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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 6507-1981 

木材加工機械の安全通則 

General Code of Safety for Wood Working Machinery 

1. 適用範囲 この規格は,木材加工機械及びその附属装置・補助機械の安全対策に関する一般的事項に

ついて規定する。 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次による。 

(1) 主軸 切削工具又は工作物を取り付けて回転する軸。 

(2) 主軸固定装置 主軸を一時的に回転しないように固定する装置。 

(3) 工具保持装置 切削工具の取付け調整中に主軸又は支持具(カッタヘッド・ホルダなど)から切削工

具の脱落を防止する装置。 

(4) 工作物保持装置 送材中及び加工中における工作物のずれを防止する装置。 

(5) 送材装置 工作物を加工部位に送る装置で,機械自体の構成要素又は附属装置。 

(6) 押え装置 工作物を加圧しながら送材装置による送材を確実にする装置。 

(7) 安全装置 災害発生の原因となる現象が起こらないように制御する装置,又はこの現象から人体を守

る装置。 

(8) ロック装置 組み合わせて一定の状態に固定する装置。 

(9) 逆走 回転する切削工具などにより,工作物が送りの向きとほぼ反対の向きに激しく押しもどされる

か,又ははね飛ばされる現象。 

(10) はね返り 回転する切削工具などにより,端材などがほぼ工作物の送入側に向かってはね飛ばされる

現象。 

(11) 反ぱつ 逆走,はね返りの総称。 

(12) 過走 回転する切削工具などにより,工作物が送りの向きに激しく押し出されるか,又ははね飛ばさ

れる現象。 

(13) 飛散 回転する切削工具などにより,切りくず,木片,端材などが不特定の方向に飛ばされる現象。 

3. 安全構造 

3.1 

可動部分 駆動装置,伝動装置,送材装置,ロール,圧締盤など動力による可動部分が機械・装置

の外部に出ないような構造とする。そのような構造をとりにくいもので,作業者が接近する可能性がある

ものでは,覆いをするか,それが困難な場合には接触予防機能をもつ装置を装備する。 

3.2 

高温部分 圧締熱板,加熱グルー容器などの加熱部分で作業者が高温部に接近するおそれがあるも

のでは,覆いをするか,それが困難な場合には接触予防機能をもつ装置を装備する。 

3.3 

工具関係 加工に用いる工具は、次による。 

(1) 切削工具は,切削時に切削に必要な部分を除いて機械外部に出ないような構造とする。そのような構

B 6507-1981  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

造をとりにくいものでは,覆いをするか,接触予防機能をもつ装置を装備する。 

(2) 工具の取付け・交換・調整などを簡単な手順で適正確実に行うことができるような構造とし・工具の

回転・落下などによる危険のおそれがある場合は,主軸固定装置・工具保持装置などを組み込む。 

3.4 

工作物関係 工作物及びその取付け並びに送材は,次による。 

(1) 工作物の寸法・形状・質量などが規定範囲外の場合は,これを排除する装置を装備することが望まし

い。 

(2) 工作物保持装置は堅固で,切削工具と接触するおそれがない構造とする。 

(3) 送材は原則として自動送りとし,押え装置で工作物の送材を確実にする。手動送りの機械では,附属

装置としての自動送材装置が使用できる構造とする。 

(4) 形状不均一,不均質な工作物でも,移動・流れが停滞しないような搬送構造とする。 

3.5 

駆動用電源 機械・装置の清掃・点検・調整・工具交換中などには,駆動用電源を開路にしてロッ

クすることができる構造とし,この作業を実施中であることを表示できる装置を設ける。 

3.6 

始動スイッチ 始動スイッチは,原則として停電時又は駆動用電源を開路にした場合に自動的に開

の状態に,また停電が回復しても開の状態を保つことができるように作動する方式のものとする。 

3.7 

復元停止 電源が切れた場合には,主軸・送材装置・工作物固定装置などの可動部分は,その位置

で停止するか,又は安定した位置に自動的に復元停止するような構造とする。 

3.8 

運転操作盤 運転操作盤は,次による。 

(1) 運転操作盤は,安全な位置に設けることとし,特に危険性の高い木材加工機械では,特定の作業者に

よってだけ操作できる構造とする。ただし,緊急停止装置の作動についてはこの限りではない。 

(2) 種々の操作ハンドル・スイッチなどの寸法・形状・構造・取付位置・色彩に留意し,必要なロック装

置を組み込む。 

(3) 安全装置が正常に装着されていなければ,機械・装置が作動しないロック装置を組み込むことが望ま

しい。 

(4) 正しい操作手順によらなければ,機械・装置が作動しないロック装置を組み込むことが望ましい。 

3.9 

主軸制動装置 動力をしゃ断した後,主軸の惰力回転による危険がある機械・装置では,制動装置

を装備する。 

3.10 くず処理装置・くず搬送装置など くず処理装置・くず搬送装置・吸じん装置などは確実に作動し,

機械・装置の各部に切りくず・木片などが詰まらないような構造とする。 

3.11 騒音・振動の防止 騒音・振動の発生をできる限り少なくし,これらができるだけ機械外部に出な

いような構造・機構とする。 

3.12 防爆 電動機・開閉器の火花などによる爆発・火災のおそれがある環境で用いる機械・装置では,

防爆形機器を組み込む。 

3.13 滑り止め 機械・装置に設ける作業台,階段などには,滑り止め,手すり,防護さくなどを設けな

ければならない。 

3.14 照明 機械・装置に照明装置を設ける場合は,運動部分がちらつき,又は静止して見えたり,工作

物が変色して見えたりしないような光源を用いなければならない。 

3.15 保全・点検など 機械・装置の保全・点検・調整・清掃などを簡単な手順で確実に行うことができ

るような構造とする。 

また,自動給油装置・集中給油装置などを設けることが望ましい。 

B 6507-1981  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 安全装置 

4.1 

暴走防止 慣性の大きな木材加工機械若しくはその部分又は工作物には,暴走防止装置・緩衝装置,

制動装置などを装備する。 

4.2 

接触予防 3.1,3.2及び3.3の(1)の接触予防機能をもつ装置や覆いなどは,作業に適合し耐久性の高

い堅固なものでなければならない。 

4.3 

反ぱつ防止 逆走若しくは過走又ははね返り若しくは飛散が予想される木材加工機械には,反ぱつ

防止装置・飛散防止装置などを取り付ける。 

4.4 

緊急停止 運転中,巻込み・きょう(挾)圧などによる危険のおそれがある木材加工機械には,緊

急停止装置を備える。また,必要な場合には,逆転・開放などの機能を有するものでなければならない。 

4.5 

警報・自動停止など 特に危険性の高い木材加工機械では,機械本体・安全装置などの異常又は危

険域への人体の接近などに対する警報装置又は自動停止装置を装備する。 

5. 取扱説明書 木材加工機械・附属装置などには,取扱説明書を添付し,形式・仕様・構造・工具・操

作・保全・点検・整備・すえ付け・その他安全上の留意事項など,安全確保に必要な事項を記載しなけれ

ばならない。 

6. 検査票 木材加工機械・附属装置などには,安全に関する検査票(検査項目とその結果)を添付しな

ければならない。 

7. 表示 木材加工機械・附属装置などには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示し

なければならない。 

(1) 製造業者名 

(2) 製造年月及び製造番号 

(3) 形式 

(4) 使用できる工具の種類及び範囲(例えば,幅,長さ,厚さ,直径など) 

(5) その他安全上,特に必要な事項 

B 6507-1981  

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“木材加工機械の安全通則”原案作成委員会構成表 

(木材加工機械安全構造規格調査研究委員会) 

氏名 

所属 

(委員長) 

林   大九郎 

東京農業大学農学部 

(委員) 

見 学 信 敬 

通商産業省機械情報産業局 

矢 島 武 憲 

工業技術院標準部機械規格課 

鈴 木   寧 

林野庁林業試験場木材部 

近 藤 太 二 

労働省産業安全研究所機械研究部 

杉 原 彦 一 

京都大学農学部 

福 井   尚 

名古屋大学農学部 

木 下 直 治 

職業訓練大学校 

児 玉   実 

木材加工技術コンサルタント 

佐 藤 正 徳 

株式会社佐藤製材所 

望 月 善 治 

野田合板株式会社資材部 

池 谷 一 好 

日本楽器製造株式会社 

河 野 勝 彦 

社団法人全国家具工業連合会 

谷 尻 正 三 

株式会社中国機械製作所 

中 山 辰 雄 

株式会社田中機械製作所 

山 田   豊 

株式会社ウロコ製作所 

谷 野 八 郎 

庄田鉄工株式会社 

村 上   勝 

社団法人全国木工機械工業会