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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 1437-1992 

建築用内装ボード類の耐湿性試験方法 

Test methods for moisture resistance of boards for  

interior system of building 

1. 適用範囲 この規格は,建築用内装ボード類(1)の温度・湿度(2)が一定又は比較的高温度で温度・湿度

が変動する環境下における耐湿性(3)を評価する試験方法について規定する。 

注(1) 建築用内装ボード類とは,JIS A 0201 3. (2) 2004ボードのうち,天井,床,壁及び間仕切に用い

られるものをいう。 

(2) 湿度とは,相対湿度 (RH) をいう。 

(3) 耐湿性とは,大気中における吸湿又は吸湿・放湿の繰返しに伴うボード類の物理的な性能変化

に対する抵抗性をいう。 

備考1. この規格は,試験方法を規定するものであって,適用する試験の種類,試験の繰返し数その

他,この規格で規定していない条件などについては,材料規格,製品規格などの指定による。

ただし,指定のないものについては,受渡当事者間の協定による。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS A 0201 建築用内外装材料用語 

JIS A 1129 モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法 

JIS A 1408 建築用ボード類の曲げ試験方法 

JIS Z 9001 抜取検査通則 

2. 試験の種類 試験の種類は,試験片に対する温度及び湿度の条件並びに評価項目によって表1のよう

に区分する。 

表1 試験の種類 

試験の種類 

繰返しの有無 

温度及び湿度条件 

評価項目 

耐湿性A法 

有り 

比較的高温度でかつ温度及び

湿度の変動が大きい 

外観観察 

厚さ変化 

質量変化 

長さ変化(4) 

曲げ破壊荷重及びたわみ 

反り 

耐湿性B法 

無し 

高湿度でかつ温度及び湿度が

一定 

注(4) 長さ変化の測定は,必要に応じて実施する。 

3. 試験方法 

3.1 

試験装置 

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A 1437-1992  

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3.1.1 

耐湿性A法試験装置 装置は,低温・低湿及び高温・高湿の条件間を所定の期間内で移行でき,

かつ一定期間,その温度・湿度を保持できる自動制御装置をもち,連続運転が可能であり,装置内に空気

かくはん機をもつものとする。試験装置の構成の一例を図1に示す。 

図1 耐湿性B法試験装置の構成(例) 

3.1.2 

耐湿性B法試験装置 装置は,高湿度でかつ温度及び湿度が一定の条件で連続運転が可能で,装

置内に空気かくはん機をもつものとする。 

3.2 

試料及び試験片 

3.2.1 

試料 気乾状態(5)又は所定の出荷時の含水率に調整されたものを,JIS Z 9001に規定された各ロッ

トからランダムに3枚採取する。 

注(5) 気乾状態とは,試料の製造後,通風の良い室内で7日間以上保存した状態をいう。 

3.2.2 

試験片の採取方法 3.2.1に規定する各1枚の試料のほぼ中央から,曲げ破壊荷重及びたわみ試験

片にあっては各2個,その他の試験片にあっては各1個を表2に示す大きさに切り取る。 

3.2.3 

試験片の調整 試験片は,温度20±2℃,湿度 (60±5) %で7日間養生する。 

なお,曲げ破壊荷重及びたわみを評価する試験片については,6個のうち3個を試験し他の3個は比較

用とする。 

表2 試験片 

評価項目 

試験片の大きさ mm 

試験片の数量 

個 

長手方向(6) 

幅方向 

外観観察,厚さ変化 

質量変化,長さ変化 

100 

400 

曲げ破壊荷重及びたわみ 

300 

250 

6(7) 

反り 

200 

200 

注(6) 長手方向とは,ボードの抄造方向又はボードの製造ラインの方

向をいう。 

(7) 6個のうち3個は比較用の試験片とする。 

3.3 

耐湿性A法 3.2.3の養生を終了した後,2.に示す評価項目について,3.5に規定する方法で測定を行

う。 

次に,3.1.1に示す試験装置内に通風が確保できるような状態でこば立てて置く。その後,試験装置内を

6時間未満で温度20±2℃,湿度 (30±5) %となるように調整し,その温度及び湿度で6時間以上保持し,

合計の所要時間を12時間となるようにする(常温・低湿工程)。 

さらに,試験装置内を4時間未満で温度60±2℃,湿度 (90±5) %となるように調整し,その温度及び湿

度で8時間以上保持し,合計の所要時間を12時間となるようにする(高温・高湿工程)。 

以上の常温・低湿工程及び高温・高湿工程を自動的に制御し,両工程を合わせ24時間を1サイクルとし,

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所定の回数を連続して繰り返す。耐湿性A法の温度・湿度条件の1サイクルの一例を図2に示す。 

所定の回数を繰り返した試験片は,更に,温度20±2℃,湿度 (60±5) %で7日間静置した後,3.5の測

定を行う。 

なお,所定の回数に達する以前にやむをえず試験を中断する場合には,高温・高湿工程から常温・低湿

工程に移行するときの常温付近で試験片を装置内から取り出し,試験片の質量が変化しないような適当な

方法で試験片1個ごとに素早く密封した後,温度20±2℃,湿度 (60±5) %で保存する。 

試験を再開する場合は,試験装置内をあらかじめ中断時の温度及び湿度に設定した後,所定の温度及び

湿度条件を継続する。このときの温度及び湿度条件の繰返し回数は中断前の繰返し回数と合算する。 

図2 耐湿性B法の温度及び湿度条件(1サイクル)(例) 

3.4 

耐湿性B法 3.2.3の養生を終了した後,2.に示す評価項目について,3.5に規定する方法で測定を行

う。 

次に,3.1.2に示す試験装置内に通風が確保できるような状態でこば立てて置き,温度40±2℃,湿度 (90

±5) %で7日間静置した後,直ちに,2.に示す評価項目について,3.5に示す測定方法で測定する。 

3.5 

測定方法 

3.5.1 

外観観察 試験片の外観は,下記の項目について目視によって観察する。欠点の発生した試験片は,

必要に応じて写真撮影を行う。 

(1) き裂,はく離,欠けなどの有無 

(2) けば立ち,凹凸などの有無 

(3) かび,腐朽などの有無 

3.5.2 

厚さ変化 厚さは,図3に示す試験片の各周辺から20mm以上内側の四つの位置を201mm以上の精

度をもつ測定器(8)を用いて測定し,その四つの測定値の平均を求め,これを試験片1個の厚さとする。た

だし,表面にはく離,けば立ち,欠けなどがある場合には,この部分を避けて,その近傍で測定する。 

注(8) 測定器のボードに接する部分は,直径約6mm以上の円とする。 

3.5.3 

質量変化 質量は,図3に示す試験片を0.05g以上の精度をもつはかりを用いて測定する。 

3.5.4 

長さ変化 長さ変化は,図3に示す試験片を用い,所定の位置にあらかじめエポキシ樹脂系接着剤

などで張り付け,JIS A 1129に示すコンパレーター方法又はゲージプラグ方法によって測定する。 

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3.5.5 

曲げ破壊荷重及びたわみ 曲げ破壊荷重及びそのときのスパン中央のたわみ量は,JIS A 1408によ

って測定する。 

3.5.6 

反り 反りは,図4に示す試験片の対角線の中央の反りによる最大変位を1001mm以上の精度をもつ

測定器を用いて測定し,その絶対値を反り量とする。 

反り測定器具は,R2.5mmの支点をもち,その支点間距離が200mmで,総質量が300〜350gの範囲のも

のとする。反り測定器具の一例を図5に示す。 

図3 厚さ,質量及び長さ変化測定用試験片 

図4 反り試験片 

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図5 反り測定器具(例) 

4. 結果の計算 3.5.2〜3.5.5の変化率は,各測定値から式(1)及び式(2)で,また,3.5.6の反り量は式(3)に

よって算出する。 

n

V

M

n

n

p

=

=

=

3

1

 ············································································· (1) 

100

×

=

i

i

v

V

V

V

V

 ········································································ (2) 

D=Vv−Vi ················································································ (3) 

ここに, 

Mp: 各評価項目の変化率 (%)  

V: 試験片1個における各評価項目の測定値の変化率 (%)。ただし,

厚さ変化,質量変化及び長さ変化にあっては小数点以下第2位
まで,曲げ破壊荷重及びたわみにあっては小数点以下第1位ま
で求める。 

D: 反り量 (mm) 

Vi: 試験片1個における,耐湿性(A法又はB法)開始前の各評価

項目の測定値 

Vv: 試験片1個における,各評価項目の測定値 

n: 試験片の数量。ただし,n=3 

5. 報告 報告は,次の事項のうち必要なものを記載する。 

(1) 試料名称,種類,寸法及び厚さ 

(2) 試験の種類(耐湿性A法又は耐湿性B法) 

耐湿性A法の場合,繰返し回数及び試験の中断の有無 

(3) 試験前後の含水率 

(4) 外観観察 

(5) 厚さ変化及びその変化率 

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(6) 質量変化及びその変化率 

(7) 長さ変化及びその変化率 

(8) 曲げ破壊荷重及びたわみ並びにその変化率 

(9) 反り量(最大変位量) 

JIS A 1437原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

重 倉 祐 光 

東京理科大学 

(幹事) 

菊 池 雅 史 

明治大学 

中 澤 守 正 

建設省住宅局 

楡 木   尭 

建設省建築研究所 

長 田 直 俊 

通商産業省生活産業局 

池 田   要 

工業技術院標準部 

塩 原 壮 太 

建設省大臣官房 

黒 木 勝 也 

財団法人日本規格協会 

上 園 正 義 

財団法人建材試験センター 

川 島 繁 三 

住宅・都市整備公団 

丸 一 俊 雄 

清水建設株式会社 

中 川 宗 男 

戸田建設株式会社 

吉 留 一 馬 

社団法人プレハブ建築協会 

中 島 勝 彌 

社団法人日本建築士事務所協会連合会 

飯 地   稔 

社団法人石膏ボード工業会 

原   敬 夫 

日本繊維板工業会 

土 谷 眞 澄 

日本パルプセメント板工業組合 

井 上 忠 泰 

スレート協会 

吉 田 邦 男 

日本乾式防火サイディング協会 

秋 山 信 夫 

ロックウール工業会 

(分科会委員) 

田 中 茂 省 

社団法人石膏ボード工業会 

藤 野 徳 夫 

タバイエスペック株式会社 

宮 田 健 治 

耐火被覆板協会 

町 田   清 

社団法人建材試験センター 

熊 原   進 

社団法人建材試験センター 

(事務局) 

富 田 賢 策 

社団法人建材試験センター