機械規格課(平成 7 年 2 月 1 日改正のとき)
鈴 木 俊 吾
工業技術院標準部機械規格課(平成 7 年 2 月 1 日改正のとき)