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A 5528:2012 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類及び記号 ··················································································································· 1 

4 化学成分························································································································· 1 

5 機械的性質 ······················································································································ 2 

5.1 降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び··················································································· 2 

5.2 直線形鋼矢板の継手引張強度 ··························································································· 2 

6 形状,寸法の許容差及び単位質量 ························································································ 2 

7 外観······························································································································· 2 

8 試験······························································································································· 4 

8.1 分析試験 ······················································································································ 4 

8.2 機械試験 ······················································································································ 4 

8.3 直線形鋼矢板の継手引張試験 ··························································································· 5 

9 検査······························································································································· 6 

10 再検査 ·························································································································· 6 

11 表示 ····························································································································· 6 

12 報告 ····························································································································· 6 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS A 5528:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成25年6月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS A 5528:2006によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格に従うことは,ハット形に関して,次に示す特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留

意する。 

(特許番号) 

(発明の名称) 

(設定登録日) 

1) 第2689794 熱間圧延による非対称U型鋼矢板 

1997年8月29日 

2) 第2964933 地下構造体,非対称U型鋼矢板及び非対称U型鋼矢板の打設方法 1999年8月13日 

3) 第3173389 非対称U型鋼矢板とその熱間圧延方法 

2001年3月30日 

4) 第3458109 ハット型鋼矢板 

2003年8月1日 

5) 第3488230 圧延鋼矢板 

2003年10月31日 

6) 第3488232 圧延鋼矢板 

2003年10月31日 

7) 第3488233 ハット型鋼矢板 

2003年10月31日 

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。 

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。 

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。 

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 5528:2012 

熱間圧延鋼矢板 

Hot rolled steel sheet piles 

序文 

この規格は,1967年に制定され,その後,今回の改正を含めて5回の改正を経て今日に至っている。前

回の改正では,ハット形の形状追加を行ったが,その後,機械的性質の規定値改正などの必要性が高まっ

たため改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,土留め,締切り,構造物の基礎などに使用する熱間圧延鋼矢板(以下,鋼矢板という。)に

ついて規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法 

JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件 

JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書 

JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差 

JIS Z 2241 金属材料引張試験方法 

種類及び記号 

鋼矢板の種類は,2種類とし,その記号は,表1による。 

表1−種類の記号 

種類の記号 

SY295 

SY390 

化学成分 

鋼矢板は,8.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。 

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表2−化学成分 

単位 % 

種類の記号 

SY295 

0.040以下 

0.040以下 

SY390 

0.040以下 

0.040以下 

必要に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。 

機械的性質 

5.1 

降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び 

鋼矢板は,8.2によって引張試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ及び伸びは,表3による。 

表3−降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び 

種類の記号 

降伏点又は耐力 

N/mm2 

引張強さ 

N/mm2 

試験片 

伸び 

SY295 

295以上 

450以上 

1A号 

18以上 

14B号 

24以上 

SY390 

390以上 

490以上 

1A号 

16以上 

14B号 

20以上 

注記 1 N/mm2=1 MPa 

5.2 

直線形鋼矢板の継手引張強度 

直線形鋼矢板は8.3の試験を行い,その継手引張強度1)は,厚さ10 mm未満は3.92 MN/m以上,厚さ10 

mm以上16 mm未満は5.88 MN/m以上とする。 

注1) 鋼矢板の継手引張試験の経過中,試験片が耐えた最大荷重を幅1 m当たりに換算した値。 

形状,寸法の許容差及び単位質量 

形状,寸法の許容差及び単位質量は,次による。 

a) 鋼矢板の断面形状は,U形,直線形,Z形,H形,及びハット形とし,各部の呼び名は,図1による。 

b) 鋼矢板の継手は,打込みの際,十分にかみ合い,引き抜く際には容易に離脱できる形状とし,できる

だけ水密性が得られる構造になるものでなければならない。 

c) 鋼矢板の形状及び寸法の許容差は,表4による。 

d) 単位質量は,受渡当事者間の協定による。 

e) 注文者の指定によって,鋼矢板を施工時につ(吊)るための,穴あけ又は付属品取付けを行ってもよ

い。この場合の,検査,表示などは受渡当事者間の協定による。 

外観 

鋼矢板は,使用上有害な欠点があってはならない。ただし,使用上有害な欠点は,JIS G 3192の箇条9

(外観)によって除去又は補修してもよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

a) U形 

b) 直線形 

  

c) Z形 

d) H形 

   

e) ハット形 

図1−断面の各部の名称 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表4−形状及び寸法の許容差 

項目 

断面形状 

直線形 

U形 

ハット形 

Z形 

H形 

幅 

±4 mm 

+10 mm 

−5 mm 

+8 mm 
−4 mm 

±4 mm 

高さ 

− 

±4 % 

±5 mm 

±1.0 % 

厚さ 

10 mm未満 

+1.5 mm 
−0.7 mm 

±1.0 mm 

10 mm以上 
16 mm未満 

+1.5 mm 
−0.7 mm 

±1.2 mm 

16 mm以上 

− 

±1.5 mm 

長さ 

+規定せず 

曲がりa) 

長さ10 m以
下 

全長(m)×0.15 %以下 全長(m)×0.12 %以下 

全長(m)×0.15 %以下 

長さ10 mを
超えるもの 

[(全長−10 m)×
0.10 %+15 mm]以下 

[(全長−10 m)×0.10 %+12 
mm]以下 

[(全長−10 m)×0.10 %+15 
mm]以下 

反りa) 

長さ10 m以
下 

全長(m)×0.20 %以下 全長(m)×0.25 %以下 

全長(m)×0.15 %以下 

長さ10 mを
超えるもの 

[(全長−10 m)×
0.10 %+20 mm]以下 

[(全長−10 m)×0.20 %+25 
mm]以下 

[(全長−10 m)×0.15 %+15 
mm]以下 

断面の直角切断差 

幅の4 %以下 

高さ及び幅の4 %以下 

幅,高さ及び厚さの許容差の適用箇所は,図1による。ただし,幅の許容差は,直線形,U形及びハット形の場

合は全幅,Z形の場合は全片幅,H形の場合は本体の幅に適用する。また,高さの許容差は,U形の場合は全高さ,
H形の場合は本体の高さに適用する。 
注a) 曲がりは,矢板壁に対して平行方向,反りは,矢板壁に対して直角方向とする。 

試験 

8.1 

分析試験 

分析試験は,次による。 

a) 化学成分は,溶鋼分析によって求め,分析試験の一般事項及び分析試料の採り方は,JIS G 0404の箇

条8(化学成分)による。 

b) 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。 

8.2 

機械試験 

8.2.1 

試験一般 

機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,供

試材の採り方は,JIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とし,試験片の数及び採取位置

並びに採取方向は,次による。 

a) 引張試験片の数 引張試験片の数は,同一溶鋼,同一断面形状及び同一断面寸法ごとのものを一括し

て一組とし,引張試験片を1個採取する。ただし,一組の質量が,50 tを超える場合は2個採取する。 

b) 引張試験片の採取位置及び採取方向 引張試験片は,図2に示す位置から圧延方向に平行に採取する。

図2によることができない場合は,これに近い位置とする。 

8.2.2 

試験片 

引張試験片は,JIS Z 2241の1A号又は14B号とする。 

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8.2.3 

試験方法 

引張試験の方法は,JIS Z 2241による。 

図2−引張試験片の採取位置 

8.3 

直線形鋼矢板の継手引張試験 

直線形鋼矢板の継手引張試験は,次による。 

a) 継手引張試験片は,同一溶鋼,同一断面寸法ごとに圧延方向と直角に一組2個採取する。この場合,1

個の試験片の寸法は,幅約100 mm,長さ約300 mmとし,鋼矢板の両側の継手を代表するように,そ

れぞれ片側に継手をもつ試験片一組を採取する。 

b) 継手引張試験の方法は,JIS Z 2241によって継手離脱強度(継手が離脱する前に試験片が破断したと

きはその破断強度)を測定する。この場合,試験片は,図3に示すとおり継手をかみ合わせ,引張軸

と試験片の軸とが平行になるようにセットし,つかみ間隔は400 mm以上とする。 

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図3−試験片のセット状態 

検査 

検査は,次による。 

a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。 

b) 化学成分は,箇条4に適合しなければならない。 

c) 機械的性質は,箇条5に適合しなければならない。 

d) 形状及び寸法は,箇条6に適合しなければならない。 

e) 外観は,箇条7に適合しなければならない。 

10 再検査 

引張試験又は継手引張試験で合格にならなかった鋼矢板は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって再試験

を行い,合否を決定してもよい。 

11 表示 

検査に合格した鋼矢板は,打込み開始時まで容易に消えない適切な方法で,鋼矢板ごとに次の項目を表

示しなければならない。ただし,注文者の承認を得た場合は,その一部を省略してもよい。 

a) 種類の記号 

b) 溶鋼番号又は検査番号 

c) 形状及び寸法(又は断面性能)を表す略号(受渡当事者間で合意された略号) 

d) 長さ(メートルで表す。) 

e) 製造業者名又はその略号 

12 報告 

報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によるものとし,製造業者は,JIS G 0415の検査証明書3.1.Bを

注文者へ提出しなければならない。注文者がこれ以外の検査文書を要求する場合には,注文時に,製造業

者に要求しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,表2以外の化学成分を添加した場合は,その合金元素の含有率を報告しなければならない。