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B 0671-2 : 2002 (ISO 13565-2 : 1996) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準

原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大

臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 13565-2 : 1996,Geometrical Product 

Specifications (GPS) −Surface texture : Profile method ; Surfaces having stratified functional properties−Part 2 : 

Height characterization using the linear material ratio curveを基礎として用いた。 

JIS B 0671-2には,次に示す附属書がある。 

附属書A(参考) GPSマトリックス 

附属書B(参考) 参考文献 

JIS B 0671の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 0671-1 第1部:フィルタ処理及び測定条件 

JIS B 0671-2 第2部:線形表現の負荷曲線による高さの特性評価 

JIS B 0671-3 第3部:正規確率紙上の負荷曲線による高さの特性評価

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 0671-2 : 2002 

(ISO 13565-2 : 1996) 

製品の幾何特性仕様 (GPS)  

−表面性状:輪郭曲線方式; 

プラトー構造表面の特性評価− 

第2部:線形表現の負荷曲線による高さの特性評価 

Geometrical Product Specification (GPS) −Surface texture : Profile 

method ; 

Surfaces having stratified functional properties− 

Part 2 : Height characterization using the linear material ratio curve 

序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 13565-2,Geometrical Product Specification (GPS) 

−Surface texture : Profile method ; Surfaces having stratified functional properties−Part 2 : Height characterization 

using the linear material ratio curveを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本

工業規格である。 

この規格は,製品の幾何特性仕様 (GPS) の一つで,GPS基本規格に属し(TR B 0007参照),粗さ曲線の

規格チェーンのリンク番号2に関係している。 

この規格と他のGPS規格との関連についての詳細は,附属書Aを参照する。 

この規格は,線形表現の負荷曲線によって,谷部分を除去するプロセスを経て求めたJIS B 0671-1で定義

の粗さ曲線を評価するためのパラメータについて規定する。この規格では,3層構造表面モデルによって,

突出山部,コア部及び突出谷部を評価する。 

なお,この規格の中で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

備考 TR B 0007は,ISO/TR 14638 : 1995 Geometrical Product Specifications (GPS) −Master planと一

致している。 

参考 “3層構造表面モデル”とは,輪郭曲線が,高さ方向に“突出山部”,“コア部”及び“突出谷

部”の三つの独立な不規則波形成分からなるとする輪郭曲線モデルをいう。 

1. 適用範囲 この規格は,粗さ曲線において,深くなればなるほど実体部分が増えることを表す負荷曲

線[アボット (Abbott) の負荷曲線ともいう。]の線形表現を用いてパラメータを決定する方法について規

定する。これらのパラメータが,機械的に強く接触した表面の挙動を評価するための支援になることが意

図されている。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

B 0671-2 : 2002 (ISO 13565-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 13565-2 : 1996 Geometrical product Specifications (GPS) −Surface texture : Profile method ; 

Surfaces having stratified functional properties−Part 2 : Height characterization using the linear 

material ratio curve (IDT)  

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載年の版だけがこの規格の規定を構成

するものであって,その後の改正版・追補は適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新

版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0601 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ 

備考 ISO 4287 : 1997 Geometrical Product Specifications (GPS) −Surface texture : Profile method−

Terms, definitions and surface texture parametersが,この規格と一致している。 

JIS B 0671-1 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式;プラトー構造表面の特性評価

−第1部:フィルタ処理及び測定条件 

備考 ISO 13565-1 : 1996 Geometrical Product Specifications (GPS) −Surface texture : Profile 

method ; Surfaces having stratified functional properties−Part 1 : Filtering and general 

measurement conditionsが,この規格と一致している。 

ISO 1302 : 1992 Technical drawings−Method of indicating surface texture 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0601の3.1(一般用語)及び次による。 

3.1 

粗さ曲線のコア部 (roughness core profile)  高い突出山部及び深い突出谷部を粗さ曲線から取り除

いた曲線(図1参照)。 

3.1.1 

コア部のレベル差 (core roughness depth) Rk 粗さ曲線のコア部の上側レベルと下側レベルとの差

(図1参照)。 

3.1.2 

コア部の負荷長さ率 (material portion) Mr1 突出山部と粗さ曲線のコア部とを分離する直線が負荷

曲線と交わる点のパーセント単位の負荷長さ率。 

3.1.3 

コア部の負荷長さ率 (material portion) Mr2 突出谷部と粗さ曲線のコア部とを分離する直線が負荷

曲線と交わる点のパーセント表示の負荷長さ率。 

3.2 

突出山部高さ (reduced peak height) Rpk 粗さ曲線のコア部の上にある突出山部の平均高さ。 

備考 4.で述べる平均化の処理は,このパラメータに及ぼす異常に高い突起の影響を減らす。 

参考 コア部から上に突出した部分を“突出山部”といい,JIS B 0601の“山”の定義と区別する。 

3.3 

突出谷部深さ (reduced valley depth) Rvk 粗さ曲線のコア部の下にある突出谷部の平均探さ。 

備考 4.で述べる平均化の処理は,このパラメータに及ぼす異常に深い谷底の影響を減らす。 

参考 コア部から下にくぼんだ部分を“突出谷部”といい,JIS B 0601の“谷”の定義及びJIS B 0671-1

で用いている用語“谷部分”と区別する。 

4. パラメータの決定法 

4.1 

粗さ曲線 この規格におけるパラメータを決めるための粗さ曲線は,JIS B 0671-1に従って求めなけ

ればならない。 

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B 0671-2 : 2002 (ISO 13565-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

パラメータRk,Mr1及びMr2の計算 4.3によって計算される等価直線(負荷曲線の中央部分に等

価な直線をいう。)は,横軸のMr=0%及びMr=100%の位置で縦軸と交わる(図1参照)。これらの交わ

った点から横軸に平行に,突出山部及び突出谷部を分離して粗さ曲線のコア部を決めるための2本の直線

を引く。 

図1 Rk,Mr1及びMr2の求め方 

この2本の直線の縦方向間隔が,粗さ曲線のコア部のレベル差Rkである。この2本の直線と負荷曲線

との交点の横座標値が,コア部の負荷長さ率Mr1及びMr2である。 

4.3 

等価直線の求め方 等価直線は,粗さ曲線の測定点の40%を含む負荷曲線の中央部分において求め

る。この“中央部分”は,負荷長さ率の差∆Mrを40%にして引いた負荷曲線の割線(かっせん)が,最も

緩い傾斜となる位置にある(図1参照)。これは,図1のように,Mr=0%から負荷曲線に浴って∆Mr=40%

となる割線を移動させることによって決める。最も緩い傾斜となる∆Mr=40%の割線が,等価直線を計算

するための負荷曲線の“中央部分”となる。量も緩い傾斜をもつ部分が複数ある場合には,最初に見付け

た領域が,使用する“中央部分”となる。“中央部分”に対して,縦軸方向の偏差の二乗和が最小になる直

線(等価直線)を計算する。 

備考 負荷曲線が有効であるためには,粗さ曲線の縦軸方向量子化のステップ間隔は,“中央部分”で

少なくとも10ステップになるように十分小さくなければならない。測定システムの分解能には

限界があるので,非常に微細に仕上げられた表面又は理想に近いプラトー面をもつ表面では,

ステップ間隔を細かくしても意味がない。この場合には,等価直線の計算に用いた“中央部分”

の量子化のステップ数を測定結果に記述しなければならない。 

参考 “割線”とは,曲線に2点以上で交わる直線をいう。割線上の2交点における負荷長さ率の差

が,“負荷長さ率の差∆Mr”である。 

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B 0671-2 : 2002 (ISO 13565-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.4 

Rpk及びRvkの求め方 Rkで表されるコア部の上側の負荷曲線及び下側の負荷曲線に囲まれた面積

を,図1にハッチングで示す。これらは,粗さ曲線のコア部の外側にある突出山部の断面積及び突出谷部

の断面積に等しい。 

パラメータRpk及びRvkは,それぞれ“突出山部の断面積”又は“突出谷部の断面積”に等しくなる直

角三角形の高さによって与えられる(図2参照)。“突出山部の断面積A1”に相当する直角三角形の底辺は

Mr1であり,“突出谷部の断面積A2”に相当する直角三角形の底辺はMr2と100%との差である。 

備考 この規格で定義するパラメータが求められるのは,図1及び図2のように負荷曲線が“S”字

状で,変曲点が1点の場合だけである。経験上,このような性質は,ラップ加工面,研削加工

面及びホーニング加工面によく見られる。 

図2 Rpk及びRvkの求め方 

5. パラメータの図面指示方法 この規格によるパラメータは,ISO 1302に従って図面指示しなければな

らない。 

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B 0671-2 : 2002 (ISO 13565-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(参考) GPSマトリックス 

GPSマトリックスの詳細は,TR B 0007製品の幾何特性仕様 (GPS) −マスタープランを参照する。 

A.1 規格及びその利用についての情報 この規格は,線形表現の負荷曲線によって,JIS B 0671-1で定義

された谷部分消去のプロセスを経て求めた粗さ曲線を評価するためのパラメータについて規定する。これ

は,粗さ曲線の突出部,コア部及び突出谷部をそれぞれ評価する3層構造表面モデルに基づいている。 

パラメータが,機械的に強く接触した表面の挙動を評価するための支援になることが意図されている。 

これらのパラメータのための粗さ曲線は,JIS B 0671-1に従って求めなければならない。 

A.2 GPSマトリックスにおける位置付け この規格は,図A.1に示す粗さ曲線の規格チェーンのリンク番

号2に関係する基本規格である。 

A.3 関連規格 関連規格は,図A.1に示す規格チェーンに含まれる規格である。 

GPS

原理 
規格 

GPS共通規格 

  

GPS基本規格マトリックス 

リンク番号 

 サイズ 

 距離 

 半径 

 角度 

 データムに無関係な線の形状  

 データムに関係する線の形状  

 データムに無関係な面の形状  

 データムに関係する面の形状  

 姿勢 

 位置 

 円周振れ 

 全振れ 

 データム 

 粗さ曲線 

 うねり曲線 

 断面曲線 

 表面欠陥 

 エッジ 

図A.1 

B 0671-2 : 2002 (ISO 13565-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B(参考) 参考文献 

1. JIS B 0631 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−モチーフパラメータ 

備考 ISO 12085 : 1996 Geometrical Product Specifications (GPS) −Surface texture : Profile method−

Motif parametersが,この規格と一致している。 

2. JIS B 0632 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−位相補償フィルタの特性 

備考 ISO 11562 : 1996 Geometrical Product Specifications (GPS) −Surface texture : Profile method−

Metrological characteristics of phase correct filtersが,この規格と一致している。 

3. JIS B 0633 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−表面性状評価の方式及び手順 

備考 ISO 4288 : 1996 Geometrical Product Specifications (GPS) −Surface texture : Profile method−

Rules and procedures for the assessment of surface textureが,この規格と一致している。 

4. JIS B 0651 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性 

備考 ISO 3274 : 1996 Geometrical Product Specifications (GPS) −Surface texture : Profile method−

Nominal characteristics of stylus (contact) instrumentsが,この規格と一致している 

5. TR B 0007 製品の幾何特性仕様 (GPS) −マスタープラン 

備考 ISO/TR 14638 : 1995 Geometrical Product Specifications (GPS) −Master planが,この規格と一致

している。 

6. VIM−International vocabulary of basic and general terms in metrology, BIPM, IEC, IFCC, ISO, IUPAC, 

IUPAP, OIML, 2nd edition, 1993.  

粗さ関係JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

* 塚 田 忠 夫 

明治大学理工学部 

(幹事) 

◎ 谷 村 吉 久 

経済産業省産業技術総合研究所計量研究所 

(委員) 

穐 山 貞 治 

経済産業省産業技術環境局 

* 荒 井 正 敏 

株式会社東京精密 

* 加 納 孝 文 

株式会社ミツトヨ 

* 桑 田 浩 志 

有限会社桑田設計標準化研究所 

* 坂 野 憲 幾 

経済産業省産業技術総合研究所計量研究所 

* 笹 島 和 幸 

東京工業大学情報理工学研究科 

佐 藤   隆 

株式会社東芝 

野 口 昭 治 

日本精工株式会社 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

太 箸 孝 善 

石川島播磨重工業株式会社 

* 宮 下   勤 

テーラーホブソン株式会社 

* 宮 本 紘 三 

株式会社小坂研究所 

* 柳   和 久 

長岡技術科学大学 

(事務局) 

杉 田 光 弘 

財団法人日本規格協会技術部 

増 森 かおる 

財団法人日本規格協会技術部 

備考 ◎印はWG主査,*印はWG委員兼務を示す。 

(文責 塚田 忠夫) 

B 0671-2 : 2002 (ISO 13565-2 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業標準調査会標準部会 機械要素技術専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

大 園 成 夫 

東京電機大学工学部精密機械工学科 

(委員) 

加 藤 伸 一 

社団法人自動車技術会 

川 口 俊 充 

日本工具工業会 

黒 澤 富 蔵 

産業技術総合研究所 

桑 田 浩 志 

有限会社桑田設計標準化研究所 

清 水 雄 輔 

社団法人日本バルブ工業会 

庄 野 敏 臣 

社団法人日本工作機械工業会 

筒 井 康 賢 

産業技術総合研究所 

真 弓   透 

社団法人日本ベアリング工業会 

丸 山 一 男 

工学院大学機械工学科 

望 月 正 紀 

社団法人日本ねじ工業協会