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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 1520-1988 

建具の遮音試験方法 

Method for Field Measurements of Sound 

Insulation of Windows and Doors 

1. 適用範囲 この規格は,建築物の外周壁に取り付けられた建具(1)の遮音性能を表す音響透過損失相当

値(2)を測定する方法について規定する。 

注(1) この規格でいう建具とは,外周壁に設けられたサッシ及びドア(材料,構造,開閉方法などの

区別は問わない。)をいい,原則として単窓(ドアなども含む。)及び枠一体型の連段窓を対象

とする。 

なお,同種類の建具から成る連段窓については,その中の一窓を測定の対象とする。 

(2) 音響透過損失相当値とは,本規格の式(1),式(4),又は式(5)によって規定される量(単位はデシ

ベル,単位記号はdB)で,一般的な寸法・形状・性能をもつ窓などの建具については,JIS A 1416

(実験室における音響透過損失測定方法)に規定する音響透過損失に数値的にほぼ一致する。 

引用規格: 

JIS A 1416 実験室における音響透過損失測定方法 

JIS C 1502 普通騒音計 

JIS C 1505 精密騒音計 

JIS C 1512 騒音レベル,振動レベル記録用レベルレコーダ 
JIS C 1513 オクターブ及び31オクターブバンド分析器 

2. 測定方法の種類 

2.1 

外部音源法 測定対象建具に対して外部から試験音を入射させ,建具の外部及び内部における音圧

レベルを測定することによって,測定対象建具の音響透過損失相当値を求める。 

備考 測定対象建具の外部に,試験音の入射を妨げるような反射物が測定対象建具に接近してある場

合には,この方法によることはできない。 

2.2 

内部音源法 測定対象建具に対して室内側から試験音を入射させ,室内部及び建具の外部における

音圧レベルを測定することによって,測定対象建具の音響透過損失相当値を求める。 

備考 室内での音の拡散性が低く,均一な音圧レベル分布が得られない場合,及び室の縦・横・高さ

の寸法が著しく異なる場合には,この方法によることはできない。 

3. 外部音源法による測定方法 

3.1 

測定装置の構成 測定装置は,音源装置及び受音装置から構成され,図1に示すように組み合わせ

て使用する。 

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図1 外部音源法の測定装置の構成 

3.1.1 

音源装置 音源装置(3)は,帯域雑音発生器,電力増幅器及び音源スピーカから成り,それぞれ次に

よる。 

(1) 帯域雑音発生器 3.3.1に規定する周波数を中心とするオクターブ帯域雑音を発生する装置で,雑音発

生器(4)及びJIS C 1513(オクターブ及び31オクターブバンド分析器)に規定するI形又はII形の減衰特

性をもつオクターブバンドフィルタを組み合わせて使用する。これらの装置による帯域雑音信号を録

音した磁気テープ及びその再生装置を用いてもよい。 

(2) 電力増幅器及び音源スピーカ(5) 測定対象周波数範囲内で十分な出力と良好な周波数特性をもち,長

時間にわたる安定性が高いものを使用する。 

注(3) 音源装置の出力音圧レベルは,音源スピーカの正面1mの点で90dB以上となることが望ましい。 

(4) 測定対象周波数範囲内で一様なスペクトルをもち,長時間にわたる安定性が高いものを使用す

る。 

(5) 音源スピーカとしては,正面方向に対して±45°の範囲内でほぼ無指向性とみなせるものを使

用する。 

3.1.2 

受音装置 受音装置は,騒音計及びオクターブバンド分析器から成り,それぞれ次による。 

(1) 騒音計 JIS C 1502(普通騒音計),JIS C 1505(精密騒音計)に規定する騒音計又はこれらと同等以

上の性能をもつ音圧レベル測定器を使用する。 

(2) オクターブバンド分析器 JIS C 1513に規定するI形又はII形の減衰特性及び指示機構を備えたオク

ターブバンド分析器を使用する。 

備考 音圧レベルの記録にレベルレコーダを使用する場合には,JIS C 1512(騒音レベル,振動レベ

ル記録用レベルレコーダ)に規定するレベルレコーダ又はそれと同等以上の性能をもつ記録器

を使用する。 

3.2 

測定条件 測定は,建具が建物の外周壁に取り付けられ,その周辺が完全に施工されて室が完成し

た状態において行う。 

なお,外周壁に換気口,通風口,排水口など建具以外の開口部がある場合には,それらの部分からの透

過音の影響を避けるために,音響透過損失の大きな材料でふさぐ必要がある。 

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3.3 

測定方法 

3.3.1 

測定周波数 測定を行うオクターブバンドの中心周波数は,原則として次の6周波数とする。 

125,250,500,1 000,2 000,4 000 (Hz) 

3.3.2 

音源スピーカの設置 次の要領で,建物の外部に音源スピーカを設置する。 

(1) 測定対象建具が取り付けられている壁面以外の部分から室内への透過音の影響ができるだけ少ない位

置を選ぶ。 

(2) 測定対象建具の中心における法線に対してほぼ斜め45°の方向で,測定対象建具の最大辺長の2倍以

上離れた位置に,音源スピーカを測定対象建具の中心の方向に向けて設置する。ただし,外部測定点

として3.3.4(1)(1.1)に定める1 000mm点を選ぶ場合には,5m以上離れた位置とする。 

(3) 地面などの反射面がある場合には,音源スピーカを反射面上に設置する。 

3.3.3 

試験音の発生 音源スピーカから,3.3.1に定める周波数を中心周波数とするオクターブ帯域雑音

(6)を発生させる。 

注(6) 受音点における暗騒音の影響の有無を調べるために,断続音を用いることが望ましい。音源を

入れたときと切ったときとの音圧レベルの差が,少なくとも6dB以上になるように音源装置の

出力を調節する。ただし,測定中に音源の出力をみだりに変更してはならない。 

また,各測定周波数帯域ごとに,外部及び内部の音圧レベルの測定中,一定の出力であるこ

とを確認する必要がある。 

3.3.4 

測定点の設定 測定対象建具の外部及び内部に,次に示すように音圧レベルの測定点を設定する。 

なお,図2〜7の記号Wは建具の幅を,Hは高さをそれぞれ示す。 

(1) 外部測定点の設定 次に示す(1.1)又は(1.2)のいずれかによる。 

(1.1) 1 000mm点 図2に示すように,測定対象建具から1 000mm離れた面内に4点(7)の測定点を設定す

る。マイクロホンは,建具面に垂直で建具と反対の方向に向ける。 

注(7) 測定対象建具の見付面積2m2程度以下の場合には,一つの対角線上の2点に減じてもよい。 

(1.2) 10mm点 図3に示すように,測定対象建具のガラスなどの表面から10mm以内の位置に4点(7)の

測定点を設定する。ただし,方立,横桟などの突出部から100mm以上離すものとする。マイクロ

ホンは,建具面に垂直で建具の方向に向ける。 

図2 外部1 000mm測定点の位置 

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図3 外部10mm測定点の位置 

(2) 内部測定点の設定 図4に示すように,測定対象建具から250mm離れた面内に4点(8)の測定点を設

定する。マイクロホンは,建具面に垂直で建具の方向に向ける。 

注(8) 一枚障子から成る建具などで,それを通しての音の透過が均一な場合には,一つの対角線上の2

点に減じてもよい。 

図4 内部測定点の位置 

3.3.5 

音圧レベルの測定 3.3.4によって設定した各測定点において,オクターブバンドごとの音圧レベ

ルを測定する(9)。 

注(9) それぞれの測定点において,音源を入れたときと,切ったときとの音圧レベルの差が6dB以上

になっていることを確かめ,音圧レベルを1dB単位で読み取る。 

3.4 

建具の音響透過損失相当値の算出 3.3.4(1)に定めた外部測定点の設定方法ごとに,次の式(1)又は式

(4)によって測定対象建具のオクターブバンドごとの音響透過損失相当値を算出する。 

(1) 1 000mm点の外部測定点による場合 

in

out

q

L

L

TL

=

000

1,

 ····································································· (1)  

ここに, 

TLq    : 建具の音響透過損失相当値 (dB) 

000

1,

out

L

: 外部測定点における音圧レベルの平均値(10) (dB) 

in

L   

: 

内部測定点における音圧レベルの平均値(10) (dB)  

注(10) 音圧レベルの平均値は(2)によって小数1位まで計算し,四捨五入して求める。 

(2) 外部測定点及び内部測定点における音圧レベルの平均値の計算は,式(2)による。ただし,音圧レベル

の最大値と最小値との差が5dB以下の場合には,式(3)によってもよい。 

なお,音圧レベルの最大値と最小値との差が10dBを超える場合には,測定結果は参考値とし,そ

の旨を付記する。 

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=

=

n

i

Li

n

L

1

10

/

10

10

1

log

10

 ····························································· (2)  

=

=

n

i

iL

n

L

1

1

 ·············································································· (3)  

ここに, L: 音圧レベルの平均値 (dB) 
 

Li: i番目の測定点における音圧レベル (dB) 

n: 測定点の数 

(3) 10mm点の外部測定点による場合 

3

10

,

=

in

out

q

L

L

TL

 ··································································· (4)  

ここに, 

TLq  : 建具の音響透過損失相当値 (dB) 

10

,

out

L

: 外部測定点における音圧レベルの平均値(10) (dB) 

in

L  

: 

内部測定点における音圧レベルの平均値(10) (dB) 

4. 内部音源法による測定方法 

4.1 

測定装置の構成 測定装置は音源装置及び受音装置から構成され,図5に示すように組み合わせて

使用する。 

4.1.1 

音源装置 3.1.1による。 

4.1.2 

受音装置 3.1.2による。 

図5 内部音源法の測定装置の構成 

4.2 

測定条件 3.2による。 

なお,吸音性の高い家具などは,室外に出すことが望ましい。 

4.3 

測定方法 

4.3.1 

測定周波数 3.3.1による。 

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4.3.2 

音源スピーカの設置 室内における音圧レベルの分布ができるだけ均一になるように,音源の設置

位置は室内の壁及び床でつくられる四隅のうち,測定対象建具が取り付けられている外周壁側の隅を除く

いずれかの入隅に選び,音源スピーカの放射面が隅の方に向くように置く。 

4.3.3 

試験音の発生 3.3.3による。 

4.3.4 測定点の設定 室内部及び測定対象建具の外部に,次に示すように音圧レベルの測定点を設定する。 

(1) 内部測定点の設定 図6に示すように,測定対象建具の面からの水平距離が0.5〜2mの範囲で,壁面,

床面及び天井面から0.5m以上離れた範囲の空間内に,互いに0.5m以上離れ,一様に分布させた5点

(11)の測定点を設定する。マイクロホンの向きは,原則として上向きとする。 

注(11) 室内で音の拡散性が高く,均一な音圧レベルの分布が得られる場合には,3点に減じてもよい。 

図6 内部測定点の位置 

(2) 外部測定点の設定 図7に示すように,測定対象建具から250mm離れた面内に4点(8)の外部測定点

を設定する。マイクロホンは,建具面に垂直で建具の方向に向ける。 

図7 外部測定点の位置 

4.3.5 

音圧レベルの測定 4.3.4によって設定した各測定点において,オクターブバンドごとの音圧レベ

ルを測定する(9)。 

4.4 建具の音響透過損失相当値の算出 内部測定点及び外部測定点における音圧レベルの測定結果から,

式(5)によって測定対象建具の音響透過損失相当値を算出する。 

3

=

out

in

q

L

L

TL

 ······································································ (5)  

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ここに, 

TLq: 建具の音響透過損失相当値 (dB) 

in

L: 内部測定点における音圧レベルの平均値(10) (dB) 

out

L: 外部測定点における音圧レベルの平均値(10) (dB) 

5. 測定結果の表示及び付記事項 

5.1 

測定結果の表示 音響透過損失相当値の測定結果は,図及び表で示す。図は,横軸にオクターブ幅

が15mmになるように中心周波数をとり,縦軸には音響透過損失相当値を10dBが20mmになるようにと

る(付表1及び付表2参照)。 

5.2 

付記事項 測定結果には,次の事項を付記する。 

(1) 測定場所(所在地,建物名称,周辺の状況など) 

(2) 測定対象建具(名称,形式,製造者名,使用ガラス厚,姿図,断面詳細図など) 

(3) 測定条件(測定対象建具を含む外周壁の立面図又は展開図,測定を行った室の平面図,断面図,音源

及び受音点の位置など) 

(4) 測定方法(外部音源法,内部音源法の区別,使用した測定器の名称,型式,製造者名など) 

(5) 測定年月日 

(6) 測定者名 

(7) その他(暗騒音のレベル,室内の仕上げ,家具調度,測定対象建具以外の開口部の状態など,測定に

影響を及ぼすと思われる事項) 

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付表1 建具の遮音性能の外部音源法による測定結果 

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付表2 建具の遮音性能の内部音源法による測定結果 

10 

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原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

安 岡 正 人 

東京大学工学部 

木 村   翔 

日本大学理工学部 

橘   秀 樹 

東京大学生産技術研究所 

子 安   勝 

音響工学研究所 

松 井   司 

通商産業省生活産業局 

卯 木   稔 

工業技術院標準部 

中 田   享 

建設省住宅局 

田 中   洪 

建設省建築研究所 

杉 本 康 治 

防衛施設庁 

坂 本 憲 一 

防衛施設庁 

秀 島 昭 宣 

住宅・都市整備公団住宅都市研究試験所 

朝 生 周 二 

財団法人建材試験センター 

波 間 一 男 

東京都住宅局 

奥   利 江 

主婦連合会 

古宇田   潔 

鹿島建設株式会社技術研究所 

久保田 喜八郎 

清水建設株式会社研究所 

大 川 平一郎 

大成建設株式会社技術研究所 

篠 原 文 成 

大成建設株式会社技術研究所 

清 水 精 之 

三協アルミニウム工業株式会社 

岩 坂 孝 泰 

三協アルミニウム工業株式会社 

田 中 義 朗 

日鐵カーテンオール株式会社 

吉 野 謙 二 

日鐵カーテンオール株式会社 

(幹事) 

高 橋 利 博 

吉田工業株式会社 

(幹事) 

谷   芳 郎 

吉田工業株式会社 

五十嵐 俊 一 

昭和鋼機株式会社 

石 田 勝 敏 

豊和工業株式会社 

八 木 桂 一 

不二サッシ株式会社 

浜 口 七二郎 

社団法人日本サッシ協会 

(事務局) 

新 野 武 雄 

社団法人日本サッシ協会 

上 住 精 一 

社団法人日本サッシ協会