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B 0681-3:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 完全な仕様オペレータ ······································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 測得方法 ······················································································································ 3 

4.3 当てはめ演算方法(association method) ············································································ 6 

4.4 フィルタ処理(filtration) ······························································································· 6 

4.5 基準領域(definition area) ······························································································ 7 

5 一般情報························································································································· 7 

附属書A(参考)完全な仕様オペレータの決定手順 ···································································· 8 

附属書B(規定)JIS B 0681-2で規定したパラメータに対する属性の標準値 ····································· 9 

附属書C(規定)JIS B 0681-2で規定したパラメータで標準とする単位·········································· 10 

附属書D(参考)輪郭曲線方式における表面性状パラメータとの関係 ············································ 12 

附属書E(参考)GPSマトリックスモデル ··············································································· 14 

参考文献 ···························································································································· 16 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 17 

B 0681-3:2019  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 0681の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 0681-2 第2部:用語,定義及び表面性状パラメータ 

JIS B 0681-3 第3部:仕様オペレータ 

JIS B 0681-6 第6部:表面性状測定方法の分類 

日本工業規格          JIS 

B 0681-3:2019 

製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:三次元−

第3部:仕様オペレータ 

Geometrical product specifications (GPS)-Surface texture: Areal- 

Part 3: Specification operators 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたISO 25178-3を基とし,関連する他の日本工業規格との

整合を図るために,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

この規格は,製品の幾何特性仕様(GPS)の一つで,GPS基本規格に属し,表面性状規格チェーンのリ

ンク記号Cに関係する。この規格とGPSマトリックスモデル及び他のGPS規格との詳細な関係を,附属

書Eに示す。 

この規格は,完全な仕様オペレータの用語,概念及びパラメータを扱う。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

注記 リンク記号Cは,ISO/TR 14638:1995ではリンク番号3に対応している。 

適用範囲 

この規格は,三次元の方法による表面性状(表面性状曲面)の完全な仕様オペレータについて規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 25178-3:2012,Geometrical product specifications (GPS)−Surface texture: Areal−Part 3: 

Specification operators(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0635 製品の幾何特性仕様(GPS)−フィルタ処理−線形の輪郭曲面フィルタ:ガウシアンフィ

ルタ 

注記 対応国際規格:ISO 16610-61:2015,Geometrical product specification (GPS)−Filtration−Part 61: 

Linear areal filters−Gaussian filters(IDT) 

JIS B 0672-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−形体−第1部:一般用語及び定義 

注記1 

対応国際規格:ISO 14660-1:1999,Geometrical Product Specification (GPS)−Geometrical 

B 0681-3:2019  

features−Part 1: General terms and definitions(IDT) 

注記2 

ISO 14660-1:1999は廃止され,ISO 17450-1:2011に置き換えられた。 

JIS B 0681-2 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:三次元−第2部:用語,定義及び表面性状パ

ラメータ 

注記 対応国際規格:ISO 25178-2:2012,Geometrical product specifications (GPS)−Surface texture: 

Areal−Part 2: Terms, definitions and surface texture parameters(MOD) 

ISO 14406:2010,Geometrical product specifications (GPS)−Extraction 

ISO/TS 16610-1:2006,Geometrical product specifications (GPS)−Filtration−Part 1: Overview and basic 

concepts 

注記 ISO/TS 16610-1:2006は2015年に廃止され,代わりにISO 16610-1:2015,Geometrical product 

specifications (GPS)−Filtration−Part 1: Overview and basic conceptsが発行されている。 

ISO 17450-1:2011,Geometrical product specifications (GPS)−General concepts−Part 1: Model for 

geometrical specification and verification 

ISO 17450-2:2012,Geometrical product specifications (GPS)−General concepts−Part 2: Basic tenets, 

specifications, operators, uncertainties and ambiguities 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0672-1,ISO/TS 16610-1,ISO 14406,ISO 17450-1,ISO 

17450-2,及びJIS B 0681-2によるほか,次による。 

3.1 

横方向検出限界(lateral period limit) 

<光学>正弦波状の凹凸をもつ表面を光学的に測定した際に,測定によって得られる輪郭曲線の凹凸の振

幅が実際の振幅の50 %まで下がるときの正弦波の周期。 

注記 横方向検出限界は,被測定面とする正弦波状の輪郭の振幅の大きさ,その表面を測定する方法

など(例えば,プローブの大きさ,サンプリング間隔など)の影響を受けることに注意が必要

である。 

完全な仕様オペレータ 

4.1 

一般 

完全な仕様オペレータ(ISO 17450-2参照)は,曖昧さのない仕様のために必要な全ての演算(仕様オ

ペレータ)から成り,仕様が一義的に定まるような仕様オペレータ及びその順序が含まれる。その仕様は,

曖昧さのない順序での,曖昧さのない仕様演算の全集合から成る。三次元の表面性状に対して,その完全

な仕様オペレータは,表面の種類,測得方法及び形状誤差を除去するための当てはめ演算方法,並びに三

次元法による表面性状のフィルタ処理を定義する。 

長波長成分を含んだ解析を行う場合は,S-F曲面を指定する。それ以外は,S-L曲面を指定する。 

注記1 ここでの形状誤差は,球面,円筒面などの呼び形状を含む。 

注記2 この規格では,完全な仕様オペレータとは,標準値,標準の手法(default)などを定めたも

ので,必要に応じて独自の値及び手順に変更できる。ただし,変更した値などを明記する必

要がある。関連する図示方法は,ISO 25178-1:2016を参照する。 

注記3 長波長成分とは,輪郭曲線方式におけるうねり曲線に相当する。 

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4.2 

測得方法 

4.2.1 

評価領域(evaluation area) 

4.2.1.1 

一般 

評価領域は,被測定面上の長方形部分から成る。 

評価領域の方向は,仕様によって管理する。 

注記1 ネスティングインデックスが直交する2方向において同じである場合,評価領域の方向を管

理する必要はない。 

注記2 一般に,評価領域の方向は形状の影響を受ける。したがって,評価領域とする長方形の辺の

方向は,呼び形状(例えば,円筒の中心軸,長方形の平板の2辺など)に対して平行又は直

交にすることが望ましい。 

4.2.1.2 

S-F曲面(S-F surface) 

S-F曲面の場合,指定がない限り評価領域は正方形とする。 

F演算がフィルタ処理の場合,正方形である評価領域の辺の長さは,フィルタのネスティングインデッ

クスと同じ長さとする。 

F演算が当てはめ演算の場合,正方形である評価領域の辺の長さを,F演算のネスティングインデック

スとして代用する。F演算のネスティングインデックスとして選択したこの値を,その後の全ての処理に

使用する。 

F演算に対するネスティングインデックスは,通常,次の中から選択する。 

…,0.1 mm,0.2 mm,0.25 mm,0.5 mm,0.8 mm,1.0 mm,2.0 mm,2.5 mm,5.0 mm,8.0 mm,10 mm,

… 

注記1 フィルタ処理のF演算の一例としては,スプラインフィルタがある。当てはめ演算のF演算

の一例としては,呼び形状の最小二乗当てはめ(フィッティング)があり,この場合のネス

ティングインデックスは,フィルタ処理のカットオフ値に相当する値ではなく,評価領域の

辺の長さとなる。 

注記2 一般に,フィルタ処理としてのF演算のネスティングインデックスは,最も粗い構造のスケ

ールの5倍以上になるように選択する。 

4.2.1.3 

S-L曲面(S-L surface) 

S-L曲面の場合,指定がない限り評価領域はLフィルタのネスティングインデックスと同じ長さの辺を

もつ正方形とする。 

Lフィルタに対するネスティングインデックスは,通常,次の中から選択する。 

…,0.1 mm,0.2 mm,0.25 mm,0.5 mm,0.8 mm,1.0 mm,2.0 mm,2.5 mm,5.0 mm,8.0 mm,10 mm,

… 

注記 一般に,Lフィルタのネスティングインデックスは,最も粗い構造のスケールの5倍以上にな

るように選択する。 

4.2.2 

表面の種類(Type of surface) 

標準とする表面の種類は,表1及び表2に従ったF演算,又はLフィルタ,Sフィルタのネスティング

インデックス及び触針先端半径を用いた測定で得られる機械的な接触で検出する曲面(ISO 14406参照)

である。 

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表1−F演算又はLフィルタ及びSフィルタのネスティングインデックス並びに帯域幅比 

F演算又はLフィルタの 

ネスティングインデックス 

mm 

Sフィルタの 

ネスティングインデックス 

mm 

F演算又はLフィルタと 

Sフィルタのネスティング 

インデックスとの間の帯域幅比 

(概算値) 

… 

… 

… 

0.1 

0.001 

100:1 

0.000 5 

200:1 

0.000 2 

500:1 

0.000 1 

1 000:1 

0.2 

0.002 

100:1 

0.001 

200:1 

0.000 5 

400:1 

0.000 2 

1 000:1 

0.25 

0.002 5 

100:1 

0.000 8 

300:1 

0.000 25 

1 000:1 

0.5 

0.005 

100:1 

0.002 

250:1 

0.001 

500:1 

0.000 5 

1 000:1 

0.8 

0.008 

100:1 

0.002 5 

300:1 

0.000 8 

1 000:1 

0.01 

100:1 

0.005 

200:1 

0.002 

500:1 

0.001 

1 000:1 

0.02 

100:1 

0.01 

200:1 

0.005 

400:1 

0.002 

1 000:1 

2.5 

0.025 

100:1 

0.008 

300:1 

0.002 5 

1 000:1 

0.05 

100:1 

0.02 

250:1 

0.01 

500:1 

0.005 

1 000:1 

0.08 

100:1 

0.025 

300:1 

0.008 

1 000:1 

… 

… 

… 

4.2.3 

Sフィルタ 

4.2.3.1 

一般 

標準とするSフィルタは,ガウシアン輪郭曲面フィルタである。X軸方向又はY軸方向のSフィルタの

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ネスティングインデックス(カットオフ値)(ISO/TS 16610-1参照)は,通常,次の中から選択する。 

…,0.000 5 mm,0.000 8 mm,0.001 mm,0.002 mm,0.002 5 mm,0.005 mm,0.008 mm,0.01 mm,… 

4.2.3.2 

機械的な接触で検出する曲面に対するSフィルタの関連性 

機械的な接触で検出する曲面の場合,サンプリング間隔の最大値及び触針先端半径の最大値は,表2に

示すようにSフィルタのネスティングインデックスを基に算出する。 

表2−機械的な接触で検出する曲面に対するSフィルタのネスティングインデックス, 

サンプリング間隔及び触針先端半径 

Sフィルタの 

ネスティングインデックス 

mm 

サンプリング間隔の最大値 

mm 

触針先端半径の最大値 

mm 

… 

… 

… 

0.000 1 

0.000 02 

0.000 07 

0.000 2 

0.000 04 

0.000 14 

0.000 25 

0.000 05 

0.000 2 

0.000 5 

0.000 1 

0.000 35 

0.000 8 

0.000 15 

0.000 5 

0.001 

0.000 2 

0.000 7 

0.002 

0.000 4 

0.001 4 

0.002 5 

0.000 5 

0.002 

0.005 

0.001 

0.003 5 

0.008 

0.001 5 

0.005 

0.01 

0.002 

0.007 

0.02 

0.004 

0.014 

0.025 

0.005 

0.02 

0.05 

0.01 

0.035 

0.08 

0.015 

0.05 

0.1 

0.02 

0.07 

0.2 

0.04 

0.14 

0.25 

0.05 

0.2 

… 

… 

… 

注記1 Sフィルタのネスティングインデックスを基準として,サンプリング間隔の最大値は1/5,触

針先端半径の最大値は約1/1.4で算出する。これらの比率は,JIS B 0651:2001の表記内容と

一致する。 

注記2 表2のサンプリング間隔の最大値は理想的な値であり,対象とする表面と測定装置との組合

せによっては達成できない場合がある。 

4.2.3.3 

電磁波によって検出する曲面に対するSフィルタの関連性 

電磁波によって検出する曲面(光学的に検出する曲面)の場合,サンプリング間隔の最大値及び横方向

検出限界の最大値は,表3に示すようにSフィルタのネスティングインデックスを基に算出する。 

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表3−電磁波によって検出する曲面に対するSフィルタのネスティングインデックス, 

サンプリング間隔及び横方向検出限界 

Sフィルタのネスティング 

インデックスa) 

mm 

サンプリング間隔の最大値 

mm 

横方向検出限界の最大値 

mm 

… 

… 

… 

0.000 1 

0.000 03 

0.000 1 

0.000 2 

0.000 06 

0.000 2 

0.000 25 

0.000 08 

0.000 25 

0.000 5 

0.000 15 

0.000 5 

0.000 8 

0.000 25 

0.000 8 

0.001 

0.000 3 

0.001 

0.002 

0.000 6 

0.002 

0.002 5 

0.000 8 

0.002 5 

0.005 

0.001 5 

0.005 

0.008 

0.002 5 

0.008 

0.01 

0.003 

0.01 

0.02 

0.006 

0.02 

0.025 

0.008 

0.025 

0.05 

0.015 

0.05 

0.08 

0.025 

0.08 

0.1 

0.03 

0.1 

0.2 

0.06 

0.2 

0.25 

0.08 

0.25 

… 

… 

… 

注a) 曲面の検出に用いた電磁的(光学的)手法そのものがガウシアンフィルタとおおよそ等しい短波長

の通過帯域制限フィルタとして機能することがある。この場合は,デジタル演算で処理するSフィ
ルタの代わりに,横方向検出限界を短波長側のネスティングインデックスとして代用してもよい。 

注記1 Sフィルタのネスティングインデックスを基準として,サンプリング間隔の最大値はその

1/3,横方向検出限界の最大値は約1倍で算出する。 

注記2 表3のサンプリング間隔の最大値は理想的な値であり,対象とする表面と測定装置との組合

せによっては達成できない場合がある。 

4.3 

当てはめ演算方法(association method) 

当てはめ演算を必要とするF演算を適用する場合,標準とする当てはめ演算方法は,全最小二乗法(Total 

least squares)である。 

4.4 

フィルタ処理(filtration) 

4.4.1 

一般 

フィルタ処理の方法は,表面の種類(S-L曲面又はS-F曲面)によって異なる。 

S-L曲面に対しては,Lフィルタ及びF演算の両方を適用する。S-F曲面に対しては,F演算だけを適用

する。 

注記 Lフィルタが形状除去を兼ねる場合は,S-L曲面を得るためのF演算は省略できる。 

4.4.2 

F演算 

形状成分は,呼び形状と同じ種類の形体の当てはめ演算を用いて除去しなければならない。 

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注記1 標準とする当てはめ演算処理の中では,形体のサイズは変数として扱う。 

注記2 標準以外の形状除去方法として,ISO 16610規格群のフィルタ処理方法が使用できる。これ

ら全てのフィルタ処理方法のマスタープランに関しては,ISO/TS 16610-1を参照。 

4.4.3 

Lフィルタ 

標準とするLフィルタは,ガウシアン輪郭曲面フィルタである(JIS B 0635参照)。X軸方向又はY軸

方向のネスティングインデックスは,S-L曲面の仕様において必ず必要である。 

4.5 

基準領域(definition area) 

4.5.1 

S-L曲面 

標準とするS-L曲面の基準領域は,評価領域と同じサイズの正方形である。 

4.5.2 

S-F曲面 

標準とするS-F曲面の基準領域は,評価領域と同じサイズの正方形である。 

一般情報 

完全な仕様オペレータの決定手順を附属書Aに示す。指定のない場合,適用するJIS B 0681-2のパラメ

ータの属性の標準値は,附属書Bに示す。指定のない場合,使用するJIS B 0681-2のパラメータの標準と

する単位は,附属書Cに示す。輪郭曲線方式の表面性状パラメータとの関係は,附属書Dに示す。GPS

マトリックスモデルは,附属書Eに示す。 

注記 仕様オペレータは,この規格で記載している標準値ではなく,達成したい表面機能と相関が得

られるような仕様オペレータを用いることができる。 

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附属書A 

(参考) 

完全な仕様オペレータの決定手順 

図A.1−完全な仕様オペレータの決定手順 

注記 GPSオペレーションに対して属性値が決定する順序は,GPSオペレーションを実行する順序と

は連動しない。 

表3   電磁波によって検出する曲面 
 

属性 

値 

サンプリング間隔 

Sフィルタのネスティング 

の最大値 

インデックスから決定 

 
横方向検出限界 

Sフィルタのネスティング 

の最大値 

インデックスから決定 

長波長成分をLフ
ィルタによって遮
断するか 

S-F曲面を使用する 

S-L曲面を使用する 

評価領域 
 

属性 

値 

方向 

仕様によって指定 

 
 

形状 

長方形,標準は正方形 

 
 

標準のサイズ 

S-F曲面:F演算のネスティングインデックス 

S-L曲面:Lフィルタのネスティングインデックス 

表1 

属性 

値 

Sフィルタの類別 

標準はガウシアンフィルタ 

 
 

Sフィルタ 

ユーザが指定 

 
 

ネスティングインデックス帯域幅比 

表1に記載 

表面の 

種類 

表2   機械的な接触で検出する曲面 

属性 

値 

サンプリング間隔 

Sフィルタのネスティング 

の最大値 

インデックスから決定 

触針先端半径 

Sフィルタのネスティング 

の最大値 

インデックスから決定 

開始 

機械的な接触で検出する曲面(標準) 

電磁波によって検出する曲面 

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附属書B 

(規定) 

JIS B 0681-2で規定したパラメータに対する属性の標準値 

B.1 

領域のパラメータ 

B.1.1 空間パラメータ 

JIS B 0681-2の箇条 

パラメータ 

(略語) 

属性 

標準値 

4.2.1 

Sal 

指定値s(0≦s<1)まで減衰する最短距離 

s=0.2 

4.2.2 

Str 

指定値s(0≦s<1)まで減衰する最短距離と
最長距離との比 

s=0.2 

B.1.2 機能と関連するパラメータ 

JIS B 0681-2の箇条 

パラメータ 

(略語) 

属性 

標準値 

4.4.5.1 

Vvv 

負荷面積率pにおける,谷間の体積 

p: 80 % 

4.4.5.2 

Vvc 

負荷面積率pとqとにおける,空間体積の差 p: 10 % 

q: 80 % 

4.4.6.1 

Vmp 

負荷面積率pにおける,実体体積 

p: 10 % 

4.4.6.2 

Vmc 

負荷面積率pとqとの,実体体積の差 

p: 10 % 
q: 80 % 

4.4.7 

Sxp 

負荷面積率pとqとに一致する,高さ方向の
切断レベルの差 

p: 2.5 % 
q: 50 % 

background image

10 

B 0681-3:2019  

附属書C 
(規定) 

JIS B 0681-2で規定したパラメータで標準とする単位 

C.1 領域のパラメータ 

C.1.1 高さ方向のパラメータ 

JIS B 0681-2の箇条 

パラメータ 

(略語) 

標準とする単位 

4.1.1 

Sq 

μm 

4.1.2 

Ssk 

無次元 

4.1.3 

Sku 

無次元 

4.1.4 

Sp 

μm 

4.1.5 

Sv 

μm 

4.1.6 

Sz 

μm 

4.1.7 

Sa 

μm 

C.1.2 空間パラメータ 

JIS B 0681-2の箇条 

パラメータ 

(略語) 

標準とする単位 

4.2.1 

Sal 

μm 

4.2.2 

Str 

無次元 

4.5.1 

Std 

度(°) 

C.1.3 複合パラメータ 

JIS B 0681-2の箇条 

パラメータ 

(略語) 

標準とする単位 

4.3.1 

Sdq 

無次元 

4.3.2 

Sdr 

C.1.4 機能と関連するパラメータ 

JIS B 0681-2の箇条 

パラメータ 

(略語) 

標準とする単位 

4.4.2 

Smr(c) 

4.4.3 

Smc(mr) 

μm 

4.4.4.2 

Sk 

μm 

4.4.4.3 

Spk 

μm 

4.4.4.4 

Svk 

μm 

4.4.4.5 

Smr1 

4.4.4.6 

Smr2 

4.4.4.8 

Svq 

μm 

4.4.4.9 

Spq 

μm 

4.4.4.10 

Smq 

μm 

4.4.7 

Sxp 

μm 

background image

11 

B 0681-3:2019  

C.1.5 空間パラメータ及び実体体積パラメータ 

JIS B 0681-2の箇条 

パラメータ 

(略語) 

標準とする単位a) 

4.4.5 

Vv(p) 

mL/m2 

4.4.5.1 

Vvv 

mL/m2 

4.4.5.2 

Vvc 

mL/m2 

4.4.6 

Vm(p) 

mL/m2 

4.4.6.1 

Vmp 

mL/m2 

4.4.6.2 

Vmc 

mL/m2 

注a) オイルは通常リットル(L)で指定し,1平方メートル(m2)の

オイル量は,ほぼ1ミリリットル(mL)程度のため,単位mL/m2
を使用する。 

12 

B 0681-3:2019  

附属書D 
(参考) 

輪郭曲線方式における表面性状パラメータとの関係 

D.1 一般 

表面性状は長年にわたり輪郭曲線から定義してきた。これは当初,輪郭形状測定機だけが利用可能であ

ったという技術面での制約に起因している1)。技術は進歩し,表面凹凸形状を三次元的に測定する三次元

方式の測定機が広く利用できるようになった。このことが輪郭曲線方式から三次元方式へのパラダイムシ

フトを導き2),一連の三次元方式の規格の発展へとつながった。 

輪郭曲線パラメータは,使用の歴史が長く,知識が蓄積され輪郭曲線方式はよく知られるようになった。

三次元パラメータの導入によって,必然的に,表面性状の輪郭曲線パラメータ値と三次元パラメータ値と

を比較するに至った。この附属書は,輪郭曲線パラメータ,三次元パラメータ及びそれらの値に関して,

その関係性及び相違性について,助言及び指針を示す。 

注1) 参考文献[5]参照。 

2) 参考文献[6]及び[7]参照。 

D.2 フィルタ処理(filtration) 

輪郭曲線方式と三次元方式との最大の相違は,使用するフィルタ処理にある。S-L曲面又はS-F曲面か

ら求めた輪郭曲線は,輪郭曲線方式による一連の規格に従って測定した輪郭曲線と数学的に同等ではない。

後者は輪郭曲線フィルタ(測定物の筋目に直交する方向だけのフィルタ処理)を使用し,前者は輪郭曲面

フィルタ(測定物の筋目方向とは無関係に,X軸及びY軸の両方向にフィルタ処理する)を使用するが,

フィルタの種類及びカットオフ又はネスティングインデックスが同じでも大きく異なる結果となる場合が

ある。 

実用上は,輪郭曲線フィルタ及び輪郭曲面フィルタを用いても非常によく似た曲面となり得るが,注意

が必要である。ユーザは,調査対象とする表面に対して適用する,輪郭曲線フィルタと輪郭曲面フィルタ

との間の類似点及び相違点について正しく理解しなければならない。これらのフィルタの相違点によって,

一部の形状,スケールなどへの影響が異なる場合があり,結果を比較するときに問題が生じることがある。 

それらの相違を最小限にするために,次の事項を推奨する。 

− 被測定面上の長方形の方向は,表面の節目の方向に合わせる。 

− 輪郭曲線方式による表面性状の一連の規格の標準とするカットオフ値によるガウシアンフィルタを使

用する。すなわち,次の中から選択する。 

...,0.08 mm,0.25 mm,0.8 mm,2.5 mm,8.0 mm,... 

− 必要に応じて,輪郭曲線方式による表面性状の一連の規格の中で与えられる,他の標準とする設定(触

針先端半径,サンプリング間隔など)を使用する。 

− 被測定面の形状を横断する方向の長方形の長さは,カットオフ値の5倍以上とする。 

D.3 留意事項 

三次元パラメータと同等の輪郭曲線パラメータがある場合だけ,両者が比較対象となる。例えば,輪郭

曲面の二乗平均平方根高さ(Sq)は,輪郭曲線の二乗平均平方根高さ(Rq)と比較できるが,テクスチャ

13 

B 0681-3:2019  

のアスペクト比(Str)は,輪郭曲線パラメータに同等のものがないため,いかなる輪郭曲線パラメータと

も比較できない。 

輪郭曲面の極値を評価する表面性状パラメータ[例えば,輪郭曲面の最大山高さ(Sp),輪郭曲面の最

大谷深さ(Sv),輪郭曲面の最大高さ(Sz)など]は,輪郭曲線上での“山頂”及び“谷底”が輪郭曲面

山頂及び/又は輪郭曲面谷底から離れている側面部分となることがほとんどであり,真の極値とはならな

いため,同等の輪郭曲線パラメータよりも三次元パラメータの方が大きな測定値になる傾向がある。 

輪郭曲線方式における公差の仕様と比較する際に,同等の三次元パラメータの測定値を使用することは

推奨しない。通常,同等の輪郭曲線パラメータの測定値と三次元パラメータの測定値とは相関性があるが,

上記の理由によって,絶対的な意味で直接比較することはできない。 

ほとんどの表面性状輪郭曲線測定機は,スタイラス(接触)式に基づいており,また,ほとんどの三次

元表面性状測定機は,非接触式に基づくといっても過言ではない。輪郭曲面を測定する方法が上記のよう

に相違すれば,輪郭曲線方式の測定値が三次元方式の測定値と異なるという結果を生む。 

14 

B 0681-3:2019  

附属書E 

(参考) 

GPSマトリックスモデル 

E.1 

一般 

GPSマトリックスモデルの詳細は,ISO/TR 14638:1995を参照。 

ISO/TR 14638:1995に示すISO/GPSマスタープランは,この規格もその一部となっているISO/GPSシス

テムの概要を示す。ISO 8015に示すISO/GPSの基本的な規則をこの規格に適用し,また,JIS B 0641-1に

示す決定規則を,指示ががない限り,この規格に沿って作成した仕様に適用する。 

注記 ISO/TR 14638:1995は廃止され,ISO 14638:2015として発行されている。 

E.2 

規格及びその利用についての情報 

この規格は,三次元の方法によって表面性状(表面性状曲面)を決定する完全な仕様オペレータを規定

する。 

E.3 

GPSマトリックスモデルにおける位置付け 

この規格は,図E.1に示すGPSマトリックスの三次元表面性状規格に関するチェーンのリンク記号Cに

関わる基本規格である。 

注記 リンク記号Cは,ISO/TR 14638:1995ではリンク番号3に対応している。 

background image

15 

B 0681-3:2019  

GPS原理 

規格 

GPS共通規格 

GPS基本規格 

リンク記号 

サイズ 

距離 

半径 

角度 

データムに無関係な線の形状 

データムに関係する線の形状 

データムに無関係な面の形状 

データムに関係する面の形状 

姿勢 

位置 

円周振れ 

全振れ 

データム 

粗さ曲線 

うねり曲線 

断面曲線 

三次元表面性状 

表面欠陥 

エッジ 

リンク記号 
A:記号及び指示法 
B:形体に対する要求事項 
C:形体の性質 
D:適合及び不適合 
E:測定 
F:測定機器 
G:校正 

図E.1−GPSマトリックスモデルにおける位置付け 

E.4 

関連規格 

関連する国際規格又は日本工業規格は,図E.1に示す規格チェーンの全ての規格である。 

16 

B 0681-3:2019  

参考文献 

[1] JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性 

注記 対応国際規格:ISO 3274:1996,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile 

method−Nominal characteristics of contact (stylus) instruments 

[2] ISO 8015,Geometrical product specifications (GPS)−Fundamentals−Concepts, principles and rules 

[3] JIS B 0641-1:2001 製品の幾何特性仕様(GPS)−製品及び測定装置の測定による検査−第1部:仕

様に対する合否判定基準 

注記1 対応国際規格:ISO 14253-1:1998,Geometrical Product Specifications (GPS)−Inspection by 

measurement of workpieces and measuring equipment−Part 1: Decision rules for proving 

conformance or non-conformance with specifications 

注記2 ISO 14253-1:1998は廃止され,ISO 14253-1:2017,Geometrical product specifications (GPS)

−Inspection by measurement of workpieces and measuring equipment−Part 1: Decision rules for 

verifying conformity or nonconformity with specificationsに置き換えられた。 

[4] ISO/TR 14638:1995,Geometrical product specification (GPS)−Masterplan 

注記 ISO/TR 14638:1995は2015年に廃止され,代わりにISO 14638:2015,Geometrical product 

specifications (GPS)−Matrix modelが発行されている。 

[5] Blunt, L. and Jiang, X. Advanced techniques for assessment surface topography−Development of a basis for 

the 3D Surface Texture Standards “SURFSTAND”, Kogan Page Science, 2003, ISBN 1903996112 

[6] Jiang, X., Scott, P.J. et al. Paradigm shifts in surface metrology. Part I. Historical philosophy. Proc. R. Soc. 

London A, 463, 2007, pp. 2049-2070 

[7] Jiang, X., Scott, P.J. et al. Paradigm shifts in surface metrology. Part II. The current shift. Proc. R. Soc. London 

A, 463, 2007, pp. 2071-2099 

[8] ISO 25178-1:2016,Geometrical product specifications (GPS)−Surface texture: Areal−Part 1: Indication of 

surface texture 

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17 

B 0681-3:2019  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS B 0681-3:2019 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:三次元−第3部:
仕様オペレータ 

ISO 25178-3:2012,Geometrical product specifications (GPS)−Surface texture : Areal−
Part 3: Specification operators 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

2 引用規格 

− 

ISO 16610-21 

変更 

ISO 16610-21をISO 16610-61に変
更した。 

対応国際規格の誤記のため。国際
会議等で修正を提案する。 

附属書B
(規定) 

− 

B.1.2 

SRC 

削除 

SRCパラメータに対する属性の標
準値の行を削除した。 

該当パラメータはJIS B 0681-2に
おいて規定されていないため。 

− 

B.2 

Named feature parameters 削除 

B.2全体を削除した。 

該当パラメータはJIS B 0681-2に
おいて規定されていないため。 

附属書C
(規定) 

− 

C.1.3 

Sdqパラメータの標準
とする単位“radians” 

変更 

“radians”を“無次元”に変更した。 JIS B 0681-2に記載されたSdqパ

ラメータの定義式から導かれる値
は“無次元”であり,“radians”は
誤記。国際会議等で修正を提案す
る。 

− 

C.1.4 

4.4.3 Sdc(mr) 

変更 

パラメータ表記をSmc(mr)に変更
した。 

対応国際規格の誤記のため。国際
会議等で修正を提案する。 

− 

C.1.6 

Other parameters 

削除 

C.1.6全体を削除した。 

該当パラメータはJIS B 0681-2に
おいて規定されていないため。 

− 

C.2 

Feature parameters 

削除 

C.2全体を削除した。 

該当パラメータはJIS B 0681-2に
おいて規定されていないため。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 25178-3:2012,MOD 

3

B

 0

6

8

1

-3

2

0

1

9

background image

18 

B 0681-3:2019  

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

3

B

 0

6

8

1

-3

2

0

1

9