サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 1432-1995 

被覆材付き配管の熱的性能測定方法 

Method of testing to determine the thermal 

properties of insulated heating tubes 

(Hot water circulation procedure) 

1. 適用範囲 この規格は,住宅などの暖房(冷房)又は給湯配管に用いられる,工場で被覆材を取り付

けた小口径管の流水試験方法による熱的性能について規定する。 

備考1. ここでいう熱的性能とは,被覆材付き配管の線熱損失率,線熱通過率,被覆材表面温度など

をいう。 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので参考値で

ある。 

2. 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) 被覆材付き配管 火傷の防止又は断熱を目的とする材料を工場で被覆した管を加工・組み立てたもの

をいい,管にはコイル巻管と直管がある。 

(2) コイル巻管 一般にコイル状に巻いて流通する製品で,人力によって比較的容易に曲げ加工できる性

状の管をいう。 

(3) 直管 一般に直線状で流通する製品で曲がり部・分岐部にはエルボ・チーズなどの継手類を用いる管

をいう。 

(4) 入口温水温度 (θ1) 及び出口温水温度 (θ2) 測定する試料の端部における温水温度であって,流入部

の温度を入口温水温度,流出部の温度を出口温水温度という。 

(5) 線熱損失率 (q) ある温水温度条件における被覆材付き配管の1m当たり,1時間に損失する熱量をい

う。 

(6) 線熱通過率 (k) 入口温水温度と出口温水温度の平均値(以下,平均温水温度という。)と周囲温度と

の差1℃に対する線熱損失率をいう。 

3. 測定装置 

3.1 

測定装置の主な構成は,図1に示すように,恒温水槽,流量測定装置,温度(必要な場合,差温)

測定装置から成る。 

3.2 

恒温水槽は,温水入口温度を±0.2℃以内に維持する性能をもつものとする。 

3.3 

測定機器の精度は,表1のとおりとする。 

background image

A 1432-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 測定装置(例) 

表1 測定機器の精度 

測定温度 

精度 

入口・出口温水温度測定装置 

±0.05℃分解能0.01℃以上 

表面温度及び周囲温度用温度計 

±0.5℃分解能0.1℃以上 

流量測定装置 

±1% 

備考1. 測定機器の精度は,記録された測定値の精度を示す。 

2. 周囲温度とは,試料の周囲の空気温度をいう。 

3.4 

被覆材表面温度の測定は,熱電対を用いて行う。 

熱電対は,線径0.2mm以下,又はシート型のものとする。 

3.5 

試験室は,周囲温度変動が±1℃に維持できるものとする。 

備考 試験室内の環境は,理想的には静止空気であり,恒温装置をもつ試験室の場合にも,気流に十

分注意する。 

4. 試料 

4.1 

試料は,コイル巻管及び直管を対象とし,直管の場合はエルボを用いる。エルボ部は,対応するエ

ルボを用い,同質の被覆材を取り付ける。 

備考1. 直管と同質の被覆材付きコイル巻管がある場合は,コイル巻管で代用することができる。 

2. 直管で専用の被覆材付きエルボがある場合は,これを使用する。 

4.2 

試料は,原則として図2に示す標準形状及び寸法に組み立てて,水平に配置する。 

4.3 

この測定方法は,実際の使用状態の熱的特性を測定するため,特に試料の養生・乾燥などについて

は規定しない。 

background image

A 1432-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2 試料管材の標準形状及び寸法 

5. 測定方法 

5.1 

周囲温度 (θa) は,試料の近傍において同じ高さで4か所以上測定し,その平均値によって表示する。 

5.2 

被覆材表面温度 (θS) は,試料の3か所を測定し,各箇所は上・中・左・右4点,計12点の平均値

で表示する。 

5.3 

平均温水温度 (θn) と周囲温度の差は20℃以上とする。 

5.4 

測定は,温度の定常状態で行う。定常状態の判定は,平均温水温度と被覆材表面温度との差[式(1)]

及び被覆材表面温度と周囲温度との差[式(2)]が次の範囲内の変動に収まったときとする。 

(

)(

)

%

2

s

m

s

m

sm

mm

θ

θ

θ

θ

θ

θ

 ························································· (1) 

(

)(

)

%

2

a

s

a

s

am

sm

θ

θ

θ

θ

θ

θ

 ·························································· (2) 

2

2

θ

θ

m

ここに, 

θmm: 測定時前1時間の平均温水温度の平均値 (℃) 

θsm: 測定時前1時間の被覆材表面温度の平均値 (℃) 

θam: 測定時前1時間の周囲温度の平均値 (℃) 

θm: 平均温水温度 (℃) 

θs: 被覆材表面温度 (℃) 

θa: 周囲温度 (℃) 

θ1: 入口温水温度 (℃) 

θ2: 出口温水温度 (℃) 

A 1432-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

測定は,定常状態が30分以上継続した後,30分間に5回行う。 

5.5 

測定は,1試料に対して平均温水温度の設定を変えて3回行う。 

備考1. 例えば平均温水温度は,原則として約80℃,60℃及び40℃のように設定する。ただし,恒温

水槽は一般に平均温水温度を検出していないので,上記例を目安とする。 

2. 使用最高温度が80℃より低い場合は,その温度を最高温度として平均温水温度を設定する。 

6. 性能の算出 試料の熱的特性は,線熱損失率,線熱通過率を算出する。 

6.1 

線熱損失率 

(

)

L

m

C

q

p

2

θ−

&

ここに, 

q: 線熱損失率 (W/m) {kca1/m・h} 

Cp: 水の定圧比熱 (J/kg・K) {kca1/kg・℃} 

m&: 質量流量 (kg/s) {kg/h} 

L: 試料長さ (m) 

6.2 

線熱通過率 

a

m

q

k

θ

θ−

ここに, k: 線熱通過率 (W/m・℃) {kcal/m・h・℃} 

7. 報告 次の項目について報告する(付表1参照)。 

(1) 被覆材付き配管の種類及び仕様 

(2) 平均温水温度,周囲温度,被覆材表面温度の測定結果 

(3) 線熱損失率及び線熱通過率 

(4) その他(参考値) 

備考 被覆材の熱伝導率が別途測定されているとき,線熱損失率を計算し,参考値として報告する。 

background image

A 1432-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表1 測定報告書(例) 

A 1432-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

新規原案調査作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

田 中 俊 六 

東海大学工学部 

斎 藤 忠 義 

国士館大学工学部 

吉 野   博 

東北大学工学部 

宇田川 光 弘 

工学院大学 

武 田   仁 

東京理科大学理工学部 

卯 木   稔 

工業技術院標準部 

岡   樹 生 

財団法人建材試験センター 

上 園 正 義 

財団法人建材試験センター中央試験所 

井 上 二 郎 

東京ガス株式会社技術研究所 

平 山 昌 宏 

株式会社大林組設備設計部 

高 橋   存 

日本保温保冷工業協会 

古 川 典 保 

関東電気工業株式会社 

佐 藤 雅 直 

三菱金属株式会社桶川製作所 

小 川   忠 

松下電器産業株式会社東京設備機器営業所 

江 夏   弘 

社団法人日本住宅設備システム協会 

鴨志田 隆 英 

日本暖房機器工業会 

山 中 克 彦 

社団法人日本電気工業会 

真 嶋 秀 雄 

社団法人日本銅センター 

印 牧 宗一郎 

社団法人日本冷凍空調工業会