B 7139-1:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 性能······························································································································· 2
4.1 光学性能及び機械性能 ···································································································· 2
4.2 使用条件,保管条件及び輸送条件······················································································ 2
4.3 安全性 ························································································································· 2
5 試験方法 ························································································································· 2
5.1 光学性能及び機械性能の試験···························································································· 2
5.2 使用条件,保管条件及び輸送条件に関する環境試験 ······························································ 2
5.3 安全性試験 ··················································································································· 2
6 仕様項目 ························································································································· 2
7 附属文書 ························································································································· 3
8 表示······························································································································· 3
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 6
B 7139-1:2008
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本顕微鏡工業会(JMMA)及び財団法人日本
規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS B 7139:1997は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS B 7139の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 7139-1 第1部:一般要求事項
JIS B 7139-2 第2部:試験
JIS B 7139-3 第3部:仕様項目
JIS B 7139-4 第4部:表示
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日本工業規格 JIS
B 7139-1:2008
双眼実体顕微鏡−第1部:一般要求事項
Stereomicroscopes-Part 1: Minimum requirements for stereomicroscopes
序文
この規格は,2006年に第2版として発行されたISO 11884-1及び2007年に第2版として発行されたISO
11884-2を基に作成した日本工業規格であるが,JIS B 7139:1997との整合及び使用者の便宜を図るため,
二つの対応国際規格を一つの規格にまとめ,類似する項目は統合するなど技術的内容を変更して作成した
日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,左右の独立した結像光学系をもち,立体視観察ができる双眼実体顕微鏡(以下,実体顕微
鏡という。)について規定する。ただし,手術用顕微鏡には適用しない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 11884-1:2006,Optics and photonics−Minimum requirements for stereomicroscopes−Part 1:
Stereomicroscopes for general use
ISO 11884-2:2007,Optics and photonics−Minimum requirements for stereomicroscopes−Part 2: High
performance microscopes
(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示
す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7139-2 双眼実体顕微鏡−第2部:試験
注記 対応国際規格:ISO 15227,Optics and optical instruments−Microscopes−Testing of
stereomicroscopes (MOD)
JIS B 7139-3 双眼実体顕微鏡−第3部:仕様項目
注記 対応国際規格:ISO 15362,Optics and optical instruments−Stereomicroscopes−Information
provided to the user (IDT)
JIS B 7139-4 双眼実体顕微鏡−第4部:表示
注記 対応国際規格:ISO 11883,Optics and optical instruments−Microscopes−Marking of
2
B 7139-1:2008
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stereomicroscopes (MOD)
JIS C 1010-1 測定,制御及び研究室用電気機器の安全性−第1部:一般要求事項
注記 対応国際規格:IEC 61010-1,Safety requirements for electrical equipment for measurement, control,
and laboratory use−Part 1: General requirements (MOD)
JIS Z 8120 光学用語
JIS Z 8720 測色用標準イルミナント(標準の光)及び標準光源
注記 対応国際規格:ISO/CIE 10526:1999,CIE standard illuminants for colorimetry (MOD)
ISO 9022-2,Optics and optical instruments−Environmental test methods−Part 2: Cold, heat and humidity
ISO 9022-3,Optics and optical instruments−Environmental test methods−Part 3: Mechanical stress
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8120による。
4
性能
4.1
光学性能及び機械性能
実体顕微鏡の等級を光学性能及び機械性能によって分類し,高性能実体顕微鏡を1級,一般用実体顕微
鏡を2級とし,5.1によって試験を行い,左右の接眼レンズの光軸が平行な実体顕微鏡は表1,平行でない
実体顕微鏡は表2に示す性能を満足しなければならない。
4.2
使用条件,保管条件及び輸送条件
実体顕微鏡の使用,保管及び輸送は,5.2によって試験を行い,次の条件を満足しなければならない。
a) 使用条件 実体顕微鏡は表3に規定する使用条件において,表1又は表2に規定する性能を満足しな
ければならない。
b) 保管条件 実体顕微鏡は表4に規定する使用条件においても,a) を満足しなければならない。
c) 輸送条件 実体顕微鏡は輸送用のこん包状態で,表5に規定する使用条件においても,a) を満足しな
ければならない。
4.3
安全性
実体顕微鏡の安全性は,5.3によって試験を行い,JIS C 1010-1を満足しなければならない。
5
試験方法
5.1
光学性能及び機械性能の試験
実体顕微鏡の光学性能及び機械性能の試験は,JIS B 7139-2によって行う。
5.2
使用条件,保管条件及び輸送条件に関する環境試験
実体顕微鏡の使用,保管及び輸送に関する環境試験は,表6に規定する条件で,ISO 9022-2及びISO
9022-3の試験方法によって行う。
5.3
安全性試験
実体顕微鏡の安全性の試験は,JIS C 1010-1に規定する試験方法によって行う。
6
仕様項目
使用者に提供すべき仕様項目の情報は,JIS B 7139-3の規定による。
3
B 7139-1:2008
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7
附属文書
実体顕微鏡には使用,清掃及び保管に必要な指示を記載した文書を添付する。
8
表示
実体顕微鏡の表示は,JIS B 7139-4の規定による。
表1−左右の接眼レンズの光軸が平行な実体顕微鏡の光学性能及び機械性能
項目
1級
2級
総合倍率
±7.5 %
±10 %
左右等倍差
1.5 %以下
2 %以下
左右光軸のずれa)
上下方向
15′以下
20′以下
左右方向
内方
45′以下
45′以下
外方
10′以下
10′以下
左右視野中心のずれb)
上下方向
0.2 mm以下
0.2 mm以下
左右方向
内方
0.4 mm以下
0.4 mm以下
外方
0
0
変倍による物体側焦点のずれc)
3 DF以下
−
変倍による像面の横ずれd)
0.4 mm以下
0.4 mm以下
左右同焦差c)
1.5 DF以下
1.5 DF以下
最高倍率での解像力e)(本/mm)
2 500 NA以上
2 000 NA以上
左右像の回転差
2°以下
3°以下
接眼光学系
左右接眼レンズの突出差
(視度目盛0 m−1位置)
1.5 mm以下
1.5 mm以下
眼幅調整の最小範囲
55 mm〜75 mm
55 mm〜75 mm
視度目盛0 m−1位置の調整誤差
±0.25 m−1
−
視度調整の最小範囲
+5 m−1〜−5 m−1
−
注a) 10×接眼レンズを視度目盛0 m−1に調整して測定する。
b) 試験する実体顕微鏡の像面で測定する。
c) 物体側焦点深度DFは,次の式で求める。
NA
M
NA
λ
D
×
×
×
VIS
TOT
2
F
7
1
2
+
=
(mm)
ここに,
λ:波長(0.000 55 mm)
NA:開口数
M TOT VIS:総合倍率
d) 中心物体のずれは,一次像面で直径0.4 mmの円内に入っていなければならない。
e) JIS Z 8720に従って,標準光源Aで測定する。
4
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表2−左右の接眼レンズの光軸が平行でない実体顕微鏡の光学性能及び機械性能
項目
1級
2級
総合倍率
±7.5 %
±10 %
左右等倍差
1.5 %以下
2 %以下
左右光軸のずれa)
上下方向
15′以下
20′以下
左右視野中心のずれb)
上下方向
0.2 mm以下
0.2 mm以下
左右方向
内方
0.4 mm以下
0.4 mm以下
外方
0.4 mm以下
0.4 mm以下
変倍による物体側焦点のずれc)
3 DF以下
−
変倍による像面の横ずれd)
0.4 mm以下
0.4 mm以下
左右同焦差c)
1.5 DF以下
1.5 DF以下
最高倍率での解像力e)(本/mm)
2 500 NA以上
2 000 NA以上
左右像の回転差
2°以下
3°以下
接眼光学系
左右接眼レンズの突出差
(視度目盛0 m−1位置)
1.5 mm以下
1.5 mm以下
眼幅調整の最小範囲
55 mm〜75 mm
55 mm〜75 mm
視度目盛0 m−1位置の調整誤差
±0.25 m−1
−
視度調整の最小範囲
+5 m−1〜−5 m−1
−
注記 表1の注a)〜e) を参照。
表3−使用条件
項目
条件
温度
10 ℃〜40 ℃
相対湿度
85 %以下
衝撃
10 ɡ(時間 6 ms)
表4−保管条件
項目
条件
温度
−10 ℃〜55 ℃
相対湿度
95 %以下
表5−輸送条件
項目
条件
温度
−40 ℃〜70 ℃
相対湿度
100 %以下
正弦波振動
10 Hz〜500 Hz(0.5 ɡ)
衝撃
30 ɡ(時間 6 ms)
繰返し衝撃
10 ɡ(時間 6 ms)
5
B 7139-1:2008
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表6−環境試験
条件
試験
該当規格
方法条件
1級
2級
使用条件
ISO 9022-11-01-2
10 ℃±2 ℃ 16 h
ISO 9022-2
乾熱
ISO 9022-11-02-2
40 ℃±2 ℃ 16 h
ISO 9022-12-01-2
40 ℃±2 ℃ 90 %〜95 % RH 24 h
湿熱
保管条件
ISO 9022-10-02-1
−10 ℃±3 ℃ 16 h
ISO 9022-2
低温
ISO 9022-11-03-1
55 ℃±2 ℃ 16 h
乾熱
ISO 9022-12-01-1
40 ℃±2 ℃ 90 %〜95 % RH 24 h
湿熱
輸送条件
ISO 9022-10-08-0
−40 ℃±3 ℃ 16 h
ISO 9022-10-05-0
−25 ℃±3 ℃ 16 h
ISO 9022-2
低温
ISO 9022-11-04-0
63 ℃±2 ℃ 16 h
ISO 9022-11-05-0
70 ℃±2 ℃ 6 h
乾熱
ISO 9022-16-01-0
23 ℃±2 ℃ 80 %〜85 % RH 5サイクル
40 ℃±2 ℃ 90 %〜95 % RH 5サイクル
湿熱(周期的)
ISO 9022-30-03-0
30 ɡ 6 ms
ISO 9022-3
衝撃
ISO 9022-31-01-0
10 ɡ 6 ms 1 000回
繰返し衝撃
ISO 9022-36-02-0
1 ɡ 10 Hz〜2 000 Hz 2サイクル
正弦波振動
注記 試験“ISO 9022-xx-yy-z”の記号の意味は,次による。
xx:方法条件 yy:厳しさの程度 z:機器の作動状態
方法条件“xx”を表す数字の意味は,次による。
10:低温 11:乾熱 12:湿熱 16:湿熱(周期的)
30:機械的応力−衝撃 31:機械的応力−繰返し衝撃 36:機械的応力−正弦波振動
厳しさの程度“yy”は,ISO 9022の各部に示す。
機器の作動状態“z”の数値の意味は,次による。
0:製造業者によって供給された正常な輸送及び/又は保管容器に入れられた供試品
1:電源には接続しないが,作動状態で覆いのない供試品
2:関連規定に規定されたように試験中作動状態の供試品
6
B
7
1
3
9
-1
:
2
0
0
8
6
B
7
1
3
9
-1
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 7139-1:2008 双眼実体顕微鏡−第1部:一般要求事項
ISO 11884-1:2006,Optics and photonics−Minimum requirements for stereomicroscopes
−Part 1: Stereomicroscopes for general use
ISO 11884-2:2007,Optics and photonics−Minimum requirements for stereomicroscopes
−Part 2: High performance microscopes
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
双眼実体顕微鏡
について規定す
る。ただし,手術
用顕微鏡には適
用しない。
ISO 11884-1
1
一般用双眼実体顕微鏡
の最低要件を規定する。
削除
両ISO規格の適用範囲を統合
し,手術用顕微鏡には適用しな
いと明記した。
手術用顕微鏡は,JIS T 7317で制定し
ている。
ISO 11884-2
1
高性能双眼実体顕微鏡
の最低要件を規定する。
ただし,手術用顕微鏡に
は適用しない。
2 引用規格
3 用語及び
定義
ISO 11884-1
ISO 11884-2
3
変更
ISO 10934-1をJIS Z 8120光学
用語に置き換えた。
技術的差異はない。
4 性能
光学性能及び機
械性能
ISO 11884-1
4
表1で一般用実体顕微鏡
の要求性能を規定
削除
変更
一般用及び高性能実体顕微鏡
をそれぞれ2級,1級として表
にまとめた。また接眼レンズの
光軸が平行,平行でないで区分
し,更に一部項目を削除して,
それぞれ表1,表2とした。
表3,4,5(両ISO規格の表2,
3,4)からAtmospheric pressure
(大気圧)の項を削除した。
JIS B 7139:1997に合わせた。
削除した項目は次のとおり。
・接眼レンズの光軸が平行でない場合
の左右光軸のずれの左右方向(内方
及び外方)
・接眼レンズの光軸が平行でない場合
の一次像の左右方向のずれ
実体顕微鏡の性能に大気圧の条件は
不要であり,表6にもこの項目はな
い。また,表6の点線下線部は,ISO
規格の記述誤りと思われる。今後,修
正を申し出る。
ISO 11884-2
4
表1で高性能実体顕微鏡
の要求性能を規定
5 試験方法
ISO 11884-1
ISO 11884-2
5
変更
表6(両ISO規格では表5)の
点線下線部を変更した。
7
B
7
1
3
9
-1
:
2
0
0
8
7
B
7
1
3
9
-1
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 仕様項目
追加
JIS B 7139-3の仕様項目を追加
した。
技術的差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11884-1:2006,ISO 11884-2:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。