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B 6016-1 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによってJIS B 6016 : 1990は廃止され,JIS B 6016-1及びJIS B 6016-2に置き換

えられる。 

今回の制定は,旧JIS B 6016 : 1990に対応する国際規格であるISO 5169, Machine tools−Presentation of 

lubrication instructions及びISO 5170, Machine tools−Lubrication systemsとの整合のため,それぞれに対応す

るものとしてJIS B 6016-1(工作機械−潤滑指示図の表示方法)とJIS B 6016-2(工作機械−潤滑システム)

とに分割したものである。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS B 6016-1には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定) 潤滑指示図の例(万能円筒研削盤の場合) 

附属書2(規定) 工作機械用潤滑剤の種類 

附属書3(規定) 潤滑指示図に用いる表示記号 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 6016-1 : 1998 

工作機械−潤滑指示図の表示方法 

Machine tools−Presentation of lubrication instructions 

序文 この規格は,1977年に第1版として発行されたISO 5169 : 1997, Machine tools-Presentation of 

lubrication instructionsを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際

規格にはない規格内容を追加した。 

なお,この規格で点線の下線を施してある部分,附属書2(規定)及び附属書3(規定)は,対応国際規

格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,潤滑指示図の表示方法に関し,工作機械製造業者が提供し,使用者が順守し

なければならない情報についての指針を規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 5169 : 1977 Machine tools−Presentation of lubrication instructions 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの規格は,記載の発効年又は発行年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その

後の改正版・追補は適用しない。 

JIS B 6012-1 : 1998 工作機械−操作表示記号 

備考 ISO/R 369 : 1964, Symbols for indications appearing on machine toollsからの引用事項は,この規

格の該当事項と同等である。 

ISO/TR 3498 : 1986 Lubricants, industrial oils and related products (class L) −Recommendations 

for the choice of lubricants for machine tools 

3. 定義 

3.1 

潤滑箇所 接触面を潤滑するために,潤滑油を供給する箇所。 

3.2 

作業箇所 一般に,潤滑システムの正常な運転ができるように,外部からの作業を行うことが望ま

しい潤滑システムの任意の箇所。 

例 潤滑油の補給(給油ニップル,タンクなど),レバーの操作。 

4. 技術文書 

4.1 

潤滑指示図 工作機械の潤滑に関するすべての情報は,工作機械製造業者が作成する潤滑指示図に

記載することが望ましい。 

潤滑指示図は取扱説明書の一部としてもよい。 

4.2 

潤滑指示図に記載する技術データ 潤滑指示図には次の事項を記載する。 

B 6016-1 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2.1 

潤滑する機械構成要素の名称 

4.2.2 

すべての作業箇所の正確な配置 

4.2.3 

実行する作業の種類(点検,給油,清掃,潤滑油の交換,レバーの操作など) 

4.2.4 

使用する潤滑油のISO/TR 3498又は附属書2(規定)に従った名称及びタンクの容量 

4.2.5 

各作業箇所の点検が必要な工作機械の運転時間の間隔 

4.3 

潤滑指示図の表示 4.2に規定する事項は,線図,写真又は略図を使って示さなければならない。図

はできるだけ簡単にして,詳細に示すことによる誤解を避けるように注意しなければならない。図の写し

は機械にちょう(貼)付しなければならない。 

4.4 

潤滑指示図の様式 この規格の附属書1(規定)に潤滑指示図の例を示す。様式はこれに従わなけれ

ばならない。 

潤滑指示図に用いるすべての記号は,適用できるものはJIS B 6012-1による。 

なお,これに含まれていないものは附属書3(規定)によってもよい。 

4.5 

必要条件 4.2に規定する最小限の表示例を附属書1(規定)に示す。 

5. 機械にちょう(貼)付するデータ銘板 

5.1 

推奨する銘板 取付け可能な箇所には,4.の必要条件に従った1枚の銘板を,容易にはがれない方法

で機械に取り付けることが望ましい。 

使用者の選択によっては,各作業箇所に小さなデータ銘板を取り付けてもよい。 

5.2 個々の作業箇所に取り付ける小さなデータ銘板 この小さなデータ銘板を機械に取り付ける場合は,

作業箇所の近くに確実に固定し,他の作業箇所と混同しないように配置しなければならない。これには潤

滑仕様だけを示さなければならない。 

5.2.1 

銘板に示す技術データ 文字と数字は容易に読み取ることができなければならない。地は黄で,文

字は黒が望ましい。 

小さなデータ銘板には,次の事項を示すことが望ましい。 

5.2.1.1 

作業箇所の番号 

5.2.1.2 

実行する作業 JIS B 6012-1又は附属書3(規定)に従った記号 

5.2.1.3 

使用する潤滑油 ISO/TR 3498又は附属書2(規定)に従った記号 

5.2.1.4 

機械の運転時間 JIS B 6012-1に従った記号 

5.2.2 

小さなデータ銘板の形状及び寸法 小さなデータ銘板は,正方形であって,一辺が40mmの四角で

あることが望ましい。 

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B 6016-1 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2.3 

小さなデータ銘板 銘板の例を次に示す。 

注* 

寸法は例として示してある。 

6. 潤滑管理間隔 潤滑管理間隔は,機械の運転時間で工作機械製造業者が決める。使用者は,それに従

って,機械の特定の使用条件に対して適当な間隔を決めることが望ましい(例えば,毎日,毎週,毎月当

たり)。

background image

 
 

4

B

 6

0

1

6-

1

 : 

1

9

9

8

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定) 潤滑指示図の例(万能円筒研削盤の場合) 

この附属書1(規定)は,潤滑指示図の様式について規定するものであり,万能円筒研削盤の場合を示す。 

備考 機械構成要素は給油前に清掃すること。 

機械構成要素 

テーブル滑り面 

テーブ

ル移動

装置 

主軸台 

といし

送り 

装置 

といし軸 

といし

微小送

り装置 

心押台 

といし台滑り面 

内面 

研削軸 

油圧ユニット 

作業箇所番号 

10 

11 

12 

13 

14 

15 

16 

17 

18 

表示記号 

目 

点検 (h) 

操作 (h) 

給油 (h) 

200 

50 

200 

50 

1 000 

200 

200 

50 

清掃・交換 (h) 

2 000 

2 000 

交換 (h) 

2 000 

潤滑油名称 

G68 

CKB68 XBCEA2 CKB68 

FC10 

CKB68 

G68 

G68 

FC2 

HM68 

給油量 (l) 

0.3 

0.1 

0.3 

1.5 

0.1 

0.1 

0.2 

− 

タンク容量 (l) 

− 

− 

− 

10 

− 

− 

16 

− 

75 

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B 6016-1 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(規定) 工作機械用潤滑剤の種類 

この附属書2(規定)は,ISO/TR 3498 : 1986を元にした工作機械に使用する潤滑剤の種類について規定

する。 

なお,この附属書の内容は,旧JIS B 6016 : 1990と同一である。 

附属書2表1 工作機械用濁滑剤の種類 

名称 

用途 

特性 

記号 

備考 

参考 

動粘度 (mm2/s) 
(40℃のとき) 

中心値  最小値 

最大値 

歯車潤滑油 

中荷重密閉

歯車 

酸化安定性をも

つ精製鉱油 

 CKB 32  
 CKB 68  
CKB100 
CKB150 

32 
68 

100 
150 

28.8 
61.2 
90.0 

135 

35.2 
74.8 

110 
165 

高荷重密閉

歯車 

CKBタイプに極

圧性を付加した

精製鉱油 

CKC100 

 CKB150  

CKC220 

100 
150 
220 

90.0 

135 
198 

100 
165 
242 

 CKB320   

320 

288 

352 

CKC460 

460 

414 

506 

CKC680 

680 

612 

748 

軸受潤滑油 

主軸,軸受

及びクラ

ッチ 

酸化安定性及び

防せい性をもつ

精製鉱油 

FC 2 
FC 5 

FC10 
FC22 
FC32 

軸受には平軸受及び転がり軸受を含む。 

耐摩耗性を含まない油を必要とするクラ

ッチに使用する場合。 

軸受潤滑油は,ミスト用としても使用する

ことができる。 

2.2 
4.6 

10 
22 
32 

1.98 
4.14 
9.00 

19.8 
28.8 

2.42 
5.06 

11.0 

24.2 
35.2 

FCタイプに耐

摩耗性を付加し

た精製鉱油 

FD2 
FD5 

 FD10  
 FD22  

FD32 

2.2 
4.6 

10 
22 
32 

1.98 
4.14 
9.00 

19.8 
28.8 

2.42 
5.06 

11.0 

24.2 
35.2 

滑り面潤

滑油 

滑り面 

油性,付着性及

びスティックス

リップ防止性を

もつ精製鉱油 

G32 

 G68  

G100 
G150 

 G220  

G320 

親ねじ,送りねじ,カムなど間欠運動を

するクラッチや軽負荷ウォーム歯車の

ようなすべての滑り部品に使用できる。 

32 
68 

100 
150 
220 
320 

28.8 
61.2 
90.0 

135 
198 
288 

35.2 
74.8 

110 
165 
242 
352 

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B 6016-1 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2表1 工作機械用濁滑剤の種類(続き) 

名称 

用途 

特性 

記号 

備考 

参考 

動粘度 (mm2/s) 

(40℃のとき) 

中心値  最小値 

最大値 

 
油圧作動
油 

油圧装置 

酸化安定性及び

防せい性をもつ

精製鉱油 

HL32 
HL46 
HL68 

32 
46 
68 

28.8 
41.4 
61.2 

35.2 
50.6 
74.8 

HLタイプに耐

摩耗性を付加し

た精製鉱油 

HM15 
HM22 

 HM32  
 HM46  
 HM68  

15 
22 
32 
46 
68 

13.5 
19.8 
28.8 
41.4 
61.2 

16.5 
24.2 
35.2 
50.6 
74.8 

油圧,滑り

面兼用 

HMタイプにス

ティックスリッ

プ防止性を付加

した精製鉱油 

 HG32  
 HG68  

32 
68 

28.8 
61.2 

35.2 
74.8 

グリース 

− 

酸化安定性及び

防せい性をもつ

グリース 

 
 

XBCEA00 
XBCEA 0 
 XBCEA 1  
 XBCEA 2  
 XBCEA 3  

XBCEA00,XBCEA0及びXBCEA1:集

中潤滑 

XBCEA2及びXBCEA3:グリースガン及

びカップ潤滑 

グリースはリチウム系石けんグリース
が望ましい。 

ちょう度(25℃のとき) 

400〜430 
355〜385 
310〜340 
265〜295 
220〜250 

備考1. 記号欄の中で    付きのものは,ISO/TR 3498で工作機械用として推奨しているものである。また,点線

の下線を施してあるものは,ISO/TR 3498にはないものである。 

2. 記号の文字(アルファベット)に続く数値は,JIS K 2001に規定する粘度グレード (VG) による。グリース

の場合の数字は,アメリカ合衆国のNLGI (National Lubricating Grease Institute) のちょう度番号を示す。 

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B 6016-1 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3(規定) 潤滑指示図に用いる表示記号 

この附属書3(規定)は,附属書1の潤滑指示図に用いる表示記号について規定する。 

附属書3表1 潤滑指示図に用いる表示記号 

名称 

表示記号 

備考 

液面 

注 JIS B 6012-1 (ISO 369) 

給油 

注 JIS B 6012-1 (ISO 369) 

交換 

注 ISO 5169 

ドレーン抜き 

注 JIS B 6012-1 (ISO 369) 

圧力計 

注 JIS B 6012-1の附属書(規定) 

温度計 

注 JIS B 6012-1の附属書(規定) 

フィルタ 

・ エレメントの清掃又は交換 
・ フィルタの目詰まり状況の点検 

注 JIS B 6012-1の附属書(規定) 

フローサイト 

油窓式,歯車式,回転リング式,噴出方式など

の流量の点検 

潤滑油ポンプ 

手動ポンプのレバー及び押しボタンの操作 

注 JIS B 6012-1 (ISO 369) 

セパレータ 

マグネットセパレータの清掃 

時間 

管理作業の間隔 

注 JIS B 6012-1の附属書(規定) 

点検 

他の表示記号と組み合わせて使用 

B 6016-1 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

工作機械−潤滑指示図の表示方法JIS原案作成委員会 構成表 

整合化推進委員会 

氏名 

所属 

(委員長) 

伊 達 隆 夫 

東芝機械株式会社 

鈴 木 義 光 

株式会社牧野フライス製作所 

吉 田 嘉太郎 

千葉大学 

米 谷   周 

株式会社森精機製作所 

井 上 洋 一 

日立精機株式会社 

馬 場   修 

オークマ株式会社 

龍 江 義 孝 

工業技術院機械技術研究所 

光 岡 豊 一 

東京科学電子工業専門学校 

米 田 孝 夫 

豊田工機株式会社 

榎 本   稔 

豊田工機株式会社 

大 泉 忠 夫 

株式会社牧野フライス製作所 

本 間   清 

工業技術院標準部 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

岡 安 英 雄 

社団法人日本工作機械工業会 

八 賀 聡 一 

社団法人日本工作機械工業会 

大 槻 文 芳 

社団法人日本工作機械工業会 

機械関連分科会 

氏名 

所属 

(委員長) 

吉 田 嘉太郎 

千葉大学 

堤   正 臣 

東京農工大学 

上 野   滋 

機械振興協会技術研究所 

清 水 伸 二 

上智大学 

青 山 藤詞郎 

慶応義塾大学 

西 田 修 三 

元 社団法人日本工作機械工業会 

伊 沢 元 雄 

三井精機工業株式会社 

戸 川   悟 

日立精機株式会社 

山 内 政 行 

大阪機工株式会社 

槙 山 和 臣 

東芝機械株式会社 

米 谷   周 

株式会社森精機製作所 

丸 山 敏 男 

豊田工機株式会社 

水 野   脩 

株式会社カシフジ 

中 村 晋 哉 

日本精工株式会社 

竹 森 謙 三 

株式会社荏原製作所 

江 草 友 良 

NTN株式会社 

岡 田 直 人 

トヨタ自動車株式会社 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

高 橋   豊 

研究員 

武 野 仲 勝 

研究員 

(事務局) 

大 槻 文 芳 

社団法人日本工作機械工業会 

松 本   将 

社団法人日本工作機械工業会 

田 仁   哲 

社団法人日本工作機械工業会 

B 6016-1 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

潤滑通則WG 

氏名 

所属 

(委員長) 

井 沢 元 雄 

三井精機工業株式会社 

志 村 和 夫 

株式会社不二越 

和 田 義 彦 

日立精工株式会社 

貝 原 雅 明 

大阪機工株式会社 

根 津 正 宏 

株式会社昌運工作所 

植 村   悟 

豊田工機株式会社 

(事務局) 

田 仁   哲 

社団法人日本工作機械工業会 

大 槻 文 芳 

社団法人日本工作機械工業会